北朝鮮の火砲はソウルに対しどれだけの脅威か

 昨日紹介した記事でも韓国に甚大な被害が出るとの予測が紹介されていましたが。

http://military.china.com/important/11132797/20170412/30411594_all.html#page_2


北朝鮮の非常に多数の砲の一斉射撃はソウルを一面の火の海に変えることができる? 別天心了 (頑住吉注:「別天心了」は直訳は無理っぽいですがここでは馬鹿を言うなくらいでいいと思います。)

王洪光:韓国は北朝鮮のソウル砲撃を恐れるか?

少なからぬ専門家や学者は北朝鮮の対韓国打撃を分析する時、北朝鮮のソウルに対する砲兵による打撃は、韓国サイドが受け入れられない重さで、米韓があえて北朝鮮に対し戦争を発動しないよう制約する主要な要素でもあると考えている。ならば北朝鮮には本当に、「ソウルを一面の火の海に変え」「青瓦台を灰燼に帰す」能力があるのか? 筆者は否定的態度を持つ。

まず砲兵装備の上で、真にソウルに対し実際の脅威を生じさせ得るものはごく少なく、特に正確に青瓦台を打撃でき、青瓦台に対し脅威を生じさせることができるものはごくごく少ない。北朝鮮は2万門近い各形式の火砲を持ち、こうした火砲を一斉に発射したら、瞬間的に「ソウルは一面の火の海に変わる」と称する。だが実は122mm口径以下の火砲は全て軽視して計算に入れなくてよく、何故ならその射程の絶対的大部分は20kmに達せず、一方最近の「38度線」非軍事区域北側のソウル辺境までの距離でも44kmある。ソウルに対し実際の脅威を生じさせることができるのは、1つには170mm口径の山谷大砲で、100門近くあり、その射程は40kmとされ、弾底燃焼弾を発射し、50kmまで射程を延長することができる。2つ目は240mm口径ロケット砲で、射程は60〜70kmである。特に近年不断に試験している300mm口径前後のロケット弾は、射程100kmあまり(200kmあまりとの説もある)、精度と数には比較的正確な説がないが、おそらくまだ実際の戦闘力は形成していない。打撃距離数百kmの近距離ミサイルはソウルの主要な脅威であるが、数は多くなく、配備できる地点も限られ、米韓の戦場偵察システムと航空兵の火力は主要な注意力を近距離ミサイルの打撃に向け、その生存条件はやはり楽観を許さない。

次は地形の上で、北朝鮮サイドは限られた地幅内および火砲の有効射程内に充分な火砲を配備し難い。ソウルが面する「38度線」40〜50km正面の南北の境界となる川、臨津江の南に向け突出した部分の地幅内の、東寄りの絶対的大部分は起伏の多くない丘陵地帯である。このような丘陵地帯は、1つには隠蔽する永久戦備火砲掩体を構築するのが比較的困難で、特に頂部がカバーされたトンネル式掩体はそうである。何故ならトンネル式の発射掩体は、火砲の射撃陣地を建造する必要があるだけでなく、さらに比較的長いトンネルを建築しそれとつなげる必要があるからである。

このトンネルの作用は、1、火砲を発射しない時、トンネル内に戻って発射口をふさぎ、火砲の安全を保証する。2、人員の出入りや人員が陣地に進駐した後の生活の保障に供する。3、弾薬を備蓄する。それぞれの砲の2〜3個基数は全部で100発あまりの砲弾で、充分に安全な弾薬庫がないと、直ちに火砲の連続打撃の威力が発揮できなくなる。1門の砲はこのように複雑な工程的保障を必要とし、しかも韓国軍と目と鼻の先に建設する必要があり、さらに限られた地幅を考慮する必要があり、もしこのような永久戦備陣地があっても、多くはないだろうし、建設過程を韓国軍によって発見されたくないというのは非常に難しく、発見されればすぐ位置が確定される。ひとたび打撃を開始すれば、韓国サイドは照準さえ必要とせず、規定の諸元をインプットするだけでよく、こうした目標の生存力はごく低い。例えば我が沿海、金門、馬祖は向かい合い、双方の対峙は何十年で、双方の砲の位置は相互にいずれもよく分かっている。さらに一部の専門家は北朝鮮軍の海岸砲兵陣地を持ち出してものを言うが、両者は別のことである。

