05式消音サブマシンガン

 一見普通の30連マガジンのように見えて実は複々列50連マガジンという変わり種のサブマシンガンで、しかも弾薬は5.8mm拳銃弾薬であり、P90に対抗した銃と言えるでしょうか。

http://jczs.news.sina.com.cn/p/2007-03-23/0730436363.html


中国、05式消音サブマシンガンを登場させる 4列50発大容量マガジンを配備

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「国産の05式消音サブマシンガン」)

作者:張磊

(頑住吉注:冒頭に漢詩みたいのがありますが漠然としか意味分かりませんしどうせ本題と関係ないんで省略します。)

軽量 サブマシンガンの使用時は、強大な火力が多用され、携帯に便利で、機動性が良く、射撃が平穏で、片手で構えての射撃ができることが要求される。イスラエルの「ウージー」系列サブマシンガンは短小軽便をもって世に名が聞こえている(頑住吉注:実は非常に重い銃なんですけどね)。05式の設計過程では、軽便性が難関攻略の重点だった。現在銃の全長は700mm未満、重量は2.7kg未満であり、ドイツの著名なMP5SD3消音サブマシンガン(780mm)より短いだけでなく、重量もMP5SD2(3.3kg)やMP5SD3(3.6kg)サブマシンガンよりずっと軽い。サイレンサーを外して小型サブマシンガンとして使用する時は、長さたった500mm、重量2.2kgである。

05式消音サブマシンガンは我が軍が早い時期に装備した79式、85式サブマシンガンの銃全体の重心が比較的前寄りで、両手保持が必須であり、それでやっと射撃の平穏性が保証できるという不足を克服した。この銃は主に5.8mm銃器ファミリーのブルパップ構造を継承し、ボルトがバレルの2/3近い長さを包み、これと共に銃全体の長さが短縮されている。加えてマガジンがグリップ後方に置かれ、銃全体の重心がグリップ付近に移動している。また、サイレンサー、レシーバー、グリップ、ストックなどのユニットにはそれぞれ軽質アルミ合金とプラスチックが採用され、銃全体の重量を軽減している。

静音 一般に射撃時に生み出される騒音には主に2種類がある。1つは火薬ガスが銃身の先端と後端から急速に排出された後、渦状の流れと急激な圧力の飛躍的上昇を形成し、強烈な空気動力的騒音を生じさせる。2つ目は弾丸が銃口を飛び出す時、空気中の飛行が衝撃波、渦状の流れ、摩擦を生み出し、音を発する。

第1種目の銃口騒音を下げるための主要なものは銃口からの火薬ガス噴射時のエネルギーを弱めることである。05式小型サブマシンガンのサイレンサーにはタンデム式消音カップ構造が採用されている。6つの消音カップは連結バーによって順に一列に消音筒内に装備されている。弾丸が1つ消音カップを経るたびに、弾丸後方の火薬ガスは一定の膨張を達成し、火薬ガスの圧力は段階的に下げられる。1、2号消音カップはバレルのマズル部に近いため、バレル内圧力が比較的高く、このため炭素鋼材料が採用され、その他の部分はアルミ合金材料である。

05式消音サブマシンガンは第2種類目の騒音を下げるためにわざわざ消音弾薬を設計した。試験は、弾丸の速度が音速よりも低い時、音の強さは速度につれて増加し、増加の過程は比較的緩慢であることを明らかにしている。だがひとたび弾丸の速度が大気中での音速に近づいた時、騒音の値は顕著に増加し、かつ強烈な音響を発する。05式消音サブマシンガンに専門に配される消音亜音速弾薬のチャンバー圧力、初速はいずれも5.8mm拳銃弾薬よりはるかに低い。この消音サブマシンガンを用いて室外で射撃を行う時、ボルトがバレル後端にぶつかる金属衝突音と紙を破る時に似た音しか聞こえず、にぎやかな市街地あるいは酒場などの場所ではなおさら識別し難い。05式小型サブマシンガンの消音性能は全寿命期間内ずっと保証できる。寿命射撃完成後実際の計測で得られた銃口騒音の上昇は10デシベルに満たない。

