殲ー20は第5世代機と呼べない?

 外国からは疑問の声が多く出されている、ということです。

http://military.china.com/important/11132797/20140205/18326774.html


外国の専門家:殲ー20は第5世代戦闘機とは呼べない

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「2014年1月18日、国内の著名な軍事フォーラム、ウェブサイトに1枚の殲ー20の新たな原型機とされる画像が出現した。このコードナンバー2011の新たな殲ー20機は微博(頑住吉注:中国の人気サイト)上の軍事マニアに『銀河戦闘艦』と呼ばれている。この機はF-22に似た灰色の制空塗装を採用しており、この塗装は新型のステルス塗料で、現在すでに殲ー20戦闘機に応用されているのだ、とされる。現場にいた人が明らかにするところによれば、新バージョンの殲ー20は外観上少なくとも10カ所、殲ー20の前の2機の検証機との差異があり、このうち脚のカバー板の寸法が顕著に縮小し、かつ鋸刃状の構造がなくなり、また殲ー20戦闘機のストレーキに比較的大きな改修が行われている。」)

【グローバルネット総合報道】 カナダの「漢和安全保障業務評論」1月24日の報道による。文章は殲ー20の第1段階の試験飛行の成果に対し決して充分好意的に見ておらず、各国の航空領域の専門家も比較的ネガティブな見方を持っている。

文章は漢和は同時にアメリカ、ロシアの戦闘機設計者に教えを乞うた、とする。欧米の戦闘機設計者だろうと民間の航空評論家だろうと、殲ー20の設計が第5世代戦闘機の一般的ロジックに符合すると考えている人はいない。

航空工業設計領域において、各国の総設計師、主任設計師は全て非常によい道徳的気風を持っている。今回接触したミグ、スホーイ、ロッキード・マーティン社の戦闘機設計師は、その他の同業者の設計した戦闘機を軽率にネガティブに評論したわけでは決してない。

以下はロシア、ヨーロッパ、アメリカの戦闘機主任設計師たちの殲ー20に対する評価である。

ロシアのミグ設計局の主任設計師:あなたは私に何回もこの問題を質問したことがあるが、私の見たところ、殲ー31の設計のロジックは私には理解できる! (頑住吉注:何故殲ー31?)

スホーイの主任設計士:(殲ー20が)もし超音速巡航、および低い探知計測可能性のステルス能力を達成できなかったら、当然第5世代戦闘機とは呼べない! (F-35に代表される第5世代戦闘攻撃機の概念と混同しないようご注意ありたい。これは超音速巡航を要求されない)

ポーランドの航空評論家:私の見たところ、殲ー20は非常に奇怪な設計だ。相互に矛盾しており、前翼の設計はきっと地上のレーダー、異なる水平角度の戦闘機、早期警戒機の(殲ー20に対する)探知計測能力を高めるだろう。

アメリカの戦闘機設計師:F-111の寸法と同じで、このように大型化すれば多用途のようだと見て取ることができるが、高い推力のエンジンが欠乏している状況下では、この種の設計は、一方において戦闘機の推力:重量比を低下させ、一方においてはステルスに不利で、しかも必要がない。

文章は次のように考えている。中国の民間機の複合材料の比率が5%を超えないこと、梟竜輸出型戦闘機が複合材料を採用していない状況から判断して、殲ー20が10〜15%の複合材料を使用できたとしたらたいしたものだ。だが米ロの第5世代戦闘機の複合材料の運用は25〜30%を超えている。F-22はさらに高度技術化された熱加工プラスチック、人造繊維の重合複合材料を使用している。推測できるのは、殲ー20の自重がT-50およびF-22よりずっと大きく、しかもアフターバーナー使用時のエンジンの推力が13,000kgを超えることはあり得ない、ということである。エンジンの核心機は依然ロシア由来のAL-31Fだという説がある。


中国の現在のこのような急速な発展、軍備拡充の態勢に照らせば、もし軍が殲ー20に満足していたら、少なくとも第4、5機目の殲ー20原型機も出現しているはずだ。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「外国メディアの言によれば、殲ー20戦闘機が2011というこのコードナンバーを使用しているのは次の理由による。201Xは殲ー20原型機のロット数を示し、コードナンバー後ろの11は第01ロットの1号機を意味し、いわゆる第01ロットは殲ー20戦闘機の原型機のロット数を指す。殲ー20戦闘機の以前に出現した2001および2002号機はこの機の検証機で、つまりいわゆる718工程検証機であって、これらの機は殲ー20の第00ロットと考えられる。」です。)

だが文章は、「ロシア、西側の設計概念で殲ー20を取り扱ってはならない。殲ー20の歴史的意義は、これが中国の設計師が初めて自分の構想に照らして完成させた設計であり、いかなる同類戦闘機も盗作していないところにあるのだ!」と考える(頑住吉注:「飛豹」や「梟竜」もパクリではないようですが)。

