ロシアの核ミサイル列車が復活へ その3

http://military.china.com/news2/569/20170326/30358959_3.html


シベリアの広大な原野の上で、しばしばこうした神秘の緑色の列車が鋭く長い音を立てて通過する姿を見ることができた。外観から見て、3代の機関車を除き、こうしたミサイル列車は普通の貨物運搬列車とほとんど同様で、ある車両にはさらに「搭載重量135トン」、「小型貨物」などの文字さえプリントされていた。しかしその下に隠されていたのは、それにもかかわらずまるまる1つの核武器庫で、域内の数千の列車の中に紛れ込み、NATO方面はそれらに対し識別することは全くできなかった。

また、ミサイル列車は一昼夜で1,000kmあまり行進でき、半月あまりを用いてもう全国を巡行できた。このことは、アメリカが終始追跡監視を保持したければ、同時に300個前後の偵察衛星を動員することが必須なことを意味していた。しかも1つのミサイル列車を破壊しようとすれば、少なくとも150発の弾道ミサイルを発射する必要があった。このため、アメリカは軍用偵察衛星を動員し、いくつかのミサイル列車の基地に対する全天候の監視を保持することしかできなかった。だがひとたび列車が基地を離れて鉄道網に進入すれば、何分か後にはアメリカはもうミサイル列車の行方を見失い、したがってパニックに陥った。

このため、アメリカはソ連のミサイル列車に対し恨み骨髄だった。だが、冷戦終結、ソ連解体、新たに就任したエリツィンがアメリカに対する方針を改変し、アメリカ方面は機に乗じてロシアに武装放棄を迫った。1993年初め、米ロは「第2段階戦略兵器削減条約」を締結し、アメリカは特にロシアがあらゆるミサイル列車をスクラップにすることを要求した。加えてロシアの軍事費は不足し、ウクライナ独立後はまた全部の核爆弾生産設備を廃棄した。そこで21世紀初め、ロシアが持つ全部のミサイル列車はいずれも廃棄解体された。

神器復活

新世代は「バーグジン」と呼ぶ

アメリカに対し核の逆威嚇を行う


ソ連解体後、ロシアは一度アメリカに対し一歩一歩譲歩したが、このことは決してアメリカの温情を引き替えに得ることはなく、逆にさらにほしいままにロシアに対する包囲網を構築し、NATOは不断に東進し、ロシアの戦略空間はさらに一歩圧縮された。この種の状況に直面し、プーチンの指導の下、ロシアは改めて強硬路線を行った。だがこの時のロシアは軍事力を論じれば当初のソ連とではすでに同日の談ではなかった。このようにして、核の威嚇を継続して発展させることが重要な一部分となった。ミサイル列車はその高い機動能力、快速反応、生存能力をもって、当然にロシア軍の改めての歓迎を受けた。

2012年、ロシアは新世代ミサイル列車およびそれとセットになるシステムの研究開発作業を開始した。新たなシステムは「バーグジン」鉄道ミサイル作戦システムと言い、それが装備するのは新世代のRS-24ミサイルである。ロシアにとって、このシステムによって現有の戦略空間が米軍の強い勢いに圧倒されている状況下で、TNT数千万トンクラスの「移動可能全天候核兵器発射システム」をもって、アメリカに対し逆威嚇が行えると言える。このような「重剣」は、当然ロシアが全力を尽くし、ミサイル列車に対する研究開発と就役を推進することを促す。

2016年11月、ロシア軍はプレセツク宇宙発射場で成功裏にRS-24大陸間弾道ミサイルの「投擲試験」を行った。


ロシアメディアの報道によれば、「バーグジン」の先輩である「青年」鉄道ミサイル作戦システムは2005年に退役した。今「バーグジン」鉄道ミサイル作戦システムはまもなく最終試験段階に入り、この世代の新製品はアメリカの防御システムに対し脅威を構成することになる。ロシア戦略ミサイル部隊元司令のウィクター イエシンは、新型ミサイルは将来ロシアの三位一体の主要な核威嚇力量の1つとなり、アメリカのグローバル打撃戦略に対する有効な反撃である、とする。

鉄拳がグレードアップ

ミサイルの数が倍増

一切は適時調整可


ロシア軍が最近研究開発した「バーグジン」鉄道ミサイル作戦システムの、ソ連時代の「青年」システムに比べての最大の変化はRS-24ミサイルを採用していることである。

過去のSS-24ミサイルに比べ、RS-24ミサイルは最大射程と精度の上ではそれと同等だが、より先進的なナビゲーションシステムを持ち、もはや事前に目標の座標を設定する必要がなく、一切は適時調整でき、そのミサイル防衛システム突破確率もSS-24に比べ大幅に上昇している。

RS-24は4発の核弾頭を搭載し、それぞれはTNT25万トンに相当し、単に爆発威力の上から見るとSS-24より小さいだろう。だがこれによりもたらされるメリットは、RS-24の重量がSS-24に比べ半分の軽さで、それぞれのミサイルは50トン程度しかなく、長さと体積もある程度削減されていることである。このことは新世代「バーグジン」ミサイル列車システムの車両に通常の車両と同じ寸法を採用することができるようにさせ、「青年」システムのように拡大、延長型の車両を用いる必要はない。

同様にミサイルが軽いため、「バーグジン」は1台の機関車しか必要とせず、3台の機関車を用いる必要はない。こうしたことは新たなミサイル列車をより敏捷に、より隠蔽的にさせるだけでなく、全システムの自動化の程度や集成性も高め、いかなる鉄道の地点でもミサイル発射が実現できる。

ロシアの計画の中で、「バーグジン」ミサイルシステムは依然「連隊」を編成単位とする。それぞれの連隊はすなわち1つのミサイル列車だが、その搭載するミサイルの数は6発で、「青年」システムに比べ倍増している。「青年」システム同様、ミサイル列車は一昼夜で1,000kmあまり行進でき、独立して1ヶ月行進できる。明らかに、ロシアは2020年までに5個連隊の「バーグジン」システムの装備を計画しており、つまり30発のRS-24核ミサイルで、全部で120発、TNT25万トン相当の核弾頭を搭載する。この爆発規模はソ連時代の「青年」システムに比べ確実に大幅減少しているが、依然欧米のあらゆる大都市を平地に均すのに足りる。ニューバージョンのミサイル列車は少なくとも2040年まで就役する。

当然、ミサイル列車およびそれとセットになるシステムはまだ一連の技術的問題に直面している。例えばいかにしてシステムの抗震性能を向上させるか、発射時どうやって高温の噴射気流排出の問題を解決するか、である。また、全国を範囲として機動するミサイル列車が、いかにしてその発射の位置、方向を確定するか、いかにしてミサイル発射と現有のレールの受け入れ条件を結合するか、これも考慮することが必須である。


 車両を使った発射システムに比べればコストが高いということですが戦略爆撃機や原潜に比べれば安いはずで、しかも事前に制圧してこの攻撃を完全に防ぐのは非常に難しいということですね。まさにこれは冷戦復活の象徴なのかもしれません。中国が同様のシステムを装備するのか否かも議論が分かれているようですね。













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