05式消音サブマシンガンは弾薬の形が同じ5.8mm拳銃弾薬を用いて射撃ができるが、拳銃弾薬はチャンバー圧力がより大きく、また超音速弾のため、消音効果は消音弾薬の射撃にはるかに及ばない。消音弾薬の射撃時に1発の拳銃弾薬を混ぜると、銃口の爆裂音がはっきりと聞こえる。さらに深刻なのは、拳銃弾薬の長期使用は「消音」効果が達成されないだけでなく、さらに極めて大きくレシーバー、バレルなどの部品の使用寿命に影響することだ。また、この銃が使用する消音筒の使用寿命は銃全体の寿命の半分でしかなく(それぞれの銃に1、2号という2本の消音筒が配備される)、このため部隊での使用時に弾薬の射撃統計を取って、サイレンサーの寿命を超えた使用によってもたらされる消音効果の低下、甚だしきに至っては消音カップが破損して射撃における事故が発生するのを防止するよう提案されている。

正確 サブマシンガンの多くは自由ボルト式あるいは半自由ボルト式自動方式を採用し、ボルトのストロークは銃の全長の制限を受けて比較的短く、このため発射速度が比較的高く、個別の機種を除き(「キャリコ」サブマシンガンは液圧減速器を採用してボルトのロック解除を遅延させ、発射速度を毎分1〜2,000発の間で調整できる)(頑住吉注:そんな話聞いたこともないですしちょっと検索した範囲ではそんなこと書いてあるページは見つからないですね。それに毎分2000発、毎秒33発以上って無茶ですわな。ちなみに発射速度がコントロールできるサブマシンガンとしてはスコーピオンが一番メジャーでしょうか)、理論的発射速度は一般に毎分1,000発にも達し、フルオート射撃時の精度を制御するのが非常に難しい。05式サブマシンガンはボルトがバレルを半ば包む構造を採用し、可動部品の重心が基本的にバレル軸線上に位置し、可能な限り射撃過程の重心の変化がもたらすマズルジャンプが小さくされ、射撃精度が向上している。

05式消音サブマシンガンの専用に開発された消音弾薬のチャンバー圧力は低く、加えてこれと組み合わされるボルトの重量、リコイルスプリングのテンションなどがいずれも比較的小さく(05式消音サブマシンガンのボルトの重量は300g未満)、このため射撃時には基本的に後座力を感じず、片手保持での射撃であっても後座力と手のグリップする力が回転モメントを形成し、マズルジャンプがもたらされることはない。委託ありの条件下でバースト射撃を行う時、射撃前後の照準点には基本的に変化はない。消音サブマシンガンが消音弾薬を射撃する時、100mの射撃距離で機械サイトを採用して20発のバースト射撃を行うと、その70%の散布密集界の指標は18cmx18cmに達し得、95B式ショートアサルトライフル(21cmx21cm)より明らかにに優れている。

サブマシンガンの長さと照準線が短いため(200mm余りしかない)、目標はしばしばフロントサイトによって遮られ、照準に比較的大きな困難をもたらす。だが現代の戦場では機械サイトはすでに唯一の照準具ではなく、特殊な状況下でのみセミオートあるいは短いバースト射撃という正確射撃を行い、より多いのは面目標の制圧射撃であって、機械サイトのサブマシンガンでの作用はすでに相対的に弱まっている。05式消音サブマシンガンに配備される昼間スコープは正確打撃能力を持ち、これまでの国内の制式サブマシンガンにはいずれにも配備されていなかったものである。スコープ上のレーザーポインターは照準をさらに迅速に、手っ取り早くさせる。

05式消音サブマシンガンの消音筒はバレルの延長部分に相当し、火薬燃焼後の有効期間、消音筒の通過する穴とバレル軸線の同軸度が弾丸の飛行に影響するなどの問題が存在するが、設計者は非常に良好にこの問題を解決し、消音筒の取り付けのやり直しの平均着弾点に対する影響は6cm以内に到達し、消音筒を除去して小型サブマシンガンとして使用する時、平均着弾点の偏差が10cmを超えないことが保証できる(頑住吉注:100mででしょうね)。

