殲ー11、演習でタイ空軍の「グリペン」に惨敗?

 日本にとっても大いに気になる情報ですが。

http://military.china.com/important/11132797/20160428/22542631.html


メディア:中国・タイ軍事演習で「グリペン」が4:0で殲ー11に勝ったのは決して不思議ではない

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「演習に参加した殲ー11戦闘機とタイ空軍の『グリペン』戦闘機。双方の戦闘機はいずれも空戦記録吊り下げポッドを搭載している」)

原題:中国・タイ空軍合同軍事演習の詳細を披露:我が飛行員、「グリペン」戦闘機を試験飛行

近年来、中国空軍は飛躍的発展を実現し、装備の数でも質でも非常に大きな向上があった。徐々に強大になる中国空軍には、相手に直面して一体どのようなパフォーマンスがあるのか? イギリスの専門誌「月刊空軍」は最近2015年末の中国・タイ合同軍事演習のいくつかの詳細を披露した。非常に多くの結論がまだ両国の公式な事実確認を得ていないが、こうした詳細により、我々はやはり中国空軍が周辺国空軍に直面した時に持つ優勢と劣勢をちょっと窺うことができる。以下の内容は読者の参考にのみ供する。

2015年11月中、下旬、中国人民解放軍空軍はタイに赴きタイロイヤルエアフォースとコードネーム「鷹撃-2015」の合同空中作戦演習を行った。演習中、タイサイドは最も先進的な「グリペン」戦闘機を出動させて我が国の殲ー11と勝負した。

これは中国・タイ空軍初の合同軍事演習であるだけでなく、同時に東西サイドの技術の稀に見る「対決」でもあった。しかし、この時の演習の詳細に関し、中国・タイ双方はいずれもずっと対外的に発表していない。先日、最新刊の「月刊空軍」はタイの安全保障業務関係の記者Analayo Korsakulの文書を掲載し、作者は自らの経歴およびタイ空軍飛行員との交流をもって、この時の演習を記述した。本文はこの報道の中で明らかにされたいくつかの情報をもって、この時の中国・タイ軍事演習を語ってみる。

中国・タイ軍事演背後の考慮

「鷹撃-2015」は近年来の解放軍と外国軍の合同軍事演習の中で金の含有量最高の演習の1つと言うことができ、公開された情報から見て、演習の中で対面したJAS-39C/D「グリペン」戦闘機は解放軍の戦闘機が直面した最も先進的な戦闘機である。

周知のように、軍事演習は両軍の関係に関わり、一方両軍の関係はまた両国の関係の反映である。国と国との間が親しいか疎遠か、遠いか近いかに照らし、演習科目の広さと深さも様々な等級に分けることができる。例えば両軍の間で共に訓練し何発か銃を発泡するのも合同軍事演習と評価されるし、戦闘機が一緒に格闘し、ミサイルを互いに発射するのも演習だが、どちらが重大でどちらが軽いかは一目瞭然である。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「『鷹撃-2015』合同空中作戦演習の中で演習に参加した『グリペン』戦闘機」」です。)

我が国の外交の内容と外延の不断の開拓展開と共に、解放軍はより多く外に出て行きもし、各国の軍隊との交流は日増しに増加し、アメリカおよびその盟友、我が国周辺各国を含めた各種軍事演習がいずれも不定期で行われている。だがこうした演習の多くは「非伝統的脅威への対応」(頑住吉注:対テロなど)のレベルに止まり、「伝統的脅威」(頑住吉注:通常戦争)に対応するレベルの演習はそれにもかかわらず非常に少ない。

ここ何年か以来、我が軍の外に出て行く歩みは加速し、ロシア、パキスタンといった友好国と定期的な高いクラスの軍事演習を行っていることの他、我が国はより多くの国(アメリカの盟友含め)との、より「実質的意義」を持つ軍事演習の開拓展開をも企図している。例えば2010年にトルコと行った合同空中演習、タイと行った「鷹撃-2015」などである。我が国の角度から言うと、この種の軍事演習の推進には両国の関係を強化するという需要もあるし、外国軍との交流連動を通じ、先進的な技術、戦術に接触し、自らの向上を達成する目的もある。

外国軍にとって、我が国との演習を推進する目的は大体似ている。「月刊空軍」は報道の中で、「鷹撃-2015」演習は決して一朝一夕になされた決定ではなく、中国・タイ双方は2014年には早くももう関連の事項の協議を開始していた、と指摘する。軍事上の協力の他、これはタイ政府が中国政府との関係を強化する一大措置でもある。

