中ロ合同軍事演習の意義は

 「軍情視界」の記事です。

http://military.china.com/jqsj/067/


中ロ海上合同演習の意義は軍事演習自体をはるかに超える

「海上連合-2014」は中ロ関係の多面性をはっきり示す

イントロダクション:5月20日、中ロ「海上連合-2014」演習が正式に東海で開幕した。今回の合同軍事演習は、中ロ両国の国家元首が同時に開幕式に出席しただけでなく、演習が選択した時間と地点も外界の関心の焦点となっている。中ロの演習参加部隊は精鋭揃いであり、さらに動員される戦闘艦の数および演習の内容は戦役クラスに到達していると言える。中ロのこのような高規格の軍事演習に直面し、人々は中ロ関係が今後どんな程度にまで発展するのか知りたくなるのを禁じ得ない。

中ロの「準同盟」は両国の微妙なバランスポイントを体現する

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「中ロ海軍、初めて釣魚島海域で合同軍事演習を行う」)

ロシアが中国の防空識別圏を支持することは諸刃の剣

今回の中ロ「海上連合-2014」軍事演習の中で、両国海軍は初めて合同での検査確認、識別と合同での防空課目を演習し、今回の検査確認、識別には海上目標に対する識別も含まれるし、空中目標に対する識別も含まれる。このことは、両国がいくつかのデリケートな問題の上で相互に支持を与えることができるようになることを意味しており、例えば中国の東海防空識別圏問題である。ロシアサイドが今回この項目を行うのは、中国の東海防空識別圏に対する承認と支持をも意味している。ロシアが中国の東海防空識別圏を承認する意義は非常に重大である。ロシアは国際および地域における影響力が比較的大きいため、その東海防空識別圏に対する態度は多くの国の決策に対し思わず知らずのうちにこれを変える効果がある。だが我々は、ロシアが中国の東海防空識別圏を承認するのと同時に、中国が東海において直面する圧力も徐々に増大している、ということをも見るべきである。何故なら中ロ両国の軍事的に密接な交際は、必ずやアメリカの関心を引き起こすだろうからである。アメリカはより多くの注意力を東欧地域から西太平洋地域に移すことになり、これによって引き起こされる非常に大きな圧力は、中国によって独自にに引き受けられることになる可能性が極めて高い。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「中ロ軍事演習の規格の高さは世界でも稀に見るものであり、西側を威嚇していると指摘される」)

中ロ軍事演習の地位の上昇は両国の利益に符合する

2005年の中ロ「平和使命-2005」合同軍事演習の中で、中ロ海軍は早くも黄海海域で初めて協力し、海上目標攻撃、上陸作戦などの重点課目の演習訓練を行った。一方2012年の「海上合同-2012」になると、中ロの海軍は正式により専業的な海上合同軍事演習を開始した。2005年から2014年までに中ロ海上合同演習は「たまに」から1年1回の常態化された演習となり、中ロ両国関係が日増しに緊密になることを体現しているだけでなく、同時に国際情勢の風雲変化をも体現している。アメリカの中国封じ込め戦略が加速して実施されるのと共に、ロシアの元々の勢力範囲も不断にカラー革命によって侵食され、中ロ両国はいずれも不断に抑圧され包囲される局面に直面している。一方両国の政治、軍事上の相互利益、相互信頼関係は、中ロいずれにも最も安定した後ろ盾を持たせ、精力の全てをアメリカの覇権主義への反撃という業務の中に投入できるようにさせる。同時に、中ロ両国はさらに資源と設備の上で長所を取って短所を補い、したがって両国の総合的な実力をより良い方向に向けて発展させることができる。

中ロ軍事同盟までの一歩はあるいは踏み出し難いか

「海上連合-2014」軍事演習の展開と共に、中ロ関係に関する各種の報道も次々現れては尽きず、このうち最も人に関心を持たせるものには中ロの同盟建立の問題が属すはずである。ロシアの専門家は最近中国メディアのインタビューを受けた時、中ロの政治および軍事協力はすでにこのような程度に達しており、すなわち両国が真の軍事同盟を建立するまでの距離は一歩でしかない、と率直に言った。この同盟がひとたび出現すれば、世界の構造を完全に変えるだろう、という。だが、このような言論に対し、中ロの対外政策戦略専門家たちは逆に期せずしてこのような同盟が建立される可能性の否認を一致して選択している。この人をして驚きいぶかしがらせる結論は、実は決して理解し難いものではない。まさにいわゆる「恒久的な敵はなく、恒久的な盟友もなく、恒久的な利益だけがある」というやつで、国と国との関係もこの例外ではなく、中ロであってもこの規律からは逃れ難いのである。中ロの政治的関係のレベルは相当に高いが、両国が相互に防備を設けない状態に達するには程遠く、ロシアは現在中国に対する開放に入れる力の度合いを強化しているが、依然多くのカギとなる重要な領域で中国に対し譲れない最低ラインを引いている。中ロが正式な同盟関係を建立するにはまだ非常に長い行かねばならない道があることが見て取れ、この間もなく踏み出す最後の一歩は、あるいは想像するような容易なことでは決してないかもしれないのである。