猛烈 接近戦では火力持続性の優勢は火を見るよりも明らかである。世界の多くの国はサブマシンガンに大容量給弾具を使用することを試み、伝統的なアメリカのトンプソンサブマシンガンが50発あるいは100発のドラムマガジンを装備した他、ベルギーのP90サブマシンガンの横置き式マガジン、アメリカの「キャリコ」サブマシンガンの螺旋筒状マガジンなどの創新はいずれも非常に大きな成功を取得している(頑住吉注:キャリコは成功作とは言えんでしょう)。

イタリアの「スペクター」M4 9mmサブマシンガンはかつて4列の50発マガジンを研究開発したことがあるが、2つの伝統的なダブルカアラムマガジンを並列に連結したものに相当し、決してごく成功したものではなかった。

05式消音サブマシンガンの4列50発大容量マガジンはサブマシンガンの一大創新であり、その構造上の最大のハイライトでもある。原理上、この4列マガジンは伝統的なダブルカアラムマガジンに比べ重大な突破がある。設計中、全く異なる給弾ルート、弾薬の配列順序、マガジンスプリングの形状、テンションなど多くの要素が考慮され、弾薬が上昇過程で4列から2列に変わり、さらに2列から1列に変わってチャンバーに進入することを確保し、にもかかわらず同様に装弾時の弾薬の配列順序も同様に保証されている。装弾数が85式軽量型サブマシンガンに比べ倍近くに増加しているため、05式消音サブマシンガンはフルオート射撃時、確実に「手提げ式機関銃」の感覚がある。加えて構造が簡単で、慣性閉鎖であり、機構の作動の信頼性が比較的高く、排莢のルートが基本的に一致し、回転式ボルトの武器射撃中に出現するジャムなどの故障が起きることはごく少ない。

利点があれば弊害がある。大容量マガジンは装弾数を増加させているのと同時に、マガジンスプリングのテンションが比較的大きいという問題をもたらしており、兵士の手作業による装弾は非常に困難である。実戦の条件下では給弾具の交換も戦闘発射速度に影響する。05式消音サブマシンガンが部隊での使用過程で装弾の問題に遭遇した後、科研部門はわざわざ部隊条件下で使用する装弾器を設計し、装弾の問題はうまく解決された。

疲労 05式小型サブマシンガンは自由ボルト式武器であり、撃発動作はボルトによって完成される。ボルトの保持と解放の信頼性を確保するため、トリガープルは比較的重く設計されており(一般に30ニュートン前後。95式自動小銃のトリガープルは18〜28ニュートン)、指が疲労しやすいだけでなく、射撃精度を上げるのも比較的困難である。また、グリップセーフティがちょうど親指と人差し指の間に位置しているため、長時間圧していると手の一部の疲労が容易にもたらされる。もしフルオート射撃過程で突然にグリップセーフティを緩めたら、ボルトとハンマーがひっかかって動かなくなる結果がもたらされるだろう。筆者はかつて1回だけ1,000発のセミオート射撃を連続して行った時にこれを強く感じた。

狭窄 銃全体は比較的短く、05式消音サブマシンガンに構造が比較的コンパクトというメリットを持たせているが、グリップとマガジンの間の距離が比較的短く、身長が高く腕の長い射手が銃を構える時、マガジンが腕の部分に触れて痛い。各項目の指標はすでに確定しているので、この問題の克服は比較的困難である。

クリーニング 消音筒は5式消音サブマシンガンが消音作用を発揮する主要な部品であり、長時間の射撃後、それぞれの消音カップの間には大量の火薬残渣が堆積する。アルミ合金製部品を腐蝕するだけでなく、消音筒と消音カップおよび消音筒の蓋の間隙に充填されると分解の困難がもたらされる。だが現在まだ、消音筒表面のメッキも損傷せず、便利に素早くこうした火薬残渣をクリーニングできる有効な溶剤が探し出されていない。

磨耗 05式消音サブマシンガンのマガジンにはプラスチック吹き付け塗装による表面処理方法が採用されており、プラスチック皮膜層の硬度はレシーバーの硬質酸化皮膜の硬度にはるかに劣る。長時間使用後、プラスチック塗装層の磨耗はマガジンとマガジンハウジング間に間隙を生じさせる可能性がある。フルオート射撃時、間隙によってもたらされたマガジンの振動が給弾ルートに影響し、突っ込みなどの故障を引き起こす可能性がある。