2つ目にロケット砲は封鎖された掩体内に入れることはできない。ロケット砲発射の尾炎は非常に強大、灼熱で、ロケット砲車も比較的大きな空間を必要とし、トンネル内には収容できない。ロケット砲の露天発射およびその陣地への進入など一連の戦術技術動作は、全て米韓サイドの空中、地上の絶え間ない監視の中にある。車載ロケット砲自身にも何ら防御能力はなく、陣地進入の途中でもう破壊されてしまう可能性が高い。各国の軍隊のロケット砲部隊の陣地進入は常に薄弱な部分である。情報化程度が比較的低いロケット砲部隊は、砲弾が砲口を出る前のこの一定の時間がより長く、相手方がこの時をつかんで先制攻撃を行うだけで、ロケット砲部隊自身の生存さえ問題となる。

臨津江の突出部の西寄りの絶対的大部分は水路が網の目のようになった稲田地帯で、このような地形は砲兵部隊の配備に不便である。1、進入する道路が少なく、雨天は泥濘である。2、火砲が置けず、水田の中に置くことは全くできない。3、地形が大きく開け、隠蔽に不便である。4、構築工事が困難で、沿海に近い稲田は、地勢が低くくぼみ、通年水がたまり、やや固い表層の下は全て泥濘で、人が上を歩くのは問題ないが、重装備を乗せればすぐに沈み、牽引することさえできない。砲兵を沿海の稲田、塩田に配備しようとすれば、大量の工程的保障を組織する必要がある。5、火砲がひとたび陣地に進入すれば短時間での撤収は非常に難しい。北朝鮮サイドの240mm口径以上のロケット砲は開城、金川、佳穀裏地域に配備すべきようだが、ソウルからの距離が約70kmである。ここの地幅は比較的大きく、地形も比較的複雑で、何十、百門以上のロケット砲を配備するのに問題はない。問題は距離が遠すぎ、精度が不充分なことで、前方の視察所がもし韓国国内に設けられていなければ(あるいは視察無人機を使用しなければ)正確に青瓦台を打撃することは難しい。戦前戦中に米韓がこの地域を注視していさえすれば、地上に暴露したロケット砲は生存が非常に難しい。

さらにソウルには砲を防ぐ上で、周到な事前案があるはずである。北朝鮮・韓国双方と専門家、学者は北朝鮮のソウル砲撃問題を論述する上で、いつもソウルの防衛能力を論じない。筆者は、北朝鮮・韓国双方はわざとこの問題を軽視していると考える。北朝鮮サイドが軽視する原因は威嚇効果の増大で、ソウルの一般民に「一面の火の海」の脅威を感じさせることである。韓国サイドが軽視する原因は北朝鮮サイドを誤導しまた麻痺させ、北朝鮮サイドにソウルは北朝鮮サイドの砲兵打撃を受け入れられないと思わせることである。韓国サイドが意表を突いて北朝鮮サイドを打撃する時、北朝鮮サイドの砲火の反撃を無用の場所に置くのである。

実はソウルには北朝鮮の砲撃を受け入れる能力がある。1つ目は火砲の打撃は飛行機の爆撃のようではないこと。飛行機の爆弾は1発が百kg以上、甚だしきに至っては1,000kg以上で、さらに地面貫通爆弾、コンクリート爆破弾などの特殊な弾種があり、殺傷効果は地下何m、何十mにも深入りでき、中型の建築物は1発から何発かの命中でもう倒壊する可能性がある。一方ロケット弾の密集した砲撃は生体戦力を殺傷し、地表の人員や建築物に対し深刻な損傷をもたらすことができるが、地下の建築物に対しては基本的に無力で、例えば地下鉄、建築物の下の「人防工程」(頑住吉注:防空壕でしょう)、幅広く大きな下水道、地下商業施設や市街地の地下通路などである。一例を挙げると、我が東南沿海の某大都市の1人当たりの人防工程は2平方m近く、防空警報が鳴り始めさえすれば、数百万人が瞬時に地下に入ることができる。私はソウルが長期にわたり北朝鮮の火砲の脅威の下に生活し、関連の防御工程を建築していないとは信じない。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「資料画像」)


 しかし人は生き残ってもソウルの地上の都市施設が壊滅的被害を受けたら、各種の重要な国家機能がソウルに過度に集中している韓国にとって当面立ち直れない打撃になるでしょうからね。

















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