海監等再編について

 先日「中国、海監と漁政を統合?」の項目で記事を紹介し、その中には「海洋局の今回の機構的変動はあまり大きくなく、単に農業部の漁政部門と国家海洋局の海監部門が整合されるだけで、その他の3つの海に関わる部、委員会の行政部門、例えば海事、国境警備、税関法執行部門にはしばらくのところ関わらないかもしれない。」という記述がありましたが、これと違う情報が出ており、関連記事もまとめて紹介します。

http://military.china.com/important/11132797/20130310/17720439.html


海監、海警、漁政など、国家海洋局を再組織 もはや分散して法執行せず

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「中国海監(CMS)の正式名称は中国海監総隊であり、中国国家海洋局(STATE OCEANIC ADMINISTRATION PEOPLES REPUBLIC OF CHINA)の編成に組み込まれている。国家海洋局の指導の下、中央と地方が相結合した行政法執行隊伍であり、国家、省、市、県という4クラスの海監機構が共同で組成する。」)

新華社北京3月10日電(記者 趙超 霍小光) 10日に発表された国務院機構改革および職能変更方案によれば、国務院は国家海洋局を組織し直し、海上の統一した法執行を推進することになる。
 
我が国の現行の海上法執行力量は分散しており、重複した検査、重複した建設の問題が突出し、法執行の機能は高くなく、権利維持能力が不足している。海洋資源の保護と合理的利用の強化、国家の海洋権益の維持保護のため、海上法執行力量を整合する必要がある。

方案は次のようなものである。現在の国家海洋局およびその中の海監公安部の国境警備海洋警察、農業部の中国漁政、税関総署の海上密輸取り締まり警察隊伍の職責が整合され、改めて国家海洋局が組織され、国土資源部によって管理される。主要な職責は海洋発展計画の立案、海上での権利維持法執行の実施、海域の使用の監督管理、海洋環境保護などである。国家海洋局は中国海警局の名義で海上の権利維持法執行を展開し、公安部の業務指導を受ける。

海洋業務の統一された計画配案と総合的な協調を強化するため方案は、ハイレベルでの議事協調機構である国家海洋委員会を設立し、国家の海洋発展戦略の研究と制定、海洋の重大事項の統一した計画配案と協調に責任を負う、とする。国家海洋委員会の具体的業務は国家海洋局によって担当される。

(頑住吉注:2ページ目)中国海監は国家の法律、法規、規定に依拠し、我が国の管轄海域(海岸帯を含む)に対し巡航監視を実施し、海洋の権益の侵犯、海域の不法使用、海洋環境と資源に損害を与える行為、海上施設の破壊、海上秩序の攪乱などの違法行為に対する調査、処置を行う。

(頑住吉注:3ページ目)現在中国海監隊伍は、ヘリ、固定翼機を含めて全部で10機の航空機、400隻を超える船舶を持つ。計画によれば、現在中国海監はさらに多くの船舶を建造中で、非常に大きく海上の実力を強化することになる。

(頑住吉注:4ページ目)中国漁政の正式名称は「中華人民共和国農業部漁業局」、「中華人民共和国漁政局」である。

(頑住吉注:5ページ目)中国漁政は改革開放以後になってやっと真に全国において比較的完備された体系を形成し、漁政の業務に実質的進展があったのだが、1958年から全国の漁政は管理はすでに正しいレールに乗って動き始めていた。

(頑住吉注:6ページ目)中国漁政船は南海危機の中でカギとなる重要な作用を果たしている

(頑住吉注:7ページ目)中国海警の正式名称は中国公安国境警備海警部隊(CHINA COAST GUARD)で、公安部国境警備管理局に隷属する。主に近海の海上の治安に責任を負い、編成は中国人民武装警察国境警備部隊の序列に組み込まれ、公安部によって指導、管理される現役部隊である。