タイと我が国には悠久の伝統的友好関係があり、我が国と高いクラスの空中軍事演習が行えるのは決して意外ではない。だが両国の関係という考慮の他、現実の軍事的要素の考慮も同様に軽視できない。現在タイの周辺で潜在的衝突の危険を持つミャンマー、ベトナムおよびマレーシアがいずれもロシアと中国の空軍武器を大量に使用中で、一方本国の空軍武器はアメリカ製をもってメインとする。このため、タイは明らかにロシアと中国の武器を理解する窓をも必要としており、中国との軍事演習はこの目的を達成できる。ある演習に参加したタイ空軍「グリペン」戦闘機飛行員は、「我々は我々の体系がロシア製および中国製の飛行機に対抗する能力を評価し、かつ相手方の性能を評価することを希望している。」とした。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは「今回の演習に参加した殲ー11戦闘機」です。)

最も先進的な西側の戦闘機を試験飛行したことがある

当然、合同軍事演習は絶対多数の状況下で決して単なる当事国間の事柄ではない。特に空中実戦演習というような種類のデリケートな種類は。我が国対しては特に顕著で、その1つの要素はアメリカに代表される西側諸国はその同盟国や「友好国」が我が国と軍事協力を行うことに対し極めて忌みはばかり、いつも無意識に「圧力がけ」を行い、圧力がけが成功しなければすぐ各種に制限を行い、よく見られる方式はアメリカの提供した先進的な武器装備の使用を制限することである。

この原因から、過去我が国がパキスタン、トルコと行った空中軍事演習の中では、往々にして我が軍は第3世代戦闘機を出動させているのに、相手方は第2世代戦闘機しか出動させられなかった。まさにこのようだからでもあるが、今回の「鷹撃-2015」演習の貴重さが並大抵でないことがはっきりし、今回の演習の中で、解放軍空軍は6機の殲ー11A(タイメディアの報道によれば、これらの殲ー11は広州軍区空軍に隷属する空軍第二師団から来た)戦闘機を派遣して演習に参加し、また2機のイリューシン-76輸送機が技術保障を行い、一方タイ空軍は5機の「グリペン」戦闘機を派遣した。

JAS-39C/D「グリペン」戦闘機はスウェーデンのサーブ社が生産と研究開発を行い、公認の第3世代半戦闘機で、公開されている情報から見て、これは解放軍が対抗演習の中で直面したことのある最も先進的な西側戦闘機である。「月刊空軍」は報道の中で次のように指摘している。中国・タイ双方が達成した協議に基づき、「鷹撃-2015」演習の枠組みの下、タイ空軍飛行員は中国に赴いて中国の殲ー10戦闘機を試験飛行し、一方解放軍空軍飛行員もタイに赴いてタイ空軍の「グリペン」戦闘機を試験飛行した。今回の手配は両国空軍飛行員に2種のかけ離れた操作プロセスを試させた。言語の問題はその中の1つの重要な障害で、このため両国は交流の前に長時間の準備を行った。このことはグリペン」が我が軍の現役飛行員が試験飛行したことのある最も先進的な西側の戦闘機となった可能性があることを意味しており、これもまた1つの新たな記録である。これまでに公開された記録の中で、我が軍の飛行員はかつてフランスの「ミラージュ」-2000など西側の第3世代機を試験飛行したことがある。

ならばスウェーデンというこの西側の国は、タイが気前よく「グリペン」を解放軍に展示したことに対し意見はなかったのか? 答えはイエスである。「月刊空軍」は、演習前タイ空軍は「グリペン」が中国と合同軍事演習を行う件につきスウェーデン空軍およびサーブ社に知らせ、相手方はいかなる異議も決して提出せず、レーダーや武器の使用に対してさえいかなる制限も提出しなかった、と明らかにした。スウェーデン方面はさらに顧問と視察員を派遣しタイ空軍に対し演習中「支持」を行った。

今回の演習の中で中国が派遣した飛行員の陣容に対しても、タイサイドの印象は深かった。ある「グリペン」戦闘機の飛行員は、中国は演習中「最優秀」の飛行員を派遣し、こうした飛行員はタイが現在までに直面したことのあるあらゆる西側のトップの飛行員に比べても「出色」のようだった、とした。

