中ロの専門家、珠海航空展を総括

 まずよく出てくるロシアの専門家コーシンによる総括です。

http://military.china.com/important/11132797/20141121/18991154.html


ロシアメディア:運ー20、殲ー31は量産までまだ非常に遠い 中国の運ー30は極めて魅力的

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「資料画像:中国の殲ー31戦闘機」)

【グローバル軍事報道】 「ロシアの声」ウェブサイト11月20日の報道によれば、2014年中国珠海国際航空宇宙博覧会の規模は中国の歴代の航空展より大きく、かつより代表性を持っていた。中ロの研究開発の成果は専門家たちの濃厚な興味を引き起こした。ロシア戦略・技術分析センターの専門家コーシンは今回の博覧会に参加した。彼は本文の中で今回の航空展のいくつかの特色を紹介した。

今回の航空展の特徴の1つは、初めて2つの中国航空工業の極めて前途の見通しある飛行機が飛行デモンストレーションを行ったことである。これは中国の軍用輸送機運ー20と第5世代戦闘機殲ー31である。この2種の飛行機は大量生産までまだ非常に遠く、依然試験飛行段階にある。だが中国航空工業集団社(AVIC)は公衆に向けそれらを展示することを決定し、このことはこの2種の飛行機の研究開発が見たところ比較的順調であることを説明している。

ロシアの代表団に関しては、前回同様「ロシアの勇士」飛行隊が展示会期間にスホーイー27を操縦して素晴らしい飛行デモンストレーションを行った。また、ロシア最新型戦闘機スホーイー35Sが珠海に初お目見えした。この機は今後何年かで中国空軍に装備される可能性がある。ロシアと中国の武器供給に関する契約はいつも締結された後非常に長い一定の時間がたってやっと外界に向け明らかにされる。両国がいくつかの大型の協議をすでに成立させた、あるいは年内に締結する、という可能性は排除されない。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「資料画像:中国の運ー20機」です。)

その試験飛行が高度の関心を引き起こしたスホーイー35S戦闘機の他、ロシアはさらに連合飛行機製造集団、「ダイヤモンド・安泰」集団、戦術ミサイル武器集団などを含む多くの会社の成果を展示した。多くのメディアのスクリーン上にはロシアのミサイルが正確に描かれたアメリカのアーレイ・バーク級駆逐艦を撃沈する、およびF-18戦闘機に命中する画面が放送された。中国ミサイルメーカーの展示区でも類似の人を興奮させる画面が見せられた。

こうではあるが、アメリカの大型軍用輸送機グローブマスターII C-17も博覧会に初お目見えした。アメリカ・ヨーロッパと中国の軍事技術協力は問題外であるが、西側のメーカーは大量の民間用飛行機を展示した。‥‥中国は彼らにとって世界の主要な市場の1つと言えるのである。

外国の軍事専門家が珠海航空展に雲のように集まるのも理解できる。何故なら中国軍事工業の現状を理解したければ、これはまたとない良い場なのである。博覧会の期間、中国はさらにこれまで人に知られていなかった4発プロペラ軍用輸送機運ー30の模型を展示した。これはあるいは今回の博覧会の主要なハイライトの1つかもしれない。有効搭載重量約20トンの運ー30はあるいは中国にまた極めて魅力的な輸出製品を増やしたのかもしれない。中国の現有の中型輸送機である運ー8Cや運ー9に比べ、運ー30は前に向け大きな一歩を踏み出した。この機は比較的長い航続距離を持つだけでなく、そのエンジンもより近代的で、より経済的である。最新型輸送機の貨物室は容積が大きく、使用も非常に便利で、より多くの類型の兵器が置ける。この機はさらにより完備された離陸性能を持つ。このため、もし大型輸送機であるイリューシン-76あるいは運ー20が少数の比較的発達した大国の興味を引き起こすことができるだけだとするならば、運ー30はアジア、アフリカ、ラテンアメリカ諸国の歓迎をより受けることになる可能性がある。


 まだ模型の段階なので内部容積が大きいだろう以上の運ー30の性能に関してはここまで言えないはずだと思いますが。

 次は中国の軍事専門家である陳虎の評論です。

http://military.china.com/important/11132797/20141121/18990691.html


陳虎点兵:中国第4世代機を理解するのに分かっていることが必須の3つのカギとなる重要問題

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「資料画像:中国の運ー20大型輸送機」)

今回の珠海航空展は皆に非常に多くの驚きと喜びをもたらし、非常に多くの討論をも引き起こした。非常に多くの軍事マニアは運ー20とC-17を比較し、「鶻鷹」は国際市場で1つの席を占めることができるのか否かを討論した。こうした話題をめぐって私はいくつかの個人的見方をお話しする。

第一、運ー20はC-17と優劣を競う必要はない。

運ー20とC-17の比較はホットな話題で、皆すでにそれらを微に入り細に入るほどに比較しているが、もし装備の運用という角度から語るならば、運ー20は本当にC-17と優劣を決める必要はあるのか否か?

