台湾がエイブラムスを装備すると

 大陸との戦力バランスに大きな影響を及ぼすんでしょうか。

http://military.china.com/news/568/20150521/19721709.html


台湾、5年後にM1A1戦車に換装 台湾独立分子:もはや阿共仔の戦車は怖くない (頑住吉注:「阿共仔」は中国共産党に対する蔑称らしいです。)

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションは本文の一部を切り取ったものなので省略します。)

台湾のいわゆる「国軍」が新型メインバトルタンクを購入する件は去年からがやがやと騒がれ始めており、台湾が購入しようとしているのは米軍で現役主力のM1メインバトルタンクであるとされる。情報が出るや、少なからぬ台湾独立分子が「もはや阿共仔の戦車は怖くない!」と思わず歓喜している。最近、台湾メディアはまた情報を伝え、台湾のいわゆる「政府」はすでに予算を編成し、2017年に支払いを開始し、2020年までに第一弾の戦車が台湾軍に引き渡される計画であり、これらの「戦車の墓場」の中からかき集めてきた中古戦車はまず新竹湖口の戦車部隊に支給され、台北の「防衛」に用いられることになる、とした。ただこのまる何十年も時代に遅れた古い戦車が2020年になってまだどんな役に立ち得るのか‥‥それはアメリカ人が関心を持つ必要のある問題ではない。

台湾メディア「風伝媒」は昨日、台湾のいわゆる「陸軍」のコードネーム「鋭捷項目」はアメリカから約120両の中古M1A1戦車を購入し、指摘されるところによれば陸軍は2017年編成予算の執行後、初の戦車が2020年より前に台湾にやってきて、台北の「首都」地域防衛の戦備任務を担当する計画である、と報道した。

いわゆる台湾の「国防省陸軍司令部」は4月22日に政府の電子調達入札ウェブサイト上に、メーカーが「新型戦車」参考資料を提供するよう求める公告を掲載した。いわゆる「国防省」当局者は、これは台湾がアメリカからM1A1戦車を購入する「建案プロセス」の中の調達公告であり、M1A1の購入はアメリカの台湾に対する兵器販売案件であるが、いわゆる「国軍」の戦備整備に必要とされる武器獲得計画の建案プロセスの上で、いわゆる「政府調達法」の規定によりネットに上げ公告する必要があると規定される資料である、とした(頑住吉注:たぶん台湾独特の難解な専門用語が頻出してよく分かりません)。

この当局者は、台湾軍はいわゆる「政府調達プロセス」に照らし、獲得するM1A1戦車と日本、韓国、イスラエルなどの国の陸軍が使用する戦車の資料とに性能比較と分析を行い、最終的に獲得する戦車のソースの実行可能性を根拠に分析し、かつ「投資綱要計画」を制作し、作業計画の査定を経た後、編成された予算を執行する、と指摘する。

120両の中古戦車を購入 新竹湖口の戦車大隊に優先的に配備

軍関係者は、いわゆる「陸軍」が120両の中古のM1A1戦車の調達を計画する「鋭捷項目」は、主にアメリカに現存し不使用状態で保存されているM1A1戦車を選択し、さらに火力コントロールシステムと動力システムを更新する、とする。このため2017年編成予算の執行後、この120両のM1A1戦車は更新後徐々に台湾に運ばれ、将来M1A1戦車は新竹湖口の戦車大隊に優先配備され、台北地域の「防衛作戦」の戦力を増加させることになる。

いわゆる「国軍」装甲部隊で現役のM60A3および自ら製造したCM-11「勇虎」戦車は、いずれも年齢20年を超え、東アジア各国の装甲部隊の主戦装備と比べるとさらに立ち後れがはっきりする。いわゆる「陸軍」は近年来ずっと戦車の性能向上計画を提出しているが、いわゆる「陸軍」軍事装備の投資額は、優先されるAH-64E「アパッチ」ヘリおよび「ブラックホーク」ヘリなどの装備に大半が占められ、その他の新たな装備の更新予算は削られている。

いわゆる「陸軍」は元々火力コントロールシステム、デジタル化情報性能がより先進的なものの調達を望んでいたが、価格が相対的に高いM1A2戦車には充分な予算がないため、止むを得ず次善の策に転じ、過去において中古のM60A3戦車を調達した模式を採用し、アメリカから修理改装を経た中古M1A1戦車(オーストラリア陸軍のに似た)を調達し、「陸軍」装甲旅団の戦力強化に用いることになる。

