南シナ海で米中の軍艦が接近遭遇

 「軍情視界」の記事です。

http://military.china.com/zh_cn/jqsj/050/


中米軍艦、南海で「親密な接触」

中国は早急にこの種の事件に対応する早期警戒メカニズムを建立する必要がある

イントロダクション:最近、まさに人々の注意力が「防空識別圏」、「遼寧艦艦隊戦力化」あるいは「嫦娥月に行く」などのホットなポイントたる事件に引きつけられていた時、平素から雌伏に甘んじないことで有名なアメリカメディアが、また凄いネタを暴露した。1隻のアメリカの軍艦が南海海域で中国の軍艦にほとんど「零距離で停止を迫られた」というのである。怯えたアメリカ人はぺちゃくちゃと休まず国際社会に向け泣いて訴え始めた。中国人のこの挙は国際法に違反している、と。しかし、中国サイドはごく落ち着いて次のように表明した。アメリカ人の言うことは事実と符合していない!

中米軍艦の南海での対峙、衝突の危険をかもしだす

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「アメリカ軍艦が遼寧艦艦隊の防衛区域に押し入り挑発」 図で上から左下に向かっている遼寧艦に、右下からアメリカのミサイル巡洋艦が接近し、遼寧艦と反対方向に航行する中国の戦車上陸艦がかばうように両者の間に割って入った、というのが中国の主張です。)

アメリカ軍艦の挑発、緊急に抑止される

最初に情報を発したのは、アメリカの「ワシントンフリービーコン」ウェブサイトの記者ビル ゲイツである。彼の報道によれば、あるアメリカの安全保障業務担当当局者が次のように言った。最近、このところフィリピンで災害救援に参加しているアメリカのミサイル巡洋艦「カウペンス」号(USS Cowpens)が、南海海域の遼寧艦空母に近い場所で中国の戦闘艦と遭遇し、この挙は緊張した軍事的にらみ合い、対峙の事件を引き起こした。当時中国軍艦は警告信号を発し、かつ「カウペンス」号に停止を命令し、アメリカの艦は指令を拒絶して航行を継続し、その後、1隻の中国の上陸艦が「危険な機動」をなし、直接「カウペンス」号の前方およそ500mのところに行って停止し、アメリカ艦の緊急の方向転換を迫った、とされる。ある国務省当局者の話によれば、アメリカ政府は外交および軍事的ルートを通じて中国サイドに向け抗議した。しかし、アメリカ人が不満を持ち「義憤胸に満ち」ていた時、彼らは工夫を凝らして1つの事実を隠しごまかしたのである。すなわち、当時「カウペンス」号巡洋艦はまさに遼寧艦の戦闘訓練に対し接近偵察を行っているところであり、かつ中国空母艦隊の内防区に入っていたのである‥‥

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「南海で正常な訓練を行っている遼寧艦艦隊」)

アメリカ人、自分のことは棚に上げて相手をとがめる

中米軍艦が南海で「親密な接触」をした後、アメリカは上下を挙げてこの件に対しほしいままに大騒ぎしている。中国軍艦の行動には「特別な侵略性があり」、この挙は「両国海軍の協力強化の努力の助けにならない」と非難したかと思えば、これは「新興海軍大国中国と、第二次大戦以後ずっとアジア太平洋地域の海上強国として雄を唱えてきたアメリカとの間の、日増しに高まる対立のまた1つの事件であり」、この緊張した邂逅はこの区域の現在の危険な情勢を際立たせた、と言ったりしている。また、その他の西側メディアもこの機を借りて事件の危険性および中国の「強硬」さを誇大宣伝している。ロイター社は14日、中国軍はどんどん強硬になっており、緊張した情勢のエスカレートをもたらし、南海、東海などの論争ある水域の小事件が急速にエスカレートするかもしれないとの心配をも引き起こしている、とした。オーストラリア国防学院の安全保障専門家カール ティールは、今回中米両艦があやうく衝突しそうになったのは、2009年に5隻の中国船舶がアメリカの海洋観測船「Impeccable」号に「騒擾」をしかけて以来、双方の南海における最も深刻な海上の事件である、とする。イギリスの「金融時報」は、この最新の事件はさらに一歩西太平洋地域の緊張した情勢を激化させた、とした。

ねじ曲げられた事実

アメリカ人が事後に工夫を凝らして自らを「被害者」の様子に装い、また中国サイドの反応もごく低調なため、非常に多くの人がこの事件の真相に対し反対にあるべき認識を失うという結果がもたらされている。事実として、アメリカの軍艦が遼寧艦の防衛区に押し入った挙は完全に故意にやったことである! 直接中国空母艦隊の防衛区域500mのところに押し入ったのであり、もちろん重大な挑発行為であるが、もしアメリカの軍艦のこの挙を簡単な「示威」と見なすならば、アメリカ人の「知恵」を見くびっているとされるのを免れない。まず遼寧艦が戦闘訓練中だということを知ったため、「カウペンス」号は中国サイドの再三の警告をかえりみず、接近偵察し、光学機器をもって「遼寧艦」艦載の近接防御武器、甲板に置かれている艦載機の機種を識別し、かつ中国空母艦隊の接近偵察に対する反応を探ったのである。アメリカ人の「盗み見」に対し、中国サイドは衝突不拡大の原則に基づき、1隻の上陸艦を派遣してそれを駆逐した。この挙は、まさに中国国防部の言うように、中国海軍軍艦が厳格に操作規定に照らして行った妥当な処置だったのである。

