3Dプリンタ技術が中国の弱点を埋め合わせる?

 最近「銃も作れる」とか話題の技術ですが、中国の状況はどうなんでしょうか。

http://military.china.com/important/11132797/20130604/17871308.html


中国のチタン合金3Dプリント技術は世界に先んじている 殲ー15、殲ー31研究開発、その利益を受ける

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「殲ー15戦闘機のいくつかの部品は3Dプリント技術で製作完成されている」)

粉末状の原材料をプリンタに入れ、レーザーの魔力の作用下で欲しいものが手に入る‥‥玩具、模型、文化財の贋作、自動車部品から人体の器官まで。この夢の一幕は全世界を風靡し、イギリスの「経済学人」によって「第三次産業革命を推進することになる」と考えられている3Dプリント技術である。

人々は普遍的に、アメリカがこの産業革命をリードしていると考えている。だが最近、中国から明るみに出たいくつかの情報は、世の人をびっくり仰天させている。

これらの情報を総合すると、1つの事実が証明される。中国はすでに現在世界で唯一、レーザー成形チタン合金の、大型主承力部品(頑住吉注:主たる、力を受け入れる部品、ということでしょう)の製造技術を掌握し、しかも実際に応用している国である。

チタン合金3Dプリント技術に頼り、中国は航空材料領域において、初めて世界先進レベルに到達した。

中国先端実戦機大ブレイクの一大功労者

最近、中国の北京国際科学技術産業博覧会で、中航工業と北京航空宇宙大学は合同で、2012年度「国家技術発明賞一等賞」を獲得した、飛行機のチタン合金大型一体重要部品レーザー成形技術、およびそれによって生産された5平方mのチタン合金強化フレームを展示した。

外国メディアの報道によれば、3Dプリント技術は中国が研究開発中の初の空母艦載機殲ー15、多用途戦闘機殲ー16、第5世代重戦闘機殲ー20、第5世代中型戦闘機殲ー31、および商業用民間大型機C919に広く用いられている。

中央テレビニュースチャンネルの報道によれば、殲ー15の総設計師孫聡は両会の期間に、チタン合金とM100鋼の3Dプリント技術は、すでに広範に殲ー15の主承力部品に用いられており、これには前部発着架全体が含まれる、と明らかにした(頑住吉注:殲-31が艦載機になるかもしれない、という説の根拠が前輪がダブルタイヤだからだったように、非常に負担のかかる部分らしいですね)。

西北工業大学材料学院教授黄衛東のチームは、かつて長さ3mのチタン合金部品を作り出し、C919の主翼の重要部品とした。彼が明らかにするところによれば、中国は伝統的で複雑な製造技術に取って代わることができる3Dプリント技術を開発しており、すでに20年近くになる。

実は、我が国はすでにレーザーを利用して12平方mを超える複雑なチタン合金部品を成形する技術と能力を持っている。

3Dプリント技術の応用は、非常に大きく国産先端実戦機の研究開発進度を加速した。レーザーチタン合金成形の製造コストが低い、速度が速いという特徴に頼り、沈陽飛行機工業集団は1年以内に連続して殲ー15、殲ー16、殲ー31など多機種の戦闘機を組み立て、かつ試験飛行を行った。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「中国国産航空エンジンはずっと弱点である」です。)

最大のメリットは戦闘機の性能に非常に大きな向上を獲得させること

重量が軽く、強度が高く、高温に耐えるチタン合金は軍用機のカギとなる重要材料である。しかし、チタン合金の非常に高い価格と特殊な材料属性は、伝統的鍛造技術を使用して作り出す部品が、最大でも寸法が4.5平方mを超えないという結果をもたらした。

沈陽飛行機設計研究所の副総設計師である王向明の説明によれば、チタン合金は1トン40〜50万人民元になるが、伝統的技術での材料利用率は10%に達せず、アメリカのF-22戦闘機の鋳造チタン合金主承力部品だとすると、95%の原料が工作廃材として切り捨てられる。「またチタン合金には非常に粘りがあり、加工時間は長く、しかも費用がかかる。」

だがレーザーチタン合金成形技術はこの難題を完全に解決した。「1トンのチタン合金の複雑な部品を加工するには、伝統技術のコストはおよそ2,500万人民元になるが、一方レーザー3D快速成形技術を用いればたった130万人民元前後である。」 加えて製造に専用の型が必要なく、本来材料コストの2〜3倍に相当した加工費用が、現在では元々の10%しか必要とされない。

