C919遅延せず?

 先日「香港メディア:C919の商品引き渡し、2018年まで遅延 技術的な困った状況が反映される」という記事を紹介しましたが、主催者側発表は異なるようです。

http://military.china.com/important/11132797/20140526/18522752.html


中国の大型機の初飛行にまだ遅延なし アメリカサイドが中国に核心的技術を販売したことは全くない

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「上飛院にあるC919アイアンバードの試験台」)

【グローバル軍事/航空報道】 高い期待が寄せられる国産大型機C919機は最近、厳しい世論の矢面に立たされている。22日、国外メディアが相次いでC919機は「技術的原因により」初飛行が遅延するとの噂を騒ぎ立て、再度国内の人の敏感な神経を刺激した。中ロが合同で次世代ワイドボディー遠距離旅客機を研究開発するプロジェクトに関する情報も、少なからぬ人にC919機の未来が衝撃を受けるのか否かと心配させた。一方中国国家指導者習近平は23日中国商飛社設計研究開発センターを視察した時、自らC919機のサンプル機を体験し、かつ「きっと大型機を向上させるのだ」とくれぐれも言い聞かせ、この種の国家最高レベルから来た支持は疑いなく人に確固たる自信を獲得させた。「グローバル時報」記者は24日中国商飛社上海飛行機設計研究院(略称「上飛院」)に行き、国産大型機の現実の進展を聞き出した。

初飛行遅延の問題は決して存在せず

C919機の研究開発の進度には一体遅延はあるのか否か? 上海飛行機設計院の副院長でC919プロジェクト行政指揮者韓克岑は「グローバル時報」記者に対し、C919は2015年末に初飛行を行うことになる、と確認した。

国務院大型飛行機重大特定プロジェクト専門家諮問委員会主任委員の張彦仲はかつて何度も明確に、「大型旅客機はプロジェクト始動後90ヶ月以内に初飛行を実現する」との方案は国務院の批准を経ている、としており、プロジェクトの進展状況を考察する最も重要な基準と称するに堪える。C919機の研究開発作業が正式に始動したのは2008年5月の商飛社成立の後のことで、このため外界にはC919機の初飛行の時期に関する多くの説があるが、中国商飛に関して言えばその初飛行の時間的ポイントは終始1つしかない。すなわち、2015年末である。

外界の関心を集めるC919機の研究開発の進展に関し、上飛院C919プロジェクト管理部部長の戚学鋒は説明し、今年我々は飛行機の詳細な設計審査を完成させ、第1号機の機体構造が生産ラインを降りる、と語る。C919の機体前部の大部分はすでに5月15日に率先して南昌で生産ラインを降り、この部分には第3世代アルミ・リチウム合金材料が採用され、これは国内民間機の応用の上で初めてのことに属する。

外界のいわゆる「C919機の初飛行遅延は核心技術の欠乏に困ったため、止むを得ずアメリカからカギとなる重要部品とシステムを購入するから」との噂に関し、業界関係者は普遍的に、「C919にはこの種の状況は決して存在せず、しかも核心技術は永遠に買えないのだ」とする。

初飛行に影響する多種の要素の中で、飛行コントロールシステムと航空電子システムはずっと最も重要なカギとなる要素と見なされており、国産ARJ21機は当時飛行コントロールシステムに足を引っ張られて初飛行が遅延した。現在、C919機のメイン飛行コントロールシステムはアメリカの飛行コントロールシステム供給商ハニーウェル社によって研究開発され、これはボーイング737旅客機よりさらに先進的なオールタイム全権限フライバイワイヤシステムと先進的なアクティブコントロール技術を採用し、この設計はコンピュータによってあらゆる舵面の自動調整が担当され、飛行員の負担を軽減し、乗客の快適性を高めることができ、より重要な優勢は機の重量軽減にある。だがアメリカ政府は明文での命令でこの技術の輸出を禁止しているので、上飛院院長郭博智は、「我々は自ら核心技術を研究開発するしかなく、すなわち飛行コントロールの制御率の算出法で、一方ハニーウェル社は我々の設計したプログラムの機能の実現を担当するだけである。プログラム設計が正確であるか否かに関しては、アメリカの法律の制限を受けるハニーウェル社は「イエス」or「ノー」の回答しか許されず、どこかに故障が出たら我々自身の位置決定と変更に頼るしかない。」と語る。 だが人を安心させるのは、現在中国商飛が飛行コントロールの制御率の設計方面ですでに重要なカギとなる性質の進展を獲得していることだ。韓克岑は、「初飛行の需要を支持することができるだけでなく、さらに後続の一定段階の試験飛行作業が支持できる。」と明らかにした。

