ロシアの新たな艦載機ミグー29K

 墜落事故で話題になってしまいましたが、殲ー15と較べてどうなのかにも興味があります。

http://military.china.com/news2/569/20161121/30045626.html


ロシア空母艦載機:「敗北者」を改めて使用開始 T-50があるいは後を継ぐか

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「ミグー29KR艦載機(資料画像)」)

ロシアの「クズネツォフ」号空母はミグー29K艦載機で一部のスホーイー33に取って代わらせ、将来はさらに最新型T-50艦載機を搭載する可能性がある‥‥

前から引き継ぎ後につなぐ一時しのぎの対策

劉征魯


最近、シリアに行って作戦任務を執行するロシア海軍の「クズネツォフ」号空母が地中海海域に入り、艦載機の発着と艦船の艦隊訓練を行った。人の関心を引くのは、ミグー29Kが一部のスホーイー33に取って代わり、ロシア空母の新たな「利剣」となっていることである。

ミグー29Kはスホーイー33と基本的に同時に誕生したが、ロシア空母艦載機の機種選定の競争の中で、それにもかかわらず失意のうちに帰った。現在、このかつてロシア海軍によって放棄された艦載機が火の鳥のように再生したわけだが、その総合性能にはどういった変化が発生したのか? 中型艦載機として、それがスホーイー33に「逆襲」できた原因はどこにあるのか? ロシア空母建設の中で、それはどんな役割を演じることになるのか? また将来「後継者」はいつ出現するのか? 本文はあなたのために1つ1つ回答する。

火の鳥のように再生

ミグー29K、古い顔を新しい顔に換える


1980年代、アメリカ空母の脅威に有効に対応するため、ソ連は「クズネツォフ」大型通常動力空母を研究開発した。空母とセットになるプロジェクトとして、スホーイおよびミグ社は命令を受けて新型艦載機を研究開発し、それぞれスホーイー33とミグー29K艦載機を登場させた。

ソ連海軍の構想の中では、2機種の艦載機にはそれぞれ分業があった。スホーイー33艦載機は主に制空権奪取を担当し、空母のために空中の保護を担当するはずだった。一方ミグー29Kは主にスホーイー33の援護の下で対地/対艦攻撃任務を担うはずだった。だが、ソ連解体後、ロシアの国力は2機種の艦載機を同時に開発および装備し難くなった。総合的な比較判断の後、弾薬搭載量と作戦半径が相対的に弱いミグー29Kは暗然と「クズネツォフ」号の飛行甲板を離れた。

時20年あまりを隔てた後、ミグー29Kは改めて甲冑を身に着けて出陣した。だが、現在のこの機はすでに古い顔を新しい顔に換え、総合性能は顕著に向上している。

ミグー29系列戦闘機の優秀な空力設計を継承し、3軸4剰余度フライバイワイヤシステムが加わっているため、ミグー29K艦載機は外形が優美なだけでなく、しかも空中の機動性が非常に出色である。大量の複合材料を採用する、電波吸収塗料を吹き付け塗装するなどの方式により、ミグー29Kの機体重量は非常に大きく軽減され、弾薬搭載量は顕著に向上し、レーダー反射面積も初期型に比べ顕著に減少している。

動力不足ゆえに、初期のミグー29K艦載機は満載でスキージャンプ発進することができず、戦闘力は大幅に割引になった。だが、現在のミグー29K艦載機は改良型ターボファンエンジンを採用しており、1台あたりの最大推力が8%向上し、燃料消費量もより低く、この機を弾薬満載でスキージャンプ発進できるようにさせるだけでなく、作戦半径も1,000km前後にまで延伸し、「足の短い戦闘機」のレッテルを捨てた。

同時に、ミグー29K艦載機はさらに新型航空電子装置を採用し、コックピット内の機械メーターは液晶モニターと広角ヘッドアップディスプレイによって取って代わられ、科学技術感が充分である。空中の探知計測能力向上のため、この機はさらに著名な「ビートル-M」型多機能パルスドップラーレーダーを装備しており、典型的な空中目標や大型水上艦艇に対する発見距離がそれぞれ120kmおよび300kmを超え、同時に10の目標を追跡し、4つを打撃する能力を具備している。

この他、ミグー29K艦載機の任務模式はより多様で、空対空ミサイルを搭載して空戦任務が執行できるだけでなく、さらに対艦ミサイルや正確制御誘導爆弾を搭載して対艦/対地攻撃任務が執行でき、これは空戦に重点を置いたスホーイー33艦載機に比べより実用的で、ロシア海軍が海外作戦任務を執行することに対し大いにメリットがある。

後から来て上に位置する

スホーイー33への「逆襲」に成功


いわゆる物事は流転するというやつで、かつてロシア海軍によって放棄されたミグー29Kは再度「クズネツォフ」号空母の新たな艦載機となり、スホーイー33艦載機に対する「逆襲」を成功させた。この伝奇的色彩に満ちたシナリオ逆転は多重の要素に基づいている。

