北朝鮮サイバー部隊の実力は?

 北朝鮮がハッカーを組織的に養成してサイバー部隊を組織し、成果を収めているという話題です。

http://military.china.com/news2/569/20121024/17491457.html


外国メディア、北朝鮮ネット軍は韓国の10倍強く、その能力は中情局との比較に耐える、とする (頑住吉注:「中情局」は中央情報局すなわちアメリカのCIAのことです)

韓連社22日の報道によれば、米韓合同司令部司令兼駐韓アメリカ軍司令ジェームズ サーマンはワシントンである活動に出席した時、北朝鮮のネットワーク攻撃力は相当強いと警告した。この前、ある韓国、アメリカのメディアは北朝鮮軍ネット戦能力に対して何度も誇大宣伝を行っており、例えば数万のネット軍を持ち、その能力はアメリカ中情局との比較に耐える、などである。

ネット軍は北朝鮮特殊戦の精鋭視される

韓連社の報道によれば、サーマンは米韓情報部門は北朝鮮が「特殊作戦」に投入する兵力は6万人余りに達し、規模は世界最大で、そのうちネットワーク戦部隊の実力は相当強く、成長も非常に速いと推測している、とした。だが彼はより多くの北朝鮮ネットワーク攻撃能力に関する詳細を明らかにしていない。だが今年3月、サーマンはアメリカ下院軍事委員公聴会に出席した時、高度の新技術を持つハッカー隊伍が徐々に北朝鮮の新鋭軍となっている、何故なら韓国とアメリカの軍、政府、教育機関、商業機関がいずれもハッカーの攻撃を受ける可能性があり、北朝鮮にとってハッカー攻撃は理想的な攻撃手段なのだ、と語ったことがある。

サーマンの説によれば、北朝鮮は力を入れて「非対称」作戦力量を発展させ、大規模殺傷性武器を持つことに努力し、弾道ミサイルの性能を改善し続け、しかも実戦化された核兵器の開発を継続している。サーマンは言う。北朝鮮人民軍は1.3万門の重砲、4,000両の戦車、2,000両の装甲車、1,700機余りの航空機などを持ち、約70%の兵力と装備が南北の「非軍事区」から145km以内の区域内に配備されている。

韓国の「中央日報」の以前の報道によれば、ネットワーク戦部隊の威力強化のため、北朝鮮軍はすでに秘密のうちにスーパー電磁パルス爆弾(EMP)を装備し、韓国の電力網に対し壊滅的打撃を行うことができる可能性がある。韓国国家情報院は、北朝鮮がもし大威力EMP弾頭を「ノドン-1号」弾道ミサイルに組み合わせ、元山あるいは咸興基地から発射し、その後韓国の忠清南北道上空100〜150km上空で爆破させれば、その時韓国のソウル-京畿道、江原道、忠清南北道、慶尚道北部地域は「電気がなかった18世紀」に戻ると心配している(頑住吉注:B29が飛ぶと日本機がなかなか上がれなかったのが1万mすなわち10km、100km以上上空は宇宙とされてます)。

北朝鮮ネット軍の規模には多くの見方がある

北朝鮮のネット戦能力はずっと韓米メディアの関心の焦点である。去年アメリカのフォックスニュースネットは、北朝鮮のネット戦軍事力は3万人で、その実力は「アメリカ中央情報局との比較に耐える」とし、甚だしきに至っては「アメリカ軍太平洋司令部を麻痺させる」能力があるとした。

韓連社は、北朝鮮「ハッカー」部隊は人民軍総参謀部指揮自動化局と人民武力部偵察総局によって直接指揮され、このうち1998年に成立した第121部隊は北朝鮮初のネットワーク攻撃と防御専門に従事する「ハッカー」部隊で、彼らは韓米日などの国の軍事情報収集を担当し、かつ軍事指揮、通信ネットワーク妨害、およびネットワーク戦発動の任務を執行する。