時間とコストが省かれる他、より重要なのは3Dプリントによって構造が複雑で特殊なチタン合金部品が一体成形でき、1つ1つ鍛造してさらに溶接して一体化する必要がなく、非常に大きく機体の強度が高められたことである。

特に「力を与えた」のは、専門家の見積もりによればF-22のチタン合金鍛造部品にもし中国の3Dプリント技術を使用して製造すれば、強度が同じという状況下で重量が最多で40%軽減できることである。このことは非常に大きく戦闘機の推力:重量比を向上させ、戦闘機の性能に非常に大きな向上を獲得させることになる。

このため理論上は、中国の現有の渦扇エンジンを、もし3Dプリント技術を広範に応用した殲ー20など第5世代戦闘機に使用したら、F-22との推力:重量比の隔たりがあまり大きくなることはない。こうなれば、我が国の相対的に立ち後れたエンジン技術は過度に「足手まとい」になることはなくなるのである。(屠晨マ)

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは「3Dプリントはすなわち快速成形技術の1種で、デジタルモデルファイルを基礎に、粉末状の金属あるいはプラスチックなど粘合できる材料を使い、層ごとにプリントする方式で物体を構成する技術である。」です。ちなみに本来はこれ以後は全く別の記事です)

3Dプリントはあるいは未来の戦場の模様を変えるか

中国の声「新聞晩高峰」の報道によれば、アメリカのある会社は最近3Dプリント技術を利用して、成功裏にAR-15半自動小銃のマガジンとその他の部品を作り出した。近頃この会社はさらに、初の「解放者」という名の3Dプリント拳銃の試射に成功した、と言明した。

かくのごとき「SF的」な3Dプリント技術は、世の人に非常に大きな空想の余地を与えずにはおかない。これは未来の戦場をどんな模様に変えることになるのか?

「3Dプリント技術があれば、武器の部品の構造と材質さえ知っていれば、どんなに複雑でも常に作り出すことができる。しかもコストも非常に低く、製造設備は異常に容易なものに変わる。」

軍事科学院の研究員杜文竜大佐は次のように考える。これは明らかに武器の価格を下降させ、生産速度を非常に大きく加速することになる。特に先端武器を「白菜化」し(頑住吉注:ありふれたものにする、というような意味でしょうか)、いくつかの本来は大国、強国が独占していた武器の生産能力を小国、発展途上国、あるいは何らかの集団の手にまで拡散させることになる。当然、これはテロ分子にとっては明らかに良い情報である。

未来の情報化された戦場では、損傷を受けた武器の維持修繕は非常に気軽なものに変わる。技術保障人員は随時携帯する3Dプリンターを始動させ、直接必要な部品を1つ1つ「プリント」し、組み込み、武器を新たに戦場に投入させることができる。この種の武器を「クローン」する「移動兵器工場」があれば、戦時に素早く作戦による消耗を補充できるのである。

アメリカ軍の中の一部の想像力が豊富な専門家は、すでに3Dプリントを利用して兵士の負担を軽減する研究をしている。今年1月7日アメリカ軍の快速反応部隊は移動遠征実験室を戦闘区域に配備した。この実験室はトラックあるいはヘリによって輸送できる。実験室内の3Dプリンタにより、アルミ、プラスチック、スチール材で素早く必要な部品を加工し、兵士のために現場で工具やその他の設備を作り出すことができる。

手間を省く、力を省くというのは小さな事ではない。「以前は非常に多くの装備が、難度の高い製造ができないために放棄された。だが今はあなたが思い至り、武器の造形を完全に示しさえすれば、もう製造できるのだ。」 杜文竜は、これは武器装備製造業の革命に違いない、と考える。(屠晨マ)

(頑住吉注:記事は続いていますがさらに全く別の記事で、中国の現状とは関係ないので省略します)


 どこまで本当なのかなあという感じなんですが‥‥。

3Dプリントを使って今までネックだったタービンブレードが高品質で作れる、という話かと思ったらそうではなく、機体の重量が軽減できるので出力の低いエンジンでも高性能が発揮できる、ということでした。しかしやはりアメリカよりこの分野の技術がはるかに進んでいるというのはちょっと信じがたいです。兵器への応用に関しては秘密保持されているだけじゃないんでしょうか。それに航空機の軽量化に有効な他の技術である合成材料関係では中国はかなり遅れているはずですし。


















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