中ロ「海上連合-2014」軍事演習は実戦との比較に堪える

中国の新型戦闘機とイージス艦、いずれも中ロ軍事演習に参加へ

中ロ軍事演習、合同で付近の外国の艦・機を検査確認、識別へ

中国サイドの新型潜水艦、中ロ艦隊と攻防大戦を展開へ

中ロ海上合同軍事演習は別の下心ある国を威嚇することが可能

合同軍事演習がアジア信頼醸成措置会議とぶつかったのは決して偶然ではない

中ロ海上合同軍事演習について語る以上、上海で行われるアジア信頼醸成措置会議に触れないわけにはいかない。今回の合同軍事演習の時間は5月20日から26日の間に選択されているが、ちょうどこの時にアジア信頼醸成措置会議も上海で行われ、しかも中国国家主席習近平、ロシア大統領プーチンを含む46人の国と国際組織の指導者あるいは代表が会に参加しようとしており、その規模はアジア信頼醸成措置会議成立以来最大である。2大事件がぶつかったのが決して偶然ではなく、相互に呼応、相互に関連していることが見て取れる。今回のアジア信頼醸成措置会議で、中ロ両国は各方の関心の重点であるだけでなく、両国元首は分量のある合同声明に署名しかつ発表することになり、このことは中ロ関係がすでに新たな高みに到達していることを示す。一方これと対応する海上合同軍事演習は、中ロの軍事上の相互信頼の程度も外界の想像をはるかに超えている、ということを示している。両国は政治、経済、軍事など多くの方面いずれにおいてもすでに緊密な関係があり、しかもこうした緊密な関係の背後には、中ロの「抱団取暖」(頑住吉注:抱き合って暖を取る、転じて困難な時に団結するといった意味のようです)、共同でアメリカの覇権に抵抗反撃する戦略目標が体現されているのである。

演習地域はデリケートで、米日に警鐘を鳴らす

中ロの今回の海上合同軍事演習の地点の選択は非常に意味深長で、初めてデリケートな東海の釣魚島西北海域に選択されており、しかも選定された時間はちょうどオバマが日本に対する訪問を終わらせた翌日だった。種々の兆しは、中ロが演習地点をここに選択したのは、合同作戦の実力と能力を見せることによって、アメリカと日本に対し警告と威嚇を行うために他ならない、ということを示している。東海問題で、日本はずっとアメリカを後ろ盾として仰ぎ、中国に対抗している。だが中ロ合同軍事演習はあるいは日本のこの幻想を完全に打ち消すかもしれない。ロシアがカギとなる重要な時に中国を助けるだろうからである。しかもロシアが東海で中国を助けて米日同盟に対抗することは、アメリカの戦力を分散させ、結果的にウクライナ問題がもたらす圧力を軽減することもできる。現在のアメリカの同時に中ロを怒らせる戦略的挙動は、すでに国内外のひとしきりの罵声に遭っており、もしアメリカが身の程を知らずに両面戦線で中ロと衝突を発生させたら、アメリカを待っているのは罵声といったような簡単な結果ではなくなる可能性がある。

各視点からの声

尹卓:中ロ軍事演習に新たなハイライトあり 相互信頼の程度、軍事同盟国のレベルに達する

近く、中ロ「海上連合-2014」軍事演習が中国長江河口以東の東海北部海空域で行われる。これは中ロ海軍が近年来行う第3回目の「海上連合」と命名された演習である。

より多くの声

アメリカメディア:グローバルホークがもし中ロ軍事演習を偵察したら、あるいは撃墜されるか

日本メディア:中ロ東海軍事演習、あるいは日本に対し力を見せるものか

李莉:中ロ軍事演習は艦隊の作戦能力を検証するため

滕建群:極限性ありから全面展開まで 中ロ軍事演習、未来に着眼

最新のネット調査は、演習の意義はアメリカのアジア太平洋地域再バランス戦略を牽制することにあると考える人が8割以上を占めることをはっきり示している。だが専門家は、今回の演習は多くの意義を兼ね備え、むしろ未来に着眼していると考える。

より多くの声

専門家:日本、中ロの軍事演習に牽制されることを心配

日本サイド:中ロ軍事演習が釣魚島に対し影響をもたらすことはない

専門家:中ロ軍事演習は島礁の攻防能力を高めることに

ネット仲間の調査

あなたは中ロ「海上連合-2014」軍事演習をいかに見ますか?

中ロが軍事同盟を建立することの表現 7.3% 21票

中ロは協力を強化して共同で米日同盟に対抗する 68.75% 198票

ロシアは東海問題の上で中国を支持する 5.21% 15票

中ロ両軍が相互に学習し、長所を取り短所を補う助けになる 13.2% 38票

両国の軍の定例演習に過ぎない 2.78% 8票

はっきり言えない 2.78% 8票

総票数 288票

結びの言葉

中ロ両国はいずれも地域の大国であり、同時に世界の強国である。両国の緊密な協力は世界の構造に対し非常に大きな影響をもたらすだろう。アメリカの包囲追撃分断殲滅戦術に直面して、中ロ両国が手を携えることはより有効にアメリカの覇権に抵抗反撃でき、従って極めて大きくアメリカの力量と影響力を削減することになる。今、多極化はすでに全世界の発展の大きな趨勢となっている。アメリカのみが強大という状況はあるいは終わり、中ロが新世紀において肩を並べて前進し、世界のためにより多くのプラスのエネルギーを添加することになるのかもしれない。


 中国国際問題研究所研究員という肩書を持つ滕建群という人は「最新のネット調査は、演習の意義はアメリカのアジア太平洋地域再バランス戦略を牽制することにあると考える人が8割以上を占めることをはっきり示している」としており、ここでのアンケートでも「中ロは協力を強化して共同で米日同盟に対抗する」が7割近くを占め、中国ではこうした見方が主流であることがうかがえます。これは単に中国人の希望的観測ではなく、ロシアにもメリットがあるという根拠が示されており、今後そういう流れになる可能性は否定できないでしょう。
















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