97式ライアットガン系統

09式は「中国初の軍用ショットガン」と銘打たれていましたが、実はそれ以前に警察用のショットガンは配備されていました。今回はこの中国製暴動鎮圧(防暴)用散弾銃、つまりライアットガンに関するページの紹介です。

http://eblog.cersp.com/userlog7/86684/archives/2009/1256921.shtml


散弾銃/97式18.4mm防暴銃

閲兵訓練に関心を持つ人はきっと各種の銃器に注意を向けるだろうが、国産銃器を熟知している仲間はきっとこれらの武装警察官が手にする銃に特別の関心を持つだろう。すなわち97-2式18.4mm防暴銃である。この防暴銃は97式18.4mm防暴銃系列のメンバーの1つで、黒竜江雄鷹(集団)株式会社が研究開発し、黒竜江雄鷹警察用機材工場が生産した散弾銃である(頑住吉注:中国語で散弾銃は「霰弾槍」と言い、「霰」はあまり使われない漢字らしく発音がカッコ内に示されています)。

散弾銃は一種のスムースボア火器であり、軍用、警察用散弾銃は基本的にスムースボアのバレル、自動機構、撃発機構、マガジン、照準装置およびストック、グリップ等からなっている(頑住吉注:ちょっと違和感ありますが、ここではハンドガードを手動で前後動することで一連の作動を行う機構も「自動機構」と呼ばれています)。装填方式によって多くが半自動散弾銃(頑住吉注:手動連発のことらしいです)と自動散弾銃(頑住吉注:セミオートのことらしいです)に属し、給弾方式にはポンプアクションチューブラーマガジン式(管状)、リボルビング式、ボックスマガジン式の3種がある。

散弾銃は主に集束された球状弾丸(散弾)を発射する。バレル内部はチャンバー、スムースボアおよび喉縮(頑住吉注:チョークのことですね)という3段階からなる。この3段階はテーパーでつながっている。チャンバーには散弾が収容され、スムースボアは散弾の加速運動の区間であり、銃口から約60mmの段階で、銃口方向に行くにつれ適度に直径が縮小する部分を喉縮と呼ぶ。弾丸はここで集束作用を受けて銃口から飛び出し、もって射撃密集度と射程が増強される。

実は散弾銃は軍用/警察用のみの珍しいものでは決してなく、民間用散弾銃もある。民間用散弾銃は狩猟や射撃スポーツ(飛蝶、双向飛蝶)(頑住吉注:トラップ、スキートのことでしょうか)に多用される。

銃の口径は一般にすなわち弾頭の直径であり、例えばQBZ03式5.8mm自動小銃はDBP87式5.8mm普通弾を発射し、口径は5.8mmである。散弾銃の口径はこれとは異なる。これは散弾銃は散弾を発射し、その「弾頭」は球状の弾丸であって薬莢内に封入されているからである。スラッグ弾を除けば、1発の散弾の中には多数の弾丸があり、このため弾丸の直径で命名はできないのである。散弾銃の口径はスムースボア部分の直径を指し、ポンドあたりの鉛で作った球の直径で区分している。例えば12番という口径は1/12ポンドの鉛球の直径(18.5mm)を表示している。口径の番数が大きくなるほど直径は小さくなる。1番から32番まで全てこの方法が使われている。ダブルオー散弾は鹿弾あるいは大号鉛弾とも呼ばれる。常用されるのは10番、12番、16番、20番等である。目下軍用/警察用散弾銃は大多数が12番口径を採用している。国際的に通用している基準によれば、12番口径の実際のボア径は18.5mmである。

97式18.4mm防暴銃という命名には中国の特色が備わっている。そのチャンバーは国際的に最も流行している12番散弾より0.1mm小さく、国際的に通用している標準確定口径が使い難いのである。これは一種の革新である。初心者はまだこの系列の防暴銃で12番散弾を発射できると思っているが、後に「97式18.4mm防暴銃訓練要綱」を読めば、「主要諸元と性能指標」の中に、「12番狩猟用弾は発射できない」と明確に規定されている。

タイトル写真の中の兵士が手にしているのは97-2式18.4mmボックスマガジン給弾ポンプ式防暴銃である。メーカーがウェブサイトで公開している、すでに定型に至り、装備されている製品であり、この銃には折りたたみ式ストックが付属している。しかし写真の中の防暴銃はストックが短かすぎ、肩当てすると窮屈で頬付けできない。新たに研究開発、定型に至った伸縮式ストックの防暴銃のようである。

