FAMAS、AUG、95式の優劣

 今回は中国人による、FAMAS、AUG、95式を比較して優劣を論じたページの内容を紹介します。

http://war.news.163.com/07/0502/10/3DFSPN6900011232.html


FAMAS、AUGと95式小銃の優劣を論じる

1980年代以後、世界中で小銃に関する「ブルパップ熱」が沸き起こった。(頑住吉注:この部分だけ国名あえて原文通りにしてみます)法国のFAMAS、奥地利のAUG、英国のSA80、以色列のTAR-21、新加坡のSAR-21、南非のCR21、そして我が国の95式等々のように、多くの有名なブルパップ小銃が出現した(頑住吉注:今まで気づきませんでしたが「21」というモデル名の数字が3つもかぶってますね。よほど「新時代21世紀の」というイメージで売りたかったんでしょう)。この中で最も特徴的なものとしてはフランスのFAMAS、オーストリアのAUG、我が国の95式という3種の小銃が挙げられる。それでは、もしFAMAS、AUG、95式という3種のブルパップ小銃の中で、優れたものの中から優れたものを選び出すとすれば、どれが勝ち残れるだろうか?

この文では銃器の構造上の特徴、精度、威力、信頼性、人間工学という5つの方面においてこの3機種を簡単に対比した。

構造上の特徴

FAMAS、AUG、95式というこの3機種の自動小銃の中では、FAMASが最も早く設計が定まった。この銃は1973年にフランス軍への装備が開始され、現在すでにフランスの各兵種で汎用される自動小銃となっている。その主要な構造上の特徴は、まず重心が後方に置かれたブルパップ構造であること、機関部とマガジンも銃本体後方にあること、銃の全長が大いに短縮されたこと(目下世界で最も短い自動小銃の1つである。主要諸元表参照)、銃の上部にキャリングハンドルが設けられ、携行に便利であり、ガードされた起倒式フロントサイト、リアサイト、コッキングハンドルの機能も持つこと、バットプレート部にバッファーを持つこと、バレル前端に着脱式バイポッドが設けられていること(頑住吉注:バレル前端ではないですよね)、左右に切り替えられるブロッキング式エジェクションポートを持つこと、左手、右手で同様に操作使用ができること、アウター全体にプラスチックが使われ、摩耗に強く断熱性に優れ、かつ銃全体の重量を軽減していることである。

オーストリアのAUGは1977年に生産と部隊への装備が行われた。この銃の主要な特徴は次の通りである。まずバレルの交換によって即カービン、小銃、軽機関銃に組み替えられる構造技術を採用し、独特のシリーズ化された銃器を形成している。銃全体がバレル、ボルトグループ、機関部、撃発グループ、ストック、マガジンの6大部分のみからなり、分解が便利である。プラスチックが広範に採用されハンマーすらプラスチック製で、銃全体の重量が大いに軽減されている。

我が国の95式自動小銃は1997年に駐香港部隊に装備された時にデビューした。この銃の主要な特徴は次の通りである。銃の全長が短縮され、重量が軽減されたという前提の上でバレルの充分な長さが保証されている。95式小銃は目下世界の同種のブルパップ小銃中重量が最も軽い。銃全長もイスラエルのTAR-21小銃を除いて最も短い。かつバレルはFAMAS、AUG、TAR-21のどれと比べてもより長い。この銃は良好な機動性を保証できる前提の上で威力を保持している。銃全体の機構作動には信頼性がある。各種の気候における作戦に適合でき、環境に対応する能力が強い。「一族多銃」、「一銃多能」を実現している。95式機関銃がシリーズ化されている他、カービン、折りたたみストック付き小銃等の型もある。銃弾が発射できるだけでなく、35mm榴弾発射機を吊り下げ式に装備することができ、40mm系列のライフルグレネードを銃口から直接発射することもできる。

FAMAS、AUG、95式というこの3種の小銃は全て「構造がきちんと整い、全体の配置が合理的である」という構造上の特徴をもつが、FAMAS小銃の構造は複雑すぎ、クリーニングやメンテナンスも不便である。95式小銃もまた全部が全部最善を尽くしたものとは言えない。例えばセーフティ/セレクターは銃本体後部に設置され、射撃準備動作のスピーディな完成に不利、単方向のエジェクションポートは左利き射手の射撃を制約するなどである。これと比べ、AUG小銃の各部分は充分調和が取れたものであるのが目立ち、ありきたりのようであるが実際には拙そうな中に巧みさを隠しているのである。例えば、この銃の持つ操作系は全て中心部位に配置され、左手でも右手でも操作できる。サイトの位置は低く、FAMASや95式のように高くなりすぎていない。ザラザラしたストック上部は射手が頬付けするのに有利である。両側にエジェクションポートがあり、左利き射手による射撃に適応する等々である。

