トルコ、紅旗ー9導入で孤立?

 関連の複数の記事をまとめたもののようです。

http://military.china.com/important/11132797/20131002/18074672.html


外国メディア:中国のトルコへのミサイル販売契約はまだ最終決定されていない あるいはアメリカによって撹黄されるか (頑住吉注:「撹黄」は検索しても無数に引用された同じ記事ばかりヒットし、意味不明ですが「妨害」、あるいは「ダメになる」といった意味かと思います。)

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「外国メディアの報道は、中国の紅旗-9ミサイル輸出を行う会社はアメリカの制裁を受けており、これはトルコが中国の武器を購入すべきでない原因の1つである、とする。」)

外国メディアは、トルコ大統領ギュルは、トルコがアメリカの制裁を受けている中国企業と協力して遠距離防空・ミサイル防御システムを生産するとの決定は依然評価段階にある、と語った。

アメリカ、「重大な関心」を示す (頑住吉注:日本語として不自然なのでこう訳しましたが、「重大」と訳した語は普段よく「深刻」などと訳している語です。)

ロイター社9月30日の報道によれば、トルコはNATO加盟国であるが、この国の国防省は最近ロシア、アメリカ、ヨーロッパ企業の類似製品を放棄し、中国精密機械輸出入総会社のFD-2000対ミサイルシステム(すなわち「紅旗-9」の輸出型)を選択した。

英字新聞「自由報」はギュルの話を引用し、「この購入はまだ最終決定していない。‥‥ある簡単で短いリストでは、中国が首位である。我々は条件を研究してみるべきだが、トルコがまずNATO構成国であるということには全く疑問がない。」とした。

中国精密機械輸出入総会社は、「イラン、北朝鮮、シリアへの拡散防止法案」違反により、アメリカの制裁を受けている。

一部の西側安全保障業務分析者は、自分たちはトルコの決定に対し驚愕を感じており、何故なら彼らは元々Raytheon社あるいはイタリア・フランス合資のヨーロッパ防空ミサイル社がこの契約を手にすると考えていたからだ、と語る。

ロイター社は9月30日、トルコは自国には依然、現在アメリカの制裁を受けている中国企業と協力して遠距離防空・ミサイル防御システムを生産する計画を考え直す可能性があるが、他国のブラックリストに従う義務はないとしている、と報道した。

トルコ国防副大臣ビュレント アルンチは、「トルコの利益以外のことを我々は考慮しない」と語っている。同時に政府スポークスマンも担当するアルンチは、「他国に『我が国は彼らと訳ありだ。我が国はすでに彼らをブラックリストに入れている。なぜ貴国は彼らを入札に招けるのか?』などと言わせることはあり得ない」と語る。

アメリカはトルコに対し「重大な関心」を示すと決定した。NATO関係者は、中国と協力してこのシステムを生産することは武器の互換性と安全方面の問題を引き起こす可能性がある、と語る。

アルンチは決して名を挙げてアメリカを批判しているわけではない。彼は、アメリカの当局者のこの決定に関するコメントは「上品で礼儀正しい」とする。だが彼は重ねて、トルコは国内の安全保障業務方面で他国の意見を求める必要はない、と言明した。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「アメリカの『パトリオット』系列対空ミサイルシステムの技術が先進的であるという事実を否定することはできない。だが価格は非常に高く、しかも技術移転がなく、トルコのような壮大な抱負を持ち、力を入れて自主国防工業を建設している国にとっては、決して適していないと言える。」です。)

アンカラ、孤立に直面

ドイツの「世界報」ウェブサイト9月29日の報道は、トルコは最近NATOのパートナー国の中からではなく中国から非常に先進的な防空ミサイルシステムを購入することを決定し、見たところトルコはEUを疎遠にしているだけでなく、西側をも疎遠にしている、とした。

アメリカはこれに対し非常に驚愕するに違いなく、アメリカ大統領オバマはかつて2回、面と向かってトルコ首相タイイップ エルドアンに、中国人からミサイルを買ってはならない、と警告したとされる。

報道は、これは友邦を激怒させる決定だと考える。トルコの英字新聞「時代報」は姓名を漏らされたがらないトルコ軍事工業界の人物の話を引用し、「アメリカはトルコの決定に対し非常に不快に感じている。オバマはエルドアンとの会談の時、2回この議題に言及し、かつ彼に、もし中国のシステムの購入を決定したら互換性の問題が出現することになる、と注意を与えた。」とする。

