99式戦車が搭載するレーザー兵器とは

 レーザー兵器に力を入れている中国が戦車にもすでに搭載していることはもうずいぶん前に「中国の電磁波、レーザー兵器」で紹介しました。そこには「99式戦車上のレーザー制圧兵器。これは目下この種の兵器を装備する世界で唯一の戦車であり、M1A2のような高度に電子設備に頼って行動する戦車に対し壊滅的破壊能力を備えている。」という記述がありましたが、それ以上の詳細は分からず、不気味に感じていました。今回紹介するのはこれに関するやや詳しい記述のあるページです。

http://military.china.com/important/11132797/20121218/17586860.html


ロシア、99式戦車が装備するレーザー兵器の性能は先進的だが精鋭部隊にしか装備されていない、とする

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「少数の99式戦車、多数の96式等の戦車が中国の装甲戦力を構成している。」)

【グローバルネット総合報道】 ロシア軍事評論ネットの12月15日の報道によれば、中国の第3世代99式ZTZー99量産型メインバトルタンクは98式戦車を基礎に研究開発してできたもので、全体性能は非常に先進的だが、装備数は多くなく、第1ロット40両が生産された後、継続生産の規模は大きくなく、現在解放軍の精鋭部隊にのみ装備されている。

ロシアメディアは言う。中国北方工業社はかつて2000年に強化装甲防御を採用した99式メインバトルタンクを公開して展示した。当初におけるいくつかの情報ソースはこの型の戦車を「98改」、すなわち98式戦車の完備された改良型と称していた。当時第1ロット40両が生産された。実際には98式戦車の試験開始後には早くもただちにこの製品の改良、完璧化作業が行われ、主要な方向は戦車の性能向上で、これには1,500馬力の大出力タービン増圧ディーゼルエンジンの装備をもって機動能力を向上させること、火力コントロールシステムを完備されたものにすること、砲塔正面投影と車体にはめ込み式反応装甲を装備して防御能力を向上させるなどが含まれた(頑住吉注:「投影」の意味が分からんのですが)。

99式戦車の主装甲の上にははめ込み式反応装甲モジュールが装備され、しかも砲塔上の反応装甲は角状を呈して分布し、したがって正面投影複合装甲の防御能力が強化された。この他さらに砲塔尾部スロットの装甲防御を枠外で増加し、フェンス上方に反応装甲を装備している(頑住吉注: http://www.mdc.idv.tw/mdc/army/ct98.htm これを見ると砲塔後部にフェンス状のものがありますね)。類似の装甲防御レイアウトは96式改良型戦車とパキスタンの「ハーリド」戦車にも見ることができる。もし第1ロットの99式戦車の反応装甲モジュールが主装甲板の上に装備されたと言うならば、その後出荷された戦車ははめ込み一体装甲の反応装甲モジュールを使用し、しかも付加装甲モジュールのレイアウト方案は出荷過程で何度か改変を経た。当初砲塔のエッジは前向きにのみ突出していたが、後にはやや横に傾斜し、両側面にも反応装甲が装備されている。この他、最新生産の99式戦車の一部のモジュールはさらに砲塔上部にも装備され、もって上からの成形炸薬弾の攻撃への防御能力を強化している。モジュール化装甲構造は損傷を受けた装甲を素早く交換できる。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「99式メインバトルタンクのシャーシは旧ソ連のTー72メインバトルタンクのそれを参考にしており、戦闘全備重量は51トンを超える。」です。)

ロシアメディアは言う。98式戦車同様、99式戦車はJD-3慣性レーザーアクティブ対抗システムを装備し、これははめ込み式レーザー距離測定儀、LRWレーザー照射早期警戒センサー、LSDW作戦量子発生機からなる。戦車が敵サイドのレーザー照射を受けたとの警報信号を受けると、戦車の砲塔は敵サイドのレーザー源の方向に向け回転し、その後弱い出力のレーザー光束の使用を開始して目標の正確な位置を確定し、その後レーザー光束のエネルギーを瞬間的に最大にまで増大し、敵サイドの光学視察観測設備を麻痺させ、あるいは敵サイドの照準手を失明させる。99式戦車の完璧型火力コントロールシステムは砲手および車長の独立画像安定式複合照準鏡、レーザー距離測定儀、サーモグラフィー装置、デジタル弾道コンピュータ、2自由度安定ジャイロ儀、センサー(大気の条件、砲身の磨耗など)ユニット、カラーモニターと自動目標追跡システムを装備する多機能指揮台からなり、サーモグラフィーは車長と砲手のカラーモニター上に伝達され得る。この他、99式戦車はさらに慣性および衛星ナビゲーションシステムを装備し、そのデータは同様に車長のモニターに入り、デジタル地形図を形成する。