「現在航空電子システムの進展は多くの困難に遭遇しているが、存在するリスクはコントロール可能であり、研究開発の進度も基本的に初飛行前の要求を満足させる。」 韓克岑は、C919は設計当初からもう国内航空システム供給商を助ける責任を負っていたため、、システム供給商選択の時、国際的供給商と国内企業が合同企業を成立させ、大型機のために製品の組み合わせを行うよう奨励した、とする。ARJ21機がコリンズ社の成熟した製品を直接採用したやり方とは異なり、中国商飛は今回より先進的な航空電子システムを選択し、技術的難度が増加し、かつ多くのシステムは中国企業によって組み合わせが行われ、この種の状況下で中国商飛は自主開発でC919機の航空電子システムの設計と集成作業を行うことを選択し、このことは自身の能力に対する極めて大きな挑戦に他ならず、メインのメーカーのカギとなる重要な能力の体現とも見なされる。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは本文の一部を切り取ったものなので省略します。)

ARJ21旅客機は大型機のために道を探るもの

中国初の国際市場に進軍する民間航空旅客機である中国のARJ21支線旅客機は非常に大きな程度上C919の「道を探る者」と見なされている。「ウォールストリートジャーナル」は、ARJ21の試験飛行と航行適性ライセンス取得方面の非常に長い遅延は、C919がもし初飛行を実現しても、その後も類似の困った状況に直面することを暗示している、と考える。

上飛院副院長でARJ21プロジェクトの行政指揮者李玲は、C919が将来挑戦に直面する可能性は排除できないが、ARJ21が経た多くの挫折は全てC919のための貴重な経験になるだろう、とする。李玲は回顧し、当時は研究開発の経費が制限を受け、ARJ21機は初飛行前に96項目の研究開発試験しか行わず、前期の試験が不充分だったためにいくつかの重要な設計の変更が出現する結果がもたらされ、プロジェクトの進展が遅延した、と語る。例えば2009年12月、ARJ21機は俯角2.5G全機極限静力試験を行った時、竜骨梁に正常ならざる破壊が発生し、試験は失敗が宣告され、一度はARJ21プロジェクトを深刻な危機に陥れた。教訓を取り入れた設計チームはC919プロジェクトの初期にもう単独で主翼と機体の結合体の強度試験を計画した。今、C919研究開発チームの手中には千項目近いARJ21の経験の目録があり、設計人員はこれの助けを借りてC919に再度類似の問題が出現することを避けている。

現在まで、できる限り後期に重大な設計の反復と構造の調整が出現することを避けるために、C919機は前期において全部で何百項目もの研究開発試験を計画策定した。例えば今年6月、C919は間もなくタイヤの爆破試験を展開するが、この項目の試験の検証方法はARJ21機が5年の時間を使って中国民間航空局と共同で確定したもので、5月20日に成功を獲得した後直接C919機の試験に用いられる。ARJ21機の構造管理および試験飛行管理方面から来る経験もC919機の試験、試験飛行の速度をスピードアップさせることになる。ARJ21初期の試験飛行段階で、申請人には経験ある試験飛行チームが欠乏しており、甚だしきに至っては中国民間航空局が査定して決定する試験飛行チームが建立されていなかった。だが現在では申請人は6年の試験飛行過程を経て、すでに民間機試験飛行の規律と多くのハイリスク科目の試験飛行方法を掌握しており、安全を保証する前提の下で高い効果の総合試験飛行を行って試験飛行期間を短くすることができる。

