95-1式小銃その5 アクセサリー後編

 95-1式に関する「軽兵器」誌による解説記事の紹介も今回で最後です。なお、弾道指示弾、フラッシュライト、スリング、カートキャッチャー、マガジン連結器、マズルカバー、マガジンポウチなどが付属したベスト、収納ケースに関してはあまり興味が持てないので省略します。


兵個人用万能グレネード( http://www.183read.com/article/article.html?id=6491 )

DFJ10式35mm破甲殺傷弾

DFJ10式35mm破甲殺傷弾は400m以内の点、面殺傷および生体目標の制圧、100m以内での軽装甲車両、自動車の有効な毀損、陣地構築物の毀損、敵火力点の制圧ができ、さらに付近の燃えやすい、爆発しやすい物を引火、誘爆させることもできる。弾薬の多用途性は現代作戦の需要を完全に満足させ、特に都市および山地作戦に適している‥‥



(頑住吉注:着発炸裂殺傷弾は銀色、跳躍炸裂殺傷弾は金色、この破甲殺傷弾は銀色と黒のツートン、弾道指示弾は青と黄色のツートンと、一見して種類が分かるようになっています。ちなみにカンプピストル用弾薬は暗闇でも種類が分かるようにリムに違う刻み目を入れてましたが)

技術的難題への取り組み

DFJ10式35mm破甲殺傷弾研究開発中に直面した主要な問題は、殺傷力と射撃精度の向上だった。研究開発中、弾丸の無効重量の減少、あらかじめ作られた破片の有効重量の増加、この破片単体の重量を0.1gから0.12gに増加することにより殺傷効果が向上し、実際の殺傷半径は8m以上に達した。射撃精度方面では、成型炸薬ライナーの形状変更、成型炸薬柱の固定方式の改変により、弾体と信管の同軸度が改善され、したがって射撃精度が向上した。

構造性能

DFJ10式35mm破甲殺傷弾の発射原理、構造はDFS10式35mm着発炸裂殺傷弾と基本的に同じである。異なる所は破甲効果を達成するため、成型炸薬柱前方にライナーが追加され、薬柱の爆発時にライナーが装甲に対して比較的大きな破壊作用を生む金属射流を形成できることにある。

DFJ10式35mm破甲殺傷弾は主にライナー、薬柱、あらかじめ作られた破片、発射薬容器、発射薬、プライマーおよび信管(隔爆型弾頭信管)などの部品からなる。

DFJ10式35mm破甲殺傷弾は高低圧発射原理を採用し、発射薬容器の底部には7つの排気孔が設けられている。プライマーが打撃され発火すると、発射薬容器内の発射薬に点火され、発射薬の燃焼が生む高圧の火薬ガスが排気孔を経て発射管の尾部に進入し、低圧室を形成し、その圧力は20MPa前後まで迅速に低下し、弾丸を押し動かしてグレネード固定ピンを解除し、前方に向け運動させる。マズルを出る時には81m/s前後の初速が獲得される。マズルを出て一定距離進むと信管はセーフティを解除する。弾丸が目標に命中した時、信管が発火し、薬柱が爆発し、ライナーが形成する金属射流は厚さ70mm以上の均質装甲鋼板を破壊できる。グレネードの爆発と同時に弾体内のあらかじめ作られた破片が高速で放出され、生体目標を殺傷できる。多辺形のあらかじめ作られた破片が採用され、破片は規則的に形成され、殺傷半径が大きい。



(頑住吉注:弾体の内側に「予定破壊箇所」が設けられている形です)

国外の同類吊り下げ式グレネードランチャーの破甲殺傷グレネードと比べ、DFJ10式35mm破甲殺傷弾には威力が大である、殺傷威力が大である、精度が高い、チャンバー圧力が低い、重量が軽い等の長所がある。限られた炸薬空間内での殺傷機能、破甲機能を同時に最大化し、発射時のチャンバー圧力と後座力が最小化され、各項目の性能指標は国際的トップレベルに到達している。

アメリカのM433破甲殺傷弾との性能緒元対比

弾薬名称 DFJ10式35mm破甲殺傷弾 M433破甲殺傷弾
口径(mm) 35 40
弾薬全長(mm) 99 103
弾薬全体重量(mm) 168 230
破甲威力(mm) 70 51
殺傷半径(m) 8 5
初速(m/s) 81 76

YMAL10-35式昼間スコープ( http://www.183read.com/article/article.html?id=6493 )

YMAL10-35式昼間スコープは95-1式銃器ファミリーの35mm吊り下げ式グレネードランチャーの機械式サイト側面にあるレール上に装着される。このスコープは自准直成像原理を採用し、精密なドットサイトであり、像の拡大機能はなく、目の位置までの距離は制限を受けない。使用時は両目を開いて照準できる。平射でも曲射でも赤いドットによって素早く目標を補足、照準でき、照準の速度と射撃命中率を極めて大きく向上させた。人間工学的にも良好である‥‥

