052Dは絶対に20年前のアメリカのレベルではない

 中身あんまりなかったんで訳しませんでしたけど、前提として少し前「052Dはアメリカの20年前のレベルに相当する、とアメリカが言っている」という記事があったんです。

http://military.china.com/critical3/27/20130926/18065583.html


アーレイ・バーク級との対決で劣勢には立たされない 052Dは絶対にアメリカの20年前のレベルではない!

アメリカの「ストラテジー ページ」ウェブサイト9月22日掲載の文章によれば、中国の052D駆逐艦はアメリカの20年前のレベルに相当すると考えられ、第1号艦「アーレイ・バーク」級駆逐艦に似ているという。これは広範なネット仲間の議論を次々に巻き起こした。それでは私が2つの戦闘艦の真の状況を対比分析してみよう。

アメリカの第1号艦アーレイ・バーク号駆逐艦、コードナンバーDDG-51は1991年7月4日に就役し、アメリカ海軍の「イージス」時代を開いた。この艦は防空駆逐艦であり、現在までにすでに3つのタイプに発展しているが、最初に建造された8隻は警告能力だけがあって妨害能力はなく、しかも当時の「イージス」は決して鉄板ではなく、非常に多くの方面にまだ欠陥があった。その後の何十年の実際の使用の中で、非常に多くが改良され、現在までにすでに第7バージョンの「イージス」となっている。

ならば我々は直接最新の「アーレイ・バーク級」2Aと052Dを対比させてみよう。

まず、「アーレイ・バーク級」2Aの排水量は9,217トンで、96ユニットの垂直発射システムで、2つの機格納庫を持つ。052Dはおよそ7,500トンで、64ユニットの垂直発射システムで、1つの機格納庫を持つ。これは2つの戦闘艦の差異が比較的大きい部分であり、当然これは国家戦略の必要性によって決定されたものでもある。アメリカ人が実行するのは全世界の覇権主義で、大鑑巨砲主義をあがめ尊ぶ(頑住吉注:いろいろ突っ込みどころがありそうですがスルーします)。中国は現在地区の事物に重点を置き、関係する軍事力の必要性はまだアメリカの程度には達していない。だがここ何年かの形勢から見て、我々の戦略的利益はすでに全世界の各地にまで延伸しており、このことは我々に相応に強大な軍事力を後ろ盾とすることを必須として要求し、これこそ052Dができたばかりであり、次世代のアメリカのDDG-1000型に似た国産1万トン級駆逐艦が今にも登場しそうであることの原因である。我々は自分たちが真の世界トップクラスの戦闘艦を持つことを大いに期待する。このことは何世紀にもわたってむしゃくしゃしてきたあらゆる中国人の気を晴らすことができる‥‥

続いて我々はその他の方面で続けて対比を行う

1.ステルス能力:アーレイ・バーク級のサイズは052Dに比べて大きく、艦体自体は1980年代の設計概念であり、上層建築には大量の平面対レーダー照射ステルス設計が使用されているが、外形から見てこの艦の非常に多くの外部に露出した設備が深刻に影響してこの艦の足を引っ張っている。例えば林立したアンテナアレイなどである。一方052Dはこれに比べずっとすっきりしており、あらゆるアンテナが単一化され、かつステルス設計がなされ、加えてそのサイズがより小さく、艦橋もアーレイ・バーク級に比べて低い。このようにすればステルス性能はずっと良くなり、よりレーダーによって発見され難くなる。

2.レーダー探知計測システム:052Dに用いられる新型大アレイデジタルアクティブフェイズドアレイレーダーは、アメリカの「イージス」に比べより大きな出力を持ち、探知計測距離がより遠く、信じられているところによれば550KMに達し、一方イージスは450KMである。またアメリカの「イージス」は同時に200の目標が自動追跡でき、かつミサイルを誘導して20の目標が同時に攻撃できる。一方052Dはこの方面で決して具体的な答案が出されていないが、我々の空警ー2000の9大世界第1から見て、米軍のE-3A早期警戒機よりさらに先進的と思われ、ならば我が052Dはこの方面でやはり非常に素晴らしいと見られる。

3.武器システム

1)防空:アーレイ・バーク級の防空武器は「スタンダード」2がメインで、射程74km、最大高度24km、最大速度マッハ3だが、射程延長型は130kmである。一方052Dの防空ミサイルは現在不明だが、052Cに比べて絶対に劣るはずはない。052Cが用いるのは紅旗-9A防空ミサイルで、これは中国がS-300と国産先進電子設備を総合して研究開発したもので、最大射程は120km、最大射高は30km、最大速度はマッハ4.2である。こうなれば052Dの防空ミサイルの性能はやや優れているようだ。だが我々が警戒する必要があるのは、アメリカのスタンダード3ミサイルはこれより凄く、戦略性防空ミサイルに属し、その射高は160km、射程は500kmにもなることだ。当然これは一般に「タイコンデロガ」級巡洋艦上に装備されるのだが、我々の国産次世代新型1万トン級駆逐艦ではこの種の類似した国産戦略防空ミサイルが見られる可能性がある。

