韓国、核武装を望む

 3月21日のコラムで「台湾の核武装」という話題を取り上げましたが、今回取り上げるのは韓国の核武装という問題に関する記事です。なお、優先順位がやや低いと思ったため後回しにしましたが3月14日付の記事です。

http://military.china.com/news2/569/20130314/17728353.html


韓国には「核のハードル」を超えるポテンシャルがある 日本のレベルはさらに一段上

【グローバル時報駐韓国特約記者 王剛 本報特約記者 黄山伐 張亦弛】 まさに朝鮮半島が北朝鮮の核実験ゆえに新たな緊張に陥った時、韓国にも核に関する考えを打ち出す人がいる。韓国メディアは13日、韓国政府はできる限り早く「韓米原子力エネルギー協定」の改正を始動させ、その目的は韓国が濃縮ウラン抽出の権利を確保することだ、とした。事実、非常に強い民間用原子力エネルギー利用能力を持つ国として、韓国はずっと秘密のうちに原子力エネルギーの民間用から軍用への転換の試みを行っている。このためある分析は、こうした技術的蓄えの支えがあるため、ひとたび制限が緩和されれば韓国メディアが言うような「韓国はすぐに核兵器開発を実現できる」というのは決して大げさではない、と考える。

韓国、自主的な濃縮ウラン抽出を要求

韓国の「朝鮮日報」13日の報道によれば、韓国外交の上層部の人物は12日、韓国は今月「韓米原子力エネルギー協定」改正の談判を再始動させ、この主要な目標は韓国が濃縮ウランを抽出する権利を保障することだとした。だが過去2年、アメリカの核不拡散の立場は非常にきっぱりとしていて、このため関連の談判は決して大きな進展が得られていない。韓米両国は、「高温冶金処理」を使用した濃縮方式を考慮しているところで、これは核兵器製造に用いられる心配をする必要のない新型核燃料処理技術である。韓国政府は朴槿恵の5月における訪米の前に一定の進展を得ることを希望している。韓国の「東亜日報」も11日、1974年に署名され効力を発生させた「韓米原子力エネルギー協定」は来年3月19日に期限を迎える、と報道した。アメリカ議会の手続きを考慮すれば、今年前半に両国が改正案の協議を完了させることが必須である。

韓国は現在20基の原発を運用しており、原子力発電は韓国の発電量の40%を占め、毎年4,000トンのウランを輸入して燃料に用いている。同時に700トンの「使用済み核燃料」が生まれ、原発周辺の水槽の中に貯蔵されている。韓国政府がウラン濃縮を行うことを要求する主な理由は経済的な原因である。韓国が現在保管する使用済み核燃料はすでに1万トンに達しており、現有の貯蔵施設は2016年に飽和する。そしてウランは燃料として使用した後、もし再処理を行えば94%は新たに使用でき、廃棄物も1/10前後にまで減少する。このため韓国は、もし核燃料の再処理能力を持てば大幅に核廃棄物の保管量を減少させることができるだけでなく、さらに大幅にエネルギー源の効率を向上させることができる、と主張している。韓国政府は2009年から、持続的にアメリカに向けウラン濃縮を要求する声を発し、20%以下の濃縮を韓国によって自ら完成させることを希望している。国際原子力機構が許容する核燃料の最高濃度は20%であり、原子爆弾製造は90%以上の濃縮ウランを必要とする。

