9mmx18PM

(頑住吉注:原ページではここに寸法を示した図がありますが、これは説明不要でしょう)

歴史

 この弾薬の歴史は実に良く知られている。1945年、ソ連は彼らの将校たちのために、老朽化したTT33ピストルの代替としての新しいセルフディフェンス兵器を設計することを決定した。システムマカロフの開発は9mmx18弾薬とともに行うことが決定された。これはワルサーPPの9mm(9x18)ウルトラと似たものである。マカロフピストルもワルサーPPに似ている。この銃はフリーな重量閉鎖機構を持つシステムで、強い弾薬を可能にするものではない。等しい記述法にもかかわらず、両弾薬は互換可能ではない。西側では口径はたいてい谷部で、そしてかつてのソ連のテリトリーでは山部で計測されるからである。このため西側の9mm弾は直径9.03mmであり、一方9mmx18PM弾は直径9.25mmである。この弾薬はBoris Wladimirowitsch Semin(1911〜1982)によって設計された。最初この弾薬は鉛コアを持つジャケット弾を持っていた。後には鉛で包まれたスチールコアを持つジャケット弾が使われた。この弾薬は非常に強い発射薬を持たないため、マカロフピストルからの射撃は100発連続で撃った後でも実に快適である。

(頑住吉注:原ページではここにこの弾薬の断面図イラストがあります。部分名称は次の通りです)
1:バイメタルジャケット (頑住吉注:バイメタルとは熱膨張率の違う2つの金属を張り合わせたものでサーモスタットなどに使われるものだそうです)
2:スチールコア
3:鉛包みジャケット
4:プライマー
5:薬莢
6:発射薬
7.弾丸

 9mmx18は前任ピストルの7.62mmx25TT弾薬より決定的に弱いが、より大きい直径に基づいてより大きなストップ効果を持ち、そのより少ない発射薬のおかげでより弱いリコイルショックを持つ。これはまさに意図されたものでもある。当時のためにはこの弾薬は充分だったし、多くのピストル(PM、APSなど)およびサブマシンガン(Kedr、Bison)に使用された。しかし近年において射撃阻止ベストがトレンドとなり、この弾薬はゆっくりとミリタリーおよびポリス用として使用不能となった。この弾薬の寿命を延長する試みがなされて来、この中でこの弾薬により強いロードとより大きい貫通力を持った尖頭弾が与えられた(9mmx18PMM)。しかしこれは多数は使われてきておらず、ロシア陸軍は現在口径9mmx19の新ピストルを得た。マカロフピストルはその低価格と高い信頼性ゆえに、かつてのソ連でも、西側でも広く普及しているので、この弾薬は生産続行されている。西側の会社でもである。これにより9mmx18弾薬もマーケットにおいてセミジャケット弾、変形弾等を手に入れている。同様にサイレンサー付きピストルPB、APB用に亜音速弾およびトレーサー弾も存在する。2、3年前、小さな重量と非常に高い銃口初速度を持つさらなる弾薬、PBM9mmx18が開発された。この弾薬はアルミニウム包みジャケット内にフリーに位置するスチールコアを持つセミジャケット弾を持っている。軽い弾丸のおかげで実際上500m/sの銃口初速度でもノーマルなマカロフ弾薬と匹敵するリコイルショックを発生させる。この弾薬はロシア製の陸軍制式防御ベストを30mまでの距離で貫通する。

(頑住吉注:原ページではここにPM弾薬すなわちノーマルなマカロフ弾薬と、PMM弾薬すなわち強化弾薬の比較写真があります。薬莢は同一で、PM弾薬は頭部が丸く、PMM弾薬は尖っているのが分かります)

使用(頑住吉注:要するにこの弾薬を使う銃のリストです)

戦後の時代のピストル群 例

ソ連/ロシア
PM(ピストル マカロフ)
PMM(ピストル マカロフ 近代化)
PB(Pistolet bes'schumnyj ピストル ノイズレス)
APS(オートマチック ピストル スチェッキン)
APB(Awtomatitscheskij Pistolet bes'schumnyj ノイズレス オートマチック ピストル)
OZ-27/OZ-33

