中国の052D大型駆逐艦出現

 動力関係その他の制約からしばらく先になるとも見られていたより大型の駆逐艦052Dが出現し、これに関する比較的詳しい情報が出てきました。

http://tuku.military.china.com/military/html/2012-08-28/207123_2227313.htm#pic


日本を超越! 中国の052D型大駆逐艦間もなく進水

外国メディアによれば中国の新世代052D型ミサイル駆逐艦が間もなく進水する。これは中国海軍水上艦艇部隊建設にとって1つの偉大な道標である。052Dは052C型ミサイル駆逐艦を基礎に発展した新型多用途ミサイル駆逐艦であり、この艦は64ユニットの新型ミサイル垂直発射システム、70口径130mm新型単一砲身ステルス艦砲、新型総合指揮作戦システム、新型の紅旗-9対ミサイル防空ミサイルシステム、対地巡航ミサイル、新型長射程対艦ミサイル、某新型アクティブフェイズドアレイレーダーシステムを装備しているとされる。全体的な総合性能とステルス能力は空前の向上を成し遂げ、艦載動力設備はシステムグレードアップを成し遂げた。ここで我々の新軍艦を前もって理解しておこう。

(頑住吉注:これより2ページ目)中日が突入した21世紀の海軍駆逐艦発展路線の図。我々はここから、中日両国海軍の主戦装備発展の道筋を大雑把に理解することができる。日本海軍は冷戦終結後極めて大きく海軍建設への投資を強化し、1990年代に相次いでこんごう級、むらさめ級、たかなみ級駆逐艦を建造し始め、建造数は20隻近い。一方中国海軍の駆逐艦は2000年以後になってやっと比較的大きな発展が見られ始め、この段階は中国海軍が新型駆逐艦技術を模索する初期段階だった。2010年に入ってから、大規模な発展段階が始まり、この段階には3つの象徴的出来事がある。1. 052C型駆逐艦の量産。これは我が国の第3世代ミサイル駆逐艦が徐々に成熟していることを示す。 2. 052D型駆逐艦の量産。これは中国海軍装備建設が正式に量的変化の範疇に入ったことをはっきり示す。 3. 055型ミサイル駆逐艦の研究開発。我が国の第4世代ミサイル駆逐艦として、055型ミサイル駆逐艦は我々の2020〜2030年の時期の主力装備であり、アメリカ軍のDDG1000およびアーレイ・バークIIIに相当する作戦能力を備える。我が国の海上対ミサイル防御体系の主戦プラットフォームとして、レーザー対ミサイル砲、HQ-26ミサイル、新型ガスタービンエンジンなどを装備した055型駆逐艦は、我が軍の駆逐艦技術水準を世界第一流に到達させることになる。

(頑住吉注:3ページ目は画像と、「第1の技術グレードアップ:新型艦載アクティブフェイズドアレイレーダーシステム」というキャプションがあるだけですが、このキャプションはオリジナルの記事では小見出しだったものと思われます。4ページ目は同じキャプションが繰り返された後、次の本文に続いています。)

我が国海軍は現在052C駆逐艦とワリヤーグ空母にフェイズドアレイレーダーを装備している。この2つの造形は似ており、同種の技術を使用しているに違いない。フェイズドアレイの放出する熱は大きく、消費電力が大きく、特殊な放熱設備が必要となる。だが新型のフェイズドアレイの開放された外観では放熱問題はもはや厳しいものではなくなっている。試験艦の前甲板には新型対空ミサイルが装備され、共にテストされた可能性がある。この2種の武器はいずれも我が国の将来の052D型駆逐艦に装備されることになる。