(頑住吉注:これより2ページ目)

指摘によれば、台湾のいわゆる「陸軍」は元々200両を調達し、4個装甲旅団(2個装甲旅団は北部にあり、中、南部にそれぞれ1個装甲師団あり)それぞれに1個M1A1戦車大隊を配備する計画だったが、いわゆる「国防予算」の額の制限を受けて、まず330億新台湾ドルの予算を編成し、まず2個大隊編成の戦車を調達する計画である。この数は88両で、さらに加えて装甲兵学校、後方勤務(頑住吉注:修理や整備)学校の教学用の戦車があり、必要とされる数はさらに1個中隊加わる可能性があり、調達数を120両に到達させるかもしれず、さらに調達期間引き延ばしの方式をもって、徐々にこの120両のM1A1戦車の調達を完成させ、将来「国防予算」の配分を見た後、さらに別の80両のM1A1戦車の獲得を計画するか否か決定することになる。

アメリカのM1A1戦車は1980年代に研究開発された旧式戦車で、その性能は今日の米軍自身が装備するM1A2SEP戦車と同列に論じることは全くできない。M1戦車就役以後、米軍は平均5年前後でもうその装甲に対しグレードアップを行い、その火砲に支給する徹甲弾にも平均何年かごとにもう新たなタイプの出現がある。このため何十年も過ぎ去っているものの、今日の米軍が自ら装備するM1A2SEPは依然火力、装甲、機動性方面で世界一流レベルと称するに堪えるのである。戦車専門家の兪碩は、M1A2SEPは中国の99A、ドイツのレオパルド2A7戦車と共に世界先進戦車第一グループに含めることができる、と考える。比較するとフランスのルクレール、イギリスのチャレンジャー2、ロシアのT-90A、中国の99式などの戦車にはいずれもそれぞれの弱点があり、第2グループとしか評価できない。

しかし、輸出戦車は世界各国いずれにおいても特殊な種類で、一般には皆、各国が自ら用いたタイプの戦車の1世代前を販売に用いるのである。現在国際市場の戦車の中で、M1A1戦車はコストパフォーマンスが比較的高いと評価される。何故ならアメリカがかつて生産した1万両以上のこの戦車の中の少なからぬものが「戦車の墓場」内に放棄され、それ自体の価値はほとんどゼロで、改修を加え、1985年水準の複合装甲と120mmスムーズボア砲を配備しさえすれば、すぐ現代の戦車市場で「どこに出しても恥ずかしくない」ものたりうるのである。まさにそれがアメリカにとってほとんどコスト不要であるがゆえに、近年来エジプトもイラクも少なからぬ数のM1戦車を獲得済みなのである。当然、台湾は異なり、彼らがM1戦車を獲得したのはアメリカの軍事援助であり、勘定であるが、台湾の場合は現金を払わねばならない。

だが去年以来、イラク軍が装備するM1A1戦車はイラクの戦場でそれにもかかわらずしばしばIS武装分子により古いRPG-7対戦車ロケットランチャーやAT-4対戦車ミサイルなどの武器を用いて破壊され、しかもある動画はIS分子が旧式な対戦車ミサイルを使用して正面から直接M1A1戦車の「堅固で破壊できない」とされる砲塔正面装甲を撃ち抜いたことをはっきり示している。ごく短い1年にも満たない戦争の中で、何と100両余りの戦車を損失し、このことはM1戦車の名声に非常に大きな損害を与えた。その原因をつきつめると、アメリカが対外販売に用いた戦車が旧式な複合装甲しか装備していないことが諸悪の根元である。アメリカは1990年代から劣化ウラン装甲の装備を開始して以後、ずっと新たな劣化ウランを含まない新型装甲を研究開発しておらず、だが劣化ウラン装甲は当然他国に販売することは不可能で、このため今に至るもアメリカの輸出型戦車の装甲は依然1985年の水準に留まり、いかなる進歩もないのである。今日の戦場でこのような装甲は火力貧弱なIS武装勢力をちょっといじめることさえすでに困難になっており、世界で最も先進的な戦車や対戦車武器を持つ解放軍に直面する必要があればなおさらではないか?

