中国の専門家、ロシアによる「ミストラル」購入を語る

 国際環境的に困難になり、国内の批判も多いとされていますが。

http://www.hinews.cn/news/system/2014/12/23/017208039.shtml


専門家:フランスのミストラル艦引渡し拒絶はロシアの海軍力を動揺させない

ロシアによるフランスの「ミストラル」級強襲揚陸艦購入の最新の進展に関心が注がれている。報道によれば、フランスで訓練を受けていた約400名のロシア艦員は現地時間18日にフランスを離れて帰途についた。あるメディアは、これはフランスが艦艇引渡しの時期を無限に遅延させるかもしれないためだ、とする。ならば、「ミストラル」艦の性能はどうなのか? フランスがもし本当に引渡しを拒絶したら、ロシアの海軍力に対しどのような影響を生じさせるのか? 関連の問題につき、記者は軍事専門家尹卓をインタビューした。

「ミストラル」艦の総合性能は優良

ロシアは2011年6月にフランスと金額12億ユーロの契約を締結し、2隻の「ミストラル」級強襲揚陸艦を購入することを希望した。軍事視察員尹卓は、「ミストラル」は総合性能が優良な軍艦であると考える。

まず「ミストラル」艦の総合作戦能力から語り始めるが、「ミストラル」艦は多くのヘリ、上陸艇、ホバークラフトを搭載、輸送できる。そのトン数は適度で、2万トン前後であり、1回の投入でおよそ700名の陸戦隊員を投入でき、大体半個大隊から1個大隊の規模で、このような投入能力は、いかなる中小国に対する介入の中でも重要な作用が引き起こせる。

また、「ミストラル」艦の情報化の程度は非常に高く、この艦は上陸作戦艦艇が担当できるだけでなく、さらに上陸作戦の指揮艦となり得る。上陸作戦は各種の作戦様式の中で総合性が最も強いもので、最も複雑な作戦様式でもあり、空中戦力、海上戦力の指揮および陸上作戦の組織をカバーする。「ミストラル」艦の指揮コントロール設備は非常に完備され、その指揮システムの性能は現有の上陸艦の中でも最高のはずである。

フランスは「ミストラル」の契約を決してまだ破棄していない

理解されているところによれば、フランスがロシアのために建造する第1隻目の「ミストラル」級強襲揚陸艦「ウラジオストック」号はすでに去年10月に進水しているが、ウクライナ情勢悪化により、フランスはNATOの圧力に迫られ再三引き渡し時期を遅延させている。軍事視察員尹卓は、ロシアが艦員を撤収させたのは、両国間で達成された臨時の段取りかもしれない、と考える。

ロシアが400名の訓練を受けていた人員を撤収させたことは、まずフランスがきっと近い時期には「ミストラル」艦の引き渡し作業を行わないだろうことを示す。だがフランス政府は引渡し拒絶を公然と表明してもいない。双方は「ミストラル」艦の引き渡し問題につきすでに非常に長い時間話し合っており、現在は膠着の段階にある。もし引渡さなければ、特に建造が整っている「ウラジオストック」号に関しフランスは何十億ユーロという規模の経済損失に遭う可能性があり、これはフランスにとって非常に巨大な損失と言える。

ウクライナ事件勃発、フランスの「ミストラル」艦の引き渡し拒絶から現在まですでに大半の時間が経過しており、もうすぐ年末である。争いが解決されていない状況下で、フランス(頑住吉注:ロシアの間違いでしょう)が「ミストラル」艦を受け取れるか否かはまだ未知数である。ロシアはフランスと共通認識を達成したのかもしれず、すなわちロシアは訓練を受けていた人員を帰国させ、このようにすれば管理にも便利であるし、また双方の費用を減少させることができるが、この種の段取りは臨時的性質のものに過ぎない可能性がある。

「ミストラル」はロシアの海軍力に対しあまり大きな影響はもたらさない

訓練に参加していたロシアの艦員はすでに撤収したが、フランス造艦局のスポークスマンは18日態度表明し、フランスはまだロシア向けに軍艦を引き渡すか否かの決定をしていない、と語った。軍事視察員尹卓は、もしフランスが「ミストラル」艦の引き渡しを拒絶しても、ロシアの海軍力に対しあまり大きな影響はもたらさないだろう、と考える。

ロシアは自ら上陸艦を建造する能力を持ち、ロシアの「イワン ロゲフ」上陸艦も性能が比較的優良な上陸艦である。欠点はロシア国産上陸艦のトン数が充分大きくなく、1万トン余りしかなく、またその機格納庫と飛行甲板がいずれも比較的小さいことである。

フランスがロシアのために建造する第1隻目の「ミストラル」艦の完成と共に、ロシアの建造および訓練を受ける人員は「ウラジオストック」号の建造進度と連動して、基本的にフランスの艦の全建造過程を学習済みである。ロシアの専業人員は、「ミストラル」艦建造の基本性能データおよび材料を完備して掌握済みのはずである。

また、上陸艦は全体的に言って作戦艦艇ではなく、補助艦艇に列せられる。全海軍序列の中で、空母、駆逐艦、巡洋艦、護衛艦などは全て火砲、ミサイルあるいは魚雷を用いて直接目標が攻撃できる。だが上陸艦は異なり、この艦は直接的にその他の艦艇に対し致命的損傷をもたらすことはない。このため上陸艦は海軍の進攻能力と防御能力に対し重大な影響を生じさせることはない。

ロシアが「ミストラル」艦を購入しようとするのは、主にそれをグルジア戦争に似たような戦争に用いようと考えているからである。もしグルジア戦争の中でロシアが「ミストラル」艦をすでに装備していたら、ロシアのグルジアに対する進攻能力はずっと強くなっていただろう。2〜3隻の「ミストラル」艦は何千人を一気に投入でき、相手の陸上防衛に対し重大な衝撃となるだろう。だがこれは決して「ミストラル」艦がなかったらロシアには直ちにその他の代替手段がなくなることを意味しない。ロシアは黒海地域に上陸艦を持ち、黒海周辺国に対し依然非常に強大な側面からの攻撃能力を持っているのである。

このためフランスがもし本当に「ミストラル」艦の引き渡しを拒絶しても、全体的にはロシアの海軍能力と世界各国の海上戦力との比率に対しあまり大きな影響はもたらさないだろう。「ミストラル」艦は優秀な艦艇だが、それは戦争の今後のプロセスに対しカギとなる重要な作用は果たさないだろう。(朱西迪)


 そういう意味で上陸艦が補助艦艇だというのなら空母もそうなのでは。空母が艦上機を利用して駆逐艦その他の艦艇以上の長距離、強力な攻撃が行えるというのならば上陸艦はさらに致命的な地上部隊により占領が行え、「進攻能力と防御能力に対し重大な影響を生じさせることはない」というのはどうかと思います。ただ、ロシアの専門家が「ミストラル」の技術を大筋把握しているというのが本当なら、実物の艦の引き渡しの有無は長期的に大きな影響を与えないでしょう。ロシアが自身で同等のものを作ればいいわけですからね。










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