小火器の設計では、終始各項目の指標の最も良いコンビネーションの結合点を追求する。消音サブマシンガンについて言えば、往々にして全長、重量と強度、精度、信頼性、さらには音、光、煙などの指標は相互に矛盾し、しかもさらに異なる射撃姿勢、使用環境の中での機構の作動信頼性を充分に考慮する必要があり、このため取捨選択が必須である。05式消音サブマシンガンは「ウージー」ミニサブマシンガンより長く、ロシアのPP-93、PP-2000などより重いが、小型サブマシンガンにもなり、消音サブマシンガンとしても使用でき、三微効果(頑住吉注:音、炎、煙が少ない)、射撃精度、信頼性も良好な銃器であり、筆者は05式サブマシンガンはすでに探索の中で比較的良い結合点を探し当てたと考え、使用中の不断の改良により、05式小型サブマシンガンはサブマシンガン領域において頭角を現すと信じる。

(頑住吉注:2ページ目。なお「本文」は重複なのでキャプションのみ紹介します)05式消音サブマシンガンのサイレンサーには6つのタンデムの消音カップがあり、消音筒の蓋と消音筒本体のネジによって締め付けられる。弾丸は飛行時に右回りに自転するため、射撃過程で消音筒の蓋が緩んで動くのを防止するため、左回りのネジが採用されている。(頑住吉注:でもこれ逆に強く締まって外せなくなる恐れがありそうですね。)

(頑住吉注:3ページ目)05式消音サブマシンガンのボルトがバレルを包んでいる状態

(頑住吉注:4ページ目)自由ボルト式武器には専門の閉鎖機構はなく、すなわちいわゆる閉じて不閉鎖というやつである。矢印が指しているのはバレル後端で、弾薬がチャンバーに入った後、ファイアリングピンがプライマーを突いて撃発を行い、ボルトは火薬ガスの作用の下に即後座する。

(頑住吉注:5ページ目)4列50発の大容量マガジンは05式消音サブマシンガンの一大ハイライトである。その構造は伝統的なダブルかアラムマガジンと全く異なる。

(頑住吉注:6ページ目)05式消音サブマシンガンのセレクターの設置位置の意図は、射撃状態において片手ですぐセレクターの回転が実行できるというものだが、マガジンに制約を受けて、グリップするのと同時に自在にセレクターの回転をも行うのは非常に難しい。

(頑住吉注:7ページ目)安全を保証するため、05式消音サブマシンガンにはグリップセーフティが設けられ、射撃時はグリップセーフティを圧することが必須で、それでやっとトリガーが引ける。だがこのセーフティは人差し指と親指の間に位置し、長時間圧していると手を疲労させる。

(頑住吉注:8ページ目)サイレンサーを取り外すと05式消音サブマシンガンは即小型サブマシンガンとして使用できる。この変化は簡単のように見えるが、弾薬の適応性および小型サブマシンガン、消音サブマシンガンという2種の状態での弾道の一致性の保証という方面において非常に大きな技量がつぎ込まれている。


http://www.firearmsworld.net/china/smg/05/05.htm

 以前紹介したことがあるページですがマガジンの画像が追加されていました。

http://mil.news.sina.com.cn/p/2006-08-30/0722393860.html

 こういう構造ではないかと思っていたんですが、実際にはマガジンフォーロワに真ん中の仕切りがないようで(まるで3列になるかのようにも見えますね)、しかも非常に異様な感じを与えますがマガジンが上に行くにつれ絞られておらず、リップを除き一番上まで太いままで、太さといいまるで「クイッくん」のようです。しかし文章では「弾薬が上昇過程で4列から2列に変わり、さらに2列から1列に変わってチャンバーに進入する」と書かれており、この仕組みだと上部の絞られる部分の長さが非常に長くなり、マガジンの保持に不利で左右にがたつきやすくなるのであえてデッドスペースを設けて上まで太くしてあるとか? 
























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