かつて秘密のうちにウラン濃縮を試験

アメリカ政府は韓国のウラン濃縮を行うことを要求する活動に対し警戒に満ちており、北朝鮮核問題の解決は目前と考え、韓国が使用済み核燃料に対し再処理を行うことを許していない。アメリカは、もし韓国が再処理過程でプルトニウムを得れば、これを原料に核武装を行う可能性があると心配しており、このため原子力エネルギー協定によって韓国が再処理権を持つことを禁止している。実はアメリカがこんなにも韓国の核武装に関するいかなる試みも警戒するのはもっともなことで、韓国の内情も確実にアメリカの懸念を増加させている。1980年代、韓国はもう燐酸塩の中から酸化ウラン物質を取り出す試験に成功した。2000年初め、韓国原子力エネルギー研究所はAVLIS方式をもって秘密裏に3回のウラン濃縮試験を行い、試験が獲得した0.2gのウランの平均純度は10%、最高は77%だった。2004年9月、当時の国際原子力機構事務局長エルバラダイは韓国政府の威嚇をかえりみず国際原子力機構にこの事件を報告した。その後の国際原子力機構の調査の中で、韓国政府は一部の科学者が学術的好奇心から試験を行った、と説明した。アメリカ政府はこれに対し大いに憤慨し、ある人はこの問題を国連に提出することを主張したが、最終的に圧力に負けた。

ある韓国メディアは、経済的角度から見て韓国が自らのウラン濃縮施設を建設するのは決して引き合わないと考える。1セットの完備されたウラン濃縮施設の建造は100億アメリカドル以上を必要とする可能性があり、一方輸入ウランを使えば1年で何億アメリカドルかでもう充分である。日本は再処理施設を持つものの、やはり輸入ウランに頼っている。このためある分析は、経済的利益から自主的にウラン濃縮を行うというのは一種の口実に過ぎない、と考える。韓国の「東亜日報」は、北朝鮮が第3回核実験を行った後の報道の中で、韓国の原子力発電技術は「世界最高水準」にあり、天然ウランを利用して核燃料を製造する技術も掌握しており、このため条件が許せば核兵器の製造は決して不可能ではない、と言明している。

東北アジアは核による対峙に陥るのか否か?

西側の専門家は、ある国が簡単で使用に適する核兵器を製造しようとするなら、5つの条件を具備するべきだ、と考える。すなわち、1つ目は核反応関係の理論を掌握すること。2つ目は核兵器材料の物理的および化学的特性を掌握すること。3つ目は核兵器を製造し、また核兵器を試験する技術的設備を持つこと。4つ目は充分な核分裂材料を持つこと。5つ目は必要なファイナンシャルパワー、マテリアルパワーを出して核兵器開発に用いる意志があること。最初の3つは一定の工業能力を持つ国はほとんど全て行える。何故なら公開されている文献はとっくに多くの核反応炉や核兵器方面の技術を世の中に明らかにしているからである。だが核兵器を開発しようとするのに最も重要なカギとなるのは、充分な量の核兵器クラスの核材料を持つ必要があることである。韓国のような発達した民間用核技術を持つ国はすでに「核のハードル」を越えるポテンシャルを持っているのである。

日本の核技術研究と開発のレベルはさらに一段上である。日本は核エネルギー平和利用の名の下に、大きな力を入れて先端核技術研究を展開している。例えば常温、高温の核融合研究、高速増殖炉の研究である。これらの研究プロジェクトは全て核兵器製造の技術的基礎である。日本はさらに民間用原子力発電の需要の名の下に、核原料を大量に購入、貯蔵し、かつ大きな力を入れて使用済み核燃料の再処理、回収工場を建設し、使用済み核燃料の回収と純化に便としている。あるアメリカ軍の評価報告は、日本は1970年代初めにもう毎年最多で30発の核爆弾を製造する能力を持っていた、としている。さらに急進的な視点は、日本は数週間以内に核兵器を製造できる、と考えている。国際核問題専門家カイリーは「核兵器のよく見られる問題の解答」という本の中で、2000年になって日本が分離した反応炉クラスのウラン貯蔵量は55トン前後に達し、こうしたウランは1万発の核弾頭の生産に足り、アメリカが「第2段階戦略兵器削減条約」で保有を承諾した核弾頭の総数を超える、と提示している。


 報告するな、とエルバラダイ氏を脅す、報告されれば「一部の科学者が学術的好奇心から試験を行った」と弁解する、やっぱ韓国がらみは一味違いますね。まあ韓国のミサイルの射程の制限を緩和することは認めたアメリカも、さすがに核武装は認めないと思いますが。









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