「ロシア崩壊論」は正しいか

 日本にはそんな論調そもそもあんまりないようですが。

http://military.china.com/important/11132797/20160421/22488470.html


専門家:ロシア崩壊論はむしろ臆断 国の人は追随して騒ぎ立ててはならない

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「ここ何年かプーチンの指導の下、ロシアはアメリカと国際的舞台の上ですでに数回勝負している」)

ロシア経済の形勢は複雑峻厳で、「ロシア崩壊論」が勢いに乗じわき起こっている。この種の議論は西側メディア上では至る所に見かけられ、我が国のインターネット上にもしばしば見られる。人に与える感覚は、ロシア経済の危機は至る所に潜み、社会は全局性の動揺に直面し、プーチン政権の崩壊は間もなくだ、というものである。プーチンが最近署名した大統領直属の国民近衛軍建設さえも、政変の危険への対応のためだと指摘される。しかし、「ロシア崩壊論」は事実との隔たりがはなはだ遠く、非常に大きな程度上主観的な臆断で、甚だしきに至っては悪意の「ネガティブキャンペーン」である。

ロシア経済は確かに長年見られなかった深刻な困難に陥っている。国際原油価格は大幅に下落し、70%以上の輸出、50%以上の財政収入を石油天然ガスに依存し、経済構造が深刻に奇形なエネルギー資源国にとって、確かに厳しい挑戦である。西側の制裁は次から次へで、ロシアの資金の外部流出をもたらし、流動性を低下させ、少なからぬ企業が支払いと投資の困難な状況に陥っている。去年の年を通じてのGDP低下は3.7%に達し、今年は依然マイナス成長の可能性が高い。輸出入総額も大幅低下し、このうち対ヨーロッパ貿易の下降は38.5%に達した。対中国貿易額も25%以上低下している。ハイランク消費品の輸入が阻害を受けているため、一部の高収入群体の生活水準が受ける衝撃はより顕著である。ロシア経済は1998年以来最も厳しい困難に遭遇しており、「危機」という言葉を用いて現在の経済の形勢を描写することはオーバーとは評価されないはずだ、と言うことができる。

だがこのことはロシア経済がいわゆる「崩壊」に直面していることを絶対に意味していないし、増してやロシア社会が動乱をはらみ、政権が間もなく崩壊するとは言えない。

まず、「ロシア崩壊論」はロシア経済の形勢に対する描写が過度に暗い。ロシアのGDPは大幅に縮小し、外貨備蓄もある程度下降しているが、債務総額はGDPの30%に満たず(頑住吉注:日本は200%超です)、財政赤字はGDPの2.6%を占めるだけで、大規模な性質の支払い危機をなすにはまだ遠い。経済の趨勢から見て、政府の危機対策戦略はすでにひとまず効果が見られ、去年第四四半期には経済の衰退の勢いは顕著に抑止され、10月は前年比プラス成長さえ出現した。大型スーパーの各種商品は依然非常に豊富で、商品価格は1年前に比べ普遍的に上がっているが、市民の商品購入は依然活発である。消費者に経済の形勢に対する見方を問えば、普遍的に困難を感じているとするが、悲観的見方を持つ人は絶対的に少ない。また、ロシアの人口総数、人の平均寿命は継続的に増加の軌道上にある。突き詰めて言えば、ロシア経済がさらに困難になっても、1998年を越え難いし、増してや1990年代初期と同列に語ることは不可能である(頑住吉注:1998年にロシアでは深刻な財政危機があり、1990年代初期というのはソ連崩壊直後の困難な状況のことですね)。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「ロシア太平洋艦隊」です。)