純粋に実際的な角度から言うと、トルコの決定にも一定の道理がある。中国人のつけた値は30億アメリカドルで、明らかにその他の商品供給商がつけた40億アメリカドル余りの値より低かった。

だがこの決定の政治上のコストは非常に高い。

報道は、トルコが低価格で中国のミサイルを購入するなら技術的孤立を受忍することが必須で、何故なら中国のミサイルとNATOのシステムは互換性がないからである、と指摘する。これはトルコがNATO内で政治的にも孤立に遭遇することを象徴的に示しているのかもしれない。

アメリカの週刊「安全保障業務ニュース」ウェブサイト9月29日の報道は、安全保障業務分析者と西側の外交官は、トルコが中国の会社に委託して同国の遠距離防空・ミサイル防衛システムを製造することを決定したことは、トルコの西側の同盟国たちに対し多くの挑戦を構成する、とした。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは「別の角度から見ると、現在の『パトリオット』防空ミサイルシステムはすでに膨大なファミリーとなっている。画像はテスト中の『パトリオットー3』型対ミサイル防空システム。トルコがもし導入するなら、どんな選択であっても、無数の『落とし穴』を回避する必要がある!」です。いまいち何が言いたいのか分かりませんね。)

専門家、分析者、当局者は、NATOの設備と融合することはあまりありそうにない、とする。ある西側の安全保障業務担当の当局者は、「NATOにはトルコの防空システムを孤立させる技術能力があり、融合に必要とされるインターフェイスのデータの提供を拒絶することができる。」と語る。

あるロンドンにいるトルコ専門家は、トルコは最終的にはたぶん独立したシステムを持つことになる、とする。彼は、「(NATO)構成国はトルコとの協力を拒絶することになる。彼らが中国のシステムとNATOのトルコに配備される設備を相互に融合することを許すことはない。このことは最終的にトルコのシステムが無意味な孤立した位置に置かれる結果をもたらすことになる。」と語る。

契約の前途は予測し難い

アメリカの週刊「安全保障業務ニュース」ウェブサイト9月29日の報道は、一部の分析者は契約が中国精密機械輸出入総会社に与えられたことは、契約が必ず効果を生じることを意味しない、とする。

ある事情を知る人物は、「現在見たところでは、トルコの体系の購入契約の協議時間は(入札の勝利者が発表された後)、平均2年前後である。以前、何度も契約締結前に話がダメになる状況が出現している。契約締結後であっても、いくつかのプロジェクトが実行されなかった。今回もこの種の状況が出現する可能性がある。」と語る。

香港の「太陽報」は9月30日、イギリス放送社ウェブサイトは先日トルコ国防大臣の話を引用し、中国精密機械輸出入総会社が、トルコが遠距離ミサイル防衛システムの入札募集で勝利したとした、と報道した。

だが、この契約が最終的に実行され得るか否かはまだ観察が待たれる。過去、イスラエルと中国の兵器に関するビジネスが、少なからず最終的にアメリカの関与により取り消された。トルコもまたNATO構成国である。トルコにとって、この圧力は巨大なものであり、しかも圧力は始まったばかりなのである。

(頑住吉注:4ページ目)長年来、中国・トルコ軍事技術協力にはすでに多くの成功の先例がある。例えばトルコが中国の技術に基づいて製造、装備したWS-1遠距離ロケット砲(画像)である。現在の紅旗-9輸出プロジェクトは正真正銘の「錦の上に花を飾る」なのである。

(頑住吉注:5ページ目)トルコが装備する中国のB611短距離弾道ミサイル。軍事技術協力が代表であるが、中国とトルコはより密接な安全協力関係を建立することになる。

(頑住吉注:6ページ目)トルコが研究開発中の「アンカ」無人機。この機のいくつかの部品はパキスタンによって製造されている。

(頑住吉注:7ページ目)トルコのT-129武装ヘリ。ある情報は、トルコは中国の武直ー10と競争し、この機をパキスタンに輸出したがっている、とする。

(頑住吉注:8ページ目)トルコ空軍が装備するアメリカ製のB737「バランスウェッジ」早期警戒機。現在比較的先進的な早期警戒機の1つでもある。


 引用されている文だけから見ると大統領と国防副大臣兼スポークスマンの発言には明らかに温度差があるようで、今後どうなるかは分かりませんが、トルコにローカルパワーとしての意地とプライド、アメリカの言いなりにはならないし言いなりになっていると見られたくない、という意識は確実にあると思われます。しかし長い目で見て中国のミサイル導入がトルコにとってデメリットよりメリットが多いとは思えず、日本も友好国として一言アドバイスをすべきではないでしょうか。










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