タイの「チャクリ・ナルエベト」号空母

 恥ずかしながら最近までタイが空母を持っていることを全く知らなかったんですが、その意外な事実を知ると興味がわきました。この艦に関するページです。なおメインは画像で、文章はキャプションのような形で装入されていますが、別に画像に対応しているわけではなく、また複数のソースから引用したのか内容の食い違い、重複、表記の不統一などもあります。

http://www.jundao360.com/topic_5772512.html


ミニ空母:タイの「チャクリ・ナルエベト」号

チャクリ・ナルエベト号空母(頑住吉注:原ページにはタイ語表記がありますが表示できないので原ページで確認してください)はタイ国ロイヤルネービーに所属する空母であり、コードネームはHTMS Chakri Naruebet R-911、製造国はスペインで、世界最小の空母の1つである。タイ国海軍の「鎮山の宝」との呼び名がある(頑住吉注:ここでは貴重な宝物くらいに思って間違いないと思います)。

チャクリ・ナルエベト号の就役後、タイはこれにより東南アジア地域で唯一空母を持つ国となった。製造メーカーはスペインのバザン造船工場で、アストゥリアス王子号空母と同一クラスの空母である。タイの財政状況はアジアにおける金融の混乱の後良くなく、この空母の活動の維持はすでに非常に無理なものになっている。

タイ国海軍は南沙諸島をめぐる競争の白熱化、マラッカ海峡の海賊の猛威にかんがみ、かつ西にある南アジアの強権インド、中国の脅威への対抗、近隣のインドネシア、ベトナムなど東南アジア諸国との国家間競争のため、1990年代初期にスペインのバザン造船工場に空母を1隻発注し、タイ国ロイヤルネービーにマラッカ海峡一帯のカギとなる重要海域の制海権を掌握できるようにさせた。

チャクリ・ナルエベト号の満載排水量は11,486トンしかなく、現在就役している世界最小の空母である。その前はイタリアのガリバルディ号空母だった。チャクリ・ナルエベト号の航行速度は最高で27ノットに達し得る。

タイの「チャクリ・ナルエベト」号空母は全長182.6m、全幅22.5m、喫水6.25m、標準排水量7,000トン、満載排水量11,485トンである。その動力装置はディーゼル・ガスタービン連合形式で、2台のLM-2500ガスタービンエンジンは出力44,250馬力、2台のMTU16V1163TB83ディーゼルエンジンは出力11,780馬力、2軸2スクリューで、最大航行速度は26ノット、航続力は10,000海里/12ノットである。

この艦の標準搭載機は12機のAV-8S「ハリアーII」垂直離着陸戦闘機あるいは14機の「シーキング」ヘリ(6機の「チヌーク」ヘリも可)である。艦員編成は455人、航空人員は146人である。この艦の飛行甲板の長さは174.6m、幅27.5mで、前部は12度の上り坂のスキージャンプ滑走路である。

飛行滑走路は甲板の左舷にオフセットされ、滑走路の中心線は艦体の中心線と右向き3度の小さな角度を形成し、飛行甲板は5機のヘリの同時作業に供することができる。上層建築前方と艦尾甲板上にはそれぞれ1台の艦載起用リフトがあり、それぞれ20トンを持ち上げられる。飛行甲板の下は機の格納庫で、全長100m、中央の防火カーテンで格納庫が前後に分けられており、15機の「シーキング」ヘリあるいは12機のAV-8S「ハリアーII」垂直離着陸戦闘機が収納できる。機格納庫内には2台の、海面下の弾薬庫とつながるリフトがあり、機への弾薬供給専用である。

この艦の対空武器は1基の8連装「シースパロー」艦対空ミサイル発射装置と4基の「ファランクス」近接防御システムの予定だが、現在まだ装備されていない。この他、3組の「サドラー」近接防御システムを追加装備する計画もある。この艦の作戦指揮システムはUYK-3/UYK-20コンピュータが核心である。対空レーダーはSPS-52C(3座標)、対海レーダーはSPS-64、ナビゲーションレーダーはヒューズ社の1105型である。艦上には4基のMK-36妨害ロケット発射機と1基のSLQ-32曳航式デコイシステムがある。

排水量:11,450トン(満載) 7,000トン(標準) 全長:182.6m、全幅:27.5m、喫水:6.2m、飛行甲板:長さ174.7m、幅27.5m 主動力機関:2台のLM-2500ガスタービンエンジン、44,250馬力、2台のバザンMTU 16V 1163 TB83ディーゼルエンジン、2軸。

「チャクリ・ナルエベト」号の核心作戦力量としての艦載機は、現在スペインから9機のAV-8S(実はAV-8B。スペインで組み立てられ名称変更されたため)垂直/短距離離着陸機しか買えておらず、このうち2機は復座の練習機、7機が単座の作戦機である(一説には1機が練習機、8機が作戦機とも)。経済能力に制限されているため、スペイン海軍の「中古品」を買っただけである。

これとは別にアメリカから6機のS-70Bヘリを購入した。関連の機載作戦装備の購入状況は不詳である。これらを総合すると、艦載機の数量は極めて限られ、質も高いとは言えず、「遠洋作戦兵力」と呼ぶには間違いなくまだ大きな隔たりがある。しかし、否定できないのはタイ国海軍の装備建設がこれにより質的飛躍を実現したことで、同時に理想的な海上救援、通信指揮センター、そして随時緊急出動できる前線基地を持った。

「チャクリ・ナルエベト」号の戦力化はタイ国海軍の東南アジア地域における地位を一気に上げ、この地域で最も強大な海上戦力とした。ある外国の刊行物はこのような評論をした。「タイ国海軍は2000年までに軽空母を核心とする遠洋作戦力量を形成することになる」と。しかしこれを「遠洋作戦力量」と言うのはやや言葉が過ぎたというのを免れない。近い将来にあり得る発展状況から見て、タイ国海軍は2000年前後にはまだ近海兵力としか言えず、その力量も限られていた。合格点を出せる軽空母艦隊を建設するためには、タイ国海軍は少なくともまだ早期警戒機の問題、空母護衛艦隊の区域防空ミサイルの問題を解決する必要があるが、彼らはこれらに関し今に至るも空白である。

アメリカのスーパー空母と比べると、「チャクリ・ナルエベト」号は本当に哀れなちび助である。


 「チャクリ・ナルエベト」は中国語で「差克裏-納呂貝特」と表記します。文中では「差」号と略されている部分が多くありますが、中国語で「差」は劣るという意味で、馬鹿にした意味をこめているようです。

 この艦は自衛隊の「ヘリ母艦」、ひゅうが型護衛艦よりずっと排水量が小さく、運用しているのも垂直離着陸機であり、空母の定義についてちょっと考えさせられます。







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