ウクライナの中国向け兵器輸出に重大な変化が生じる?

 「中国・ウクライナ軍事技術協力」では歴史的経緯に関する記事を紹介し、「ウクライナの軍事工業の財産はすでにはっきり探られ尽くしているが、局部的な単一項目の技術領域では、中国は依然ウクライナ軍事工業との協力の強化を持続することになる。」とされていましたが、今回紹介するのはこれに重大な変化が起きる可能性がある、という記事です。

http://military.china.com/important/11132797/20140213/18338732.html


ロシアメディア:アメリカ、あるいはウクライナが中国向けに軍用機、戦車のエンジンを輸出するのを阻止するか

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「我が国がウクライナから導入した最も有名な軍事装備として遼寧艦の前身であるワリヤーグ空母以上のものはない。」)

「ロシアの声」放送局ウェブサイト2月12日の報道によれば、ウクライナの数ヶ月持続する危機は、正常な国家として見せるべきではない自らの軟弱さの程度を証明した。もしヤヌコヴィッチ大統領一派が今回の難関を乗り切っても、この軟弱さは依然留保されていくだろう。ロシア戦略・技術分析センターの専門家ワシーリ コーシンは、これにより多くの問題が引き起こされることになり、これにはウクライナと生産に関する協力を行う中ロ軍事工業企業が直面しようとしている問題が含まれる、と考える。

現在ウクライナ国内は騒乱状態で、基礎施設の破壊および財産の再区分けなどさらに一歩激化する現実の脅威がある。ひとたびヤヌコヴィッチ大統領が立ち去れば、ウクライナの外交政策には予測し難い改変が発生する可能性が高い。

暴露されたアメリカ国務次官補ヌーランドとアメリカ駐ウクライナ大使ピアットとの電話の録音は、アメリカ人がウクライナの未来の政権構造の確定に直接参与しつつあることを示す。新たな条件下で、彼らの言葉がウクライナの未来の外交の上で決定的作用を果たすことが完全にあり得るのである。

このことはウクライナと生産に関する協力を展開するロシア・中国の軍事工業企業に非常に多くの面倒事をもたらす。例えば、ロシア・中国両国の重要なウクライナにおけるパートナーは「MotorSich」社であるが、この社はロシアのヘリのためにエンジンを製造する主要なメーカーである。また、この工場はさらに練習機、輸送機、いくつかの無人機や巡航ミサイルのためにエンジンを生産している。

同社の総裁パーティンはヤヌコヴィッチが指導する地区の党の重要人物の1人である。社の所在地ザポロジェでは反対派が現地政府の業務ビルを占領できておらず、これはあるいはその中にあるロシア市場向けの大型企業と関係があるのかもしれない。ひとたび政権交代が発生すれば、人員の追放と財産の再区分けが開始され、社の運命は定まり難くなる。悲観的シナリオが上演されることが完全にあり得るのである。大規模な人員の追放と財産の占有は2004年のいわゆる「オレンジ革命」後すでに発生したことがある。当時ウクライナ各党派間の矛盾が現在のように尖鋭でなかっただけである。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「我が国が輸出するMBT-2000などのメインバトルタンクはユーザーの需要を根拠にウクライナ製のエンジンを選択使用している。だが、このためウクライナとの戦車輸出競争の中で、エンジンが制限を受けたがゆえに敗北するまずい状況も出現した」です。ちなみにこれに関しては「ウクライナ、中国の契約違反に抗議、ペルーへの戦車輸出が中止に」で紹介しました。)

アメリカの影響は日増しに強化されている。アメリカ人はウクライナのいくつかの武器と兵器の中国向け輸出を阻止する可能性がある。ちょうどアメリカがEUやイスラエルを阻止したようにである。

「MotorSich」が中国の練習機L-15、ロシアのYak-130およびロシア・中国が広範に使用するミルー17ヘリのために生産するエンジンの他に、その他の方向の協力も脅威に直面することになる。例えば、中国の輸出型MBT-2000戦車向けに供給されるディーゼルエンジンである。さらにその他の方向の協力もあり、例えば船用エネルギー源装置、レーダー設備、軍用電子設備の供給はいずれも停止する可能性がある。

ウクライナはかつてソ連の重要な軍事工業および高度技術の発展の中心だった。ソ連解体後ロシアにも同様に、ウクライナの部品の大量輸入に頼らない戦略武器がなかった。長年来ずっとこの局面の克服に努力している。ロシアの軍事工業企業は徐々に自身の改造を行い、ウクライナに対する依存度を低下させた。だがまだ完全に脱するにはほど遠い。例えば、サンクトペテルブルグ近郊地域の工場はヘリのために自らのエンジンの生産を開始したが、「MotorSich」はロシアヘリ工業の確保という方面で依然極めて重要な役割を演じている。

中国もウクライナのディーゼルエンジンの輸入に対する依存度を克服するよう努力中である。しかし、MBT-3000戦車のテストは成功したものの、この業務はしばらくはまだ終わらない。ウクライナの新たな政治危機は、再度ロシア・中国に、ウクライナと軍事技術協力を行うリスクを真面目に考えることを迫る。モスクワと北京はウクライナ軍事工業に対する依存を脱するため、さらに努力の度を加えるかもしれない。

(頑住吉注:3ページ目)K-8練習機から、ウクライナはずっと中国の高等練習機用中、小型エンジンの唯一の供給商である。正式にエンジンの国産化問題が解決して、K-8はやっと正式に中国軍に装備される。画像はベネズエラが装備するK-8練習機。

(頑住吉注:4ページ目)現在中国の最も先進的なL-15高等練習機も、依然ウクライナが供給するАИ-222-25エンジンに依存している。ある情報は、ウクライナはすでに中国向けにこのエンジンのフルセットの技術資料を移転することに同意した、としている。

(頑住吉注:5ページ目)中国の航空エンジンが立ち後れている局面に照準を合わせ、ウクライナサイドはわざわざ対応するAI-9500中等推力エンジンを研究開発し、中国サイドが将来輸出する可能性がある新世代戦闘機の使用に供する。

(頑住吉注:6ページ目)「バイソン」大型ホバークラフト上陸艇は近年来の中国・ウクライナ軍事貿易と協力のまた1つの大型プロジェクトである。

(頑住吉注:7ページ目)画像はウクライナの「ニトカ」(Nitka)空母艦載機訓練基地。ある情報は、中国の興城基地はほとんどその複製品だとしている。

(頑住吉注:8ページ目)報道によれば、中国海軍の新型駆逐艦の動力システムもウクライナにルーツがある。


 これは最悪こうなる可能性もあるよ、という警告であって、本当にそうなるかどうかは全く分かりませんが、中国の兵器開発、大量生産がスローダウン可能性は確かにありそうです。






















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