(頑住吉注:5ページ目は画像と、「891試験艦」というキャプション、6ページ目は同じく「891試験艦とテスト中の我が軍の第1世代フェイズドアレイレーダー」というキャプション、7ページは「現在891試験艦は我が軍の一連の新型武器装備をテスト中である」というキャプションがあるだけです。続いて8ページ目。「第2の技術グレードアップ:総合ステルス性能の向上」という小見出しの後、次の本文が続いています。)水上艦艇を探知計測するレーダーの性能が不断に向上しているため、水上艦艇の生存能力は深刻な脅威を受け、世界の各軍事大国は、いかにしてレーダーステルス技術を水上艦艇に応用するかを研究中である。水上艦艇は主に4種類のレーダー探知計測の脅威に直面している。ステルス設計を経ていない艦艇のレーダー乱反射断面は大きい。艦艇はステルス設計を経ると、作戦中敵サイドのレーダーに探知計測される距離を短縮し、敵サイドの目標識別能力を低下させ、有効に妨害効果を増強することができ、大きな戦術的意義がある。現在、水上艦艇は主に正確な外形設計とステルス材料という2種の技術的ルートによってレーダーステルスを実現している。

(頑住吉注:これより9ページ目。「画像はフランスのラファイエット級ステルス護衛艦。この艦は水上艦艇ステルス技術の始祖である」というキャプションの後、次の本文が続いています。)052D駆逐艦は全面的にステルス設計を採用している。まず、この艦はできるだけ艦体の水上構造寸法を縮小し、上層建築の高さを圧縮し、上層建築の全長を短縮し、艦体と上層建築側壁双方に一定の傾斜をつけるなどの措置を取り、レーダー乱反射断面をできるだけ減少した。次に、この艦は煙突の排煙管末端に赤外線抑制装置を取り付け、もって赤外線輻射量を低下させた。さらに機械コンパートメント部分の艦体外表面にエアカーテン騒音低下パイプラインを装備し、かつ一連の機械コンパートメントの機械設備の構造騒音とスクリューの流体騒音を低下させる措置を取り、輻射騒音を減少させた。

(頑住吉注:10ページ目は画像と、「画像はフランスのラファイエット級ステルス護衛艦の作業艇が艦の内部に収納され、金属カーテンでカバーされる様子。052Dもこの種の技術を使用することになる」というキャプション、11ページ目は同じく「ラファイエットの舷側のステルス塗装に注意。2つの煙突がはっきり分かる」というキャプションがあるだけです。12ページ目は画像と「平滑な艦隊表面」というキャプションの後、次の本文が続いています。)

過去、水上戦闘艦の甲板上はいつも人に乱雑で無秩序な印象を与えていた。上層建築には1、2本の大きな煙突があり、各種口径の火砲、ミサイルや魚雷の発射装置、および各種のレーダーアンテナ、交通艇、空気膨張式救命バルブ、錨装置、舷側の欄干等々があり、目がちらちらした。だが、「ラファイエット」級の艦は全体的に、暴露が必須な武器装備と電子設備を除き、その他の設備には一律に隠蔽しての装備が採られた。ヘリは格納庫に収められ、離着艦時だけ軌道とグリルによって発着操作が行われる。錨装置、ボラード、巻き上げ機など錨による停泊設備は一律に甲板より下に装備され、埠頭に停泊する時と錨を下す必要がある時だけ舷側の巻き上げシャッターが開けられ、錨を下すと直ちに閉鎖される。艦載武器の配置にも専門の処理が行われ、「フライングフィッシュ」艦対艦ミサイル発射装置は平時は甲板下に収納されて突出せず、発射時だけ起きて傾斜した角度になる。また、「シーサイドワインダー」艦対空ミサイル発射装置はもうすぐ「アスター」艦対空ミサイル垂直発射装置に取って代わられる。このように、「ラファイエット」級の水面より上の艦体は尋常でなく平滑で、100mm艦砲1門を除き、ほとんどいかなる突出物もない。

