中国の将来兵器技術関連2題

 いずれもまだ実用化からは遠そうですけど

http://military.china.com/important/11132797/20151117/20766332.html


中国、「不可能」な任務を実現 高エネルギー電磁発射技術で突破

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「資料画像:アメリカ海軍のレールガン試験現場」)

中新ネット11月17日電 中国航空宇宙科学工業集団社ウェブサイトの情報によれば、中国航空宇宙科学工業集団社二院206所は「高エネルギー電磁発射技術」を研究中で、「ミサイル汎用電磁発射技術」および「近距離弾幕防空に用いる電磁発射技術」を重点研究領域とし、プロジェクトはすでに突破性の進展を獲得している。この技術は将来艦船、陸上基地、宇宙発射など武器装備システム全面電気化発展の趨勢に適応し、電磁発射は必ずや軍事技術革新の方向性を導く道しるべの1つとなる。

報道は次のように明らかにする。中国航空宇宙科学工業集団社は大きな力を入れて「5つの新世代」技術のカギとなる重要な時期を開き、電磁発射技術は速度、射程、殺傷力、反応能力など多くの方面全てにおいて革命性を持つ新型先進発射技術であり、疑いなく新世代宇宙発射および応用技術の発展方向である。二院206所の「高エネルギー電磁発射技術」青年創新作業室(略称「青創室」)責任者の李艶明は次のように説明する。「化学エネルギー発射技術は爆発力が卓越し、破壊損傷効果が高く、今に至るも依然現代の戦争の中で広範に応用されている。だが発射過程が不可逆、コントロールの応急性が劣るという欠点が存在する。しかも火薬の性質の制限を受けて、伝統的な発射方式の砲弾は初速がすでに極限に近く、人類のエネルギー使用技術の向上につれ、電気エネルギーを武器装備に応用するのは武器発展の必然である。」

報道は次のように指摘する。206所の「高エネルギー電磁発射技術」青創室は集団社重大自主創新プロジェクトの研究を委託され、「ミサイル汎用電磁発射技術」や「近距離弾幕防空に用いる電磁発射技術」を重点的研究領域とすることになる。電磁力の利用は搭載荷を一定の速度にまで推進することになり、この技術は顕著にミサイルの発射性能および初速を高め、ミサイル運搬機構の質量を減少させ、発射装置の運用と維持の費用を圧縮し、かつミサイル電磁発射装置汎用化プラットフォームを構築し、何度もの循環発射やミサイル発射快速反応を実現し、したがって発射コストを下げ、武器システムの作戦コストパフォーマンスを大幅に向上させることができる。この技術は将来艦船、陸上基地、宇宙発射など武器装備システム全面電気化発展の趨勢に適応し、電磁発射は必ずや軍事技術革新の方向性を導く道しるべの1つとなる。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「BAE社が米軍のために製造したレールガン」です。)

報道は、電磁発射技術は全く新しい発射技術で、多項目の技術領域に関わり、技術的難度や飛躍度はいずれも非常に大きく、初期の探索過程は非常に長い、とする。現在国内には参考にできる成熟した方案がなく、一切全てゼロから開始する必要があり、青創室メンバーたちは真の「白手起家」(頑住吉注:無一文から事業を起こす人)と言える。荒野を開拓する意気込みと頑張りに頼り、彼らはこの見たところ「不可能な任務」を実現し、プロジェクトにはついに突破性の進展があったのである。

報道はさらに、電磁発射技術が技術成果の転化を完成させ飛躍的発展を実現するまでには、依然一定の行く必要のある探索の路程がある、と指摘する。

(頑住吉注:3ページ目)地上基地高エネルギー対衛星武器の説明図


 どうでもいいですけど3ページ目の画像はテーマと関係ないでしょう。これも本筋じゃないですけど「近距離弾幕防空に用いる電磁発射技術」というのも気になりました。たぶんレールガンの原理で無数の弾丸を散弾状に連続発射して向かってくる飛行機やミサイルを撃ち落すというものでしょうね。

http://military.china.com/important/11132797/20151117/20764358.html


中国、新型ステルススマート外皮技術を発表 米軍のF-22に比べより先進的

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「現在殲ー20が採用しているのは依然伝統的なステルス塗料層技術で、特定の周波数帯の電波のみ吸収でき、アメリカのF-22、F-35の塗装層技術と同一世代の製品に属する」)

最近ある中国の科学者が発表した英文の論文が西側メディアの推測を次々と引き起こしている。11月10日、アメリカ物理連合会主宰の「応用物理」誌118期にその作者が中国の華中科学技術大学の人である英文の論文が発表された。この論文は「アクティブ周波数選択吸収表面」技術を極超短波(UHF)帯のレーダー波吸収に用いる技術を詳述している。これは初のステルス戦闘機スマート外皮製造に用いることのできる技術と考えられており、それは敵サイドのレーダーが探知計測する周波数を根拠に自身のレーダー波に対する吸収率を調節でき、したがって非常に大きくレーダー反射面積を減少させることができ、現有の固定された周波数帯の電波のみ吸収できるステルス塗装層技術を完全に時代遅れにさせる可能性がある。視察者ネットは関連の中国語の論文を調べた後、この論文の関連の部分の試験は2011年前後には早くももう完成し、この技術はすでに実用化に近づき、このため関連の事前研究の学術成果がすでに公開、発表可能になったのかもしれないことに気付いた。

