ロシア、ステルス戦略爆撃機を開発

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http://military.china.com/news2/569/20130308/17719482.html


ロシア軍、ステルス戦略爆撃機保有へ ふざけてB-2スキーと呼ばれる

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「ネットに流れ伝わるロシアの次世代爆撃機の想像図。真実の状況とは比較的大きな差異があるかもしれない。」)

新華ネット特別原稿(新華軍事評論員 鄭文浩) ロシアの「情報報」3月4日の報道によれば、ロシア空軍は先日すでに第5世代戦略爆撃機の研究開発方案を確認し(頑住吉注:方案の存在を事実確認した、ということだと思います)、ツポレフ設計局が担当して新型亜音速ステルス爆撃機を研究開発しロシア軍の現有のツポレフ-95MSおよびツポレフ-160に取って代わらせることを決定した。もし一切がスムーズなら、ロシアはアメリカに次いで第2の第5世代ステルス戦略爆撃機を持つ国になる。ロシア通信社の2010年の報道によれば、この爆撃機はロシアのカザン飛行機工場で製造が行われる。

この爆撃機はロシア当局の言い方によれば、「遠距離航空隊将来航空システム」すなわちPAK-DA(ロシア語ではПАК ДА 上述の名称の頭文字を取って縮めたもの)爆撃機である。一方我々が今見ているTー50戦闘機の当初のコードネームはPAK-FAである。前者のDは「遠距離」、一方後者のFは「前線」を意味する。我々はこの報道の原文を調べたが、原題を中国語に訳すと、「ツポレフの新爆撃機は設計の原因により高速飛行を実現できない」となる。ロシアの次世代爆撃機の研究開発上、速度が非常に関心を集める焦点であることが見て取れる。現有のネット上のロシアのPAK-DA爆撃機に関する画像はいずれも想像図であり、幅広い揚力を生む機体、双垂直尾翼、可変後退翼設計を採用した大型爆撃機である。ソースの異なる想像図にはいくつかの細かい差異があり、例えばあるものは双発方案を採用し、あるものは4発方案を採用している。あるものは機首の設計が基本的にツポレフ-160の設計を流用しており、一方あるものは機体前部の修正、改造が比較的大きく、埋め込み式コックピットの設計が採用されている。

だが「情報報」の最新の報道によれば、勝利を獲得したツポレフ設計局が提出した亜音速ステルス戦略爆撃機方案は全翼レイアウトを採用し、つまりアメリカのB-2爆撃機に似ている。ならばすぐに本来の双垂直尾翼、可変後退角の設計はきっと出現しないと確定できる。だが、上述の設計の想像図の出現は、火のないところに立った煙ではないと言うべきである。何故ならおよそ2週間前、ロシアの国防業務担当の副首相ロゴージンも、遠距離航空隊将来航空システムは極超音速爆撃機になるべきだ、としたからである。彼は、ロシアが必要とするのはアメリカのB-2に似た製品ではなく、飛行速度がマッハ5、すなわちおよそ時速6,000kmを超える機だと考えている。そして揚力を持った機体と可変後退角を持った主翼の設計は、明らかに高速飛行を狙った設計である。

だが現実にロシア軍が選択したツポレフの方案は、各方面から見て「B-2スキー」に他ならない。ソ連からロシアまで、ロシア航空隊の半世紀余りのアメリカ空軍を追いかける過程の中で、依然理念上「何もかも人に同調する」ことから脱していない。しかもさらに人を当惑させるのは、旧ソ連のツポレフ-160はアメリカのB-1爆撃機初飛行の4年後にはもう飛んだが、現在のPAK-DA爆撃機はB-2初飛行の30年後に製造できることも全く容易ではないことである。

ロシアサイドは新爆撃機は既存のツポレフ-95およびツポレフ-160に取って代わることになる、とする。だが筆者は個人的に全面的に交換される可能性は大きくないと考える。ロシアの現有の作戦実施可能なツポレフ-95爆撃機は55機、ツポレフ-160爆撃機は16機で、全部の交換には71機の新たな爆撃機の製造が必要である。もし新たな爆撃機の性能が1機をもって3機に値したとしても20機余り必要である。しかしアメリカでも21機のBー2しか作っておらず、しかも多数の元からあるB-52とB-1爆撃機を保有している。このためもしロシアの新爆撃機が製造コストを良好にコントロールでき、生産サイクルの遅延が起きなくても、装備数は最多で30機を超えることはない。だがロシアのT-50はインドという協力のパートナーを捜し出した。ただしPAK-DAはこのような国外のパートナーを捜し出せるだろうか? ロシア経済はあまり安定しておらず、航空工業の実力が衰退する背景下で、ロシアは新爆撃機の研究開発と生産を保証できるだろうか? 答えは全く楽観できない、である。もし逸れが生じたら、ロシアの新爆撃機の製造コストはさらに一歩上昇し、装備数も大幅に減少する。