(頑住吉注:13ページ目は画像と、「第3の技術グレードアップ:新型ミサイル武器 新型対空ミサイルと新型巡航ミサイルが052Dに初めて装備されることになる」というキャプション、14ページ目は「画像はアメリカ軍のトマホーク巡航ミサイルの発射の瞬間。我が軍の新型巡航ミサイルも類似の発射システムを採用することになる」というキャプション、15ページ目は「新型遠距離対艦ミサイルも垂直発射体制を採用することになる」というキャプション、16ページ目は「第4の技術グレードアップ:新型垂直発射システム」というキャプションの後、次の本文が続いています。つまり、第3の技術グレードアップとされるミサイル本体に関する記述はほとんどありません。)

近距離対空ミサイル垂直発射システムには現在熱発射(頑住吉注:ミサイルのエンジン自体によって発射)と冷発射(頑住吉注:圧縮空気などによって発射してからミサイルのエンジン始動)という2種の発射方式がある。西側やアメリカは熱発射を多く採用し、一方ロシアは冷発射方式を多く採用している。アメリカの「シースパロー」やイギリスの「シーウルフ」システムが熱発射を採用した初志は、最も簡単な方法で既存の近距離ミサイルを垂直発射に改めることだった。一方ロシアは全く新しいシステムで、このため既存のミサイルに対し折衷を行うことを考慮する必要はなかった。ミサイルのエンジンを直接熱発射に用いることは射程の損失をもたらすことになるので、イギリスの「シーウルフ」システムはミサイルの後ろに発進用エンジンコンパートメントを一段追加装備した。これには射程を伸ばす作用もある。

(頑住吉注:これより17ページ目)熱発射システムはミサイル自体のエンジンが生む推力を利用してミサイルを発射管から射出する。このためシステム自体は無動力で、かつ発射炎やガスを排出する機構がある。熱発射システムの長所は効率が比較的高いことで、発射システムの体積と重量を節約することができ、かつその維持メンテナンスコストを下げることができる。しかし安全性方面では、熱発射システムは冷発射システムに比べやや劣る。システム自体が無動力のため、問題のあるミサイルを射出して弾詰まりあるいはその他の状況が発生した時、排除するのが難しい。

(頑住吉注:18ページ目は同じ内容が繰り返されているので飛ばします。19ページ目は画像と、「054Aの熱発射システム。052Dの発射システムもこの改良型となる」というキャプション、20、21ページ目は同じキャプションの繰り返しで、22ページ目は「第5の技術グレードアップ:新型の130mm主砲」というキャプションの後、次の本文が続いています。)

第5の技術グレードアップ:新型の130mm主砲。単砲身130mm艦砲は鄭州機械電気工程研究所(鄭州713研究所)によって研究開発され、内モンゴル第2機械製造工場(包頭)で生産されたとされる。原設計では単砲身ダブルルート給弾、水冷却を採用しており、砲身長(砲尾含む)は口径の70倍である。使用弾種は榴弾、爆破弾(頑住吉注:どう違うの)、砲から発射されるミサイルである(頑住吉注:今時艦砲には徹甲弾ってないんですかね)。全自動装填で、砲全体の重量はXXトン以上である(外周設備含まず)(頑住吉注:秘密らしく伏字です)。ガラススチールステルス防盾を採用している。砲本体が装備されている甲板の下には2層の給弾システムが設置され、1つは弾薬ドラム、もう1つは弾薬コンパートメントおよび弾薬用リフトである。この砲の作動方式は「中心」戦闘作動方式と「維持修繕」作動方式である。

(頑住吉注:これより23ページ目)この砲の設計は一部ロシアのAK-130ダブル砲身130mm艦砲の成熟した技術を参考にしていると見られる。参考にしたのは主に艦砲の機械設計上で、これは我が国の艦砲領域の比較的薄弱な部分である。一方火砲の電気コントロールと照準フォロワーシステムには全て国産の全く新しい設計が採用されている。

(頑住吉注:24ページ目は画像と「装備適性を高めるため、この砲は原理サンプル機を基礎に重量軽減設計と反後座力設計が行われた」というキャプションがあるだけです。続いて25ページ目。)