全体の組成

YMAL10-35式スコープは主にレティクル機構、着弾点調節機構、スコープマウント連結機構、前部鏡グループからなる。

レティクル機構

レティクル機構は反射鏡、発光ダイオード、ダイアフラムピース、内鏡管、電源、スイッチ等からなる。このスコープは自准直成像原理を採用しており、発光ダイオードから発射された赤い光がダイアフラムピースを通過した後、赤色の点光源を形成し、反射鏡によって反射され、平行光軸となって射手の目に入り、照準レティクルを構成する。照準時、目がどんな位置にあっても発光ダイオードから発射された赤い光は常に反射鏡によって反射され、スコープの光軸と平行に射手の目に入ることができ、正確な照準が実現される。ゆえに自准直成像と称する。一方外部にある目標の光線は全くそのまま射手の目に入る。赤いドットと目標の明るさのコントラストを強くするため、反射鏡外表面には増透膜がコーティングされ、内表面には高反紅膜がコーティングされ(頑住吉注:私にはさっぱり分かりませんが、知識のある人には見当つくでしょう)、赤いドットが昼夜を問わずクリアに見えるようにし、人の目で長時間視察する際の疲労感を軽減している。電源には性能優秀なCR-1/4N小型リチウム電池が採用されている。スイッチには貼片式プッシュボタンスイッチが採用され、体積が小さく、操作信頼性が高く、スイッチの寿命は30万回に達し得る。

着弾点調節機構

着弾点調節機構は左右および上下の調節つまみからなり、左右あるいは上下のつまみを回すことでレティクル機構の光軸を連動させて左右あるいは上下方向に移動させ、照準点修正の目的を達成する。調節つまみの回転1クリックにつき、対応する着弾点の修正量は0.23ミルである。調節つまみが射撃過程で緩んで動き、レティクル光軸の移動が起こることを防止するため、調節つまみの構造上の特徴を充分に利用し、スプリングと先端のとがったピンからなる機械式緩み防止装置が専用に設計されている。これにより調節つまみが射撃過程で緩んで動くことが有効に防止できる。

スコープマウント連結機構

構造の対衝撃強度に関する要求を満たすことを保証するため、スコープとランチャーを連結する支持架は一体に設計され、しかも物理機械性能が優秀なアルミ合金引き延ばし製造型材を採用している。その全体構造はコンパクトで、重量は軽く、造形は小型精巧で見た目がよい。

前鏡片グループ

前鏡片グループにはグレーのガラスが採用されている。このグレーのガラスの光学性能は良好で、外界の光線が強い時は入射光に対する減衰が強くなり、外界の光線が弱くなると入射光に対する減衰が弱くなる。これは太陽等の強い光が射手に与える目がくらむなどの影響を有効に軽減でき、環境適応能力を高める。

設計上の4大ハイライト

この昼間スコープには設計性能上、4つの大きな突出したハイライトがある。

スコープから目までの距離に制限がない

普通昼間スコープは射手の目を固定された位置、すなわち出瞳位置に置くことを必須とし、スコープと平行にしてこそ照準射撃できる。だがこのスコープにはこの問題が存在しない。射手が目をスコープの後面に位置させれば、赤いドットが視野の中のどんな位置にあろうとも、赤いドットが目標上に見えればすぐに射撃できる。このため、このスコープの捜索視野は広く、補足および照準の速度が速く、赤いドットが「そこを指せばそこを撃つ」で正確度が高い。

スコープマウント連結機構に二重の緩み防止構造設計を採用

YMAL10-35式スコープの装着は、固定レバー上の突起と固定ネジのギヤのかみ合いによって実現され、固定レバーを回せばスコープの固定と取り外しが実現される。固定レバーをひとたび解除すれば、固定レバーはその内部の復帰スプリングの作用下でレバー上の突起が自動的に固定ネジのギヤから抜け出て当初の位置に復帰する。こうして使用過程で固定レバーに何かがぶつかってスコープが緩んで動くことがもたらされることが防止される。同時に射撃過程で固定ネジが射撃振動の影響で緩み、動きが生じることを防止するため、スプリングと先端の尖ったピンを組み合わせた緩み防止設計を採用している。ひとたび固定ネジがロックされると、先端の尖ったピンの先端がスプリングの作用下で固定ネジにあるギアのミゾの中に挿入され、固定ネジが振動のために緩んで動くことが防止される。

