米軍、5.56mm弾薬を放棄？　その2

　続きです。

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だがもし古い道に戻っても、改めて7.62mm全威力弾薬を制式小銃弾薬とすることはすでに不可能となっており、使用習慣の上でということを除き、もう1つの原因は小銃でも弾薬の負荷数量でも、小口径小銃は中口径全威力小銃に比べ比較にならない優勢を有するからである。

（頑住吉注：次の2つはキャプションです。）

5.56mmと7.62mmが併存する現在の米軍部隊の真実の画像

当時HK社がケースレス弾薬の優勢を宣伝した時の弾薬の負荷の対比図。G11は失敗したが、5.56mmの携帯量の上での7.62mmに比べての優勢はごくはっきりしている

もしちょうど通常部隊のように、ロングバレルのM16A4を制式小銃とすれば、一部問題は解決できるが、特殊部隊と軽歩兵はいずれもすでにより軽くより短いM4/M4A1カービン銃の使用に慣れており、何故ならこの種の武器は都市地形の戦闘あるいは装甲車、ヘリに出入りする時、いずれも相当に敏捷で、しかも重量が軽く、しばしば徒歩作戦を必要とする軽歩兵にとってM4系列の携帯はM16A4に比べ楽と言える。ならば、ショートバレルのカービンにもロングバレルの小銃同様、甚だしきに至ってはより良い戦闘力を持たせるどんな方法があるだろうか？　米軍の前面には何種かの方案がある。

方案1：5.56mmの「重弾頭」を採用する

5.56mm武器の作戦ポテンシャルを向上させる最も簡単な方法は、弾頭重量の増加に他ならない。これはすでに特殊部隊によって少量採用され、その中の代表者はすでにアフガニスタンやイラクで使用されたMk262マッチ弾である。この重量77グレインの「先端の開いた」弾頭は比較的遠距離でも保護なしの敵サイド人員を有効に殺傷できる。先端の開いた弾に使用する構造は実は新たなマッチ弾の加工方法によってもたらされたもので、この先端の開いた弾はジャケットによって弾の尾部から先端に向けて包まれてゆき、最後に弾の先端に小さな穴が生じる。このような技術は伝統的な後方から弾芯をジャケットに押し込む方式に比べ鉛コアの変形を減少することができ、したがって弾頭の精度が向上する。だが先端の開いた設計はそれが障害物に対応する時にフルメタルジャケット弾（FMJ）の弾丸のルートを妨げる、レンガ、車両その他「ハード」目標の貫通能力に及ばないものにさせる。もし重量77グレインの普通構造のフルメタルジャケット弾を採用すれば、有効に問題が解決でき、しかもコストも下がる。

実は1960年代、あるドイツの会社がもうすでにスチールジャケットの77グレイン弾頭を研究開発していた。この「重弾頭」は遠距離での弾道性能とハードターゲットに対する貫通のパフォーマンスがいずれも後のM855弾より優れていた。だが当時のM16A1のバレルのライフリングはこの重弾頭と決してマッチせず、この重弾頭を求める人がいないという結果をもたらした。もし今このドイツの重弾頭をM16A4やM249で使用すればずっと安定するだろう。このため改めてこの重弾頭を採用することは1つの解決方法かもしれない。

だが、5.56mm弾薬の成長ポテンシャルには限りがあり、もし実質的改変を提供したければ、最も有効な方法はやはり全く新しい口径の採用でなければならない。だがもし新口径への換装を考慮する時でも依然として現在支給されている武器の使用を考慮することができ、こうすれば兵士の使用習慣の保持にも有利だし、全面武器換装のコストも下がる。だがこのことは弾薬の全長が5.56mmx45小銃弾薬を超えられないよう制限し、このため一部のアメリカ人は5.56mmの直径拡大を考慮している。

（頑住吉注：次の2つはキャプションです。）

Mk262とM855の弾頭構造の対比

20インチバレルでのM855とMk262の弾道性能曲線の対比図。もし比較的遠距離で残存速度が低い状況下でも依然破砕できることが見て取れる

方案2：5.56mmに比べより大きい弾頭を使用する

この5.56mm銃弾の性能を向上させる方法は、最初にはアメリカの民間射手が考え出した。彼らは5.56mmx45の薬莢のネックの寸法を「増大」し、6mm弾頭を装填することを試した。その結果6mmx45「ワイルドキャット」弾薬が誕生した（米軍が1970年代に研究開発した6mmx45 XM732弾薬とは別物である）。この「ワイルドキャット」弾薬は重さ90グレインのフルメタルジャケット弾頭を使用し、弾薬の全長は5.56mmx45と一致していたが、6mmx45弾薬の射程と殺傷力はいずれもM855弾薬に比べ高く、バレルを交換するだけでもう現有の5.56mm武器にこの弾薬が発射させることができた。

2004年に一部の民間のガンスミスがもう1項目の改良を行い、それは5.56mmx45薬莢のネック部をさらに一歩拡大し、6.5mm弾頭を装填するものだった。薬莢の長さは42mmまで短縮されて弾薬全長を依然M855と同じ長さに維持させたが、薬莢直径は拡大され、もってより多くの発射薬を収容した。その結果6.5mmx42多用途弾薬（MPC）の登場がもたらされた。試験を経て、正常な交戦距離（300m）で6.5mmPMCはM855弾薬に比べ運動エネルギーが30〜50％以上高くなった。しかも6mm「ワイルドキャット」弾薬同様、6.5mm弾薬も5.56mmNATO弾薬の弾薬ベルトやマガジンをそのまま使用して給弾できた。

（頑住吉注：次の2つはキャプションです。）

6mmx45ワイルドキャット弾薬

6.5mmPMC弾薬