87式

セレクターまわりマガジンキャッチまわり

 アームズマガジン1999年3月号で紹介された中国人民解放軍の新小銃です。あれから2年以上経ち、輸出もされているらしいのに、あまり情報がないですね。AK系列をブルパップ化するところから発展したと思われる、プラスチックを多用したラジカルなアサルトライフルです。口径は独自の5.8mm弾で、NATO系の5.56mm、旧東側系の5.45mmとほぼ同程度の性能ではないかと推測されますが、確証はありません。全長等のデータだけ見るとAUG、FA-MASといったヨーロッパのアサルトライフルと大差ないように思われますが、立体化してみるとびっくりするくらい小さい印象です。ボリューム感からするとアサルトライフルよりサブマシンガンに近い感じです。3.25kgという軽量とも合わせ、体格の小さい東洋人向きということなんでしょう。
 アームズの記事にも書きましたが、私はこの銃は81式アサルトライフルがベースになっていると推測しています。81式はAK47(56式)と大差ないデザインながら、セレクターがM16等に近いレシーバー左側面にあります。87式のセレクターはレシーバー左側面、銃の後端近く(上の写真参照)というかなり操作しにくい場所にあります。これは使い勝手を考えて決められたのではなく、81式をブルパップ化した結果自動的にそうなったのではないか、と思うわけです。
 セレクターの操作性、コッキングハンドルとボルトが一体でない構造(推測ですが)なのにボルトフォワードアシスト等がない(不完全閉鎖が起きたら困るのでは)、左利き射手に対する配慮がない、といった疑問点もありますが、全体的によくできた銃なのではないかと思います。ドラムマガジン、バイポッドを装備した分隊支援火器、スナイパーといったバリエーションや、グレネード(M203のようなタイプと銃口にかぶせるタイプ両方)等のアクセサリーも豊富にそろっています。ちなみにノーマルタイプでもかなり小さいためか、カービンタイプというのはないようです。たぶん価格も非常に安いでしょうし、5.56mmバージョンの輸出型は欧米のメーカーの大きな脅威になってくるかもしれませんね。

2001年8月4日追加
 メールでカービンタイプがあるというご指摘とともに画像をいただきました。かなり詳細な実銃資料に一切なかったので製作当時はなかったはずですが、その後バリエーションとして追加されたようです。


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