ロシアの核ミサイル列車が復活へ その2

http://military.china.com/news2/569/20170326/30358959_1.html


鉄道ミサイルシステムはよりしばしば見られる道路ミサイルシステムと比較して言うと、その独特の優勢を持つ。

まず、鉄道ミサイルシステムの機動速度は道路交通ツールに比べ高い。まさに都市交通の究極の解決方案が「大きな力を入れて軌道交通を発展させる」であるように、鉄道によって行進するミサイル列車も、平均速度が各種道路上を走行する道路ミサイル車両を非常に大きく超える。道路ミサイル車両とミサイル列車は戦時にはいずれも都市の民間用交通網を使用する可能性が高いが、鉄道に対する管制・調整は、道路に対する管制・調整に比べ相対的に容易だろうし、みだりな追い越し、逆走、無理な割り込みの民間車両も出現しないだろう。

次に、鉄道輸送は道路輸送に比べより平穏で、列車は自動車に比べより重い設備も運搬でき、このためミサイル列車が搭載するミサイルの体積はより大きく、射程はより長く、威力はより強い。ミサイル列車はさらに機動輸送の中で試験作業を行うことができ、発射準備時間が減少する。

第3に、道路ミサイル車両は普通の車両に比べ、非常に目を引く「でかぶつ」で、容易に敵サイドの飛行機や衛星によって発見されるだけでなく、甚だしきに至っては付近の民衆も容易に野次馬見物する。一方ミサイル列車は非常に容易に普通の列車同様に偽装でき、容易に衛星によって追跡されない。また、ミサイル列車は発射後直ちに移動、回避ができ、その生存性能も比較的良い。

当然、ミサイル列車にも自身の欠点がある。それは鉄道上しか行進できず、このためその柔軟性は道路ミサイル発射車に及ばない。ひとたび鉄道が破壊されれば、ミサイル列車の機動性は完全に発揮できなくなる。次に、ミサイル列車に用いるミサイルの直径が比較的太いため、列車上方の電化ルートによって妨害される可能性があり、トンネルなどの環境ではさらに使用が不可能である。ひとたび戦争が勃発すれば、鉄道自体が極めて重要な戦略大動脈で、ミサイル列車の機動と発射はいずれも鉄道路線に対する占用を必要とし、しかもひとたび敵サイドの攻撃に遭えば、核爆弾が撃破される結果をもたらし、もたらされる爆発と放射性汚染はさらに路線の麻痺や付近の生態環境の急激な悪化をもたらす可能性がある。この他、道路機動発射システムに比べ、鉄道ミサイルシステムの価格はより高い。

前世と今世

神出鬼没で西側の肝胆寒からしめる

ソ連解体で解体される


ミサイル列車の概念は決して複雑ではないが、応用条件は比較的過酷である。その本質的概念は鉄道輸送を利用し、戦略ミサイルの快速機動を実現するものであり、このためある国にとって、広大な国土と発達したネットワークを同時に持ってのみ、やっとミサイル列車に腕の振るい場所があると言える。

最初にミサイル列車の概念を提出したのは第二次世界大戦時のナチスドイツだった。ヒトラーはヨーロッパの大半を占領し、ヨーロッパの鉄道網を利用して快速ミサイル攻撃を実現することを計画した。だがその時V-1およびV-2ミサイル自身技術がまだ難関を越えておらず、このためこの計画は単に紙面の上だけに留まった。

冷戦中のアメリカは1960年代に世界初の鉄道機動ミサイルシステムの研究開発を開始した。だがアメリカの鉄道システムは長いものの、それにもかかわらずネットワークは比較的単純だった。さらに加えてアメリカ本土は2つの大洋の間に位置し、充分多いミサイル発射サイロを建造することができ、しかも絶対優勢の海軍および空軍を持ち、戦略原潜や戦略爆撃機だけに頼って、もう対外的核の威嚇を形成するに足りた。この種の状況下で、さらに巨資を投じて鉄道ミサイルシステムを建造するのは、全く必要がなかった。

一方ソ連はそれにもかかわらず鉄道ミサイルシステムの優勢を気に入り、1960年代に研究開発を行い、かつ1987年10月に正式にミサイル列車を戦闘当番に投入した。

ソ連の戦略ロケット部隊は、全部でその下に4個ミサイル列車師団が属し、それぞれの師団の下には3個連隊が属し、それぞれの連隊は「青年」鉄道ミサイル発射システム1組を包括し、3つの内燃機関車によって6〜8両の車両を牽引するという構成だった。このうち3両の車両はそれぞれ3発の「メス」大陸間弾道ミサイルを搭載し、その他の車両は指揮部、通信システム、支持システムなどだった。「メス」大陸間弾道ミサイル(NATOのコードネームはSS-24)は1970年代から研究開発が開始された先進的なミサイルで、固体燃料による発射を採用し、最大射程は1.3万km、打撃精度は200mだった。それぞれのミサイルは10発の分離誘導弾頭を搭載でき、それぞれの弾頭の爆発威力は40万トンのTNTに相当し、広島原爆「リトルボーイ」の20倍前後だった。言い換えれば、1発の「メス」ミサイルで、即広島原爆の200倍の殺傷力をもたらすことができ、4個師団のミサイル列車は全部で36発の「メス」を搭載し、全米を何度も爆発により平坦にするのに足りた。



















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