この銃の給弾方式はボックスマガジン給弾であり、射撃方式はポンプアクションである(半自動射撃時、手でハンドガードを引いて自動機構を連動させ、薬莢の引き抜き、排莢等の自動動作を完成させるものを指す。この作動方式は空気入れで空気を入れる過程に似ており、ポンプ式とも呼ばれる)。(頑住吉注:日本語にうまく訳せませんが、前のポンプは液体、後のポンプは気体用のポンプらしく、違う語がつかわれています)

実は皆さんも防暴銃を銀行内外で見たことがある。銀行警備の保安担当者は大多数が97-1式18.4mm防暴銃を装備している(折りたたみストック)。

この銃の給弾方式はチューブラーマガジン給弾で、チューブ状のマガジンは通常バレルの下に装備され、弾薬は順に1発1発装填される。後ろの弾薬の弾頭が前の弾薬の薬莢底部と接するため、尖頭弾は使用できず、フラットノーズかラウンドノーズ弾を使わなければならない。現代ではチューブラーマガジンは散弾銃に多用されている。装填時、ハンドガードを後方に引くと、最終段階で1発の弾薬が輸弾器に送られ、輸弾器が弾薬を持ちあげる。ハンドガードの復帰過程で輸弾器は弾薬をチャンバーに入れる。全体の過程ではさらにボルトの後退、ハンマーのコック、ボルトの復帰、閉鎖等の動作も完成される。給弾時は弾頭の前端を輸弾器に乗せ、指でマガジン内に押し込む。弾薬を抜くときも非常に便利である。ハンドガードを後方に引く過程で、指先で輸弾器を起こせばすぐに散弾1発を抜くことができ、その後1回開閉リーフスプリングを押すたびに1発の散弾が抜ける。

戦闘中、異なる必要性に合わせて異なる弾薬種類に換える必要が生じることはしばしばある。弾薬種類を換える場合、チューブラーマガジンはボックスマガジンに比べて便利である(頑住吉注:いや、ボックスマガジンの方が明らかに便利だと思いますが)。

チューブラーマガジン給弾方式の散弾銃であろうとボックスマガジン給弾方式の散弾銃であろうと、マガジンに弾薬がない際、直接エジェクションポートから1発の散弾を装入することができる。

(頑住吉注:原ページにはここに97式、97-1式の画像とデータ表があります。見ればほとんど分かると思いますが、「供弾方式」の、「石」の下に「水」を書く、日本では使わない漢字を使った語はポンプアクションのことです。「弾」の次に月へんに「堂」、次に「長」とある語はチャンバーの長さのことで、76.2mmということは3インチマグナム対応ということですね。「強光照射灯」はフラッシュライト、「激光指示器」はレーザーサイトです。)

●97式18.4mm殺傷弾

97式18.4mm殺傷弾薬は面打撃弾薬であり、距離50m以内の生体目標を有効に殺傷できる。50m〜100mでも依然一定の殺傷作用がある。弾薬全長65mm、重量43g、弾丸は直径6mmの鉛球22粒で、弾丸単体の重量は1.2gである。距離35mでのターゲット着弾率は50%以上(頑住吉注:ターゲットの大きさが不明では意味をなさないので中国朋友に質問したところ、一般的には上半身大のターゲットで、60×115cmだということです)、距離50mで25mm厚の松板製ターゲットを貫通できる。

●97式18.4mm運動エネルギー弾

97式18.4mm運動エネルギー弾薬は非致命の防暴弾薬に属し、面打撃弾薬として主に35〜100mの範囲内の不法に集まった騒乱人群や暴乱分子の追い散らし、制圧に用いられる。弾薬全長65mm、重量24g、弾丸は直径8mmのゴム球8粒で、弾丸単体の重量は0.85gである。距離35mでのターゲット着弾率は50%以上、35mでの弾丸の運動エネルギーは28ジュール未満である。(頑住吉注:ここの記述によればリボルバー用ゴム弾は距離5mで12から16ジュールが適当とされたとあるので格段に強力です。私は1発あたりのエネルギーかと思ったのですが、仮に1粒28ジュールとすれば速度は約250m/s以上というとんでもない速さになります。8粒合計だと約90m/sになるのでこちらが正解でしょう)

●97式18.4mm痛塊弾

97式18.4mm痛塊弾は非致命の防暴弾薬に属し、主に35〜100mの範囲内の不法に集まった騒乱人群や暴乱分子の追い散らし、制圧に用いられる。弾薬全長65mm、重量18.7g、弾丸の重量は8.6gである。35mにおいて、60cm幅に半数の弾が命中し、上下80cmの間に半数の弾が命中する。35mでの弾丸の運動エネルギーは120ジュール以下、1平方cmあたり12ジュール未満である(頑住吉注:35mでの速度は167m/sにもなる可能性があり、特に至近距離なら柔らかい素材であってもあたり所によっては死ぬ可能性があるのではないでしょうか)。