実は大型輸送機と戦闘機は異なり、戦闘機は直接空で勝負するのだが、輸送機は使用が保証されればもうOKなのである。戦闘機の勝負の中での性能上の隔たりと某いくつかの欠陥が直接的にもたらす可能性があるのは制空権が奪取できず、空戦の任務が完成できないという結果である。だが輸送機機に関して言えば、自らの需要を満足させ、有効な使用が保証できさえすれば、先進さの程度に細かい差異があるという問題は大きくないのである。

異なる国家の間の戦略輸送機は各自の需要を根拠に研究開発に関する指標が提出され、このためヨーロッパの輸送機の方案はアメリカ、ロシア、中国いずれに比べても小さいだろうが、使用には充分なのである。

中国の遠距離大型輸送機とアメリカのそれを比べると使用の需要と環境はいずれも異なり、直接的に技術性能の比較を行う意義は決して大きくない。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは1ページ目と同じです。)

輸送機の改良は技術から言えばむしろ容易で、現在の大型輸送機は普遍的に翼の下に吊り下げる形式のエンジンコンパートメントを採用し、換装は飛行機の空力レイアウトに全く影響せず、不断の改良ができる。

もし某いくつかのハードな性質の指標から比較するならば、いくつかの問題が理解できなくなる。アメリカは何故C-17を用いてC-5に取って代わらせたのか? C-5の搭載重量と航続距離はより大きいのである。

何故ロシア空軍で装備数最多なのがイリューシン-76であり、より大きなアントノフー124ではないのか? ウクライナにはさらに大きなアントノフー225さえあるが、今に至るも何らのユーザーもいない。

また我々はある現象を見ることができる。それは戦略輸送機でも戦術輸送機でも、それらの就役期間が相当に長く、C-130は飛んでから何十年で依然不断に改良されている。このため運ー20はC-17と直接優劣を競う必要はない。

運ー20が航空展に出現し得たことはまさに巨大な成就であり、このような基礎があれば、今後の改良と発展いずれにもあまり大きな問題はない。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは「資料画像:中国の殲ー31戦闘機」です。)

第2は、厳しい試練に耐える第4世代エンジンなくしてはまともな第4世代機はない、ということである。

第4世代機、特に国産第4世代機を討論する時、非常に多くの人はある不文律を忘れているようだ。それは飛行機のエンジンがその70%の性能を決定づける、ということである。

第4世代機に関して言えば、1つの巨大な技術的障害を克服することが必須である。すなわち、ステルス(頑住吉注:隠身)するには外部吊り下げ式武器を弾薬コンパートメント式に改めることが必須、ということである。

機体内部に充分大きな弾薬コンパートメントを設置することは、スペースも占めるし重量も占める。このため第4世代機はその前の飛行機に比べ明らかに大きく太っており、性能が先進的な大推力エンジンなくしてずば抜けた性能は非常に持ち難いのである。

第3に、飛行機の研究開発には三大項目があってバランスをとる必要がある。すなわち、性能、時間、コストである。

現在の中国に関して言えば、時間とコストは性能に比べより重要である。同世代の技術レベルを保証するという状況下で、いくつかの性能が世界最先端戦闘機に比べやや隔たりがあるというのは受け入れ可能である。同じ土俵で競えさえすればもうOKなのである。

中国の軍事マニアが熱烈に第4世代戦闘機を討論している時、アメリカの次世代戦闘機方案はすでにそれぞれボーイングおよびロッキード・マーティン社から議会に提出され、中国の第4世代機は非常に厳しい形勢に直面している。それは研究開発期間の圧力に他ならない。

3〜5年内にもし我々の第4世代機が定型に至り装備することができたら、たとえ性能指標がやや低くても問題ない。もし単純に最先端の性能を追求して研究開発期間が長く延びすぎたら、我が第4世代戦闘機が直面するのは相手方のより先進的な次世代戦闘機かもしれない。このため性能、技術の先進さの程度は時間の概念から離脱したのでは意味がないのである。

コストも軽視できない1つの方面である。コストは装備の数に関わり、国際市場での競争力に関わり、もしより低いコストを用いて、たとえ性能がやや劣る第4世代機でも研究開発できたら、依然充分な優勢を持つ。充分な数の戦闘機を装備し、価格の優勢に頼って国際市場で1つの席を奪うことが我々にとってより重要であり、このため性能に関心を注ぐのと同時に我々は研究開発期間と研究開発コストにより関心を注ぐ必要がある。(陳虎)


 どうも納得いかんですね。少数の超大型輸送機と多数の大型輸送機を持っている国と、たとえ多数でも大型輸送機しか持っていない国では前者の方が有利でしょう。またアメリカの次世代戦闘機が仮に2030年に登場するとして、中国がやや劣るステルス戦闘機を2020年に登場させようと高性能を追求したステルス戦闘機を2025年に登場させようと、2030年になれば不利にな状況に陥るのは変わらないのでは。高性能を追求したステルス戦闘機が「第4世代+」的なものになってアメリカの次世代戦闘機に何とか対抗できなくもないものになるとか、そもそもアメリカの次世代戦闘機の開発が失敗して長期間性能がやや劣るステルス戦闘機でアメリカのステルス戦闘機に対抗する羽目になるとかいう可能性もあるでしょうに。














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