アメリカ、中国国防部長に最高機密の核シェルターを見せる

 いろいろな駆け引きがあるみたいです。

http://military.china.com/important/11132797/20130826/18014397.html


アメリカ、常万全を機密の核シェルター訪問に招待 意図的に中国を「心理的に威嚇」

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「資料画像:北米防空司令部地下シェルターの入り口」)

原題:北米防空司令部:「天然の障壁」内の核反撃最前線

8月16日、中国国防部長常万全は訪米日程を開始し、、これは中米双方の安全保障業務団体の入れ替わりの後、中国国防部長の初の訪米であり、中国軍が今年6月の国家主席習近平訪米時に提出した「中米の新しい型の大国関係構築」実行のために取る実際の行動でもあり、中米両軍関係の健全で安定した発展の推進に対し重要な意義を持つ。

注意に値するのは、常万全の訪米期間、シャイアン山の地下に位置する北米防空司令部(すなわちシャイアン山核シェルター)を視察したことである。この司令部は「全世界で最も防備が厳重な」軍事基地と言われる。この高度に機密な軍事施設を初めて中国軍に向けて開放したことは、全世界の高度の関心を引き起こした(頑住吉注:日本では大きく報道されてないですよね)。北米防空司令部はどんな機構なのか? シャイアン山核シェルターはどんな軍事施設なのか? 米軍が常万全をかくのごとき高度に機密な軍事機構の視察に招待したことは、どんなシグナルを発しているのか? 今期の「焦点拡大鏡」はあなたのために解読を行う。

「核の対抗」が秘密指揮センターの誕生を促す

このアメリカのコロラド州シャイアン山の洞窟内に隠された世界で規模最大、設備が最も近代的な軍事指揮センターは冷戦の「核の暗雲」が誕生を促した産物である。1951年、ソ連は相次いで成功裏に世界初の大陸間弾道ミサイルと人工衛星を発射し(頑住吉注:連行したドイツ人技術者のおかげですけどね)、アメリカはこれに対し大いに驚愕した。当時アメリカ大統領の任にあったアイゼンハワーは大陸間弾道ミサイル技術および宇宙技術の開発加速を下令し、かつ大陸間弾道ミサイルに対する監視、警戒能力の強化を要求した。

1958年5月、アメリカとカナダは協議を成立させ、ソ連の大陸間弾道ミサイルと遠距離爆撃機の監視および警戒に用いる「北米防空司令部」を成立させ、監視網はアメリカのアラスカ州とカナダ国内に設け、データ処理センターは山に頼って隠蔽し、防御しやすく破壊され難いことを原則に、アメリカのコロラド州のシャイアン山の山体内に設置場所が選ばれた。

衛星画像から見ると、北緯38.5度、西経104.4度の位置は、海抜2,400〜2,500m、地面との相対高度約600〜700mの山で、付近のその他の山と決してあまり大きな差異はない。だが山体を構成する堅固な花崗岩の下およそ500mに、15階のビルが建設されている。これこそ世界唯一の全天候で宇宙を地球をめぐって運行する8,000余りの人工物体の監視に責任を負う監視センター、北米防空司令部である。

著名な軍事評論員宋忠平は次のように説明する。この司令部の最初の職能は空中からくる目標からの防御であり、例えば冷戦時期の戦略爆撃機および宇宙から来る大陸間弾道ミサイルである。「冷戦」の深まりにつれ、この連合司令部は宇宙の衛星および対衛星武器の監視という職能を加えた。「冷戦」の終結および対テロ戦争の開始、特に「9.11」事件がアメリカの国土の安全に対しもたらした巨大な衝撃と共に、アメリカはさらにこの連合司令部に新たな職能を賦与した。「コンドル計画」、すなわち北米上空を飛ぶあらゆる民間機の監視である。

「これだけではなく、テロ攻撃が海上から発動される可能性にかんがみて、北米防空司令部は海上の安全警戒に作用を発揮しはじめ、かつ有効な海上早期警戒および応急プログラムを開発した。今、北米防空司令部はすでに海上警戒職能と防空防宇宙早期警戒・コントロール任務を並列の優先任務としている。」と宋忠平は語る。

