「紅旗ー9」関連その後

 最近ちょっとこの話題落ち着いてきた感じですが。

http://military.china.com/news/568/20131111/18140296.html


トルコ国防大臣紅旗-9購入につき態度表明:もはや中国との談判に執着しない

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「資料画像:紅旗-9対空ミサイル」)

【グローバルネット報道 記者 烏元春】 ロイター社11月11日の報道によれば、トルコ国防大臣イスマート エルマズは8日、トルコはすでにミサイル防御システムの入札サイドに彼らの入札の有効期間を延長するよう要求した、と語った。報道は、トルコは当初中国の会社の入札を選択したものの、この挙は依然トルコのためにその他の選択を留保している、とする。

現地時間9月26日、トルコは中国精密機械輸出入総会社(CPMIEC)の入札価格34億アメリカドルのミサイル防御システム入札方案を選択したと言明し、トルコの西側の盟友の関心を引き起こした。

エルマズはトルコ放送テレビ総局(TRT)に対し、「入札サイドはこうした入札関連文書を提出する時いずれも、価格と引き渡し期日を考慮し、入札関連文書の有効期限はある特定の期日まで持続する、としている。」と語った。彼はさらに、「もし順位1位の入札サイドとの協議が膠着に陥ったら、我々はすぐ第2位のメーカーを探しに行く。このため、我々はあなた方(ミサイル防御システムの入札サイド)に入札の有効期限を延長するよう要求する。我々は以前もこのような請求を提出したことがある。」と語った。

消息筋の人物は10月末、トルコはアメリカサイドに同国のRaytheon社のパトリオットミサイル防御システムの入札の有効期間を延長するよう請求している、とした。Raytheon社とロッキード・マーティン社連合は入札方案を提出済みである。

Raytheon社会長ウィリアム スワンソンはかつて、もしトルコが意見を変えれば、同社はトルコと協力したい、とした。だが、同社スポークスマンは8日、これに関するさらに一歩のコメントを拒絶した。

トルコに協議を継続する意志がある件に関し、ロッキード・マーティン社は歓迎を表明している。「我々は、トルコ政府と彼らの重要なミサイル防御の必要性につき協議を継続するチャンスがあることに対し歓迎を表明する。」 同社スポークスマンはメールの中でこう言っている。

エルマズは、もし3つの入札サイドが彼らの条件を改善したいなら、トルコは彼らの新たな入札方案に対し歓迎を表明する、とする。エルマズは、「これが我々に対しどんな影響があるか? 我々にもはや中国との談判に執着しなくさせるのだ。」と語った。

中国・トルコ協力に関し、中国外交部スポークスマン洪磊は、中国政府は一貫して慎重、責任ある態度に基づいて兵器貿易協力を展開している、とした。中国の軍用品輸出は関係の地域と世界平和、安全と安定に損害を与えず、引き渡しを受ける国の内政に干渉しないという原則を遵守しており、中国の担う関連の国際的義務を厳格に遵守している、と。


 中国メディアの報道を見ても中国製ミサイルの線は薄くなったなという印象を受けます。「もし3つの入札サイドが彼らの条件を改善したいなら、トルコは彼らの新たな入札方案に対し歓迎を表明する」と言ってますが、もしこれが中国というダークホースを選択すると見せ、大いに困った相手により良い条件を出させるための策略だったらトルコも大したものですが‥‥。次の記事は「紅旗ー9」自体からはややずれます。

http://military.china.com/news2/569/20131111/18139921.html


トルコ、中国の紅旗-9を選択 ロシア、ミサイルをイランに転売して報復することを欲する

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「資料画像:紅旗-9対空ミサイルのディテール画像」ってこれ例のパナソニック製スイッチの画像ですな)

トルコ向けの武器販売は成らず。ロシア、あるいはイランとのミサイル交易を再始動させ、アンカラに対し報復するか。

トルコが10月初めに中国の紅旗-9対空ミサイル購入の計画を言明した後、国際兵器市場にはこの交易をめぐっての水面下の激しい動きがある。一方で欧米諸国は外交および軍事的ルートを通じ、あらゆる手を尽くしてアンカラ当局にこれを根本から変えるよう迫っている。もう一方では、同様にこの大規模兵器発注を失ったロシアが、トルコサイドに対する報復としてイランとのミサイル交易を再始動させることを欲している。