電源管理模式スイッチを採用

伝統的なスイッチはひとたびスイッチをオフするのを忘れると電池を完全に消耗してしまう。一方このスコープは電源管理チップ制御点光源LEDを採用し、スイッチをちょっと押せば電源管理チップがLEDライトの点灯、消灯の切り替えを実現でき、しかも電源管理チップ内には定時器が設けられ、LED点灯が要求された設定時間を過ぎると自動的に消灯し、電源をオフするのを忘れることによって起きる電池の浪費が防止でき、電池の有効な使用時間が延長される。

機械式サイトとの一体設計を採用

スコープの射撃時におけるグレネードランチャーの機械式サイトへの影響を減少するため、このスコープは機械式サイトとの一体化設計を採用しており、スコープの構造強度も保証されるし、スコープの重量も最大限軽減されている。最適化後のスコープの外形寸法は70mmx44mmx63mmであり、重量は100gしかない。一体式設計のその他のメリットは、機械式サイトのゼロイン修正をすれば、スコープの修正も同時に実現されるところにある(頑住吉注:微調節は必要でしょうが、機械式サイトが合っていればその狙点に赤いドットが見えるようにすればいいので、ドットサイトでの試射は必要ないわけですね)。





95-1式5.8mm銃器ファミリー用維持メンテナンス工具箱( http://www.183read.com/article/article.html?id=6495 )

95式5.8mm分隊用銃器ファミリーが部隊に装備され使用された後、部隊はその使用過程においてセットに補助訓練機材と工具が欠けているとの意見を提出した。例えば照準検査鏡、演習弾薬等である。部隊の意見に基づき、科研部門は5.8mm銃器ファミリーの改良と共に銃の付属品である工具の他に、分隊用工具箱の研究開発も提起した。その中には必要とされる補助工具、機材が収納され、5.8mm銃器ファミリーの全体性能をさらに完備したものにし、部隊のために必要な訓練の保障を提供する。

95-1式5.8mm銃器ファミリー分隊用維持メンテナンス工具箱は2004年9月に正式に研究開発が開始された‥‥

95-1式5.8mm銃器ファミリー分隊用維持メンテナンス工具箱は、95-1式5.8mm銃器ファミリー、95式5.8mm銃器ファミリーおよびそれに使用される光学スコープの検査、ゼロイン調整、訓練補助などに用いられる。

分隊用維持メンテナンス工具箱内に収納される工具には照準装置ゼロイン修正機、照準検査鏡、演習弾薬、スピードローダー、ストリップクリップが含まれる。このうち、照準装置ゼロイン修正機は機械式サイト、昼間スコープ、スターライトスコープに対しゼロインの検査、修正を行うのに使われ、照準検査鏡は教官が訓練中に射手の照準状態に対し検査を行うのに用いられる。訓練弾薬は空撃ち時のファイアリングピン保護に用いられる。スピードローダーは素早くマガジン内に装填するのに用いられ、装填速度向上に有利である。



照準装置ゼロイン修正機

照準装置ゼロイン修正機は対物レンズ、支持架、平面反射鏡、挿入軸、外接照明器等からなる。対物レンズと支持架は連結され一体となっており、昼間およびスターライトスコープのゼロインの検査に用いる。平面反射鏡は支持架前端(頑住吉注:後端だと思いますが)に位置し、機械式サイトの修正に用いる。挿入軸は支持架下端に固定され、その直径はバレルの内径よりやや小さい約5.8mmであり、使用時は挿入軸をバレル内に挿入すれば即オーケーである。対物レンズ後端にはネジが付属しており、外接照明器をねじ込んで接続でき、夜間あるいは比較的暗い時に使用できる。

照準装置ゼロイン修正機の昼間およびスターライトスコープに対するゼロイン修正には平行光管原理が採用され、対物レンズの中心とバレル軸線を平行にし、昼間およびスターライトスコープのレティクル中心と修正機のレティクル中心をぴったり向かい合わせれば、即スコープのゼロイン修正が完了する。

機械式サイトに対する修正には自准直原理が採用され、高精度平面反射鏡を利用し、フロント、リアサイトを反射鏡を経てそれぞれの虚像を形成させ、もしフロント、リアサイトおよびその形成された虚像の4点が一直線上に連なれば、即修正の目的が達成される。

照準装置ゼロイン修正機は設計過程で不断の改良過程を経た。設計当初照準装置ゼロイン修正機には分体式構造が採用されていた。すなわち挿入軸と支持架が一体に固定されておらず、挿入軸の位置の改変によって昼間、スターライトスコープ、機械式サイトの異なる照準ラインの高さに適応していた。この種の設計を採用すると挿入軸の位置が固定されていないので、挿入軸と支持架の間の垂直度が大きな影響を受け、さらには調整の精度に影響する。論証を経て、後には一体式設計に改められ、調整の精度向上に有利なだけでなく、外形を見てもよりコンパクトになった。