業界内の人物は「グローバル時報」記者に、もし来年末に成功裏に初飛行が実現したら、C919は航行適性査定を経る必要があり、それでやっと市場の運営に入ることができるが、この過程は必ずしも順風満帆ではないだろう、と教えた。最大の難度は、C919機にはARJ21に比べ30項目近い新たな査定、試験飛行科目が増えており、それらはC919が自ら探索を行う必要がある。同時に、ARJ21機はC919機にいくつかの未解決の問題を残しており、例えば検証機のタイヤが跳ね上げた水を用いてエンジンの作動状態に対し不利な影響を生じさせるか否かの水跳ね上げ試験であるが、その判断基準は今に至るも中国民間航空局とFAAで依然食い違いが存在する。韓克岑は、現在C919はすでに相応の解決方法を採っている、とする。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは本文の一部を切り取ったものなので省略します。)

中米協力、「競争」を隠す

C919が直面する挑戦は決して技術領域に限られない。事実として民間機研究開発の歴史の中では、終始未知の変数が存在している。中国は終始中米2国間航行適性協定を建立することで、中国機を欧米市場に進入させることを希望している。しかし2013年12月、中国が低空開放政策を発表した16日後、オバマはもう「小型航空機復興法案」に署名し、運ー12機によって開拓展開された中米CCAR23部2国間航行適性協定を名ばかりの存在同然にさせた。

インタビューの過程で、中国商飛の各レベルの人物は大部分、FAAは中国民間用航空安全体系の発展を推進するのと同時に、不可避的にアメリカ政府と公衆の影響をも受けている、と考えていた。ARJ21プロジェクトがFAA航行適性ライセンスを申請する初期、アメリカ世論はかつて、FAAは何故アメリカの競争相手の飛行機の査定を助けようとするのか、と疑義を呈した。このため、国内世論の圧力を回避するため、ARJ21機がカナダで行った自然氷結試験飛行の期間、FAAはこれまでのように現場で試験を目撃することはなかった。C919機がFAA航行適性ライセンスを申請するのと同時に、FAAは一度ARJ21機を放棄し、直接C919機の航行適性査定作業を始動させることをも提案した。明らかに、この条件は中国商飛が受け入れられないものだった。

C919機の設計目標は、現在運行している同類の飛行機に比べ燃料節約12〜15%で、顕著な市場競争力を持つ、というものである。ボーイングおよびエアバス社は自分たちの国際民間機市場における独占的地位を安定させるため、それぞれあわただしく現有のボーイング737およびエアバス320のエンジンを交換するという対応策を打ち出している。初めから終わりまで、ボーイング社との直接の競争を構成すると見なされているC919がFAAの航行適性ライセンスを獲得できるか否かは、明らかに五里霧中の状態である。

中ロ双方は5月20日、合同で次世代遠距離ワイドボディー旅客機を研究開発すると正式に宣言した。ロシア連合航空製造グループ社総裁のボゲシャンは、この種のワイドボディー旅客機の研究開発には8〜10年の時間が必要だとしている。中国商飛は、ワイドボディー旅客機製品の位置付けはC919との重複を生じさせることはなく、かつ双方の市場に照準を合わせ、各自の航空領域の優勢を発揮して分業で研究開発する、とする。

(頑住吉注:以後のページのキャプションは本文の一部を切り取ったものなので省略します。)


 「プログラム設計が正確であるか否かに関しては、アメリカの法律の制限を受けるハニーウェル社は『イエス』or『ノー』の回答しか許されず」というあたりにアメリカの法的規制のザルぶりが表れています。

 ジェット旅客機時代の初期、与圧キャビンが高空に上がって降りることを繰り返すことが機の構造にどんな負担を与えるのかがまだよく分からず、「コメットの悲劇」と呼ばれる連続墜落事故を発生させたことがありますが、核心的なノウハウを充分与えられず手探り状態の中国の旅客機が運用の初期に予想外の大事故を発生させる可能性は充分あると思われます。


















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