ロシア空母艦載機の機種選定の中で敗北した後、ミグ社は経営が困難な状況に陥ったが、終始ミグー29K艦載機に対する改良を放棄しなかった。ほどなく、インド海軍が「雪の中で炭を送る」発注を送ってきた。ロシアの「ゴルシコフ」号空母を購入したため、インドはそれに配置するのに適した艦載機を必要としていた。イギリスが製造した「シーハリアー」艦載機はすでに古く、大任に堪え難い。アメリカとフランスの艦載機は先進的だが、「ゴルシコフ」号上で発進できない。ロシアのスホーイー33艦載機は大きすぎ、重すぎ、インドが研究開発するLCA戦闘機もまた当てにならない。左右を見回し、ミグー29Kが唯一の選択となった。インド海軍の発注と多くの資金の注入のおかげで、ミグ社はミグー29Kに対する大量の技術改良を行い始め、インド海軍の発注をスムーズに完成させたが、現有の生産ラインを持ち、さらに「クズネツォフ」号のために生産するのは自然の成り行きというべきである。

(頑住吉注:これより2ページ目)

これと対照的なのは、1996年に最後の1機のスホーイー33艦載機の生産を完了した後、新たな発注がないため、スホーイ社がもうこの戦闘機の生産ラインを閉じたことである。もし改めて使用開始しようとすれば、さらに大量の資金を投入して技術グレードアップ改造、人員養成訓練などを行う必要があり、コスト上明らかに直接ミグー29Kを生産するのより割に合わない。

また、新型ミグー29Kに比べ、スホーイー33艦載機の優勢はもはやすでに顕著なものではない。航空電子システム、武器システムはいささか古いことが目立ち、技術グレードアップでこの問題は解決できるが、また大量の時間と資金を投入する必要がある。一方改良型のミグー29K艦載機はすでにロシア海軍の作戦の需要を満足させることが完全にでき、さらにスホーイー33を改良することはすでに必要ない。

この他、ミグー29K艦載機は中型戦闘機に属し、サイズが小さく、占用する甲板面積がより小さく、このことはスペースが極めて貴重な空母上では非常に大きな優勢で、空母に搭載する戦闘機の数を増加し、空母の空中作戦能力を有効に向上させることができる。

剣は未来を指す

T-50がおそらく「後継者」となる


冷静に語って、ミグー29K艦載機はロシアの最新技術を使用し、性能に非常に大きな向上があったが、全体的水準は依然西側の第3世代機の標準に属し、アメリカ海軍が最も新しく装備したF-35Cステルス艦載機、およびフランスの「ラファール-M」艦載機に比べると、一定の技術的隔たりがある。特にF-35Cに比べると、ステルス性能、超音速巡航、超視距離攻撃能力の上ですでに世代差がある。このため、ミグー29K艦載機はロシア海軍の過渡的機種でしかなく、主にスホーイー33艦載機退役後の戦力の空白問題を解決するもので、F-35Cステルス艦載機に対抗しようとすれば、ロシアはさらにより先進的な艦載機を研究開発する必要がある。

総合的に見て、ロシアがT-50ステルス戦闘機を基礎に艦載機を開発する可能性が比較的高い。一方においてこの戦闘機は西側の第4世代戦闘機の標準に到達しており、アメリカのステルス戦闘機に対抗できる。しかも2台のエンジンを持つことはこの機に艦載機となるポテンシャルを持たせる。もう一方では、現有の戦闘機を基礎に艦載機を開発する経済的コストは比較的低く、世界の軍用機の1機種多タイプの発展の趨勢にも符合し、後の維持修理保障に利する。また、この戦闘機を設計および生産するスホーイ社自身がスホーイー33艦載機のメーカーで、T-50を基礎に艦載機を研究開発することに圧力は全くない。

T-50の優勢は顕著だが、ロシア海軍が新世代艦載機を迎えるにはおそらくまだ月日を必要とする。現在T-50戦闘機の発展が決してスムーズでなく、試験飛行の中で何度も事故が発生している制約を受け、技術が完全に成熟するのを待つには依然一定の時間を必要とする。さらに、西側の集団的制裁に苦しめられ、ロシア経済は決して景気が良くなく、短時間ではおそらく新型艦載機を開発する非常に大きな支出を支え難い。また、ロシア新世代空母の開発は遅々として進展が見られず、もし空母がスムーズに就役できなければ、T-50を基礎として研究開発される新型艦載機もそんなに切迫したものでないことが目立つ。この角度から見て、ミグー29K艦載機は未来の非常に長い一定の時間、ロシア空母が重視し頼りにする空中力量となる。

事実、世界の空母艦載機の発展にはすでに新たな潮流が出現している。艦載無人機が新たな勢力として現れ、多くの国の海軍航空兵の新たなる寵児となっている。アメリカ海軍がすでにX-47B艦載無人機を正式装備しているだけでなく、フランス海軍はさらに有人操縦のステルス艦載機を飛び越え、直接ステルス艦載無人機を研究開発している。この趨勢をロシア海軍は当然知っており、ステルス艦載無人機の助けを借りて、アメリカ海軍に対する「カーブしての追い越し」を実現することが、あるいはロシア海軍の未来のレイアウトの重要な方向かもしれない。


 搭載するエンジンも最高水準のものではなく、レーダーも技術的に比較的古いもので、いったいどうなるのかまだ定かでないF-35Cに関しては比較のしようがないですが、殲ー15に勝るものになるのは確かに困難でしょう。
















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