だが別の方面では、米軍が台湾に提供するM1A1戦車は、当時提供したM60A3同様、比較的先進的な火力コントロールシステムを装備することによって台湾を安心させる可能性が高いと推断できる。去年のある台湾戦車部隊の訓練を扱ったテレビフィルムの中で、我々は台湾軍の教官が、「我々のM60戦車の火力コントロールシステムの反応時間は6秒でしかないが、向こう岸の共産軍は8秒だ」と強調するのを見ることができる。これは当初アメリカが台湾に提供したM60A3戦車が、初期のM1が使用した火力コントロールシステムを装備していたからで、このことは台湾の軍隊が兵士を安心させる1つの重要ななぐさめとなった。しかしこのいわゆる「反応時間8秒」の火力コントロールシステムは、解放軍の中ではとっくに何年立ち後れたか分からない古い装備なのである。去年解放軍のロシアに赴いて戦車競技に参加した96A戦車は行進間射撃の固定ターゲットに対する反応時間が最速3秒に達し得た。さらにアメリカが台湾に販売した徹甲弾も同様に非常に立ち後れ、見積もりによればその105mm徹甲弾は正常な交戦距離で99式、ないし96A式戦車の正面装甲を全く撃ち抜けないからなおさらではないか。もし将来120mmM256スムーズボア砲に交換し、かつアメリカの1980年代の鋼芯徹甲弾を支給しても、近距離でいささかの脅威をもたらし得るだけである。このためたとえ火力コントロールシステムの反応速度が速くても、時代遅れの装甲と徹甲弾方面の劣勢を補い救うことはできない。

(頑住吉注:これより3ページ目)

増してやM1A1の機動性に関しては、米軍自身さえしばしば非難する問題である。確かにそれが持つ1,500馬力のガスタービンエンジンの単位出力は西側戦車の中で素晴らしいと評価できる。だが問題はガスタービンが燃料消費率が高いという問題をももたらしたということである。大部分の時間静態防御状態にある台湾軍にとって、ロシア軍のT-80ガスタービン搭載戦車がチェチェンの時に待機状態下で燃料を消耗し尽くした轍を踏む可能性が高い。また、もし初期型のM1A1戦車であっても戦闘重量は61.3トンに達し、橋が多く渓谷が多い台湾にとって、この種の「重戦車」は有効に機動できず、狭い道路上に留まって爆撃されるのを待つしかないという可能性が高い。比べると、解放軍の99A戦車の戦闘全備重量は55トン、エンジンの出力は1,500馬力、かつ正面装甲の防御力はM1A1SEP最新型に劣らない。台湾軍はいかにして対応するのか? 実は99Aとは言わず、たとえ解放軍が対台湾軍事準備の主力である陸軍第一集団軍の手中の96A式メインバトルタンクだけを動員しても、台湾のM1A1はいささかの優位も占められないのである。

だが、台湾軍がまずM1A1戦車の配備を計画する位置を見れば、その頑強に武装統一に抵抗する考えが依然変わっていないことが見て取れる。最も先進的な戦車を新竹に配備するのは、ずっと台湾軍の伝統である。ここは台湾軍が予測する解放軍が直接台北付近に上陸する地点との距離が最も近く、すぐに反撃できる。これはまさに何故しばしば我々が台湾軍がM60A3戦車の整然とした隊列が浜に進んで上陸艇を模擬射撃する場面を見るのかの原因でもある。歴史上戦車を用いて浜に突撃する作戦では、金門の戦いの中で台湾軍の「金門の熊」(M5軽戦車)が解放軍に全く対戦車火力がなく、火砲支援もなかったことに頼って勝利を得たのを除き、浜に突撃する戦車はほとんど1つの例外もなく猛烈な艦砲および航空火力によって粉々に爆砕され、第二次世界大戦のドイツの強大な「タイガー」式戦車でもやはりイタリアやノルマンディーの浜でバラバラにされた、というだけである。だが台湾軍にとって、「金門の熊」の「輝かしい戦績」の再演に期待することを除き、おそらく実際軍心を奮い立たせる何ものもないのだろう‥‥


 大陸の文章で台湾のそれに関し「政府」、「国防省」などとカッコつきの表記にするのはいつものことですが、この文章はその前に「いわゆる」までしつこくつけているのが非常に目立ち、これは文章の内容とは逆に台湾がM1A1を装備することが大陸にとって痛いことの表れでは、という感じもします。


















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