ハンガリー
FEG SMC-918

ポーランド
Vanad
P-64
P-83

チェコ
CZ-83

戦後の時代のサブマシンガン 例

ソ連/ロシア
Kedr/Klin/Klin2
Kiparis
Bison/Bison2
Kashtan
Gepard
PP-90/PP-93

ブルガリア
Arsenal Shipka

チェコ
スコーピオンVZ.82

戦後の時代のリボルバー 例

ロシア
RSA(リボルバー スチェッキン Awraamov)
R-92S

(頑住吉注:原ページではここに比較写真があります。それぞれ、
1=9mmx18PMの薬莢、弾丸
2=9mmx18PMのスチールコア
3=9mmx18PM弾薬
4=9mmx19パラベラム薬莢
5=前任者の7.62mmx25TT薬莢
6=7.62mmx39 AK47の弾丸
7=7.62mmx39 AK47の薬莢

です。)

弾薬の名称 9mmx18PM
開発 1945年以後
採用年 1951年
全長 24.8mm
弾丸重量 5.75〜6.15g(PM) 5.4〜5.8g(PMM)
効果的射程 ピストルからの場合50m サブマシンガンからの場合100m
最大射程 約2000m
銃口初速度 290〜315m/s(PM) 410〜435m/s(PMM)
バレル内部の最大圧力 117.7mPa(PM) 147.1mPa(PMM)
初活力 306J(PM) 490J(PMM)
上に挙げた数値は平均値。火薬、弾丸、弾薬、あるいは他の
影響によって偏差が引き起こされる可能性あり。

全ての記述には保障なし。文章はdunkelfalkeによる。


 大筋既知の内容だったと思いますが、唯一「PBM9mmx18」という弾薬に関する情報は目新しいものでした。PM弾薬を軽量高初速化してボディーアーマーに対する貫通力を向上させたのがPMM弾薬ですが、このPBM9mmx18弾薬はそれをさらにエスカレートさせたもののようです。「アルミニウム包みジャケット内にフリーに位置するスチールコアを持つセミジャケット弾」という直訳は分かりにくいですが、要するに尖ったスチールコアが先端に露出しており、後方の周囲がアルミで包まれている形らしいです。アルミを使用するのは軽量化のためでしょう。500m/sというのは信じがたいような高速です。何度か触れているように発射による反動の大きさは運動量によって決まり、エネルギーが大きくても高速軽量な弾丸の場合運動量が小さくなるのでリコイルショックはPM弾薬と大差ないものになっている、というわけです。ただロシア軍が9mmx19口径のピストルを採用した今となっては広範な普及はとても望めないでしょう。

 PBM9mmx18弾薬の画像はここにありました。

http://www.armada.ch/04-3/digest.cfm

 これによれば開発はKBP Instrument Design Bureauにより、型番は7N25だということです。また以前モデルアップした折りたたみ式サブマシンガンPP−90から発射した場合23m以内なら5mm厚スチール板を確実に貫通する能力があり、これと比較してPM弾薬では2.5mmスチールを至近距離でも貫通しがたいとされています。ちなみに57-N-181SというのはPM弾薬のことで、PMMは57-N-181SMと呼ばれます。

文章は読めませんが、ここには各種弾薬の比較画像やダブルカアラムのPMMなど使用するピストルの画像があります。

http://www.sargs.lv/arhivs/Februaris/saturs/_brunojums.htm

 ここの一番下にはPBM9mmx18の弾丸(ギュルザ用の9x21mm SP-10かもしれませんが)の画像があります。

http://world.guns.ru/ammo/bullets-e.htm

 上のサイトでは変形しないとありますが、この画像ではジャケットが凶悪な形に開いています。またスチールコアは硬化処理されているともあります。











戻るボタン