ロシアメディアは言う。99式戦車の主要な武器は125mmスムーズボア砲であり、これはロシア式2A46戦車砲の中国バージョンである。サーマルジャケットを装備し、22発のリボルビング式液圧自動装填機を使用し、総弾薬基数は41発で、尾翼で安定するサボ付き徹甲弾、成形炸薬弾、榴弾、そして砲から発射されるロシア式9M119レーザー制御誘導対戦車ミサイルが使用できる。補助武器は86式7.62mm並列機関銃とWー85式12.7mm高射機関銃からなる。砲塔両側にはさらに2基の84式5本バレル煙幕弾発射器が装備される。

ロシアメディアは言う。中国の99式戦車が装備する1,500馬力大出力タービン増圧水冷ディーゼルエンジンはドイツのMB871ka501エンジンを基礎に研究開発してできたもので、戦車の全体重量は54トン、出力係数は27.78馬力/トン、路上最大速度は80km/h、不整地最大速度は60km/h、12秒以内に停止状態から32km/hまで加速でき、機械ギヤ変速ボックスを使用し、7種の前進速度と1種の後退速度がある。優秀な中での不足は、第1ロット40両の99式戦車の生産後、後続の生産規模が大きくなく、速度が比較的遅く、現在精鋭部隊のみがやっとこの近代的メインバトルタンクを装備していることである。

(頑住吉注:3ページ目のキャプション)99式には大量の複合装甲の応用が加わり、防御レベルには80系列戦車に比べての質的飛躍があり、西側第3世代メインバトルタンクのレベルに達している。

(頑住吉注:4ページ目のキャプション)99式は50口径の国産125mmハイプレッシャースムーズボア砲1門を装備し、3種の弾薬を装備する。それぞれ尾翼で安定するサボ付き徹甲弾、成形炸薬弾、榴弾であり、そして砲から発射されるミサイルである。

(頑住吉注:5ページ目のキャプション)99式の弾薬基数は40発を超えると見積もられ、この砲は信頼性の高い自動装填機を装備し、火砲の発射速度は毎分10発に達し得る。

(頑住吉注:6ページ目のキャプション)99式戦車の砲塔には鋳造砲塔は採用されておらず、全溶接装甲構造が採られている。このような第3世代戦車に共通する設計は、砲塔の防御をより強化でき、しかも果たすべき任務の違いによって異なる複合装甲あるいは反応装甲モジュールに交換でき、その装甲防御性能を旧式な中国戦車に比べ比較的大きく向上させている。

(頑住吉注:7ページ目のキャプション)99式戦車は前部の楔型モジュール化装甲を追加装備後、正面の防御は700mmに達し、車体の防御能力は厚さ500〜600mmの均質スチール装甲に相当する。

(頑住吉注:8ページ目のキャプション)アメリカのM1A2の車体と砲塔の装甲の厚さは600mmおよび700mmの均質装甲に相当し、ドイツのレオパルド2A6の車体と砲塔の装甲の厚さは580mmおよび700mmの均質装甲に相当し、日本の90式の車体と砲塔の装甲の厚さは500mmおよび560mmの均質装甲に相当する。このことから見て、我々のZTZ99メインバトルタンクは西側戦車の防御レベルと基本的に同一レベルにある。


 アメリカや日本では中国戦車のレーザー兵器をどう評価しているんでしょうか。最初にまず弱いレーザーが照射されるというあたりに防御のヒントがありそうですが。またバックは一定の速度でしかできないというのも弱点になり得るかもしれません。









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