●97式18.4mm催涙弾

97式18.4mm催涙弾は非致命の防暴弾薬に属し、CS発煙型薬剤を使用する。主に不法に集まった騒乱人群や暴乱分子の追い散らし、制圧に用いられる。距離50m以内では普通のガラス窓を貫通して室内に撃ち込み、室内に隠れている暴力犯罪分子を追い出すことができる。弾薬全長65mm、重量21.7gである。50mにおいて、60cm幅に半数の弾が命中し、上下80cmの間に半数の弾が命中する。威力面積は20u以内である。

●18.4mm染色弾

18.4mm染色弾は非致命の防暴弾薬に属し、弾丸内部に染色剤を含んでいる。人体および衣類に、容易に落とせない色を染めることができ、事後の取り調べに便利である。弾薬全長65mm、重量17g、弾丸重量8.6gである。35mにおいて、60cm幅に半数の弾が命中し、上下80cmの間に半数の弾が命中する。染色剤の散布円直径は約2m、色は赤である。

●18.4mm布袋弾

18.4mm布袋弾は一種の、運動エネルギーをもって目標を打撃する柔性非致命性防暴弾薬である。主に近距離内の騒乱人群の追い散らしや犯罪分子の制圧に用いられる。弾薬全長65mm、重量45gである。15mでの射撃精度は直径30cm以内に半数が命中、直径50cm以内に全弾が命中する。

●33mm催涙ライフルグレネード弾

33mm催涙ライフルグレネード弾薬は非致命の防暴弾薬に属し、CS発煙型薬剤を使用する。発射は18.4mm防暴銃の銃口を使って行われる。主に不法に集まった騒乱人群や暴乱分子の追い散らし、制圧に用いられる。距離50m以内では普通のガラス窓を貫通して室内に撃ち込み、室内に隠れている暴力犯罪分子を追い出すことができる。全長220mm、重量260gである。50mにおいて、60cm幅に半数の弾が命中し、上下80cmの間に半数の弾が命中する。威力面積は80u以内である。

(頑住吉注:マグナム対応チャンバーなのにマグナム弾はないんでしょうか)

(頑住吉注:原ページにはここに97-2式、セミオート、ポンプ式ブルパップショットガンの画像とデータがあります。セミオートはグリップまわりが95式に似ていますが全体のイメージははいスタンダード10Bにも似ています。ストックとの接合部はどうもレシーバーと一体のようです。ポンプ式は、バレル下にあるグレネードランチャーかライトのように見える筒状のものを前後動して作動させるようです)

18.4mm救命銃

救命銃は一種の、火事現場あるいは水上での救生用工具であり、火薬の生み出すガスを利用してバレル内に位置する牽引器あるいは銃口の外の救生物体を押し動かし、それを目標まで到達させる発射器である。牽引器はあらかじめバレル下部に置かれたロープ巻き出し器の中の牽引ロープと連結された状態で目標付近まで達し、救援作業に必要な条件を提供する。例えば高層ビルで火災が起き、救援人員が接近できず、高層ビル内の人々の救助が実施できない状況の時、この工具を使って牽引ロープを救助される人々の付近に投射し、牽引ロープで消火器や救生用ロープ(頑住吉注:より太いロープ、ということでしょう)を牽引して救助を実施する。水上の救出も同様で、救援人員が救出目標に近付けない状況下で使用する。〜(頑住吉注:判読できません)具を利用してブイのついた牽引ロープを目標付近に投射し、救助実施に便利なようにすることもできる。

(頑住吉注:上の段はこれまで同様分かると思うので、下の段の表のみ示します)

牽引器の重量 最大投射高度 最大投射距離 牽引縄
長さ 直径 抗引強度
火災救援用 400g
水上救援用 366g
火災用牽引器
60〜80m
水上救援用牽引器
100m(角度45度で)
200m 3mm 400ニュートン


35mm手持ち防暴発射系統(催涙弾)

35mm手持ち防暴発射系統(催涙弾)は一種の単兵携帯、その場で支給される、1回性使用の(頑住吉注:「使い捨て」と訳そうかと思ったんですが、たぶん再利用されるでしょう)催涙弾である。この武器は小型軽量で携帯に便利であり、操作は簡単、使用は安全で信頼性が高く、1発で素早く、多個所で同時にガスを放出して瞬時に大面積の催涙煙霧を形成できる。主に大規模な暴乱人群の追い散らしや制圧を素早く実現するのに用いられる。

