紅殲ー8対戦車ミサイルの破壊力は世界一?

 まあ素人でも対戦車ミサイルは破壊力さえ大きければいいってものじゃないのは分かりますけど。

http://military.china.com/important/11132797/20151104/20688170.html


メディア、紅箭-8ミサイルの破壊力は世界第1 すでに数万発を輸出、とする

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「勇名轟く中国の紅箭-8型対戦車ミサイル」)

我が「紅箭-8」対戦車ミサイルの破壊力は世界第1位か?

最近、あるメディアは国産「紅箭-8」対戦車ミサイルを紹介し、現在世界ですでに20カ国が装備し、かつ輸出量は数万発をもって数えられると指摘し、このミサイルは「破壊力世界第1である」とした。

これに対し、軍事専門家で国防科学技術大学国際問題研究センター常務副主任である馬建光教授は次のように指摘する。「異なる対戦車ミサイルの性能や作戦能力を比較するには多くの試験や作戦のデータを支えとして必要とし、単にいくつかの主観的推測に頼ったのでは某種のミサイルが『破壊能力世界第1位』であるかないかを判断するのは非常に難しい。肯定できるのは、『紅箭-8』対戦車ミサイルは国際的に同クラス、同類型の対戦車ミサイル、例えばアメリカの『TOW2』と比べ、製造コストがより安く、このためコストパフォーマンスが相対的により高く、国際市場で大いに歓迎を受ける、ということだ。」

「紅箭」対戦車ミサイルの歴史は悠久

対戦車ミサイルは戦車やその他の装甲目標を撃破するのに用いるミサイルで、精度が高い、射程が長い、威力が大きい、軽便性が良いなどの特徴を持つ。現在世界の比較的有名な対戦車ミサイルには主にアメリカの「TOW」、ヨーロッパの「ミラン」、ロシアの「コルネット」、イスラエルの「スパイク」および中国の「紅箭」系列などがある。

資料は次のことをはっきり示している。我が国は1960年代にもう「紅箭」系列対戦車ミサイルの研究開発作業を開始し、「紅箭-73」は我が軍が装備した第1世代対戦車ミサイルで、この後「紅箭-8」、「紅箭-9」対戦車ミサイルが相次いで登場し、かつ部隊に装備された。少し前の勝利の日閲兵式で、「紅箭-10」多用途武器システムが公開され明るみに出た。

馬建光は説明し次のように語る。「紅箭-10」は我が国が装備する新型長射程多用途ミサイルで、光ファイバー制御誘導を採用している。その他の第3世代対戦車ミサイルが使用するミリ波、レーザー制御誘導などの制御誘導方式に比べ、「紅箭-10」の光ファイバー制御誘導は対外的に電磁輻射を生じさせず、非常に強い隠蔽性と抗妨害能力を持ち、しかも光ファイバーの情報伝達速度は速く、発射後にリアルタイムのビデオによる監視コントロールが実現でき、ひとたび偽目標あるいは高価値目標が出現したら、コントロール人員は随時ミサイルの飛行方向を調整できる。威力と射程の方面では、「紅箭-10」の最大射程は10kmに達し、すでに多数の戦車の火力打撃範囲を超えており、戦時には先手必勝が達成でき、地上の高価値目標および低空、低速の飛行目標が正確に打撃できる。

「『紅箭-10』の装備就役は我が国の対戦車ミサイル技術が不断に世界の先んじたレベルを追いかけ捕えつつあることをも説明している。」 馬建光は指摘する。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「中国の紅箭-8対戦車ミサイル」です。)

対戦車ミサイルの威力を推し量るには多種の要素の考慮を必要とする

「対戦車武器の中の正確制御誘導武器として、対戦車ミサイルの性能と作戦能力をを推し量るには主に射程、装甲貫徹能力、命中精度、抗妨害能力というこの4方面を考慮すべきである。」と馬建光は語る。