中米両国軍艦南海で遭遇

事件を引き起こしたアメリカの軍艦「カウペンス」号

中国は072型戦車上陸艦を出動させたのかもしれない

この前中国を盗み見した米軍の「Impeccable」号

道理があり有利であり節度がある

この件は公海の航行権とは無関係

アメリカおよびその盟友が、災いを招いた後でもまだかくのごとく意気盛んでいられる、1つの非常に重要な原因は、彼らが自らは公海上を航行し、中国軍艦の措置はいわゆる公海航行権を「侵犯」した、と考えていることだ。しかし、中米軍艦の南海での対峙は、公海航行権の問題とは無関係である! 長期にわたり、アメリカは終始南海を公海と見ることを企図し、ここには航行の自由と飛行の自由があると言い張っている。事実は、このいわゆる公海航行権の背後には人に言えない目的が隠されているのだ! それがあれば、アメリカ人は公然と南海の海洋紛争に介入でき、したがって沿岸各国の矛盾を激化させている。たとえアメリカの船舶に公海上における航行権があったとしても、このために他国の艦隊の防衛区域に押し入ることができることは意味しないからなおさらのことである! このため、人々がより多くの時に見るのはこのような光景である。アメリカの軍艦は「公海航行」の表看板を掲げて、偵察を行い、他国の軍事行動の実体を監視する! このため、アメリカ人の挑発に対し、中国の軍艦が採った行動は完全に合理的であり合法なのである!

新たな挑戦に対応

新世紀に入って以来、アメリカの軍艦、飛行機は頻繁に中国の領海、領空に接近して偵察し探りを入れ、その中で最も深刻な一例は2001年の中米南海航空機衝突事件に他ならない。こうした衝突は基本的には今回の中米両国軍艦の南海対峙事件と同じで、中国サイドの自制ゆえに暫時解消できている。しかし、歴史と現実というダブルの重要な要素の考慮に基づけば、人々はさらに次のような結論を出すことができる。中国の軍事力の不断の壮大化と共に、類似の衝突は後日さらに演じられる! この種の新たな安全保障上の形勢に直面し、中国軍は経験上有効と判明している措置を採って挑戦に対応する必要がある。軍事外交のレベルでは、類似の事件に対応するワンセットの早期警戒メカニズムを建立し、国家の権益を維持保護するという前提の下に、きっぱりとした立場と柔軟な手段をもって類似の突発事件を処理する。中、長期的な観点から出発し、海空軍を重点とした軍隊建設を加速し、充分な戦略的威嚇力を持つことも必要であるし、類似の突発事件に対応する技術、戦術的手段はさらに必要である。

各方の声

尹卓:中国海軍の訓練に米軍が欠席したことは全くない

近年来、アメリカサイドの軍艦の我が方に対する監視行動は全く中止されたことがなく、遼寧艦の今回の渤海、黄海の試験、訓練に対してもまたかくのごとしである。米軍は我が国海軍の1回ごとの訓練に照準を合わせていずれも偵察を行っている。

さらに多くの声

アメリカの学者、中国海軍の空母保護の方式はプロのそれではない

もしアメリカが中米の緊張を望まなければ、西太平洋から出て行くようお願いする

アメリカの報道の中のアメリカ軍艦の遭遇に関する記述は少なくとも3カ所が事実と合わない

夏立平:中米軍事関係は戦略的相互信頼の「赤字」を減少させるべき

中米軍事関係には相互警戒、相互制約の一面が存在する。両国は交流と対話を強化し、戦略的相互信頼の「赤字」を減少させる必要がある。もし処理が良くないと、中米が安全保障上困った状況に陥る結果をもたらすかもしれない。

より多くの声

アメリカメディア:何故米中の緊張がエスカレートするかは重大な政治問題にならない

中米艦長、対峙後に通話 来年の多国軍事演習に支障はない

外国メディア:中米は軍艦対峙のために仲違いすることを望まない

ネット仲間の調査

あなたは中米軍艦の南海対峙というこの件をどう見ますか?

アメリカの軍艦は人を馬鹿にするにも程がある 19.3% 317票

中国の反応は遅すぎる 7% 115票

またこのようなことがあればすぐ撃沈する 35.85% 589票

関連のメカニズムを建立して類似の事件の再発を予防する 7.92% 130票

我々の海軍建設を加速する 29.34% 482票

はっきり言えない 0.61% 10票

総票数 1,643票

中米南海航空機衝突

2001年4月1日、米軍のEP-3E偵察機と、中国の飛行員王偉が操縦する殲ー8戦闘機が南海海域上空で衝突した後、殲ー8はすぐに墜落した。EP-3E機も重大な損傷を負って急速に墜落し、最終的にアメリカの偵察機はよろめきながら中国の海南島方向に向かって飛来した‥‥

結びの言葉

中国が東海防空識別圏を画定した後、アメリカ人の反応は全く尋常でなかった。まず日本を引き込んで一緒に中国に向けて抗議し、続いて軍用機を派遣して探りを入れ、その後また同様に防空識別圏問題で一定の動きのある韓国を大いに称賛し、今またあわててフィリピンから追いかけてきて遼寧艦を「野次馬見物」している‥‥こうしたことは孤立した事件ではなく、その内在する必然の関係があるようだ。すなわち、「中国脅威論」を持ち出してああした盟友を脅かし、自らの「アジア太平洋回帰」のために道ならしを行っているのである。この角度から言うと、中米軍艦の今回の南海の衝突は始めてのことでもなければ、増してや最後の1回であるはずがない。中国がなす必要があるのは、理があり有利で節度ある方式をもってこの種の新たな挑戦に対応することに他ならない!


 公海で訓練していたら他国に偵察されるのは当たり前ですし、大型機と戦闘機が空中衝突したら機動性が高く速度の速い戦闘機により重い責任があるのは当然だと思うんですが。しかしこの文が言うように今後も類似の事件が多発することは充分考えられます。


















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