九四式拳銃 より詳しい説明

94式左側面
94式右側面

マガジン
マガジンキャッチを押し、マガジンをつまんで抜く。マガジンセーフティのテンションがかかっているので自動的に抜けることがないのは実銃通り。つまんで抜きやすいようにグリップフレーム下部左右がえぐられ、マガジン下部左右には突起が設けてある。初期型のマガジンはメッキ仕上げだが、この時期のものはブルーだ。マガジンフォーロワの指かけ部は前期型は長方形の角をとった形で滑り止めはセレーションだが、この時期のものは丸型でチェッカリングになっている。このモデルは、グリップフレームの外寸はほぼ実銃通りだが、フレームの肉厚は最も薄い部分で2mmとなっており、マガジンの外寸は前後、厚みとも2mmくらい小さくなっている。つまり実銃は最も薄い部分で1mmくらいしか肉厚がないことになる。プラキャストでそんなに肉を薄くするのは難しいのでやむを得なかった。マガジン内部にはウェイトが入っているが、可動部分はない。

トリガーセーフティ
マガジンを抜くとマガジンセーフティがかかり、トリガーが引けなくなる。単に「つっかえ棒」が出てくるだけのシンプルなシステムは実銃通り。マガジンセーフティには2mmネジが鋳込んである。トリガー基部に露出しているトリガースプリングも実銃通り。

ショートリコイル1ショートリコイル2
フレームに内蔵されたロッキングブロックがスライドとかみあってロックしており、バレルが後退することでロッキングブロックが下降、ロックが解除される。実銃のショートリコイルは非常にストロークが長く、8mmかそれ以上あるようだ。このモデルでは制約上5mm程度になっている。

スライド後退
スライドを後退させたところ。スライドのストロークも実銃より1cmほど短い。説明のため停止しているが、実際はホールドオープンはしない。

トリガーバー
トリガーバーの前部を押すと実銃通りハンマーが倒れる。マガジンセーフティはトリガーの後退をブロックするだけなので、マガジンセーフティがかかっていても同じことが起きる。この点は九四式の大きな安全上の欠点とされ、「スーサイド(自殺)ガン」などと呼ばれる原因となった。トリガーバーにはピアノ線が鋳込んである。

セーフティ
トリガーを引くとトリガーバー前部が内側に引きこまれ、シーソー運動で後部は外側に動いてハンマーをレットオフする。セーフティはトリガーバー後部を外側からブロックして動けなくするだけという実銃通りのシステム。セーフティをかけておきさえすればトリガーバー前部を押しても安全だ。ただし、末期の実銃ではセーフティがガタのため機能しないものもあったらしい。実銃通りクリックは自身の弾性によるが、プラキャストには充分な弾性がないのでABS板を鋳込んである。実銃では軸がフレームの左の壁だけで保持されているが、モデルの場合材質上これでは保持できないので軸を延長して右の壁でも保持している。ただし、外観を崩さないためフレーム右の穴はふさいでいる。

上部より
上から見たところ。チャンバーが二分割されているように見えるが、実際のチャンバーは後部で、前にあるのはリコイルスプリングのテンションがバレルにかからないようにフレームで保持されているカラーだ。ショートリコイル時は実銃通り両者の間に隙間が生じる。

分解1
スライドを後退させた状態でファイアリングピンを押し、スライドとボルトを結合しているクロスボルトを抜く。

分解2
スライドは前、ボルトは後ろに抜ける。手で抑えておかないとスライドが前方に飛び出してしまうのも実銃通り。

分解3
実銃ではカラーがフレームから伸びた2本の細いアームで保持されているが、材質の性質上再現が難しいため、カラーはスライドと同じレールに差し込んで保持している。実銃のカラーは内部にリコイルスプリングを収納して後部のみで保持しているが、肉を薄くできない制約上前部で保持している。この2つの理由でほぼカラーの長さ分スライドのストロークが短くなっている。それ以外はほぼ実銃通りの再現となっている。バレル内部と前後の足にはネジが鋳込んであり、安全対策とともに曲がりを防止している。バレルを貫通させることはできない。クロスボルト、ファイアリングピンにも変形防止のためスチロール丸、角棒を鋳込んでいる。

フレーム内部
ハンマーの頭には実銃通りローラーが付属している。実銃ではトリガーとトリガーバーは直接コンタクトしているが、このモデルでは実銃にないL字型のパーツを介して動くようアレンジしてある。外部から見た動きは実銃通りだ。L字型パーツにはピアノ線、トリガーには2mmネジが鋳込んである。ランヤードリングは2mmのハンダ線を治具を使って曲げたもの。単に銃を吊るすくらいの強度はあるが、強い力をかけると曲がってしまう。

ホルスター
中田商店のホルスターにも無理なく収まる。ただし変形のおそれがあるのでホルスターに入れて長時間保管するのは止めた方が無難だろう。

材質の制約等でやむを得ない部分をのぞき、ほぼ満足すべきリアリティが得られたと思う。モナカ構造のパーツは1つもない。リコイルスプリング、トリガースプリング、ハンマースプリング、トリガーバースプリング、マガジンキャッチスプリング、ファイアリングピンスプリングはすべて実銃通りコイルスプリングを使っており、位置もほとんど実銃通りだ。

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