F-35の機動性を論じる その2

 続きです。

http://military.china.com/news2/569/20170621/30793469_all.html#page_2


標準的動作は垂直上昇する必要があるだけでなく、さらに高空の雲の上まで上昇を持続し、観衆の視界から消失し、もって強力な推力をはっきり示す必要がある。だがフリンの上昇はごく短時間で、これは時間と空域の制限と関係があるかもしれないが、引き起こしから垂直上昇までの動作は決しててきぱきしておらず、転じる過程は比較的長かった。

正常な離陸重量の下で、F-35Aの推力:重量比は0.87しかなく、これでは持続的垂直上昇は達成できず、せいぜいちょっと(頑住吉注:日本語にない漢字を使った語で、寝た状態から足の反動を使って飛び起きるダンスの動作)できるだけで、すぐ水平飛行に改めることが必須で、さもないとすぐ失速するだろう。50%の機内燃料の状況下では、F-35Aの推力:重量比は1.07に達し、ならばもう垂直上昇できる。フリンのデモンストレーション時間は6分間しかなく、彼がどれだけの燃料を搭載して飛んだのかわ分からないが、50%の燃料できっと使用に充分である。

だがロッキード・マーティンは、パリ航空展でデモンストレーションしたF-35Aは完全に戦闘状態にあり、直接戦闘に投入できると強調している。これはデモンストレーションしたF-35Aが機内武器コンパートメント内に武器を搭載し、通常の戦闘機が航空展のデモンストレーションの中でいかなる外部搭載もないクリーンな状態なのとは違ったことを暗示している。

だがフリンはデモンストレーション中に機内武器コンパートメントを開かず、観衆はF-35Aがいったい実戦状態なのか、それともやはり嘘なのかは分からず、ロッキード・マーティンを信じるしかない。

さらに重要なのは、フリンがいったいどのくらいの燃料を搭載してデモンストレーションしたのか誰も知らないことである。燃料を減少しての発進はデモンストレーションに対してなら強くとがめるべきことではないが、実戦状態を強調しようとするなら、これは自らを欺き人を欺くことになる。武器搭載量が大きすぎ、燃料を減らして離陸し、もって最大離陸重量を超過しないようにするのでない限り、貴重な燃料を放棄して燃料を満タンにせず離陸する戦時状態の飛行員はいないだろう。最大武器搭載は明らかにフリンのデモンストレーション状態ではなく、F-35Aの機内武器コンパートメントの搭載能力は外部搭載の1/5しかなく、機内に加えて外部搭載してやっと最大武器搭載量に到達できる。

フリンのとんぼ返りもてきぱきしたものではなかった。垂直上昇、垂直下降段階で、飛行機に一定の俯仰軸上の揺れ動きがあり、1、2回揺する必要がありそれでやっと位置が定まった。これは飛行員の操縦のせいかもしれないし、飛行コントロールの振動減衰不足(つまり過敏)のせいかもしれない。

さらに興味深いのは、非常に多くの動作の時、水平尾翼がはっきり頻繁に振動していたことである。これは成熟し量産されるデジタル飛行コントロールにあるべきパフォーマンスではない。デジタル飛行コントロールは飛行員の危険な動作を「濾過」することができるが、忠実にあらゆる有効な動作を伝達すべきである。フリンはベテランの試験飛行員であり、飛行シミュレーターでの飛行は言うまでもなく、F-35Aでの実際の飛行経験も非常に豊富で、手を下すこと非常に穏健、正確、きっぱりしていることは最低限のことで、このような振動はデモンストレーション中最大の性能を絞り出しすため臨時に飛行コントロールの極限を迂回した結果の可能性がある。

F-35Aの現有の飛行コントロールソフトウェアの機動性の制限は7Gである。だが飛行コントロールソフトウェア技術者とのコンビネーションが得られれば、特別に経験ある飛行員は手動操作を用いて飛行コントロールの極限を突破し、より高いGに到達することができる。試験飛行中に極限を模索することはまさにこのような過程である。だが極限の外にある時、飛行コントロールソフトウェアは平穏、スムーズを達成し難い(頑住吉注:以後不明の言い回しが頻出し意味不明です。)

F-22の飛行デモンストレーションの動画と比較すると、容易に差異が見いだせる。F-22の動作はずっとずっとワイルドできれいだが、水平尾翼の頻繁な振動や飛行機の動作が揺れ動く現象はない。

大仰角低速水平飛行はF-18の古典型からもうしばしば行っていた航空展でのデモンストレーション動作で、F-18飛行士出身のフリンはこの動作に対しきっと熟練している。この動作の実戦での意義は大きくないが、空母上の低速下降、着艦時の制御を受けた低速飛行能力は非常に有用で、海軍は特にこれを重視する。F-35は三軍汎用で、この能力は不可欠である。

フリンの仰角は非常に高く引き起こされ、50度に達したとされるが、これは非常に驚異的である。だが水平尾翼が再度頻繁に振動し、最終的に垂直上昇に転じた時も、比較的長い移行時間を用い、転換は非常に平穏で、甚だしきに至ってはもたついていたと言え、全くF-22のようにワイルドではなかった。F-35AをF-22と同列に論じるのはあるいは誠実な態度ではないかもしれないが、これはロッキード・マーティンがわざわざ強調したことで、フリンはデモンストレーション前、F-35Aの飛行デモンストレーション動作はF-22と非常に似ているとした。

小直径とんぼ返りは間違いなく小直径で、その後の落下し漂うような飛行は独特の機動動作だった。推力偏向のない単発戦闘機として、このように高度でコントロール可能な非通常機動を実現するのは賞賛に値し、ロッキード・マーティンの空力および飛行コントロール設計の実力をも見せつけた。人々はこの動作の戦術的価値に対し疑問を持っているが、航空展のデモンストレーションは人に見せて騒がせるものであって、スホーイー27の「コブラ」機動の戦術的価値も同様で、人々はその戦術的価値に対しすでに論争して20年になるが、航空展での人気を少しも妨げない。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「F-22の『落ち葉が漂う』機動」)



















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