アメリカの「Arstechnica」ウェブサイトの報道は、中国の科学者たちはある新材料を研究開発し、これは「アクティブ周波数選択吸収表面」と呼ばれる、とする。これは一層の非常に薄い材料で、その表面は一層の電気回路の基板の印刷に用いる物質で、下方には半導体と銅片構造があり、通電後それは一定の周波数の範囲内でマイクロ波を吸収でき、かつ吸収する具体的な周波数帯は調節可能である。この材料はいかなるそれが覆うところの物体のレーダー反射断面積をも減少させることができ、例えばステルス戦闘機である。ひとたび使用に投入されれば、それは異なる周波数帯のレーダー波を吸収できる。重要なのは、この装備の作動原理がすでに公開され、最近出版された「応用科学」誌上に発表されていることである。

ステルス戦闘機は特殊な外形と特殊な材料を採用してレーダー反射面積を減らす。一方においては外形によってレーダー波を特定の角度に反射させ、それらがレーダーの受信機内に戻るのを避ける。同時に、さらにレーダー吸収材料を用いてレーダー波のエネルギーを吸収し、できる限りそれらが反射される強度を弱める。両者を結合させると、戦闘機はほとんど発見され得なくなる。だが現在のいくつかの新技術、例えばUHFレーダーは、極めて高い識別率で飛行機を捜索でき、このことはステルス機の優勢を削減することができる。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「中国が公開した論文の中のスマートステルス外皮サンプル品の画像と作動原理の画像」です。)

現役のステルス機は主に超高周波数帯、例えばSCX周波数帯に照準を合わせている。またAN/SPY-1「イージス」レーダーが作動するKu周波数帯もこの範囲に属する。だがもしより長い周波数帯のレーダー、例えば特高周波数帯(UHF)レーダーに遭遇したら、それらは少なくとも完全な隠身ではなくなる。一方この原理を利用して、周波数のより低い火力コントロールレーダーシステムも開発されつつあり、このことはステルス機が将来新型探知計測システムに直面しての効果が劣ったものに変わるだろうことを意味している。

しかし、中国の研究者たち、Wenhua Xu Yun He、Peng Kong、Haibing Xu、Ling Miao、Shaowei Bie、Jiajun Jiang(彼らはいずれもこの華中科学技術大学の論文に署名している)は、未来のステルス戦闘機の外皮に異なる周波数帯のレーダー波を吸収できるようにさせる。

彼らが開発したレーダー波吸収外皮は次のように構成されている。0.8mmのFR4(電気回路の基板の印刷に使用される材料)、0.04mmの銅と半導体が結合したアクティブ周波数選択表面、さらに下は7mmのハニカム材料で、上面の2層の物体を支持し、かつそれとさらに下方の機体材料とを隔離するのに用いる。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは「マイクロ波暗室の中でテストが行われる画像」です。)

試験中、研究者たちは彼らが制作した原型アクティブ周波数選択表面の最も良いレーダー波吸収効果は、0.7〜1.9GHz周波数帯の間で調整でき、反射率を10〜40デシベル削減できることを発見した。「レーダー装置の不断の進歩と共に、我々のUHF周波数帯吸収能力を持つワイド周波数帯薄型電波吸収材料には大いに腕の振るい場所がある。」 論文の中の結論はこのように書かれている。

米軍サイドはずっとステルス技術を自らの戦略的優勢としており、中国の科学者たちが政府の資金援助の下でこの方面の技術で突破に向け努力しているとの情報は米軍サイドを憂慮させる1つの理由となるかもしれない。当然こうした公開の研究結果はあるいはアメリカが周波数のより低い新型レーダーを研究することを促す可能性もある。だが中国がこのような技術研究結果の公開を許したことも、明らかに目的があってのことである。

視察者ネット軍事評論員は関連の国内資料を調べ、華中科学技術大学の関連の中国語の論文は、上述のこの論文の中に言及された試験が2011年前後に行われた可能性があることをはっきり示していることに気付いた。一方関連の論文はすでに公開、発表でき、これは中国の関連の技術がすでにより高い段階に入っていることを示す可能性が高い。これは、ソ連が当時本国のスーパーコンピュータの性能不足ゆえに、レーダー反射断面積を計算する公式を公開、発表し、結果としてレーダーステルス技術がアメリカによってまず実用化されたという歴史的事件とは決して似たところはない。

(頑住吉注:これより4ページ目。画像のキャプションは「論文の表題は『超薄ワイド周波数アクティブ周波数選択吸収表面の特高周波数レーダー波吸収方面における応用』で、アメリカの『応用物理』誌上に発表された」です。)

事実、上述の論文の中に言及されたアクティブ周波数帯選択技術は決してステルススマート外皮技術上への運用に止まらない。それはさらに飛行機のレドーム、あるいはアンテナなどの製造に用いることができ、そのスマート化して吸収する電波の周波数を調整できる特性を利用して多種の特殊機能を実現でき、このことは無線電子設備の小型化、多用途化、スマート化実現に対し極めて大きな意義があり、現在世界各国が争って研究する前線たる性質の技術である。


 これに関しては全く分かんないですけど、相手のレーダーの電波をいったんキャッチして、分析して、周波数を判断してからステルス外皮の性質を変えるということでしょうから、本当にこれが大いに有効なものならレーダー側でも周波数を次々切り替えるとか、異なる周波数の複数のレーダーを使うとかの対抗手段も生まれるのかもしれませんね。















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