彼は次のように指摘する。戦車砲から発射するミサイルの発展は、非常に大きく戦車の攻撃範囲を開拓し広げた。もし重防御が欠乏した車載式対戦車ミサイルの射程が限られていたら、敵サイドの戦車の火力範囲内に暴露し、このため対戦車ミサイルの射程が特に重要なカギであることが突出する。対戦車ミサイルの主要な攻撃対象は各種装甲目標に他ならず、弾丸の運動エネルギーに頼って貫通する徹甲弾とは異なり、対戦車ミサイルの損傷ユニットはその戦闘部である。このため戦闘部の性能が直接的に対装甲能力を決定し得る。対戦車ミサイル技術の不断の発展と共に、制御誘導方式も最初の視線指令制御誘導からレーザー制御誘導、赤外線/ミリ波制御誘導など新型ミサイル誘導体制まで発展し、命中精度もこれとともに向上した。命中精度の善し悪しは対戦車ミサイルの戦場での効用に直接影響する。情報技術の不断の発展につれ、戦場の電磁環境はさらに複雑さを加え、敵サイドの武器妨害能力も不断に高まり、大量のマイクロエレクトロニクスユニットを含むミサイルの作戦時の信頼性や抗妨害能力は武器の性能を評価する重要な指標になる。

「この4方面の能力は、大量の試験や作戦データを支えとして必要とし、このため単にいくつかの主観上の比較や推測に頼ってあるミサイルの威力を評価するのは非常に難しい。」と馬建光は考える。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは「直ー9が紅箭-8を空中発射するシャープな瞬間」です。)

未来の対戦車ミサイルは「万能選手」

「新たな材料技術、簡易な火力コントロール技術、制御誘導技術の発展はいずれも対戦車ミサイルのために技術的基礎を提供している。現在成熟して応用されている第4世代対戦車ミサイルはアメリカの『ジャベリン』しかないが、未来の対戦車ミサイルには多項目の技術の突破がある。」と馬建光は分析して語る。

まず、新型の戦闘部が発展し、殺傷能力が向上する。現在第3世代メインバトルタンクはいずれもすでに爆発反応装甲を持つ複合装甲を採用し、2段あるいは多段のタンデム成形炸薬戦闘部の採用が今後の対戦車ミサイルの重要な発展方向となる。

次に、攻撃方式を改変し、装甲破壊威力を向上させる。戦車の頂部の装甲防御は比較的弱く、このため頂部に対しかすめて飛ぶ方式の攻撃は顕著に破壊確率を向上させることができる。

第3にダブル/マルチ複合制御誘導技術を発展させ、抗妨害能力を増強し、ミサイルに「ファイアアンドフォーゲット」能力を持たせ、劣悪な気候条件および夜間作戦での命中精度を向上させる。

第4に超高速運動エネルギー対戦車ミサイルを研究開発する。超高速運動エネルギーミサイルの殺傷力は強く、「命中即破壊」の目的が達成でき、普通の化学エネルギーミサイルが対応し難い反応装甲やアクティブ防御システムを装備した装甲目標にも対応できる。また超高速運動エネルギーミサイルはコストも相対的に低い。

最後に、対戦車ミサイルの多用途化と高性能エンジンを研究開発して攻撃半径を拡大することも未来の重要な発展方向である。

「対戦車ミサイルには全天候、多用途、低コスト、スマート化に向けての発展の趨勢が出現していると言うことができ、未来の対戦車ミサイルは使用範囲がより広範になるかもしれない。」と馬建光は予測する。(科技日報)


 「超高速運動エネルギーミサイル」というのが気になりますが、「ゴジラ2000ミレニアム」に登場した「フルメタルミサイル」みたいな感じですかね。超高速までの加速はどうするのか、加速するまでにはある程度の時間が必要と思われるので近距離の目標には対応できないのではないか、超高速になれば制御誘導が難しくなるのではないか、何故コストが低くなるのかなどいろいろ疑問が浮かびますが。










戻るボタン