「遼寧艦」と「クズネツォフ」最大の差異とは

 最近ロシア空母を下げる記事が多いですな。

http://military.china.com/news/568/20161230/30128839.html


遼寧艦とロシア空母の最大の差異:殲ー15は鷹撃-83対艦ミサイルが発射できる

世界のそれぞれの大手メディアは長々と「遼寧」号空母艦隊の海区をまたいでの遠海訓練の意義を分析し、その意図を推測し、中国が今回の空母の行動を通じて発するシグナルを憶測している‥‥同時に、中国の後続の空母の研究開発、建造の情報も再三提起され、大連で建造される初の国産空母はまもなく進水するとしている。国防大学の金一南教授もまた最近上海で建造される国産第2隻目の空母もすでに着工してまもなく1年であると明らかにした。

2005年4月26日から起算すると、当時遼寧艦はまだワリヤーグ号で、中国海軍はその建造未完成の旧ソ連空母に対する改装、建造を開始し、時今日に至り1隻が就役し、2隻が建造中という状況でも、10年あまりしか過ぎていない。このような発展速度の速さ、投入の大きさはナンバーワンとは言わないが、あっちにもこっちにもあるというものでもない。

具体的なハードウェアの上から言うと、我々の空母の道は旧ソ連から受け継いだようだが、しかし空母部隊の後続の発展方式や空母運用模式を参照すれば、我が国の空母建設が行くのは正真正銘のアメリカ式の道でもある。

キエフ級でもクスネツォフ級でも、旧ソ連が建造したこれらの空母はその海軍船型の定義の中で全て「航空機搭載巡洋艦」であって「航空母艦」ではなかった。その中には旧ソ連の空母建造基地が黒海に位置し、空母の建造が整った後でその他の3つの艦隊に行くには必ずトルコの海峡を通過する必要がある外交的性質の止むを得なさもあれば、旧ソ連海軍の艦隊の作戦に対する理解が、米軍空母艦隊とでは非常に大きな偏差があったということでもある。

キエフ級が配備するYak-38垂直離着陸戦闘機でも、クズネツォフ級が配備するスホーイー33大型艦載戦闘機でも、旧ソ連の艦載戦闘機は基本的に対艦打撃能力に関わらず、艦隊防空任務の執行に集中していた(ロシアが何度も航空展で展示したKH-41対艦ミサイルでもなおスホーイー33上で戦闘力を形成していない)。この種の設計はソ連空母の対艦攻撃能力を艦上に搭載する大型対艦ミサイルに完全に依存させ、このことはアメリカ海軍の進攻に重点を置く空母艦載機部隊と鮮明なコントラストを形成した。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「ソ連の当時の『クズネツォフ』にもこのように美しい時があった」)

だが、ソ連海軍がアメリカ式の大型空母を望まなかったとも言えない。結局のところソ連解体前すでに蒸気カタパルトを採用し、かつ大型対艦ミサイルの配備を取り消した原子力空母を設計し建造に着工していたのである。だが「クズネツォフ」号の設計からは、少なくとも1143.5型空母研究開発の時、ソ連は依然「空中の盾」、「海洋面の利剣」の思想をもって空母を建造していたことが見て取れる。中国は「ワリヤーグ」の「遼寧」への建造の続行を開始する過程の中で、もうすでに非常に明確にこの種の思想を止揚していた(頑住吉注:我々はこんな言葉あまり使いませんがマルクス主義で多用される「アウフヘーベン」という奴です)。

事実としてソ連時代のかの種の大型対艦ミサイルを搭載した空母は現代の作戦環境下で決して何らの有効な作戦能力も決してなく、「クズネツォフ」号空母初の実戦行動でのシリア爆撃も、巨大なP-700「花崗岩」ミサイルを発射してテロ分子を叩くことはなく、やはりスホーイー33艦載機とミグー29Kを用いて爆弾を投下したのである。

このため中国空母が建設上「ソ連のかの思想」を明確に止揚し、アメリカを師としているのは非常に明確である。何日か前の我が国海軍空母初の海上での密集した発着訓練の期間、中央テレビ局が艦載機飛行連隊の連隊長をインタビューした中で、彼はある英語の略語「LSO」を口にした。これは米軍の専門用語の中の「着艦誘導員」の略で、甚だしきに至っては艦載機降着過程のそれぞれに分かれた段階さえ命名され、これも基本的に米軍のもので、中国海軍艦載機部隊の訓練体系が誰を師としているかは言わずとも明らかである。

少し前「遼寧」艦載機部隊が渤海で行った実弾演習の中で、殲ー15艦載機は鷹撃-83K対艦ミサイルを発射し、直接標的艦に命中させた。明らかに「遼寧」号も艦載機を主要な攻防手段として設計されており、この点はすでにその元々の設計であるワリヤーグ号とでは非常に大きな差異がある。

イギリスの「週刊ジェーン安全保障業務」は23日発表の文章の中で直接、遼寧艦艦隊を空母戦闘群と称し、今日というこのアメリカ海軍さえもすでに空母戦闘群がなく、空母打撃隊(Carrier Strike Group)だけがあるという年代に、これは中国海軍にとって相当に大きなお世辞である。

今回の遼寧艦艦隊の海に出る艦隊の規模や船舶の配置タイプを米軍空母の使用方式と対比して見ると、中国空母戦闘群の目標の規模は明らかに1995年アメリカ海軍作戦部長第3501.316号指令の中に規定されている空母戦闘群の基準である。ただ現在中国海軍は依然低い存量・高い増量の発展状態下にあり、全遼寧艦艦隊の船舶配置はなお明らかに不足で、将来例えば万トン級防空ミサイル駆逐艦、新型高速護衛艦、新世代原潜、4万トン級総合補給艦の就役と共に、遼寧号の艦隊作戦能力はきっとより高いレベルになるだろうと信じられる。このように高い規格の艦隊配置は、中国海軍空母戦闘群の主要な生存環境が高い脅威・高強度の対抗に設定されていることを示す。

遼寧艦の満載状況下で配属される24機のJ-15艦載戦闘機の防空作戦半径と中国の駆逐艦・護衛艦が装備する各種防空武器をもって考慮し、さらに遼寧号艦隊は戦時きっと陸上基地飛行機の支援を頼むという状況下では、中国東部近海海域にゼロから何百kmの多層の防空圏を構築するのに足りる。「区域拒止」作戦の要求の下での敵水上艦艇に対する打撃に関しては、やはり主にロケット軍の対艦弾道ミサイルや陸上基地航空兵の各種の強大な対艦武器に依存する。


 まだ満編成ではないが、「遼寧艦」艦隊が目標とするのは日本を含む周辺国の制圧ではなくアメリカ空母艦隊との対抗だというわけです。アメリカにも日本などに陸上を基地とする多数の飛行機がありますが、中国はそれらはミサイルで使用不能にできると考えているようですな。














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