97-2式散弾銃

 今回は97式系統の最新型である97-2式に関しより詳しく解説されているページの紹介です。

http://baike.baidu.com/view/5085834.html?goodTagLemma


97-2式18.4mm防暴銃

97-2式18.4mm防暴銃は97-1式18.4mm防暴銃を基礎にして発展してできたものであり、97式18.4mm系列防暴銃ファミリーの中の最新のメンバーである。この2つの発展型の銃はその原型である97式防暴銃同様、いずれもポンプ式非自動機構を採用している。ハンドガードの押し引きによってボルトの開放、閉鎖、給弾、排莢等の機構動作を完成させる。

研究開発の歴史

1990年代末、97式18.4mm系列防暴銃が出現して中国の警察用防暴武器の1つの空白を埋めた。国内の治安状況、対テロ、治安維持上の必要に応じてのことであった。18.4mm系列防暴銃は多種の致命および非致命弾薬種類を発射できる能力を備えていることにより、警察用武器系統の中でどんどん重視されていいる。そこで97-1式18.4mm防暴銃の基礎のもとにさらに一歩の改良開発が行われ、新世代の97-2式18.4mm防暴銃が生み出された。

構造および性能

構造上、97-2式防暴銃と97-1式防暴銃との最大の違いは、97-1式はチューブラーマガジンによる給弾を採用し、一方97-2式はボックスマガジンによる給弾であるというところにある。このため、対応する構造にも一部変化がある。この他、グリップとフロントサイトの設計にも異なる部分がある。しかしその他のユニット、例えばボルトユニット、発射機構ユニット、ハンドガードユニットには大きな差はない。

97-1式防暴銃はチューブラーマガジンによる給弾を採用しており、弾薬を装填する時は弾薬を1発ずつマガジンに装填する必要がある。弾薬を抜くときも同様である。その装填、弾薬を抜く方式はボックスマガジン給弾の銃器と比べて操作が煩雑かつより遅い。特に金融警備部門では毎日の引き継ぎの際、頻繁に装填、弾薬を抜く必要があり、非常に不便である。雄鷹集団はユーザーからのフィードバックを根拠にボックスマガジン給弾の97-2式防暴銃を設計した。その最大の特徴は給弾方式が改変されたことに他ならず、より便利に装填、弾薬を抜く操作が行える。

銃本体の構造から見ると、97-2式防暴銃はチューブラーマガジンは依然残されており、ただしそれはハンドガードユニットの前後運動時のガイドに過ぎず、給弾の機能は備えていない。ボックスマガジン給弾に改められているので、97-2式のレシーバーユニットにはボックスマガジンベースが追加され、また本来採用されていたチューブラーマガジン給弾時の左右に開閉するブレード状スプリングや輸弾帽(頑住吉注:チューブラーマガジンにおける円筒形のフォーロワにあたるもののことではないかと思います)等の構造は省略されている。同時に、発射機構の中の輸弾器、変換レバーが省略され、ボルトユニットに推弾塊(頑住吉注:ボルト先端の、マガジン最上部の弾薬を押し出す突起のことだと思われます)が追加され、不完全閉鎖セーフティの形状にも対応する変化が見られる。

97-2式防暴銃は全長が97-1式の920mmから836mmに短縮されている(折りたたみ状態では本来の685mmから635mmに短縮された)。銃身長は425mmから385mmに短縮されている。折りたたみストックの長さもこれに応じて短縮され、ストックのロックボタンを押し下げるとストックを右に折りたたむことができる。同時にグリップ形状が改良され、握った時さらに快適さが増している。照準機構に関しては、フロントサイトはポスト型に改められ、かつフロントサイトガードが装備された。