ロシアの新型爆撃機が既存の爆撃機とのミックスでしか使用できないことを決定付けるもう1つの原因がある。ロシア軍の爆撃機の戦備巡航、威嚇の意義は実戦の意義より大きいことである。ロシアの未来の爆撃機が、現在のツポレフ-95やツポレフ-160同様に、NATOおよび日本と空中での対峙のゲームをプレイすることはあり得ない。それは非常に大きな出費であるだけでなく、ステルス戦略爆撃機を相手方の各種の空、地の偵察手段の面前に長時間暴露させ、極めて大きくそのステルス防御突破性能をそぎ、その使用価値を低下させることになる。

ロシアの新爆撃機に関しては、まだ1つ関心を注ぐに値する問題がある。すなわち使用の方向である。ロシアのニュースの中でも、ロシアには海外の大型軍事基地がないことを認めている。このため本土から離陸してできるだけ遠距離の目標を破壊できる戦略航空隊を持つことが非常に重要だということが突出する。だがロシアがアメリカと異なるのは、その位置が2つの大洋の間にあるアメリカ州ではなく、ユーラシア大陸だということだ。このためロシアが配備する可能性のある方向はフィンランドを含む北欧方向、黒海付近をカバーする中東方向、極東の日本方向、そして北極を超えてのアメリカ方向である。だがロシア周辺に密に配置された各種の高度な精密レーダーと空中早期警戒システムゆえに、その配備環境はアメリカのBー2よりずっと劣悪とならざるを得ない。この機がステルス設計を採用しても、作戦行動が暴露する可能性は依然非常に大きいのである。


http://military.china.com/news2/569/20130307/17715349.html


ロシア空軍、Bー2に似た全翼レイアウトの次世代戦略爆撃機研究開発を確認

東方ネット3月6日の情報:ロシアの「情報報」3月4日の報道によれば、ロシア空軍は先日遠距離航空隊将来航空システム、すなわち第5世代戦略爆撃機の研究開発方案をすでに確認し、ツポレフ設計局によって新型亜音速ステルス爆撃機の研究開発が担当され、近代化された核ミサイル武器搭載機のツポレフ-95とツポレフ-160に取って代わる、と決定した。だがステルス性能の要求と自身の構造上の特徴の制限を受けて、機の最大速度は音速を突破できない。

これまで全ての人はロシア空軍の第5世代戦略爆撃機は超越的に速い飛行速度を持つことになると予測し、甚だしきに至ってはロゴージン副首相が遠距離航空隊将来航空システムの速度は時速6,000kmに達し得ると言明した。だが軍はいくつかの種類の方案の中からツポレフ設計局の提出した亜音速ステルス戦略爆撃機方案を選択した。ロシア空軍の消息筋の人物は、ツポレフ設計局は新世代戦略爆撃機設計草案トライアルで勝利し、新たな機は全翼レイアウトを採用することになる、と指摘する。だが全幅が極めて大きく、また自身の構造的な特徴の制限を受けるため、機が音速を突破するのは不可能である。ただしそのステルス能力は非常に高くなり、敵サイドのレーダーに発見されない可能性がある。

ロシア国防省の高官は、去年初めロシア軍は新世代戦略爆撃機の初歩的方案の選抜トライアルを開始した、と漏らす。ツポレフ設計局の他、さらにその他いくつかの設計局が参加し、彼らはいくつかの種類の超音速方案と1種類の極超音速方案を提出した。だが軍は最終的にステルス能力に有利な選択をなし、ツポレフ設計局の草案を選定した。

