謎のスーパーキャノンの正体は?

 11月22日のコラムでも関連記事を紹介した中国の「スーパーキャノン」に関するより詳しい記事です。

http://military.china.com/important/11132797/20131121/18163544.html


ジェーン:中国のスーパーキャノンの3つのあり得る用途!

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「スーパーキャノンの概念は、あるいは火砲の伝統的概念を覆すこととになるか」)

【グローバル時報特約記者 魏雲峰】 遠距離ミサイルとロケット砲の技術が高度に発達している現代、巨砲にいったいまだ何ができるのか? ある衛星写真上の中国のスーパーキャノンらしき物体は、イギリスの「週刊ジェーン安全保障業務」を疑問に思わせて止まない。これは対衛星武器に充当されるのか? レールガンの技術を検証するのか? それとも新型弾薬の性能をテストするのか? 「ジェーン」はこれに対し各種の推測を提出する。

20日に出版された「週刊ジェーン安全保障業務」は「神秘のスーパーキャノン、中国の砂漠に身を隠す」との題で報道し、衛星画像は中国の包頭市西北のある装甲設備・火砲試験センターに2門の尋常でないスーパーキャノンがあり、それらはそれぞれ長さ約24mおよび33.5mであることをはっきり示している、とした。この2門のスーパーキャノンはそれぞれコンクリートの台座上に固定されている。このコンクリートの台座はかつて2010年9月から2012年12月の期間に姿を現し、当時衛星画像が初めてこの2門の火砲の姿を捉えた。最新の衛星写真は、この2門の火砲が2013年7月、依然元の場所にあることをはっきり示している。また2011年に撮影された衛星写真の中には、寸法がより大きいかの火砲の前方に一連の標的らしき物体がある。報道は、このことはこの試験センターが高速の砲弾に対する貫通力試験を行っているところだったことをはっきり示す、と推測する。

世界の現役の155mm榴弾砲の砲身の全長は一般に約10mで、衛星写真の中に出現したスーパーキャノンよりはるかに短い(頑住吉注:ちなみに「大和」、「武蔵」の46cm主砲の砲身長は約21m、ドイツの80cm列車砲は約32.5mだったということです)。ならば中国のこのスーパーキャノンは何をするのに用いるのか? 「ジェーン」はまず、これは対衛星試験と関係がある可能性が高い、と推測する。西側にスーパーキャノンを用いて宇宙の目標に対応する構想が登場してすでに久しい。1960年代、アメリカ陸軍とカナダ軍はカナダのジェラルド ブル博士に資金援助し、「バルバドス」計画を推進した。すなわちスーパーキャノンを用いて有効搭載荷を地球の軌道まで発射するというものである。当時ブル博士の試験はすでに相当な成績を取得しており、彼は試験中127mm火砲を用いて弾頭を70kmの高空に打ち上げ、175mm火砲を用いて弾頭を100kmの高空に打ち上げた(頑住吉注:一般に100km以上の高空が宇宙だとされています)。彼はさらに2本の406mmの戦艦の主砲の砲身をつなぎ、砲弾を180kmの高空に送り込んだ。このスーパーキャノンは理論上砲弾を4,000km離れた場所まで発射し(頑住吉注:ニューヨーク・ロサンゼルス間くらいです)、あるいは250km以上の宇宙にまで送り込むことができた。ただ当時ミサイル技術の急速な発展のため、アメリカ・カナダ軍は最終的にこの計画を放棄した。この後ブル博士はさらにイラクでサダム フセインのために「バビロンの子」スーパーキャノンを研究開発した。だがこのスーパーキャノンの周辺に対する脅威が余りにも大きかったため、ブル博士は最終的に謎の暗殺で命を失い、スーパーキャノン計画もその後放棄された。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「かつてイスラエルおよび西側諸国の高度の関心を引き起こしたイラクのスーパーキャノン」です。)

「ジェーン」は、中国はずっと大口径遠距離火砲に興味を持ち、「1980年代、ブルは積極的に中国北方工業社の遠距離火砲設計作業に参与した。1990年代、ある報道は中国がすでに『スーパーキャノン』技術試験プラットフォーム、ブルの『バビロンの子』スーパーキャノンに似たものを完成させている」とした。報道はさらに、1970年代に中国はかつてコードネーム「640工程」の「先鋒」スーパーキャノンを研究開発して弾道ミサイル防御に用いた、と推測する。アメリカの「グローバルセキュリティ」ウェブサイトは、「先鋒」スーパーキャノンは高速の砲弾を地球に近い軌道まで発射することができ、誘導装置によって砲弾の軌跡を調整し、さらに多数の砲の一斉射撃に頼って来襲するミサイルのルート上に弾幕を張り、結果的にミサイル迎撃の目的を実現した、とする。「ジェーン」は、1980年に「640工程」が中止された後、長さ26mの「先鋒」火砲は残されて試験目的に用いられ、衛星写真上のより小さい砲がこれかもしれない、と推測する。一方よりサイズが大きいかの砲の外形は「バビロンの子」スーパーキャノンに似ているが、長さは短いようだ。理論的に言って、「バビロンの子」スーパーキャノンは遠距離射撃もできるし、軌道上の衛星に照準を定めることもできる。

「週刊ジェーン安全保障業務」は、この2門の火砲は設計上ブルのスーパーキャノンの概念に似ているようだが、それらが遠距離射撃あるいは対衛星行動に用いられることはあまりありそうになく、何故なら中国は長期にわたりずっとこの2項目の任務執行に用いる弾道ミサイルを牽制しているからだ、と認めている。

報道は、中国のスーパーキャノンのもう1つのあり得る用途はレールガンのテストの原型だと考える。この種の新概念火砲は電磁場を利用して砲弾を普通の砲弾の2〜3倍にまで加速できる。だが報道は疑問を呈し、中国のスーパーキャノンは見たところ決してレールガンの顕著な外観の特徴を具備していない、ともしている。すなわち、外部電源ルートが火砲の台座に連結されているのは見られないし、レールガンによく見られる環境コントロール装置も見られない、という。

この他「ジェーン」はさらに、中国は1970〜90年代の遠距離砲プロジェクトの残した資源を使用して、いくつかの新設計の弾薬に対する試験を行っているだけかもしれない、と推測する。火砲の台座の西北方向に置かれた一連の「使用を経た」標的がこの点を証明できるようだ、と。

(頑住吉注:以後のページは次の3つのキャプションと共に参考画像があるだけです)ブル博士のスーパーキャノン概念はあるいは人々の火砲に対する伝統的概念を覆すかもしれない

スーパーキャノンの製造には極めて強い軍事工業の基礎を持つことが必要である

火砲の製造技術はスーパーキャノンを完成させられるか否かを直接決定することになる


 可能性としては中国の奥地からグアム島の米軍基地を砲撃することもあり得ると考えられますが、スーパーキャノンは基本的に移動できず、攻撃を始めればすぐミサイルによる反撃によって破壊されるでしょう。しかし最初アメリカに協力し、切り捨てられた後その敵のためにスーパーキャノンを作って暗殺されたブルという人物はいかにも創作意欲を掻き立てそうな存在ですね。



















戻るボタン