精度

FAMAS小銃の重心は合理的に配置され、かつキャリングハンドルがリアサイト、フロントサイトを内蔵し、その非常に良好なガードとなっている。この他、この銃にはさらにバイポッドが設置されている。テストは、小銃はバイポッドのありなしで点射時の散布面積に50パーセントの差が生じ得ることを示している。小銃にバイポッドを設置すると機動性は犠牲になるが、これを使った場合の射撃の安定性、精度は高まり得るということが分かる。3種の小銃中、FAMASの射撃精度は最も高い。

AUG銃系列中の銃は、異なる長さのバレルを取り替えることによって小銃、機関銃、カービンを組み立てることができる。この種の方式は後方での業務を簡単にするためには有利だが、同時にバレルと本体との連結部に空隙ができやすく、射撃時にバレルが微小な放射状の動揺を起こし、このため射撃精度に影響する。AUG小銃の射撃精度はこの3種の小銃中で最も劣ると見るべきである。

95式小銃の銃全体の重心およびボルトの重心はいずれもほとんどチャンバー軸線上にあり、この種の最適化設計はボルトが前進、また後退し切った時のショックポイントをチャンバーの軸線上に設定することに非常に成功し、射撃時の銃全体の安定性と機構動作の安定性を有効に高めている。この射撃精度を高めるのに大いに有益であるところは、FAMASとよく似ている。この他、ボルトの射撃過程での動力学特性を改善するため、95式小銃はボルト平滑開鎖間歇流動を採用しており、この種のユニークな開閉鎖らせんミゾ設計方式は、開鎖時のボルトによるショックを軽減し、ボルトの開鎖後、チャンバー内の火薬ガス圧の助けを借りて排莢を行うことを可能にしている。このため二次的なショックが減少し、排莢の際の阻力が打ち消され、射撃安定性が高められている(頑住吉注:この部分漠然としか理解できません)。もしセミオート射撃を考えるなら95式小銃とFAMAS小銃の差はいくらもない。ただしFAMAS小銃にはバイポッドが設置されているため、95式小銃より射撃精度上やや優れている。

威力

小銃の威力の大小は、主に銃弾の終点弾道上の目標に対する侵徹殺傷効果によって決まる。殺傷効果の大小は銃弾の口径、質量、構造、初速、目標命中時の速度および放出エネルギー量と関係がある。FAMAS小銃とAUG小銃が使用するのは、NATOの5.56mm SS109弾薬であり、我が国の95式小銃は国産の87式5.8mm歩兵弾薬を使用する。ある弾薬の専門家はかつて次のような試験を行ったことがある。100mの距離において3.5mm厚のA3鋼板を射撃した結果、FAMAS小銃の貫通率は75%、AUG小銃は72.7%、95式小銃は100%だった。300mの距離で10mm厚のA3鋼板を射撃した結果、FAMASとAUG両小銃の貫通率は0%だったが、95式小銃の貫通率は100%だった。

以上のことから比較の結果は容易に見いだせる。威力上、我が国の95式小銃は絶対優勢の地位にある。FAMAS小銃のバレルはAUG小銃と比べて81mm長いので(FAMAS小銃のバレルは488mm、AUG小銃のバレルは407mm)、FAMAS小銃の威力はAUG小銃より少し勝っている。

信頼性

小銃の信頼性は一般に寿命期間内に、元々持っていた機能を保持する能力を指し、故障率、耐久性、頑丈さなどの内容を包括している。

銃自体の構造からみると、FAMAS小銃の構造は最も複雑で、泥水、砂埃等の劣悪な環境条件下での使用における故障率が最高である。AUG小銃にも機械構造上の不備がある。この銃のマガジンフォーロワ両側面とマガジンアウター内壁の間には砂を収用する空隙が設けられておらず、リコイルスプリングガイドパイプとガイドロッドの間の間隙も小さすぎる。この種の滑り接触面に砂を収用するミゾをもたない小銃は、抗風砂能力が当然弱い。FAMASおよびAUGと比べると、95式小銃は明らかに有利であり、関係資料が紹介するところによると、95式小銃は設計が定まる前に経験した試験環境の劣悪ぶりは、世界の多くの名銃が望んでも及ばないほどのものだった。