97-2式防暴銃はレシーバーユニット、バレルユニット、ボルトユニット、発射機構ユニット、ストックユニット、ハンドガードユニット、ボックスマガジン等からなる。



バレルユニット

バレルユニットはバレル、バレル固定座、フロントサイト、防熱カバーからなる。バレルは銃全体の重要な鍵となる部品の一つである。撃発時、火薬ガスの圧力に耐え、弾丸に初速と方向性を与える。バレル前端下方にはバレル固定座があり、チューブラーマガジン先端にかぶせられ、バレル固定袋ナットでレシーバーに固定されている(頑住吉注:上の図を見てください。バレルはレシーバーにねじ込まれているわけではなく単に挿入され、バレル前部下のリング状部分がチューブラーマガジンにかぶせられてその前からナットをねじ込むことで固定されているわけです)。バレル前端上方にはフロントサイトが装備され、リアサイトユニットと組み合わせて照準機構を成している。97-1式防暴銃と異なるのは、97-2式防暴銃のフロントサイトはブレード状からポスト状に改められ、かつフロントサイトガードが増設されたことである。バレル上方には防熱カバーが装備され、多弾数を射撃した時にバレルで火傷するのを防止している。

レシーバーユニット

レシーバーユニットはレシーバー、マガジンベース、調節式リアサイト、チューブラーマガジンからなる。97-2式防暴銃はボックスマガジン給弾を採用しているので、97-1式防暴銃と比べると、そのレシーバー下方にマガジンベースが増設されている。チューブラーマガジンの長さもバレルに合わせて短縮されている。レシーバーは銃全体の基礎となる部品であり、銃全体の主要部品を連結して全体をなす。レシーバー後上方にはリアサイトが装備され、フロントサイトと組み合わせて照準機構を成している。後端には折りたたみストックが連結され、下部にはマガジンベースがある。レシーバー内には排莢レバーが装備され、薬莢はエキストラクターのフックにによって後方に引かれ、排莢レバーに当たると銃の外に投げ出される。

リアサイトプレートの頂端には角型のノッチ式リアサイトが設けられている。97-2式防暴銃は殺傷弾薬、ゴム散弾、ゴム弾、布袋(頑住吉注:いわゆるビーンバッグ)弾、催涙弾等異なる弾薬種類が発射でき、異なる弾薬の装薬量は異なるので、弾頭の弾道特性も異なる。ゆえに異なる弾薬種類の発射時において異なるリアサイトの射程セッティングが必要になる。この目的を実現するため、リアサイトプレート右側には3つのV字型の切りこみがあり、それぞれ1、2、3の数字が表示されている。移動遊標(頑住吉注:モーゼルミリタリーの場合、英語ではリアサイトスライドと呼ばれる、調節用の部品のことです)を異なる切りこみに固定し、ターゲットの距離に合わせてターゲットに対する有効な打撃が実現できる。

異なる弾薬種類の異なる距離におけるリアサイト調節表



(頑住吉注:ゴム弾の場合25mまでリアサイト「1」だがビーンバッグ弾の場合は20mまでだとか、催涙弾の場合20mから30mまではリアサイト「2」を使って約65cm上を狙い、30mから40mまではリアサイト「3」を使って約40cm下を狙うとか、これらが高度のストレス下で瞬時に判断できたら凄いと思いますが、まあたいていの人には無理でしょう)

発射機構ユニット

ボックスマガジン給弾を採用しているため、97-2式防暴銃の発射機構ユニットは97-1式防暴銃のそれとは少し異なっており、主にトリガー、ハンマー、シア、不完全閉鎖セーフティ、トリガーセーフティ等の部品からなる。97-1式防暴銃にあった輸弾器および変換レバーはなくなっている。この銃はハンマー回転式撃発機構を採用しており、ボルトが確実に閉鎖してからでないと弾薬を撃発しないため、97-2式防暴銃には不完全閉鎖セーフティが設けられている。ボルトが前進しきって閉鎖した後になって初めて不完全閉鎖セーフティの後端が下降でき、シアとトリガープッシュバーがかみ合い、この時トリガーを引けばトリガープッシュバーがシアを回転させ、ハンマーを解放でき、ハンマーはスプリングの作用下で前方に向かって回転し、ファイアリングピンを打撃できる。もしボルトが不完全閉鎖だと、不完全閉鎖セーフティの後端は下降できず、シアとトリガープッシュバーはかみ合うことができず、もしトリガーを引いてもシアを回転させることはできず、さらにはハンマーを解放することもできず、したがってセーフティ状態が形成される。

