中国の専門家、トルコによる紅旗ー9選択を語る

 当然、安かったからだろうと思いますが、他の理由も挙げられ、意外な記述も含まれています。

http://military.china.com/important/11132797/20130928/18069685.html


専門家:トルコに輸出するHQ-9と中国自ら使用する型は異なる 秘密が漏洩することはない

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「トルコに輸出される対空ミサイルは紅旗-9の輸出型である」)

「一緒に出演した端役が監督に気に入られて主役に格上げされた! 本当に異例な経緯だ‥‥」 「花婿の介添えがその花嫁を奪った、えらく困惑する‥‥」

昨日の、中国の紅旗-9対空ミサイルがトルコの30億アメリカドルの大規模発注を入札で勝ち取ったとのニュースのフィーバーはさめやらない。この多くの人にとって意外なニュースに対し、ネット仲間たちはこのように揶揄している。

ロイター社26日の報道によれば、トルコ国防大臣イルマズは、中国精密機械輸出入社がトルコの遠距離防空・ミサイル防御システム「T-Loramids」プロジェクトの入札募集で勝利し、総額は30億アメリカドルである、と宣言した。この決定はトルコ首相エルドアンが主宰する国防工業執行委員会の会議で批准された。

紅旗-9はアメリカの「パトリオット」、ロシアのS-400、ヨーロッパの「アスター」を打ち破った

マイルストーン:中国のミサイルがトルコの30億の大規模発注を手に入れる

本報、専門家に連絡し3つの大きな焦点となる問題を解読する


この競争の中で、中国の紅旗-9遠距離地対空ミサイル(輸出型はFD-2000)は本来お飾り的存在と考えられていた。何故なら相手は名声の高いアメリカのRaytheon社の「パトリオットー3」、ロシア国防輸出社のS-400、フランス・イタリアのEurosam社の「アスター30」対空ミサイルだったからである。

トルコはNATO加盟国なので、冷戦の期間はずっとアメリカの確固たる同盟国で、1962年にはアメリカにその国土にソ連を照準する核ミサイルを配備させ、結果的に「キューバミサイル危機」を引き起こした(頑住吉注:キューバ危機の時、トルコに配備された中距離核ミサイルも問題の焦点の1つだったということです)。このためこれまで世間ではこの発注が「パトリオット」の手に落ちる可能性がもっとも高く、「アスターー30」にも小さからぬチャンスがある、と考えられていた。

紅旗-9が何と意外にもこれら強豪から獲物をかっさらうと、誰が知っていただろうか。これは中国防空武器初のNATO加盟国への輸出である。

これに対し、昨日外交部スポークスマンの洪磊は定例記者会見で次のように回答した。「中国政府は一貫して慎重、責任を負うという態度に基づいて軍事貿易協力を展開している。中国とトルコのこの協力は両国間の正常な軍事貿易協力である。」

今年6月には早くもアメリカの「安全保障業務ニュース」ウェブサイトが、トルコは「強烈」に中国の紅旗-9システム購入に傾いている、と明らかにしていた。その後、アメリカとヨーロッパはトルコに中ロのシステムを選択するな、と「警告」した。

驚きと喜びが過ぎた後、多くの読者が強い疑問を持っている。すなわち、何故トルコはNATO加盟国の圧力に逆らって中国の防空システムを選択したのか? また紅旗-9はいかにしてNATOのシステムに融合されるのか? どのように秘密漏洩を避けるのか? である。記者は著名な軍事専門家陳虎に聞いた。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「FD-2000は紅旗-9対空ミサイルの輸出型」です。)

トルコは何故紅旗-9を選択したのか?

トルコが中国の対空ミサイルを選択したことに関する、最も直感的に理解される優勢は価格の安さである。報道によれば、トルコの今回のプロジェクトの予算は40億アメリカドルで、一方2009年にアメリカは「パトリオットー3」のために78億アメリカドルという天文学的金額を支出した。また「アスターー30」のオファー価格も55億アメリカドルに達し、いずれも基準を超えた。そしてS-400も紅旗-9の30億アメリカドルに比べやや高かった。

だが武器の性能はより重要な要素である。「パトリオットー3」には完備された防空・対ミサイル能力がある。「アスターー30」は非常に高い柔軟性があるが、現在まだ弾道ミサイルを攻撃する能力は持たない。S-400は特に飛行機と巡航ミサイルの打撃に長けている。だが外国メディアの報道によれば、この前のトルコにおける標的打撃試験の中で、紅旗-9は百発百中で、成績が第一位だった。