文章は、殲ー20の未来にはいくつかの運命がある、と考える。

1、中止! これはあり得ないようだ。取って代わり得る第5世代戦闘機はなく、しかもすでに大量に投資している。

2、一部改良。中国はすでに殲ー20のためにアフターバーナー使用時の推力が13,500kgのAL-31FM1ターボファンエンジンを購入済みで、これにはベクトル推進ノズルは含まれない。さらに一歩複合材料の運用を増やすと仮定すると、殲ー20の推力:重量比はさらに向上するだろう。だが依然超音速巡航という第5世代戦闘機の国際基準には到達しない。

文章は、いかにして空力外形を部分的に改良するか(主にステルス能力の向上)は見たところ非常に難しく、全体的設計思想、ロジックはすでに形成され、前翼の取り消し、前翼と主翼の融合(T-50のような)、腹鰭(ventral fin)の取り消しはほとんど不可能である、とする。このように大型化し、長すぎる戦闘機は大仰角飛行時の航行方向の安定性が極めて重要で、殲ー20の部分的設計改良に関しては、せいぜい腹鰭を縮小し、垂直尾翼の面積を増大することができるだけである。ミグ設計局の総設計師バケフスキーの言葉を用いれば、「妥協! さらに妥協」である。

3、全面的大改造。スホーイー27に似た発展の道である。このようにすればさらに一歩就役時期が遅延する可能性があり、中国空軍の決断次第である。

全体的に言って、現在殲ー20が直面する技術問題は、当時スホーイー27初期型が登場した後、ソ連軍に受け入れられなかったのに非常に似ている。原因は、初期型のスホーイー27に対し実施した作戦論証の結論が、機動性等々の技術領域において、初期型スホーイー27はF-15の敵ではないということをはっきり示したことである!

一体第3機目の殲ー20は技術(外形)の改良を開始したのか? それとも第4機目の殲ー20が全面改良を開始するのか? 文章は、中国空軍を満足させるまで改良する必要がある、と考える!

文章は、この説は成都飛行機が殲ー20の空力外形設計に対し段階的改良を行い、1回にとどまらない、ということを意味している可能性がある、と考える。

(頑住吉注:3ページ目)新バージョンの殲ー20のエンジンの尾部ノズルは短縮されてほとんど完全に腹鰭によって遮蔽され、側面のステルスに有利である。新バージョンの殲ー20の空気取り入れルートの口の構造に非常に大きな変化が発生しており、殲ー20検証機と全く異なることにご注意ありたい。

(頑住吉注:4ページ目)新バージョンの殲ー20戦闘機は新たな回折ヘッドアップディスプレイを採用しており、これは現在の世界軍用航空機最高の航空電子レベルを代表するものである。この新たなヘッドアップディスプレイに関しては、アメリカの関連の資料を参考にすると、その重量はより軽く、表示の効果がより良くはっきりしており、現在世界でユーロタイフーンなど少数の戦闘機だけが類似の設備を採用している。

(頑住吉注:5ページ目)改良により、新バージョンの殲ー20はすでに空前の技術的バランスを達成している。

(頑住吉注:6ページ目)2011号機の変化は非常に大きく、こうした変化は殲ー20戦闘機がすでに正式に原型機段階に進入していることをはっきり示している。一方以前の2機は検証機の段階だった。2011号機の主要な改良は以下の通りである。1、主翼の動作筒が縮小された。2、空気取り入れ口の前縁が下に傾斜し、かつ機の背部と融合した。3、機種下方に黄色いEOTSセンサー(事前に留保された位置かもしれない)が装備された。(画像の制作:裴申)

(頑住吉注:7ページ目)2011号機の主要な改良は以下の通り。4、垂直尾翼が尖った形にカットされた。5、背部のドラッグシュート収納部が改良された。6、エンジンの尾部噴射管が短縮され、ほとんど完全に腹鰭によって遮蔽され、噴射管には鋸刃がある。(画像の制作:裴申)

(頑住吉注:8ページ目)2011号機の主要な改良は以下の通り。7、一体式キャノピーに強化フレームが追加装備された。キャノピーに起爆コードが追加装備され、キャノピーを貫通する方式の射出に改められた。8、2011号機は銀灰色の制空迷彩塗装に改められた。2002号機は黒色の塗装だった。(画像の制作:裴申)


 初めて作るステルス戦闘機ですから行き届かないところもたくさんあるでしょうが、評価する側に先入観があって、実際にぶつかってみたら「ゼロショック」、「ミグショック」のようなことになるのでは、という心配もいくらかあります。













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