耐久性と頑丈さの方面では、この3種の小銃は全て設計時にプラスチックを使用した防腐食、耐老朽化要素に重点を置いている。しかし材料と工程技術的に分析すると、AUGがやや勝り、FAMASがこれに次ぎ、95式小銃は最後尾に並ばざるをえない。

人間工学

人間工学は銃の優劣を評価する際に不可欠な基準の1つである。「人」と「機」の最良の結合があってこそ、銃の最高の性能が発揮できるのである。

この3種の小銃中、FAMAS小銃が人間工学的に最も優れている。まず、この銃のスリング金具はバレル軸線の前後に相対して位置するよう設計されており、このため行軍中の背負い保持が簡単、敏捷であることが目立つ。次にこの銃はフロントサイト、リアサイトを包括したキャリングハンドルを備え、しかもバイポッドも設置されている。このため銃を持っての快速躍進にも銃を安定させての射撃時にも明らかに便利である。3つ目にこの銃の重心配置は合理的で、両手射撃でも片手で素早く射撃を開始する時でも非常に良好な安定性を持つ。

95式小銃も重心とチャンバー軸線が基本的に重なる作りになっているが、この銃が「人がメイン」という設計思想を体現しているかというと、明らかに不十分である。例えば、射手はセーフティ解除、マガジン着脱の動作がしにくい。このためこの3種の小銃中にあって、95式小銃の人間工学は2位になれるにすぎない。

FAMAS、95式と比べると、AUG小銃の重心はグリップに近くなるにも至らず、明らかに前が軽く後ろが重い。銃全体の平衡性が不十分であり、素早く銃を使用に持っていくのに不利である。この他、この銃のスリング金具の位置選択も充分に合理的とは言えず、銃を背負った際に快適でない。明らかにこの3種の小銃中AUG小銃の人間工学が最も劣っている。

以上5つの方面からこの3種の著名なブルパップ小銃の分析比較を行って、3種の小銃にはそれぞれ長所短所があり、どれが優れどれが劣っていると評価するのは実に難しいと言える。小銃のブルパップ化は一種の新しい構造類型を成し、今や人々の希望する完璧さに達するまで遠くないように思える。


 ちょっと納得できない部分が多いです。

 この人は命中精度に関し、FAMASのバレルにガス導入孔がないというプラス面、照準長が極端に短いというマイナス面を考慮していないなど、各種の要素を充分に勘案しているように見えません。「バレルをワンタッチで交換できるようにするとバレルにガタができて命中精度が低くなりやすい」、「構造が複雑だと劣悪な環境下で故障しやすい」、「砂を収用するミゾが設けられていないと砂の侵入に弱くなりやすい」、これはいずれも間違っていませんが、それには「他の条件が全て同じならば」という前提が必要です。例えばオートピストルにおいて「他の条件が全て同じならば」固定バレルの方がショートリコイルより命中精度が高くなりやすいでしょうが、実際には他の要素によって逆転する可能性はいくらでもあります。同様に精密に作られた着脱式バレルを持つAUGの方がFAMASや、まして技術的にまだまだ遅れている部分が多いように思われる中国製の95式より命中精度が高くなる可能性は充分あります。これは実際に同一条件下で比較してみなければ結論の出せない問題です。

 威力に関し貫通力のみで95式絶対優勢としているのもおかしいですし、FAMASの方がAUGよりも人間工学的に優れているというのもどうでしょうか。

 構造に関し、今や主要国で唯一となったディレードブローバックを採用しているFAMASと、ノーマルなガスオペレーションであるAUG、95式の有利不利に全く触れられていないのも不満です。

 ブルパップ形式は、かつて未来の形式と見られた時期もありましたが、多くのブルパップ小銃採用国が特殊部隊にはコンベンショナルな小銃を支給していたり、ブルパップ登場以後最も多くの大規模戦闘を経験しているアメリカ、ロシアが揃って採用していないなど無視できない現象も見られ、現在ではどちらかと言えば将来が暗く、FN2000のような新形式で挽回できるか否か、といった状況ではないかと思われます。




















戻るボタン