重量軽減設計。構造強度の要求を保証する前提の下でできる限りアルミ合金部品が採用され、これは各国の艦砲の重量軽減設計であまねく行われるやり方でもある。例えばロシアのAK-176型艦砲はアルミ合金構造部材を大量に採用している。さらに給弾ルートを1つ省略した。単一砲身艦砲・ダブルルート給弾のメリットは射撃中に素早く任務の転換が行えることである。ダブルルート給弾は異なる種類の弾薬を搭載でき、転換時に弾種の識別を必要とせず、弾薬の損耗が減少する。単一砲身単一ルート給弾は単一の任務遂行時は発射速度に影響を受けないが、射撃中に任務転換を行う時は弾種識別の時間が増加し、いくつかの砲弾を消耗することになる。

(頑住吉注:これより26ページ目)対後座力設計は艦砲発射時の後座力のエネルギーを減少し、もって艦載設備にもたらされる衝撃や振動の低下を期するものである。ここに1つのデータがある。ダブル砲身100mm艦砲発射時の後座力は225552.9ニュートンである。ここから艦砲の射撃時の後座力の大きさが見て取れる。単砲身130mm艦砲の初速、射程などの指標がすでに固まっていることにかんがみて、後座力減少の措置は砲口制退装置の追加装備であると見られる。

(頑住吉注:これより27ページ目。)第6の技術グレードアップ:QC280ガスタービンエンジン。ガスタービンエンジンは大型戦闘艦の「心臓」である。現在この種の設備を製造できる企業はアメリカのゼネラルエレクトリック(GE)とイギリスのロールスロイス社を除けば、ウクライナの曙光機械設計科研生産連合体(Zorya-Mashproekt)を残すのみである。この会社は1954年に成立し、冷戦の時期、ZM社はソ連海軍向けに3,000台余りのガスタービンエンジンと数千台の変速ボックスを引き渡した。特に半数以上のソ連主力艦艇が装備した、ZM社が提供したGT-15000ガスタービンエンジンは、西側から「ソビエトパワー」と呼ばれた。ウクライナ独立後、ZM社はさらに世界先進水準に到達したGT-25000(DA-80とも呼ばれる)大出力ガスタービンエンジンを研究開発した。このエンジンは重量が16トン、定額出力は2.9万キロワットで、これは6,000トン以上の大型艦艇の理想の動力源である。

(頑住吉注:これより最終28ページ目)中国は1993年にはもうGT-25000ガスタービンエンジンを導入し、かつ中船工業によって国産化に向け努力した。だがウクライナが全部の製造技術を移転したがらなかったため、中国はウクライナの提供する部品を組み立てるしかなかった。21世紀に入ってから、ウクライナ経済は窮迫し、中国の資金的支持を勝ち取るため、中国に全てのGT-25000ガスタービンエンジン技術を移転することに同意し始めた(頑住吉注:へー、そんな事情があったんすか)。ある資料は、中国が国産化したUGT-25000ガスタービンエンジンはQC-280と呼ばれ、近い時期にはもう工業化生産が実現する事をはっきり示している。分析によれば、GT-25000ガスタービンエンジン技術掌握後、中国海軍を長年困らせてきた艦船動力問題についに有効な解決が達成される。今後、中国海軍はさらに大きなトン数の艦艇(万トン級駆逐艦や空母を含む)が建造できることになり、作戦実力は飛躍的に向上することになる。


 最後の部分であれれ、と思いました。この052Dが「万トン級駆逐艦」じゃなかんたんかい、と。これが「万トン級駆逐艦」だとする説も確かにあり、従来の100mm砲より格段に大きい130mm砲搭載などから当然そう思い込んで読んでたんですが。より新しい情報では、実はこの052Dは7000トンに満たず、052Cよりやや大きいだけだ、という説も出てきました。「万トン級駆逐艦」ならばウクライナ製を国産化したガスタービンエンジン4台装備だろうと思っていたんですが、「やや大きい」だけなら場合によっては052Cと同じか多少改良されただけということも考えられます。実際にはどうなのか、間もなくいろいろな情報が出てくるでしょう。













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