殲ー20、エンジンを交換? その2

 続きです。

http://military.china.com/important/11132797/20170906/31303644_all.html#page_2


殲ー20といったような第4世代戦闘機に関して言えば、エンジン交換は第3世代および第2世代戦闘機に比べずっと複雑で、空気取り入れルート、エンジンナセルおよび機体後部の構造設計の調整をし、もって新たなエンジンの空気取り入れ流量および外形寸法の変化に適応することを含むだけでなく、さらに新たなエンジンのFADECコントロールシステムを現有の飛行コントロールシステムと融合する必要があり、相応の飛行コントロールソフトウェアも書き換えを必要とする。同時に、エンジン交換後は戦闘機後部のRCSに対する影響も試験しかつ改良を加え、もって機全体のステルス機能を保証するのに便とする必要がある。このため、中航工業は全く新しく1機の殲ー20サンプル機を生産して国産「太行」エンジンへの換装の試験に用いる。現在の状態から見て、エンジンナセルとエンジンとの間の寸法のマッチングはまだ最も良い最適化設計に到達できていない可能性がある。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「殲ー20といったような第4世代戦闘機に関して言えば、エンジン交換は第3世代および第2世代戦闘機に比べずっと複雑である。」)

殲ー20戦闘機は何故「心臓」を換える?

先進的な戦闘機がエンジンを交換することに一定のリスクがありかつ難度が低くない以上、何故中航工業は殲ー20がすでに定型しかつ引き渡された後さらにこの一歩を行こうとするのだろうか。しかも換装するのは「太行」エンジンであって、決して殲ー20と組み合わせるために研究開発されるWS-15「峨眉」ではない。筆者は、その根源はロシアサイドのAL-31Fエンジン供給問題から出ている可能性があると考える。

1990年代から今世紀最初の10年、ロシア空軍が発注したスホーイ式戦闘機の数はごく少なく、したがってロシア航空エンジン企業生産能力の深刻な過剰をもたらし、中国を含むあらゆる国外ユーザーのAL-31Fエンジンに対する発注の需要を充分満足させることができた。しかし、近年来のロシア航空宇宙軍が発注するスホーイ戦闘機の数の急増と共に、さらに加えて国外の発注が依然絶えず、ロシアのAL-31Fエンジンの三大主要生産企業、サターン、ウファ、礼砲の生産能力をすでに飽和に近くさせている。現在、殲ー20はまもなく全速全力生産段階に入り、もしロシアサイドから購入するAL-31F改良型エンジンに完全に依存していたら、おそらく需要は満足させ難い。また、AL-31Fエンジンの購入価格もそれにつれ上がっており、最初の300万アメリカドルからすでに最高500万アメリカドル以上にまで上昇し、倍に近づいている。この2方面の要素の総合的作用の下では、殲ー20が国産エンジンに換装し、もって量産の需要の圧力を緩和することは、当然唯一の選択に供することのできる方法である。

中航工業がわざわざ1機の殲ー20サンプル機を生産し、しかも換装したのも相対的に成熟した「太行」系列エンジンであることから見て、やはり極力最短時間内にこの機のエンジン交換の改良設計を完成し、もって現在の殲ー20量産作業に対する影響を最小にまで下げるのに便とすることを図っている。当然、殲ー20が装備するのはきっと「太行」系列エンジンの改良型で、その信頼性と性能指標はAL-31F改良型エンジンに劣らないはずで、甚だしきに至ってはさらにある程度超越する可能性がある。

事実、アメリカ空軍現役主力戦闘機F-15およびF-16も同時にプラット&ホイットニー社のF100系列エンジンおよびGE社のF110系列エンジンを装備している。しかも、もしアメリカ空軍が後にロールスロイスとゼネラルエレクトリック合同研究開発のF136エンジンの研究開発停止を決定しなかったら、今のF-35[ライトニング」II各タイプ戦闘機も2種のエンジンを同時に装備していただろう。このため、同時にロシア製AL-31F改良型と国産「太行」改良型エンジンを装備した殲ー20が就役しても、中国空軍後方勤務保障に対し決してあまり大きな影響はないと言える。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「閲兵式に出現した殲ー20戦闘機編隊。」)

第2回目の「心臓」交換は期待に値する

殲ー20が国産「太行」改良型エンジンに換装した後では、コードナンバーにそれまでの殲ー20とある程度差異があるはずである。筆者は、もしすでに就役し、ロシア製AL-31F改良型エンジンを装備する殲ー20を殲ー20Aと称するならば、国産「太行」改良型エンジンに換装した殲ー20は殲ー20Bと呼ぶことができる、と推測する。「太行」系列エンジンは当初の機に装備しての試験飛行時にもうAL-31F系列エンジンと換装を便利にする汎用化の要求が提出されていたので、機体に固定するマウントの位置や間の距離を含めいずれも基本的に同じで、殲ー20Bは機体内部構造に対し比較的大きな変更をする必要はなく、生産工程や生産治具への影響も最小まで下げることができるはずである。中航工業の科研生産の実力から見て、殲ー20Bは関連の最適化改良設計を経た後、1〜2年内にはもう定型と量産投入を実現することが有望である。

また、殲ー20Aと殲ー20Bの関係の上から見て、後者がもし量産就役段階に到達しても、前者に完全に取って代わることはあまりありそうにない。前述のように、ロシアは同時に3つのエンジン企業がAL-31F系列エンジンを生産しており、比較すると国内で「太行」系列エンジンを生産できるのは中航工業黎明社しかない。しかも、黎明社が生産する「太行」系列エンジンはさらに沈陽飛行機社にも同時に供給し、すでに量産されている殲ー11Bや殲ー16など中国空軍および海軍が早急に必要とする第3世代改良型戦闘機への装備に用いる必要がある。さらに加えて現役戦闘機のために予備エンジンを生産する、および未来の殲ー15艦載戦闘機のあり得るエンジン交換の需要があり、事実として中航工業黎明社の生産能力も相当に飽和している。このため、現在の殲ー20は同時にA、B2タイプを同時に研究開発、生産して相互補完を行うしかない。しかも相当に長い一定の時間併存するだろう。

将来、殲ー20はさらに第2回エンジン交換に直面することになる。つまり研究開発中のWS-15「峨眉」エンジンである。このエンジンの全体重量および外形寸法の変化はより大きく、しかも推力ベクトルノズルを配備する可能性が高く、殲ー20は少なくともさらに1回の大改造を行い、したがって当初の予想の全設計状態に到達するだろう。


 エンジンの性能は当面比較的低いままながら数は相当多数になるということですかね。
















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