この照準装置ゼロイン修正機は各種の条件下(室内、野外環境および昼夜、また各種の気象条件下)で使用でき、必ずしも実弾射撃を行わなくても95-1式5.8mm銃器ファミリー、95式5.8mm銃器ファミリーに配備される昼間、スターライトスコープ、機械式サイトに対しゼロインの検査と修正が即行え、部隊での使用が便利になった。





(頑住吉注:機械式サイトの修正に関してはフロント、リアサイト、および鏡に映ったその両者の像が一直線になれば、フロント、リアサイトの位置関係がバレルと平行になっていることが分かる、ということでしょう。しかしそれだと着弾点が至近距離でも狙点の数cm下になり、距離が離れるほど下に着弾することになるはずです。光学スコープの修正に関してはそもそもスコープの原理自体を理解していないせいだと思いますがさっぱり分かりません。原理的なことの他にも、挿入軸をバレルに差し込んでもバレル軸線をめぐって回転できてしまうはずで、どうやって修正用スコープを真上に位置させるのか、昼間スコープとスターライトスコープの照準線の高さの違いにどうやって対応しているのかも分かりません。)

照準検査鏡

機械式サイトを使用しての照準射撃は射手の基本的な技能である。照準検査鏡とはすなわち教官が訓練時に射手が機械式サイトを使用しての照準状況を検査し、もって教官が適時に射手に対し技術的矯正を行うのに便利とするものである。この鏡は光学反射原理を採用し、半反射鏡と全反射鏡からなる。半反射鏡によって射手の照準の像が全反射鏡に反射し、教官は照準検査鏡右側の視察窓から直接に全反射鏡が表示する射手の照準の像を見ることができる。

照準検査鏡の構造は簡単、外形はコンパクトで、実用性は高い。この鏡はクリップ式連結ベースを採用し、95-1式銃器ファミリーのキャリングハンドル後端のミゾ内に取り付けられ、着脱はいずれも便利で素早くでき、専用工具を必要としない。

  

(頑住吉注:これは面白いアイデアです。教官が横から射手がどんな風に照準しているか鏡に映った像で見ることができるというわけです。書かれていませんが、状況によっては「コーナー銃」として使うこともできるんじゃないでしょうか。)

演習弾薬

演習弾薬の外形寸法は実弾と一致し、兵が非実弾射撃訓練時にファイアリングピンを保護し、空撃ち時にファイアリングピンが損傷するのを防ぐのに使われる。この弾薬は制式薬莢、ゴム製プライマーを採用し、薬莢表面にはプレスによるフルートがある。兵士は夜間条件下において触ることで素早く容易に実弾との区別ができる。

演習弾薬は箱入りで支給され、それぞれの箱内には60発が入っており、10発ごとにストリップクリップにセットされている。

スピードローダーとストリップクリップ

スピードローダーは素早くマガジン内に装填するのに用い、もって装填速度を向上する。スピードローダーは2つの部分からなり、上方は「凹」の下の横棒が欠けた形の金属ワイヤーで、マガジン〜と呼ばれ(頑住吉注:日本語にない漢字を使ってますしピンときません)、マガジン上部にかぶせるのに使われる。マガジン〜は下方がスプーン型の金属片にはめ込まれ、、スプーン型金属片の下方にはスリットが開かれ、マガジン〜スリットと呼ばれる。使用時、スピードローダーとストリップクリップを組み合わせ、弾薬をセットしたストリップクリップを下方からマガジン〜スリット内に挿入し、次にスピードローダーのマガジン〜をマガジン上部にかぶせ、親指でストリップクリップにセットされた弾薬を下に押せば、即弾薬をスムーズにマガジンに装填できる。便利な使用のため、それぞれの工具箱内には5つのスピードローダーと、15本のストリップクリップが配備されている。



(頑住吉注:これに関しては特に説明不要でしょう。マガジンにかぶせるワイヤーといった細部が異なっていますが、原理的にはアメリカ軍が昔から使っているものと同じです。)


 前回も書きましたが成型炸薬弾の装甲貫通力はその直径に深く関係しており、35mm弾でありながら全般的技術水準で上回っているはずのアメリカの40mm弾よりずっと強力であるためには何らかの新技術が必要と思われ、その説明(機密事項なので発表できない、でも構わないので)がないのではちょっと信じられません。

 これも前回書きましたが、グレネードランチャー用スコープ、と言うよりドットサイトは世界的にもあまり例がない珍しいものと思われるものの、もともと精密射撃などできないグレネードランチャーに装着してもコスト、重量、サイズの増加に見合うメリットがあるか疑問です。

 照準検査器具は他国に例があるのか私は知りませんが、非常に面白いアイデアです。









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