主要諸元

口径 35mm
全長 400mm
全体重量 650g
弾丸重量 295g
最大射程 100m
命中精度(50m) 0.8m幅に半数の弾が命中し、上下1.2mの間に半数の弾が命中する。
催涙剤類型 CS
威力幅員面積 400u以上
信頼性 97%以上
使用環境温度 マイナス30度〜45度
貯蔵年限 5年以上

10mmリボルバー式防暴拳銃および使用弾薬

10mmリボルバー式防暴拳銃は、外観は通常見るリボルバーと同じだが、使用される3種の弾薬は全て殺傷力がない。1つは布袋弾であり、薬莢内には布で包んだ砂があって弾が身体に命中した時、傷を作る可能性はない。2つ目は染色弾で、薬莢内に入っているのは色つきの染料である。弾が身体に命中した時、衣服を色で染める。3つ目は催涙弾である。催涙ガスが内蔵され、弾が身体に命中した時、催涙ガスを放出する。


 中国の18.4mm散弾銃には12番散弾が使用できない、というのはいかにもこの都市伝説に近い臭いがします。すでに2つ紹介した09式の記事ではいずれも口径18.4mmと表記しながら12番が使えるとされており、間違いではないでしょうか。しかし97式の段階ではチャンバーが微妙に狭くて一般の12番散弾がスムーズに入らなかったが、不都合が多く輸出する場合にも不利なので09式では共通サイズにしたが、表記はあえて変えなかった、という可能性もなくはないでしょう。

 97式系統には距離調節の可能なタンジェントサイトが装備されているようですが、ショットガンには過大な装備ではないかと思われます。グリップに注目すると、97式はスムーズでフィンガーチャンネルのあるバーズヘッドタイプ、97-1式はFALに似たタイプ、97-2式はリボルバー用ラバーグリップに似たタイプになっています。97-2式はストックも短くなっていますが、たぶん必要な場合97-2式に97-1式の長いストックを装着すること、またその逆も可能でしょう。

 アメリカ等で対人用散弾と言えばダブルオーバックが主流で、直径8.4mmの鉛弾が9粒入っているものですが、中国の対人用散弾は直径6mmの鉛弾が22粒入っているものが(少なくとも09式登場までは)主流だったようです。6mmの小さく軽い鉛弾が50mで25mmの松板を貫通と言うのはちょっと貫通力が高すぎで疑わしい気もします。

 散弾銃には多種の非致命弾を発射できるメリットもありますが、弾薬の取り違えによる事故の可能性があるのも事実です。

 非常に興味深い10mm非致命リボルバーは、S&W系デザインですが、どうも直接的にはブラジルっぽいディテールであるように感じます。非致命弾専用ならば弾薬取り違えによる事故は起き得ませんが、本当に深刻な危機に陥った時でも殺傷弾が使えない、という欠点にもつながり、難しいところです。どうせなら口径をせめて.45、できれば.50あたりまで大きくした方が各非致命弾が有効性を増したのではないでしょうか(例えばロシアは12.3mmという口径で性格の似たリボルバーを作っています)。また非致命弾専用なら思い切ってプラスチックを多用して軽量化することもできたはずです。


2011年6月追加

 中国朋友に、原ページにある命中性能を示す特殊な表示法について教えていただいたので内容を追加します。これは中国軍が常用している3種類の命中精度の測定法に関わるものだということです。


1.射弾散布確率偏差、これは射弾散布確率誤差、射弾散布中間偏差あるいは公算偏差ともいいます。射弾の散布面上において、散布軸と対称に、着弾点の出現する確率が50%の区間の幅の半分を射弾散布確率偏差図と言います。高低、方向と距離がある射弾散布確率の偏差の一部です。通常大文字のEで表示し、長さの単位で計測します(「高低」は垂直方向、「方向」は水平方向を指し、「距離」は射撃方向上の散布であり、榴弾砲、迫撃砲のような曲射武器の着弾点の散布に多用されます)。(頑住吉注:銃器の命中精度を測るに際しては、上下方向の誤差さえ分かれば最大到達距離の誤差は特に知る必要はない場合が多いですよね)



射弾の散布の典型的な状況です。図中の左から2番目から3番目の縦線、あるいは3番目から4番目の縦線の間の距離がEz、上から2番目から3番目の横線、あるいは3番目から4番目の間の距離がEyです。(頑住吉注:要するに、原ページにある「Ez X Ey≦0.3 X 0.4m」というのは、横方向を基準にした場合、60cm幅に半数の散弾が命中し、縦方向を基準にした場合、上下80cmの間に半数の散弾が命中する、という意味ですね。以前やはり中国朋友に説明していただいた「半数弾着円半径」を縦と横に分けて考えるような概念ととらえていいと思われます)