およそ2週間前、ロシアの国防業務担当の副首相ロゴージンは、遠距離航空隊将来航空システムは極超音速爆撃機であるべきだ、とした。彼は、ロシアが必要とするのはアメリカのBー2に似た製品ではなく、飛行速度がマッハ5、すなわち時速およそ6,000kmを超える飛行機だ、と考えている。だがロゴージン副首相の計画は物理的原理上明らかにやや自己矛盾をきたしている。ロシアの航空領域のある消息筋の人物は次のように説明する。極超音速の飛行速度に到達するためには、機は理想的な流線型の空力レイアウトを採用すべきである。だが、レーダーに対するステルス効果実現のためには、逆にエッジのあるラインの空力レイアウトが必要となる。この種の構造の特徴は敵サイドの防空システムのレーダーが輻射する反射波を偏向させ、相手サイドに反射して戻ってきた機の信号を見えなくさせることができ、したがって機のレーダーに対するステルス化がなされる。この方面ではサイズの大きいT-50は製造できる。だがこの種の構造の輪郭は重量120トンに達する戦略爆撃機にとっては、空力抵抗の増加をもたらし、燃料消耗が大きすぎ、このことは航続距離の短縮を意味する。また、超音速飛行実現のためには、エンジン内により多くの酸素を入れるべきであり、このため空気取り入れルートは広く真っ直ぐにすべきである。だがステルス機はS字型の空気取り入れルートを必要とし、もってエンジンのブレードを遮蔽し、レーダーの輻射波から守る。だがこの種の方案の下では空気取り入れ量が不足することになる。さらに、熱輻射方面のステルス性能を保証するため、機のエンジンはアメリカのB-2亜音速ステルス爆撃機同様機体内部に隠すべきである。だが超音速飛行を実現したければ強大な推力を必要とし、しかも現在はしばらくのところノズルが外部にあるエンジンだけがこのような推力を生むことができる。例えばツポレフ-160、B-1、「コンコルド」機である。最後に、設計者たちが提出する「魚と熊の掌は同時に得られない」の視点は軍サイドの賛同を得ている。現在ツポレフ設計局はできる限り早く新世代戦略爆撃機の戦術技術方面の研究開発作業を完成させるべきで、その後2014年初めに科研作業の予算が渡される。将来爆撃機は2020年に大量生産が開始されるはずだと見られている。

ロシアの「テイクオフ」誌の編集長アンドレ フーミンは、ロシア空軍が亜音速戦略爆撃機方案を選択したのは、非常に大きな程度上レーダーステルス性能と関係があるだけではなく、さらにこの種の飛行機の製造コストがより低く、航続距離が超越的に長くなり得ることと関係がある、と考える。フーミンは、新世代戦略爆撃機設計方案の選択時、設計上の任務、要求を根拠にいくつかの要素を総合的に考慮した可能性がある、と指摘する。航続距離もあれば、搭載重量もあれば、タフネス性もある。現在ではレーダーステルス性能を保証したければ、自身の形状によるだけでなく、レーダー波吸収材料によってもできるし、また妨害を行う特殊な電子設備によって実現することもできる。レーダーに対し絶対的に完全なステルス機を研究開発することは不可能だが、そのレーダースクリーン上に表示される感光点の大小を決定する有効な反射面積を大幅に減少させることはできる。一定の視角の下でいくつかの第4世代戦闘機のこの種の有効な反射面積が3平方mだとすると、アメリカの第5世代戦闘機は0.3平方mしかなく、しかも次世代戦闘機は0.01平方mにまで低下する可能性がある。ただしこれはレーダー波吸収材料だけに頼ったのではできず、重大な構造の改変を行う必要がある。

ロシアの航空領域のフリーの軍事専門家アントン ラブロフは、西側はすでに超音速機を使用して防空システムを突破する構想を放棄している、とする。現在では防御突破にとってより重要なのはステルス性と航続距離であって速度ではない。ロシアは信頼できる同盟国と海外の大型軍事基地を持たず、このため本土から飛び立ってできるだけ遠距離の目標を破壊できる戦略航空隊を持つことが非常に重要であることが突出する。しかもロシア陸軍にとってより重要なのも空軍であって海軍ではない。ロシア軍は本国の世界各地における利益を保護できる触角のより長い腕を持つことが必須なのである。

ロシア空軍遠距離航空隊将来航空システム研究開発プロジェクトの出費は数兆ルーブルになると見られ、しかもロシア空軍が装備する必要のある量産型機の数は数十機を超えない。何故なら戦略爆撃機はロシアとアメリカの進攻性戦略兵器制限条約の制約を受け、しかもいかなる国にもこの種の飛行機を輸出することはないからである。このため計画によれば未来の新型戦略爆撃機は核弾頭を装備した戦略ミサイルを搭載するだけでなく、さらに非核弾頭を装備した高精度ミサイル、および制御誘導航空爆弾、自由落下爆弾も搭載する必要がある。(編集翻訳:林海)


 どう見てもあまり画期的なものにはなりそうにないですね。大型のステルス爆撃機の技術的困難さもありますが、爆撃機自体の存在意義の低下も影響しているんでしょうか。










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