(頑住吉注:これより4ページ目。画像のキャプションは「『グリペン』戦闘機」です。)

殲ー11が「グリペン」に負けたのは決して不思議ではない

対抗演習である以上、常に勝負があるわけだが、当事者サイドにとってはそれにもかかわらず結果は相対的に二の次と言えた。まさに前述したように、異なる体系の装備の技術・戦術的特徴を評価することがより重要なのであり、ある演習に参加した「グリペン」戦闘機飛行員は、「タイロイヤルエアフォースの立場は、我々は必ずしも何としても勝たねばならない、というものではなかった」、とする。「月刊空軍」の報道は、「肯定できるのは、解放軍空軍も同じ目的を抱いて演習に参加したことで、すなわち情報のキャッチである。」とする。

だが、「月刊空軍」はさらにいくつかの勝負に関する情報も披露しており、報道は、双方の演習科目には基礎飛行機動、超視距離作戦等々が含まれ、全体的に言って、双方には「互いに勝ち負けがあった」、「にもかかわらず」いくつかの科目の中で「グリペン」は4:0の比率で「勝利を取得した」、と指摘する。

この結果は決して予想外ではないと言うべきで、原因は主に3点ある。

第1に、歴史的経験と政局がタイにずっと軍事力建設を重視させ、タイ空軍は比較的良い発展を得てもいる。現在65機のF-16、JAS-39C/D「グリペン」など第3世代/第3世代半戦闘機を持っており、規模はASEANの中でシンガポールおよびベトナムのすぐ次である。タイはさらにシンガポールを除きASEANの中で唯一の早期警戒機を持つ国で、全空軍体系建設が完備され、全体的実力は過小評価できない。

提示しておくに値するのは、タイ空軍が第3世代戦闘機を使用した歴史が甚だしきに至っては中国に比べてもさらに長いだろうことである。「月刊空軍」が披露するあるディテールも関心を注ぐに値する。演習の何週間か前に中国サイドはもうタイに向け技術人員を派遣し、タイ空軍の空戦機動測量装置システムをいかにして中国サイドの殲ー11戦闘機と互換性を持たせ、もって演習の効果をより良く評価することに便とするかという問題の解決がメインだった。このシステムはリアルタイムで飛行機の空戦訓練中のそれぞれの動作を監視下に置くことによって、訓練の質を向上させる。この種のシステムは西側の体系にぴったり追随するタイ空軍の中では使用されることすでに久しく、一方我が国で普遍的に使用されたのはここ何年かのことである。

第2に、今回の演習は突き詰めて言えばやはり戦闘機個体の間での対抗で、全体系の対抗では決してなかった。このような対抗が真に双方の真の実力を体現することは非常に難しく、装備に世代差がなく、双方に同様の訓練の要素がある状況下で、実力伯仲の局面が出現することは非常に正常なことである(頑住吉注:今一生懸命負けの言い訳をしてるんですよね)。

その3として、今回演習に参加した殲ー11Aが全体的に使用しているのは初期第3世代機の配置で、一部小幅なグレードアップが行われているが、全体的技術の上で、特に電子技術の上では第3世代半のJAS-39C/D「グリペン」とでは間違いなく一定の隔たりがある。「月刊空軍」はタイ飛行員の話を引用し、殲ー11Aは「グリペン」に比べて少なからず時代遅れであると指摘した。彼は、「中国の飛行員は飛行機を極致にまで飛行させたが、空対空武器の射撃の中で往々にして『暗算』を行う必要があり、さらにある時には殲ー11Aに超視距離ミサイル射撃における正確さを失わせただろう。」と語る。まさにこのようだったから、体系の対抗でない中で、殲ー11Aが特定の状況下で「グリペン」に負けたのは決して不思議なことではないのである。


 先日、「F-15がインドのロシア製戦闘機に惨敗」という結果になった演習に関する記事も紹介しましたし、以前にはF-22がユーロファイターに「撃墜」されたという演習に関する記事も紹介しましたが、こうした結果は条件やルールによっていくらでも変わってくるので何とも言い難いです。ただ中国軍パイロットが西側の戦闘機との対抗演習の経験を持ちまたその結果に対し反省や総括を行い戦術の改良に用いているのなら、日本のパイロットにも東側系の戦闘機との対抗演習の機会を作ってあげることが望ましいでしょうな。















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