中国大型機関連2題

 いずれも全国人民代表大会、全国政治協商会議に出席した関係者の発言に関連する記事です。

http://military.china.com/important/11132797/20150311/19368374.html


中国、あるいはC929大型機を研究開発か 新型早期警戒機などのプラットフォームに使用できる

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「国産大型機C919第1号機の機首部分が生産ラインを降りる」 なお画像のキャプションは3ページ目までこれと同じです。)

全国政治協商委員で中航工業副チーフエンジニアの唐長紅は、中国の軍用大型輸送機(すなわち「鯤鵬」運ー20)は「ごく短時間」内に引き渡される、とした。中国大型機三剣客であるC919、大型輸送機、蛟竜600いずれにも年内に重大な突破がある。

運ー20輸送機(Y-20)、コードネーム鯤鵬は、中国西安飛行機工業集団が研究開発した大型軍用輸送機で、現在中国最大の自主研究開発される軍用機である。西安飛行機は総組み立てを含む大部分の製造作業を担当し、沈陽飛行機、成都飛行機、陜西飛行機、ハルビン飛行機、上海飛行機も部品に参与する。運ー20はC-17、イリューシン-76の空力外形と機体構造を参考にしており、かつ創新をもって超臨界主翼設計を加え、また中国は欧米以外の第3に一体噴丸成形技術(頑住吉注:小さな球体を吹き付けて材料を変形させて成形する技術らしいです)を掌握した国である。中国が現在使用するイリューシン-76輸送機に比べ、運ー20の電子設備には改良があり、搭載重量にも向上がある。

視察者ネット軍事評論員は、運ー20大型輸送機の研究開発作業の進展は非常に迅速で、この方面には中国航空工業技術の進歩が表れており、別の方面ではその動力システムにロシアが中国に借金弁済のため提供したD-30エンジンの現品を直接使用し、非常に大きく研究開発のリスクを低下させているからでもある、と考える。ロシア製D-30エンジンを使用するという前提の下では、運ー20の搭載重量データはまだC-17などの先進的な輸送機といささか隔たりがあり、ロシア製イリューシン-76よりやや大きいだけである。だが運ー20はワイドボディ設計を採用しており、このため戦車など全幅が比較的大きい大型装備が収容でき、この点はやはりイリューシン-76より優れている。

将来中国は運ー20のために国産新型大推力エンジンに交換する可能性があり、その時この機の性能はまだ非常に大きく向上させられる。現在国産の渦扇-18(D-30をコピー生産)および渦扇-20エンジンがいずれもすでにイリューシン-76輸送機プラットフォーム上で試験飛行を行っており、このうち性能がCFM-56型エンジンに近い渦扇-20エンジンを運ー20に装備したら、その搭載重量、航続距離などの性能を大幅に向上させることができる。

(頑住吉注:これより2ページ目。)

だが運ー20のワイドボディ設計はこの機を大型装備を輸送することを除き、空中給油機、早期警戒機など特殊大型機プラットフォームとして使用するのにあまり適さなくさせる。何故ならこのことは飛行機の追加の抵抗を増加させ、滞空時間など特殊プラットフォームにとって極めて重要な性能パラメータを低下させるだろうからである。将来国内では運ー20就役後、初期に購入したイリューシン-76機をこの種のプラットフォームに改め、「余熱を発揮」させ続けるかもしれない。C919大型機プラットフォームの寸法は比較的小さく、エンジン国産化問題解決後は対潜哨戒機の理想的なプラットフォームとなる。だが未来の国産新型早期警戒機、空中給油機などのプラットフォームには、まださらに一歩スケールアップされたC929機の研究開発を待つ必要がある。現在わが国の新型早期警戒機は運ー9機をプラットフォームとして採用する空警ー500で、レーダー技術の進歩のおかげでこの機の探知計測能力は大型の早期警戒機である空警ー2000に近い。また運ー9プラットフォームは国内ですでに量産でき、このため数量を用いて滞空時間が不足だという欠点を補うことができる。

また、ある情報はロシアが中国ハルビン飛行機製造会社と協力し、国内にイリューシン-96大型機の組み立てラインを建立中であるとする。ロシア空軍はすでに多数のこの型の飛行機を空中給油機に改装することを決定しており、将来国内でも類似の大型空輸機を試用するかもしれない。だがイリューシン-96機は大きすぎ、発着する飛行場に対する要求が高く、空中給油機として使用すれば多種の制限に遭遇し、決して理想のプラットフォームではない。

運ー20機は現在寒い場所での試験を行っているところで、就役後は我が軍の遠距離戦略輸送の新たな主役となり、国産の渦扇-18エンジンの大量引き渡し後は、運ー20の生産数は相当に膨大になる可能性がある。

(頑住吉注:4ページ目)C919は中国が運ー10に続いて自主設計、研究開発する第2の国産大型旅客機である。(頑住吉注:運ー10は1986年に開発中止となった旅客機です。)


http://military.china.com/news/568/20150311/19368459.html


運ー20、短期間内のユーザーへの引き渡しが有望 3機種の大型機の進展はスムーズ

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションは本文の一部を切り取ったものなので省略します。)