あるデータは、北米防空司令部は200余りの超大型あるいは大型、中型コンピュータから組成されるネットワークと、600余りの専用通信回線を持ち、センターは通信衛星、マイクロ波中継ルートおよび光ファイバーなど多種の通信ツールを通じて外界と情報を交換する、ということをはっきり示している。センターは軍用衛星システム、民間用衛星システム、空中早期警戒網、地上早期警戒網など各種探知計測、監視手段から提供されるデータを受け取ることができる。さらに予備のある、生存力が強いホットラインを通じてペンタゴン、ホワイトハウス、アメリカ戦略司令部、カナダ軍司令部、全世界各地に分布するアメリカの主要な軍事基地と密接な関係を保持している。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは本文の一部を切り取ったものなので省略します。)

鉄筋コンクリートの核シェルターは守備がこの上なく堅固である

宋忠平は、大きな山全体がすでに「くり抜かれ」15階のビルが建設されている、と語る。北米防空司令部全体は30mm厚の鋼板を溶接して作られており、底部は100本近い大型スプリングで支えられ、もって天然の地震あるいは核攻撃を受けた時の強烈な振動を受け入れるのに便としている、と語る。頂部と四方はいずれも厚さ数百mに達する花崗岩に包囲され、堅固にして破壊不可能な掩体を形成している。外界に通じる大門は厚さが2mに達し、鉄筋コンクリートで作られ、ひとたび閉鎖された後は「世界と隔絶」され、核による打撃を受けた時の強大な衝撃波、放射線の損傷を防御でき、この上なく堅固な防御と言える。

普通の人が見ると神秘的な「核シェルター」はどんな施設なのか? 宋忠平は説明する。「核シェルター」(頑住吉注:原文では「核掩体」)は読んで字のごとしで、核兵器の爆発を防御できる地下掩体のことである。この種の掩体は一般に重要な軍事目標の保護に用いられ、例えば核ミサイルの地下サイロ、重要な軍事指揮コントロールセンターである。この種の掩体は核爆発後に長時間掩体内の人員の作業と設備の作動を維持できる基礎能力を持つことが要求され、たとえ外界と隔絶されても依然として数ヶ月の機能が維持され得る。

宋忠平は語る。冷戦の期間、旧ソ連、アメリカ、イギリス、フランス、中国などを含む国々にはいずれも多数の核シェルターがあった。これらの国の戦略ミサイル原潜は強化後の核シェルター内に隠され、アメリカの「ガーディアン-3」、「ピースキーパー」大陸間弾道ミサイルもまた核シェルターの保護下にあった。旧ソ連および現在のロシアはさらに数多くの核シェルターを持ち、これには核ミサイル、戦略爆撃機、原潜などありったけが含まれ、冷戦時代に作られた核シェルター内に隠された。

「核シェルター」は自分の生活からは非常に遠いと考えている人も非常に多い。しかし、非常に多くの国では核シェルターはすでに住民が安心して楽に暮らす保障となっている。多数の軍用シェルターの他、多くの国が冷戦時期に多数の民間用核シェルターを建立した。例えば冷戦時期のスウェーデンはカバー範囲の広い民間用核シェルターネットワークを建立し、政府、学校など公共部門に核シェルターが建設されただけでなく、この国の建築法規は、1978年以後の民間用建築は700m以内の12万トン級核爆発の衝撃を防御できる核シェルターが建設されていることが必須であると規定している(頑住吉注:まじですか。普通のログハウスとか建てられないんですかね。それとも除外規定があるんでしょうか)。北欧の国家フィンランドおよびノルウェーなどにも類似の民間用核シェルター建設工程がある。

「常万全が訪問した北米防空司令部は典型的な早期警戒・指揮コントロール核シェルターである。」 宋忠平は、「この核シェルターはシャイアン山の山体に位置し、この山体は全部が堅固な花崗岩からなり、それ自体がまさに堅固な天然の障壁を形成しているのである、と語る。

また、シャイアン山核シェルターは年中充足した「きれいで汚染されていない」空気、食料、水を備蓄し、もし外界から完全に隔絶された状況下でも1,000人近くが1ヶ月必要とする給養が保証でき、その目的はすなわち核による打撃を受けた状況下でも核反撃任務が執行できることである。

今日に至り、冷戦時期に建設されたシャイアン山核シェルターは依然重要な作用を発揮している。「9.11」事件後、アメリカ政府の持続性を保証するため、およそ100人の公職人員がアメリカ東部の2つの秘密基地に行っている。これにはシャイアン山核シェルターが含まれる。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは本文の一部を切り取ったものなので省略します。)