ある情報は、現在第121部隊はすでに2個ネットワーク作戦旅団に拡張編成され、それぞれ平安南道の祥原と南原に配備され、各旅団の編成は約1,200人だとする。韓国国会議員宋永仙は、北朝鮮軍総参謀部の「情報コントロールセンター」はネットワーク戦実施方面において部門協調作用をなし、特に「ネット戦旅団」が攻撃行動を取る前、自分たちサイドのウェブサイトあるいはインターネットにアクセスする必要のある機構に向け警報を発し、巻き添えの損害を受けることを避ける、とする。

「北朝鮮ネット軍は韓国より10倍強い」

韓国メディアの報道によれば、北朝鮮ネットワーク戦部隊の最も成功した戦例は2009年7月に、分布式サービス拒絶攻撃(DDOS)によって、韓国の主要ウェブサイト、アメリカのニューヨーク証券取引所、ホワイトハウスのホームページを麻痺させた事件である。2009年7月7日夜18時から10日夜18時まで、韓国大統領府、国会、国家情報院、国防省など多くのウェブサイトが連続的に3波のDDOS攻撃に遭遇し、韓国メディアはこれを「7.7ネットワーク事変」と称する。当時韓国国家情報院の長官元世勲は、追跡調査により、彼らが攻撃者の使用したIPアドレスはいずれも北朝鮮が借りて使用していたことを発見した、と明らかにした。

また「月刊朝鮮」の報道によれば、北朝鮮ネットワーク戦部隊はさらに2009年3月、韓国陸軍第3軍司令部に攻撃を発動し、この司令部の化学科科長が登録する国立環境科学院ウェブサイトのIDと暗証番号を獲得し、その後これらの情報を利用して韓国国立環境科学院化学物質安全管理センターが構築した「化学物質事故対応情報システム」(CARIS)内に進入し、2,000項目余りの韓国国家機密を盗み去り、その中には有害化学物質を生産する700余りの企業と機構の関連情報が含まれた。

ある「脱北者」は明らかにする。:「CARISに登録された化学物質生産企業の所在地は北朝鮮にとって座標としての作用を果たし得る。北朝鮮砲兵部隊は射程120kmのKN-02短距離弾道ミサイル、あるいは射程60kmの240mmロケット砲による攻撃を発動し、韓国の後方を撹乱する可能性が非常に高い。」 韓国KAISTネットワーク安全研究センター副所長任才豪は、北朝鮮「ネット軍」の実力は韓国の10倍以上強い、とする。現在北朝鮮が組織する軍事ハッカーは、韓国の通信および発電所などのインフラに対し直接攻撃が行え、甚だしきに至ってはアメリカ軍太平洋司令部の指揮コントロールセンターをも攻撃でき、しかもアメリカ本土のコンピュータネットワークを破壊できる。その攻撃力はアメリカネットワーク戦司令部に劣らない。


 ある国が優秀なハッカーを多く輩出するにはどんな条件が必要でしょうか。私は民族、人種による能力差はさほどないと思っていますから、人材として育ちうる才能を持って生まれ、かつ環境的条件を与えられた人間の数が問題だと考えます。

 まずその国のコンピュータ関係の技術が発達しており、教育に携わり得る人材が豊富であること。パソコンが広く普及し、使用に障害が少なく、ある人物が自分に才能があることを知ったり教育者などから見いだされる可能性が高いこと。身分の差別などによって才能ある人がそれを伸ばす可能性が摘まれてしまうようなことが少ないこと。国が人材養成に力を入れ、資金も充分に投入すること。そして確率の問題として絶対的な人口が多いこと、といったことだと考えます。

 だとすると、北朝鮮に優秀なハッカーが韓国よりはるかに多く、アメリカに劣らぬほど育つというのは考えにくいと思われます。もちろん実際に成果を上げているようですから充分な警戒が必要ですが、アメリカや韓国は平時においてそんなことをやらないだけで、本気でやればそれ以上の被害を北朝鮮に与えられるのではないでしょうか。センセーショナリズムや予算獲得の方便の臭いがします。なお、私の仮説が正しければ北朝鮮よりも中国の方がずっと多くの人材を輩出する可能性があることになります。それでもアメリカ以上とは思いませんが。












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