誤操作による暴発を防止するため、この銃にはさらにトリガーセーフティが設けられており、これはトリガーガード後端に位置している。トリガーセーフティはクロスボルト式で、右から左に向けて押されている時は、左側に明るい赤の表示が出て射手に射撃可能な状態であると示す。左から右に押されている時はセーフティ状態で、この時トリガーを引くことはできない(頑住吉注:要するにマニュアルセーフティです)。



ボルトユニット

ボルトユニットはボルト、エキストラクター、ファイアリングピン、閉鎖ブロック等からなる。97-1式防暴銃と異なるのは、97-2式防暴銃のボルトには推弾塊が追加されていることである。ボルトはハンドガードと連動して前後に移動し、弾薬を押してチャンバーに入れる、排莢する、開閉鎖する等の動作を実現する。

この銃の閉鎖ブロックはファイアリングピンセーフティの機能も兼ねている。閉鎖ブロック後端には位置制限ミゾが設けられ、閉鎖ブロックがバレルの閉鎖リセスに完全に入りこんでいない時は閉鎖ブロックの位置制限ミゾはファイアリングピンを抑え、もしハンマーが回転してファイアリングピンを打撃してもファイアリングピンを移動させることはできず、弾薬が撃発されないことが確保され、したがってセーフティ状態が形成される。閉鎖ブロックが完全にバレルの閉鎖リセスに入りこんだときにのみ、すなわちボルトが確実に閉鎖された後に、閉鎖ブロックの位置制限ミゾはもはやファイアリングピンの移動を制限しなくなり、ファイアリングピンは弾薬を撃発することができるのである。この種のセーフティはこの銃のトリプルセーフティを構成し、銃が意図せず暴発する事故が起こらないことをさらに一歩確保した。

ストックユニット

ストックユニットはストック、グリップ等の部品からなっている。97-1式防暴銃同様に、ストックにはスケルトンフレーム式の構造が採用されている。外部はプラスチックであり、内部には金属製の補強材があって右側に折りたたむことができる。ストックの後端部にはゴム製の緩衝パッドが装備されている。肩付けでの射撃時、銃の肩への衝突を有効に緩衝できる。97-2式防暴銃はグリップが新しく設計されており、グリップ内部は主にプラスチックでの製造が採用されており、外部はゴム材料で包まれている。表面加工には滑り止めの模様があり、グリッピングがさらに快適になり、さらに一定の緩衝効果もある。

性能データ 

口径 18.4mm
全長 836mm
銃身長 385mm
折りたたみ時の長さ 635mm
全体重量 2.75kg
発射方式 手動給弾単発
マガジン容量 5発
故障率 0.5%以下
寿命 3000発以上
トリガープル 15〜30ニュートン
環境温度 マイナス40度〜43度

97-1、97-2式に使用される弾薬の種類:18.4mm催涙弾、18.4mm染色弾、18.4mm防暴運動エネルギー痛塊弾、18.4mm防暴機能散弾、18.4mm殺傷散弾、(必要時使用)40mm催涙ライフルグレネード

作動原理

ボルトが弾薬を押してチャンバーに入れ、確実に閉鎖した後、閉鎖ブロックの位置制限ミゾはもはやファイアリングピンの移動を制限しなくなり、不完全閉鎖セーフティの後端は下降し、シアとトリガープッシュバーをかみ合わせる。同時に不完全閉鎖セーフティの前端は上昇してハンドガード支持バーの後端をブロックする。トリガーを引くとトリガープッシュバーがシアを回転させ、ハンマーを解放する。ハンマーは回転してファイアリングピンを打撃し、ファイアリングピンは弾薬を撃発する。ハンマーの解放後、ハンマーはハンマースプリングキャップを押し動かし、不完全閉鎖セーフティの下降を強制する。ハンドガード支持バーの固定は解除される。ハンドガードを後方に引くと連動してボルトが後退し、開鎖、薬莢の引き抜き、排莢、ハンマーコックが完成する。ハンドガードがいっぱいに引かれた後、再び前進させると、ボルトはハンドガードユニットと連動して前進、復帰し、弾薬を押してチャンバーに入れ、閉鎖する。ボルトが確実に閉鎖した後、次の弾薬を撃発できる。マガジン内の最後の1発が発射された後、ハンドガードを引くとボルトはいっぱいに後退し、ボルトストップ機構がボルトを後方で止め、射手にマガジン交換の必要性を知らせる。