アメリカ軍サイド、中国サイドを「心理的に威嚇」することを欲する

今回常万全がアメリカの高度に機密なシャイアン山核シェルターを視察したことは、やはり外界の密接な関心を引き起こした。宋忠平は分析し次のように語る。「シャイアン山核シェルターはすでに公然の秘密と評価でき、その機能と性能を含む大部分は外界の知るところとなっている。だが中国人にとってこの指揮機構は依然比較的よく知らないものであり、結局のところ「百聞は一見にしかず」である。アメリカサイドが常万全部長を招待してシャイアン山核シェルターを視察させたのは、アメリカ軍上層部が慎重に考えた上での、「意図的な」手配だと信じる。

中米の軍の上層部の行き来の中で、相手方を招待して本国の重要な軍事施設を視察させるのはすでに何度も見られて珍しくもない。例えば2003年、当時国防部長の任にあった曹剛川はアメリカ軍のペンタゴンを視察した。2011年当時総参謀長の任にあった陳炳徳はアメリカ軍ノーフォーク海軍基地などを視察した。一方中国サイドもアメリカ軍上層部に向けいくつかの解放軍の重要な軍事施設を開放した。例えば2005年、当時アメリカ国防長官の任にあったラムズフェルドは中国の第二砲兵隊司令部を視察した。2012年、当時アメリカ国防長官の任にあったパネッタは中国の北海艦隊などを視察した。

宋忠平は、アメリカ軍は限定的にいくつかの施設を中国軍に見せただけで、絶対に自らの軍事機密を大盤振る舞いしたわけではなく、アメリカが中国軍上層部をこの絶対秘密の早期警戒・指揮機構訪問に招待したのには、三つの方面の考慮があった、と考える。

1つ目は、この機構は冷戦時期に誕生し、冷戦が徐々に沈静化するにつれ、機構の通常機能がより突出し、例えば民間機の監視や海上警戒などの対テロ任務である。これらの機能はデリケートな話題に関わることがないため、アメリカはまさにこの機を借りて中国に向け「友好、透明」の相互信頼のポーズを見せ、これにより「習近平・オバマ会談」の成果のデモンストレーションとしたのである。

2つ目はアメリカ軍がこのように中国軍を礼遇する最終目的は中国サイドが「ギブアンドテイク」で、アメリカ軍上層部の訪中期間により多くの第二砲兵隊に関わる核心的基地を開放し得ることを希望しているのである。

この他、宋忠平はアメリカのもう1つの非常に重要な考慮を分析した。すなわちアメリカの戦略の東への移動の推進と共に、核戦力を含む全部の軍事的実力を利用して「アジア太平洋地域戦略再バランス化」を実施することは、ずっとアメリカ軍の戦略的考慮である。この時にアメリカが中国に向け強大な核戦力を見せつけたことは、中国軍上層部に対して発した戦略上の「心理的威嚇」である。

(頑住吉注:4ページ目のキャプションは本文の一部を切り取ったものなので省略します。5ページ目)「我々中国は平和を愛好する。アメリカのアジア太平洋地域再バランス化戦略が、中国や中国の「弱体化」に照準を定めないことを希望する。」 常万全はへーゲルのそばに立って言った。

(頑住吉注:6ページ目)常万全は語る。「いかなる人も中国サイドが核心的利益を差し出して取り引きする幻想を抱いてはならない。我々の国家領土主権と海洋権益を維持保護する決心と意志を見くびってはならない。」 ヘーゲルの表情がいいですね。

(頑住吉注:7ページ目)常万全はさらに指摘する。アジア太平洋地域は我々の共同の家庭だ。国家は大小の別なく、強くても弱くても、アジア太平洋地域の平和と発展のために積極的、建設的な努力をすべきである。

(頑住吉注:8ページ目)常万全はさらに指摘する。アジア太平洋地域は中米の利益の交錯が最も密集した、互いに影響し合うことが最も頻繁な地域である。中国両国のアジア太平洋地域における協力の余地は非常に大きく、協力のポテンシャルも非常に大きい。


 常万全の発言には全く同感できませんが、宋忠平の分析した「3つの考慮」は私も大体そんなところだろうなと思います。















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