いまだ正式な確認は得られていないものの、10月下旬ロシア空軍司令ヴィクター ボンダレフがイランを訪問した後、ロシアサイドがイランに対するS-300遠距離地対空ミサイル販売を回復するとの情報が不断にもろもろの各国メディアに見られている。イランのファールス通信社は同国空軍司令ファルザド イスマイルの話を引用し、今回の会談で双方の安全保障業務協力につき充分にポジティブな成果が取得された、とした。対空ミサイルは防御性の武器に属するため、イランが「S-300あるいは類似のタイプ」を導入することが有望で、国際的禁輸の影響は受けない、という。

イスマイルの態度表明の中に「類似のタイプ」という言い方が出てきたことはウォッチャーの推測を引き起こした。ロシアの「独立報」は身分を明らかにしていない情報源の話を引用し、モスクワは最新式の安泰-2500ミサイルの販売に改める方法を用い、イランがスウェーデン国際商業法廷への提訴を放棄することを引き替えに手に入れるつもりだ、とする。この提訴は40億アメリカドル余りの賠償に関わっている。さらに興味深いのは、ロシアが販売を準備する安泰ー2500はまさにトルコ遠距離防空システム競争入札の中で敗れた機種なのである(頑住吉注:かつて結ばれて履行されていないイランとの契約にあったのはもう少し古いタイプだったということですね)。このため、ロシアサイドがトルコ市場を占領することが成らず、トルコの宿敵イランへの先進防空武器輸出に転じることは、明らかにアンカラに思い知らせるためである。

ロシアとイランは2007年に5個大隊分のS-300ミサイル販売の契約を締結し、金額は8億アメリカドルだった。だが2010年、アメリカは国連を押し動かして対イラン武器禁輸を発起した。当時ロシア大統領の任にあったメドヴェージェフは契約履行の停止を表明し、イランはジュネーブ国際仲裁法廷に提訴し、ロシア国営武器輸出社に向け巨額の損害賠償を請求した。中近東情勢の複雑性にかんがみ、特にアメリカの対シリア武力行使阻止の勝負の中で勝利を取得した後、モスクワはもはやアメリカや西側の妨害は眼中になく、ぼろ儲けできる対イラン兵器販売契約の回復を希望し、同時にトルコ交易挫折のもたらした損失をついでに補填し、一石二鳥と言える。

ロシア地縁政治問題研究院の院長イワショフは、ロシアがイランとの軍事協力を強化し、イランの軍事ポテンシャルを増強し、アメリカと西側が継続して中東で戦争を発動する企図を阻止することは必須だ、と語る。「イラン向けに安泰-2500防空システムを提供することは、イランの安全を保障することができるだけでなく、同時にシリア情勢の安定の助けにもなる。イランはシリアの堅固な後ろ盾であることを知る必要がある。」 また、ワシントンのヨーロッパミサイル防衛プロジェクトは現在すでに実質的な推進の段階に入っており、初めてルーマニアに設置されるミサイル発射陣地は10月28日に着工した。対イラン兵器販売再始動により、ロシアサイドはこれに対し「ヘッジ」(頑住吉注:リスクを回避するための投資)の効果を形成することができる。

資料は次のことをはっきり示している。安泰-2500のロシア内部でのコードネームはS-300VMであり、重要な工業および軍事目標の防衛に用い、世界でも少数の対ミサイルと対航空機機能を兼備した防空システムで、射程2,500km以内の弾道ミサイルを破壊し、各種航空機にも対応できる。このシステムは同時に24の空中目標を攻撃し、あるいは16発のレーダー反射断面積(RCS)が0.02平方m未満で速度が4,500m/s以内のミサイルを同時に攻撃することができる。安泰-2500の一個大隊は、9S15M2目標捜索レーダーx1、9S19M追跡レーダーx1、9S32M多チャンネル火力コントロールレーダーx4、9S457指揮車x1、9A83Mミサイル発射車x24、9A84M弾薬供給車x24を含み、大隊全体で48発の9M82Mおよび96発の9M83Mミサイルを配備する。(特約執筆原稿 秦鴎 万鈞)


 イランがコピーしたアメリカ製無人機と引き換えに、無人機技術の遅れを早急に取り戻したいロシアにミサイル販売の回復を迫っているのでは、という観測もありましたね。しかしいったん勝利したはずのところをひっくり返された中国が「トルコに報復」というのならまだしも、平等な立場で入札に参加しておいて負けたからといって報復されたんじゃたまったもんじゃありません。
















戻るボタン