総合して比較判断すると、紅旗-9には極めて高い性能:価格比がある。

だが、国際的兵器販売の中で、価格や性能よりさらに決定的性質を持つのが政治的要素である。ロシアとトルコはシリア問題での仲違いが続いており、そしてロシアとNATOの対立関係がS-400が入札に勝利するチャンスが薄いことを決定付けたのである。

「ここ何年か、トルコはその対外戦略を調整し、長期にわたって実行してきた親西側、EU入りの戦略から、より独立自主を強調する外交に転じ、いわゆる『東に目を向ける』趨勢が出現している。」 陳虎は、2002年に正義・発展党が政権を取った後、トルコはEU加盟というこの長期的戦略に対し徐々に情熱を失い、もはや西側の後ろにただ付き従ってはいない、と分析する。このような背景の下、トルコの兵器購入にはもはやアメリカとヨーロッパというこの2つの選択肢しかないわけではない。「事実として、トルコはすでに独立して遠距離火砲を研究開発し、かつ韓国と合同でメインバトルタンクを開発している。」

兵器販売の中で、販売国は発注を勝ち取るため往々にして技術移転を承諾する。これは独立自主の国防を追求するかの国々にとって非常に魅力的と言える。フランス通信社の報道によれば、トルコはすでに中国精密機械輸出入社との、トルコで協力して紅旗-9システムを製造する業務につき商談を開始している。

「トルコは上昇期にいる、壮大な志を持つローカルパワーであり、戦略的意義に富む遠距離防空システムの独立した製造の追求はロジックに符合している。」と陳虎は言う。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは「FD-2000輸出成功は中国軍事工業界が取得したまた1つのマイルストーンである。」です。)

いかにしてNATOの防空早期警戒体系との互換性を持たせるのか?

「安全保障業務ニュース」の報道によれば、トルコが購入する紅旗-9はトルコの現有のNATO対ミサイルシステムと相互に融合することが難しい可能性がある。西側の外交関係者と専門家も警告を発し、トルコは中国・トルコ防空システムとトルコ国内のNATOの早期警戒システムを一体に整合することを「許されることはない」かもしれない、としている。

「これは実は大きな問題ではない」と陳虎は記者に対し語った。まず、防空ミサイルシステムには完備された独立作戦能力がある。もしNATOの早期警戒ネットワークと空の状況に関する情報を共有しようとすれば、データリンクに互換性がないという問題が出現する可能性がある。「相手方がNATO制式の通信に関する取り決めを中国に教えることはあり得ない。ならば通信に関しては除く形で輸出し、トルコ自身によって解決すればよいのだ。」

「実際、秘密保持モジュールを1つ加えれば、データリンク通信の問題は都合良く解決でき、決して想像するように難しいことではない。」と陳虎は明らかにする。

いかにして秘密漏洩を防止するのか?

少なからぬネット仲間が評論の中で、紅旗-9をNATO加盟国に販売したら、中国の対空ミサイルの性能パラメータ、カギとなる重要技術、およびレーダーが作動する周波数帯や信号特性といった軍事機密がアメリカに漏洩することがあるのかどうか?、と心配している。

「国際的兵器販売の中には慣例があり、販売される武器はいくつかの核心的方面で本国の軍隊の主戦装備ときっと異なっている。」 陳虎は記者に、対空ミサイルを例にすると、火力コントロール制御誘導レーダーの作動周波数帯、さらには作戦指揮コントロールソフトウェアは、FD-2000と解放軍が装備する紅旗-9とで必然的に異なり、皆余計な心配をする必要はない、と教えた。

(頑住吉注:4ページ目)中国のFD-2000対空ミサイル

(頑住吉注:5ページ目)今回の競争入札に参加したアメリカのパトリオットー3対空・対ミサイルシステム

(頑住吉注:6ページ目)フランスのアスター中距離対空ミサイルシステムも今回の競争入札に参加した

(頑住吉注:7、8ページ目)解放軍が装備する紅旗-9対空ミサイル


 中国が大本営発表的に自国の兵器を称賛しても全面的に信じることはできませんが、トルコが標的射撃で中国のミサイルの成績がトップだったと言っているのが本当ならば信憑性は高いでしょう。もちろんテストの条件等にもよるので即紅旗ー9の命中率がパトリオットより上だとは言えませんが。

 通信機能を除外した紅旗ー9を輸出して、トルコが西側の通信機能を追加するという方法ならNATOは接続を許すのか、作業過程でトルコが中国に助言を求めるために情報を漏らす恐れはないのか、通信機能を自前で用意して取り付けても価格の優位は保たれるのか、いろいろ疑問があります。

 周波数帯やソフトが異なっていても全体的な技術レベルなど多くのことはNATOの合同演習などでアメリカを含めた国に伝わるでしょうね。













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