これは距離射弾散布の場合です(頑住吉注:横がEz、縦がEy、距離がExということです)。

2.散布密集界。射弾散布面上において70%の着弾点を含み、散布軸と対称かつ平行の2本の平行線の間の区域です。その幅は通常大文字のCで表示し、ほぼ全散布幅の1/3となります。方向、高低、距離もある散布密集界の一部です。着弾平面上において相互に垂直な2つの散布密集界が交差して形成された長方形を中央半数必中界と呼び、その中に全部の着弾点の約50%が含まれます。理論分析はC=3.07Eであることを証明しており、おおよそC=3Eと考えてかまいません。



3.散布円半径。射弾数が比較的少ない、あるいは散布区域に近い円形の射撃(頑住吉注:縦の散布と横の散布に大きな差がない、ということでしょう)、例えば小銃、機関銃の300m以内の目標に対する射撃、あるいは遠距離地対地誘導弾の射撃に常用されるものです。平均着弾点を円の中心とし、全部の着弾点の50%の散布円の半径がR50であり、円確率偏差と呼び、半数必中円半径とも呼びます。全部の着弾点、100%の散布円半径がR100であり、全散布円半径と呼びます。理論上はR100は無限大であり、存在しません。実際の応用では、全部の着弾点の98.7%〜99.8%の散布円を全散布円の近似値とするのが常です。理論分析はR50=1.75E、R100=2.5〜3R50を証明し得ています。



この他、あの原文には一か所誤りがあります。それは97式18.4mm防暴銃が普通の12番散弾を発射できない原因に関する記述です。実は言うまでもなく散弾銃はこうした弾薬、チャンバーのマッチングに関する精度上の要求が高くなく、かつチャンバー圧力も低いスムースボア銃器です。ライフリングのある銃であっても0.1mmの弾頭直径の差異は発射に影響しません。例えばドイツの8x57I弾は8x57IS弾と比べてやや小さいですが、前者は後者用の銃器でも正常に発射できます。

真の問題は薬莢のリムにあります。もし詳細に見れば、防暴銃に使用される各種弾薬のリムの厚さが普通の12番散弾のほとんど2倍余りもあることに気づくはずです(頑住吉注: http://www.540086.com/Html/lm_118/20101227084047.html 原ページの画像は不鮮明で、「そう言われれば」という感じなんですが、このページでははっきり分かります。モデルガンでもここまで厚くないだろうという、とてつもない厚さです)。もし防暴銃の弾薬を普通の散弾銃に装填したら、リムが厚過ぎて閉鎖できません。逆に普通の散弾を防暴銃に装填したら、リムが薄すぎるために閉鎖クリアランスが大きすぎることになり、発射時に事故が引き起こされる可能性があります。

このような設計にした理由は、これらの防暴銃は軍隊に支給されて使用されることはなく、警察あるいは保安機構に支給されて使用されるものだからです。こうした部門の銃器管理制度は軍ほど厳格ではなく、銃器の保管場所も軍隊のように集中したものではありません。このため銃器を失ってしまう確率も軍より高いのです。中国は銃器管理を厳格に行う政策を実行している国家であるため、銃器弾薬が流出してもたらされる結果をできる限り制御しているのです。こうした設計の採用後は、銃と弾薬が一緒に失われない限り、銃、弾薬が不法分子の手中に落ちても、その者たちは使える弾薬がない、あるいは射撃できる銃がないという苦境に陥ります。このように銃器弾薬が失われた場合のリスクが下げられるわけです。


 通常銃器のグルーピングは円状なので3つ目の「半数必中円半径」、「全散布円半径」で充分な場合が多いと思われますが、ティルトバレル式ショートリコイルの場合、一部上下に大きく散りやすいピストルがあるようですし、散弾銃においてパターンを意図的に横に広げる特殊なアダプターもあるそうなので、上下左右の散布の差を表現する手法が必要とされることもあるでしょう。これも散弾銃の場合ですが、中心がまばらな「ドーナッツパターン」になることもあり、これが起きるとどういう表現法を取ってもあまりピンとこないものになりそうです。

 ちなみに検索していてこんなページも見つけました。たぶんそうだろうとは思いましたが、ポンプ式ブルパップショットガンのフォアグリップがライトにもなっているのが分かります。

http://bbs.tiexue.net/post2_4058958_1.html

























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