使用される弾薬の種類

この銃に配備される5種の防暴弾薬の中で、殺傷弾薬は致命性の弾薬種類に、他の4種は非致命性の弾薬種類に属する。

97式18.4mm殺傷弾

この弾薬は主に距離50m以内の生体目標の殺傷に用いられる。弾薬は全長65mm、重量43gで、それぞれに直径6mmの鉛弾丸が22粒装填されている。

2006式18.4mmビーンバッグ弾

ビーンバッグ弾薬は主に5〜30m以内の騒乱を起こしている人々の群れを追い散らすのに用いられ、15m以内の犯罪容疑者を撃って制圧するのにも使える。

弾丸は包みの布袋と砂状の鉛からなり、重量が比較的大きく、存速性能が良好で運動エネルギーが比較的大きい。ターゲットへの命中時、衝突面は素早く拡散し、ターゲット上に作用する面積あたりの運動エネルギーは減少し、したがって引き起こす作用は大で、致傷は小さいという効果になる。弾薬は全長65mm、重量48gである。

97式18.4mmゴム散弾

ゴム散弾は主に距離35mから100m以内の騒乱を起こしている人々の群れを追い散らすのに用いられる。弾薬は全長65mm、重量24gである。それぞれに直径8mmのゴム製弾丸が8粒装填されている。

97式18.4mmゴム弾

ゴム弾は主に距離15mから70m以内の騒乱を起こしている人々の群れを追い散らす、また35m以内の犯罪容疑者を撃って制圧するのに用いられる。弾薬は全長65mm、重量18.7g、弾頭重量8.6gである。それぞれの弾薬には尾翼を持つゴム弾1個が装填され、単体のターゲットの制圧に適している(頑住吉注:尾翼があるというよりツヅミ弾を大きくしたような形ですね)。

97式18.4mm催涙弾

催涙弾の中にはCS発煙型薬剤が含まれ、1発ごとの作用面積は20平方mで、50m以内では3mm厚の普通ガラス窓を貫通した後、正常に作用を発揮できる。主に人々の群れを追い散らす、あるいは狭い空間内に隠れている犯罪容疑者を追い出すのに用いられる。多弾数の催涙弾を集中発射すれば、距離100m以内の騒乱を起こしている人々の群れを追い散らすのにも使える。弾薬は全長65mm、重量21.7gである。

アクセサリー

97-2式防暴銃は工場を出る際、銃ごとに2つのマガジン、練習用弾薬2つとクリーニング用具の包みが1つ付属している。部隊の兵士の勤務時にマガジンを携行しやすいように、公安部門は専門指定装具工場でダブルのマガジン携行ポーチを生産した。

使用評価

97-2式防暴銃は現在すでに中国の武装防暴分隊に装備されている。2009年の建国60周年閲兵式において、閲兵を受けた武装警察隊と武装警察の「雪豹」突撃隊の隊員が手にしていたのがまさに97-2式防暴銃である。


 他国に例の少ない調節式サイトの実用性にはやや疑問がありますが、これを読む限りよく考えられた構造の、比較的完成度の高い銃であるように感じます。

 最後にちょっとだけ触れられた「雪豹」突撃隊は、対テロを主な任務として2002年に設立された精鋭の警察特殊部隊です。この銃も使っているんでしょうが、主な装備は95式小銃です。

http://baike.baidu.com/view/1132299.htm

http://v.youku.com/v_show/id_XMTE2ODk1MTQw.html












戻るボタン