次に、ロシアは自給能力最強の世界の大国である。ロシアは面積が広大であるだけでなく、資源が豊富で、しかも科学技術のポテンシャルが強大で、教育水準が比較的高く(頑住吉注:さっきから中国目線での比較のため日本人にはちょっと違和感ある評価が混じりますね)、したがってそのために巨大な「流用の空間」を提供している。経済危機、特に石油価格下落はさらにかえってロシアが「再工業化」プロセスを加速する決心をするのを迫り、「輸入の代替」はひとまず効果が見られている。多くのエネルギー源問題専門家の予測によれば、石油価格はすでに谷底まで下落し、緩慢な回復軌道に入り、ロシアの石油天然ガス産業が最も困難な時期は今年後半あるいは来年前半に終わることが有望である。ロシアの農業生産は近年進歩が非常に大きく、去年の食料生産量は1.043億トンで、輸出だけでもう3070.5万トンに達する。ロシアはまたエネルギー源生産大国であり、暖房や電気の供給は充足している。つまり、ロシア人の温飽(頑住吉注:日本語にはこれに当たる言葉が見当たりませんが暖かさ+食べるもの)にはいかなる問題もなく、ロシア人が遭遇する困難は絶対に某いくつかのメディアが報道あるいは想像するように寒冷と飢餓に耐え忍ぶというものではない。

さらに、「西方不亮東方亮」(頑住吉注:毛沢東の言葉で、西が暗い時は東が明るい、転じて行動が困難な時でも別の場所で行動できる余地がある、という意味で、本来東西には特別意味はありませんが、ここではロシアにとって西側がダメなら東方がある、という意味をかけているようです)で、ロシアは大きな力を入れて東方の国との経済協力、科学技術協力を強化し、中国などの新興国からの技術設備、甚だしきに至っては軍事技術装備の導入を拡大しつつあり、もって西側との経済技術協力が阻害を受けた困難に対応している(頑住吉注:でも同じグレードのものは手に入らんでしょう)。ロシアの対ヨーロッパ貿易規模は顕著に縮小しているが、途上国に対する貿易規模は顕著に拡大している。ロシアとヨーロッパの関係悪化は双方いずれにも巨大な損失をもたらしているが、政治的関係の雪解けと共に、以前の経済協力規模の回復にはあまり長い時間を必要としないかもしれない。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは「ロシアが装備するSS-18「サタン」大陸間弾道ミサイル」です。)

最後に、より重要なのは、ロシア民族が極めて強い靱性と抗圧性を持つことで、外部の圧力が大きければ大きいほど団結して外的を防ぐのである。ロシア人は普遍的に現在の困難の原因を西側の大国の悪意の圧力に帰し、決してプーチン政権の罪に帰してはいない。プーチンは西側によって「独裁者」と描写されるが、それにもかかわらずロシアの多数の民衆は民族の「救世主」、国家利益の断固たる防衛者と見ている。プーチンはロシア民族の誇りとなり、民意の支持率は当選時の64%から去年の80%以上にまで上昇し、74%近いロシア人は次の大統領選挙でプーチンに投票しようとしている。西側はロシアの経済的困難を利用して「カラー革命」を扇動することを欲しているが、プーチン政権は非常に強い局面コントロール能力を持ち、対応措置も非常に当を得ている。これと同時に、反政府親西側勢力の社会的基礎はどんどん薄弱になり、本来反プーチンの立場を持っていた民主派の人物さえ、少なからずプーチンサイドべったりに転じている。このどこにロシア民衆が「決起」ムードをはらみ、プーチン政権が崩壊に直面している影を捜し当てられるだろうか?

突き詰めて言えば、「ロシア崩壊論」はむしろ西側の政治家や西側メディアの主観的憶測である。この論が国内インターネット上に流行するのは、多くが親西側の人物のオウム返し、あるいはロシアの真の状況に対しあまり理解していない者の付和雷同に属する。

ロシアは我が国の「全面的戦略パートナー」であり、対ロシア関係は我が国の戦略全局面の中で重大な価値を持つ。我々のロシアの形勢に対する視察は、事実に基づいて真実を求め、客観正確であることが必須で、絶対に意図不明の者、甚だしきに至っては別の下心を持つ者の騒ぎ立てに追随すべきではない。そのようにすれば、中ロ関係、我が国の国益に対するいかなるメリットもない。(作者は中国国際戦略学会高級顧問)


 ロシアが困難な状況になれば日本には対ロシア外交を有利に進めるチャンスができるわけですが、ロシアが中国とより深く団結することにもつながり、また日本はアメリカなどの国と全く協調性のない行動を取るわけにもいかず、舵取りは難しいですね。ちなみに中国でこういう論が力を持つのは、そもそもあんまりお付き合い自体がない日本人と違い、深い付き合いの中で中国人の中にロシアに対する鬱屈した思いがたまっているからという理由あるんではという気もします。























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