(頑住吉注:これより2ページ目)

その他の近接防御武器に関しては、イージスは一般に「シースパロー」とファランクスの2種であり、一方中国の052Dは紅旗-10近距離防空ミサイルと730型近接防御砲である。このうち「ファランクス」の最大発射速度は毎分4,000発で、730型近接防御砲の最大発射速度は毎分4,200発である。正確度に優劣はなく、一方シースパローと紅旗-10も一部伯仲している(頑住吉注:何故か触れられていませんがファランクスは20mm、730は30mmですから後者の方が射程や威力が上のはずです)。

2)対艦攻撃:アーレイ・バーク級の「ハープーン」対艦ミサイルは射程が130km、対艦版「トマホーク」巡航ミサイルは射程460kmであり、一方052Dは最新の鷹撃-803の改良版で射程は300km、あるいは最新の鷹撃-12遠距離対艦ミサイルで射程は500kmである。この方面で、052Dの実力は非常に大きくアーレイ・バーク級を超えている。

また艦砲システムでは、アーレイ・バーク級はMK45-2型127mmL54艦砲1門で、052Dが装備するのはH/PJ-38型130mm艦砲で、射程と精度の上で052Dにいずれもやや優勢があり、少なくとも劣ることはない。

3)対地攻撃:アーレイ・バーク級は主に「トマホーク」巡航ミサイルミサイルに頼る。通常弾頭を搭載した「トマホーク」の射程は1,300km、命中精度30m、重量約1.2トン、有効搭載荷122.5kgで、改良型の射程は1,853kmにまで向上している。一方052Dが装備するのは長剣ー10巡航ミサイルで、有効射程は2,500km、命中精度は10m、重量約2.5トン、有効搭載荷は300〜500kgである。このことから見て、052Dの対地攻撃力はアーレイ・バーク級に比べさらに強大だと思われる。

4)対潜攻撃:アーレイ・バーク級は2基3連装のMK32型魚雷発射管を装備し、MK46-5あるいはMK50型魚雷を発射する。射程は8km、魚雷24発である。しかも2機のSH-60B/F「シーホーク」ヘリが搭載できる。一方052Dは最新の魚雷発射装置7を持ち、射程は14kmで、魚雷の数は知られていない。1機のKa-28対潜ヘリを装備すると見られる。この対潜の対比の中で、052Dの魚雷はアメリカのより凄いが、ヘリと全体的対潜レベル方面では「アーレイ・バーク級」2Aに比べまだ一定の隔たりがあると見られる。この点を我々は正視する必要がある。

5)戦闘艦の水兵の素質:人々は双方の作戦能力を対比する時、往々にして武器装備だけによって優劣を決定する。武器装備は確かに非常に重要だが、実際には人材こそが戦争の中での核心であり、人の戦闘への意志、軍事的素養、職業的価値観などはいずれも非常に重要な要素である。この方面は比較しにくい。何故なら大は国家から、小はそれぞれの戦闘艦の個人と団体まではいずれも千差万別であり、こうした戦争を行う人の身体的素質はどうか、思想や観念はどうか、貢献に向けた精神はどうか、武器の操作レベルはどうか、組織の団結力はどうか‥‥こういったことが全て戦争に対し非常に大きな影響を発生させるからである。

以上の対比はいずれも戦闘艦自体に基づいたものである。だが実際の戦争の中では、それらは大きな作戦体系の一部分に過ぎない。戦闘艦以外の部分に対しては我々は考慮を行わない。このため、以上対比したばかりの5つの方面により、我々は我が052Dが実際には決してアメリカが言うように立ち後れてはおらず、逆に非常に多くの方面でさらに先進的なのだということを見ることができた。しかもこの中で行ったのはアメリカの最も先進的な「アーレイ・バーク級」2Aとの比較なのである。このため我々は、非常に多くの国外メディアの報道は非常に多くの場合決して客観的真実に基づいての比較ではなく、その他の何らかの必要(例えば政治上の必要など)から捏造されたものだ、ということにも注意する必要がある。我々がなす必要があるのは、いかなる他国勢力がさらにどんなにほめ殺しを行っても、さらにどんなにけなしても、我々は常に聞き流すことであり、ああしたうるさい蠅に我々の歩調を乱させてはいけない。我々は科学的に、謹厳に、着実に、辛苦に耐えて奮闘し、我々が世界第1の最高峰に立つまで我々の軍事力を発展させるべきなのである。


 極端すぎる愛国心によってバイアスがかかっているのはありありとわかるんですが、個々の分析の適否については私にはよく分かりません。しかしここで比較しているのはカタログデータであり、太平洋戦争当時日本の兵器がカタログデータ上アメリカの兵器と大差なく、あるいは部分的に上回っていても、全体的技術レベルでは相当に遅れていた、というのと同じようなことがここでもあるのではあるまいかとは思います。














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