今回の両会で中国国務院首相 李克強が行った政府報告の中で、航空工業、航空エンジンなどのキーワードに言及され、このことは外界を中国航空領域発展に対する期待でいっぱいにさせる。10日午後、中航工業は北京で第2回2015年航空界両会委員、代表座談会を行った。全国人民代表大会代表で中航工業飛行機社長の唐軍、全国政治協商委員で中国工程院院士、大型輸送機運ー20チーフエンジニアの唐長紅はこの会で我が国が自主研究開発する「3機種の大型機」が収穫期に入ることを明らかにした。説明によれば、我が国が自主研究開発する大型機「三剣客」は2015年に「1機種は日増しに成熟に向かい、2機種は総組み立てを完成」を実現することが有望である。

唐長紅は次のように言う。大型輸送機「鯤鵬」は2014年の珠海航空展に参加し、国内外のセンセーションを引き起こし、国の人の民族的自信と誇りの感情を大いに刺激した。大型輸送機は現在全体性能がすでに国外の同類輸送機の先進レベルに到達している。珠海航空展ではその民間用飛行場および環境に対する適応性を見せ、現在あらゆる試験、試験飛行作業は進展がスムーズで、飛行機の技術は日増しに成熟に向かい、比較的短期間内のユーザーへの引き渡しが有望である。

彼は、大型輸送機は大国の工業、科学技術レベルや総合的実力が集中的に体現されたもので、その研究開発および生産は国民経済が早急に必要とする重大装備の「中国での製造」の空白を埋め、非常に高い技術付加価値および産業波及効果を持つ、と強調する。国外の統計によれば、ある大型機研究開発プロジェクトは直接600の企業、間接的に2500の企業の発展をを連動させることができる。

唐軍は、2月13日に中航工業沈陽飛行機民間機は成功裏に初のC919最後の機体大型部品を引き渡した、とする。垂直尾翼である。中航はメインの供給商として、1つの「中国の心臓」(頑住吉注:中国製エンジン)、2項目の重大試験、試験飛行任務を引き受け、8大部分機体構造の製造任務を引き受けている。機載システム方面では、26の機載システムの研究開発に関わっている。また、中航はさらに大部分の機体構造試験とその他の関連の試験作業を担当している。中国商業飛行機が何度も対外的に発表した情報によれば、C919旅客機は2015年に総組み立てを完成させることになる。

唐軍は、我が国が自主研究開発する大型消火/水上救援水陸両用飛行機、略称AG600は、現在世界で研究開発中の最大の水陸両用飛行機である、とする。その離陸重量は53.5トンで、20秒以内に1回で12トンの水を汲むことができ、我が国の森林消火と水上救援の切迫した需要を満足させることができ、また需要に基づいて改装を行い、海洋環境観測、資源探査、貨客輸送など多種の任務が執行できる。

唐軍はさらに、2015年2月14日、AG600の機体中部という大型部品が航行適性審査チームの製造符号性審査をパスし、成功裏に機体中部大型部品の「通過批准証書/航行適性批准ラベル」を獲得し、研究開発と航行適性査定作業で重大な段階性の成果を取得し、研究開発は再度加速した、と明らかにした。AG600は2015年に総組み立てを完成させ、2016年に初飛行することになる。

さらにある記者は、大型輸送機は大型プラットフォームとして、輸送機以外に将来さらにその他の用途はあるのか否か、将来それと珠海航空展で展示された新型中型輸送機「運ー30」はいかにして組み合わせて使用されるのか、と質問した。唐長紅は次のように言った。中国の現有の運ー7、運ー8は、搭載重量が数トンから20トンまでであるが、現在研究開発中の大型輸送機は搭載重量がより大きく、小型機は大きな装備が運べず、また大型機で小型装備を運ぶのは引き合わないため、ハイローミックスを形成する必要がある。我々は大型輸送機を大型機と称するが、世界にはそれに比べより大きな飛行機があり、このクラスの輸送機はある国の大型機製造能力を計る重要なものさしである。この機種自体に関して言えば、ある事柄がうまくできているかではなく、あるシステムを空中飛行プラットフォームに作り上げることであって、このため国外の同類の飛行機が持つ機能を、我々は研究開発過程で全て充分に考慮するだろう。新型中型輸送機に関しては、我々は20トンの搭載重量というこのクラスで、より時代の需要に符合した飛行機を持つことを希望しており、結局のところ運ー8機はすでに非常に長年使用しているのである。装備の数という角度から見て、中型機の数は大型機に比べより多いだろう。例えば旧ソ連では、運ー8クラスの機はおよそ1400機で、一方イリューシン-76は相次いで800機余り生産され、現在依然600機前後持っていると見積もられる。

「グローバル時報」記者の、未来の輸送機の発展の趨勢に関する質問に答えて唐長紅は、各種の技術要求を保証するという前提の下で、未来の輸送機の空力効率はより高く、安全性はより良く、静音性はより良く、よりクリーンで、環境に対しもたらす破壊がより小さくなる、とする。唐長紅は、「グローバル時報」記者の大型輸送機は研究開発過程で3Dプリンター技術を使用したのか否かとの質問に回答する時、3Dプリンター技術はすでに多くの国産機に使用されている、とした。国内のハイエンド製品製造の中で、最も早く3Dプリント技術を使用したのは他ならぬ飛行機製造方面なのだ、と。【グローバル時報記者 劉揚 馬俊 張加軍】


 あくまでエンジンを除いてですが、今のところ各種大型機の進展はスムーズのようです。ただし経験の少ない分野ですから応用過程で思わぬトラブルに見舞われる可能性も当然あるでしょう。











戻るボタン