(頑住吉注:8ページ目)海警は海上の治安を維持保護する公安法執行力量であり、そのルーツは旧ソ連の海上法執行体制である。注意に値するのは、その他の部門の海上法執行力量に比べ、海警は中国唯一の海上武装法執行力量だということである。


http://military.china.com/news/568/20130308/17719606.html


軍の高層:それぞれの海に関わる部門が国家海洋委員会を組成することを提案

呂丁文代表 海防指導管理体制の改革を推進

海防指導管理体制の問題に話が及ぶと、広州軍区副司令員呂丁文代表は、我が国が現在実行する海洋、漁政、海事、税関、公安国境警備などをメインとする分散性の業種管理体制は国家の海洋権益を維持保護する必要性を満足させ難く、改革が差し迫って必要とされる、と語る。

「急ぎ国家の海防戦略を制定し、海防の位置付け、戦略目標、戦略指導、戦略措置などの重大問題を重点的にはっきりと規定する必要がある。これは海防指導管理体制改革の根本的前提であり、基礎的条件である。」と呂丁文代表は言う。我が国の海洋権益をめぐる争いの特徴に焦点を合わせ、党中央、国務院、中央軍事委員会によって直接指導される、中央のそれぞれの海に関わる部門によって組成される国家海洋委員会を成立させ、集中した、権威ある、効果の高い海防指導管理機構を建立すべきである。

彼は、完備された海洋の法律、法規体系とセットの、「国連海洋法条約」および関連の国際法と関連した総合的法律を公布し、海上の突発事件を処置し、我が海洋権益を侵犯する行為に対応する専門の法律を急ぎ制定し、権利維持管理コントロールのために有効な法理の支持を提供するよう提案する。


http://military.china.com/news/568/20130311/17721985.html


専門家、海洋局の再組織を語る:某国との某島嶼をめぐる争いに照準を合わせたものではない

10日に発表された国務院機構改革および職能変更方案によれば、国務院は国家海洋局を組織し直し、海上の統一した法執行を推進することになる。方案は次のようなものである。現在の国家海洋局およびその中の海監、公安部の国境警備海洋警察、農業部の中国漁政、税関総署の海上密輸取り締まり警察隊伍の職責が整合され、改めて国家海洋局が組織され、国土資源部によって管理される。

中国社会科学院国境歴史地理研究センターの副主任李国強は、海洋局再組織について中国日報のインタビューを受けた時、次のように語った。過去60年余りの間、中国の海洋法執行はずっと比較的分散し、人は「五竜治海」と呼び、多くの職能部門がそれぞれ業務を行い、行動の協調に不利で、効率が低下している。これが海洋局再組織の大きな背景である。一方近年中国の海洋問題はエスカレートを続け、海洋の権利の防衛は巨大な困難に直面している。これは今回の再組織を促した直接の原因である。だが今回の海洋局の機構の調整は、決して中国といくつかの国との某島嶼をめぐる争いに照準を合わせたものではない。このため、今回の海洋局再組織は、過去の実践経験に対する調整でもあり、現実の問題に対する対応でもあり、さらには未来に向けての策でもある。

中国の海洋問題における挙動はここのところ外界が関心を注ぐ重点の1つである。今回の国家海洋局の再組織も例外ではない。李国強は、中国の海上強国建設の目標は、決して海上の覇権を求めるものではない、とする。中国が海洋を開発し、海洋を管理するのは、持続的発展を可能にし、領土を完全なものとし、国家の安全および経済社会の持続的発展を可能にするという角度から、自身の核心的利益を維持保護することに立脚している。しかも、中国は地理的構造や歴史的経験から見て常に防御性の国家であり、拡張を図ったことも、いかなる国をも侵略占領したことも全くなければ、外国に軍を駐留したこともなく、現在の海洋法執行もそんなことはしない。

中国南海研究院副研究員洪農は海洋権利維持法執行に言及した時、アメリカ、日本などの国は全て専門の海洋法執行部門を設けている、とした。例えば沿岸警備隊である。だが中国は海洋法執行方面においてずっと法執行部門の権限と責任がオーバーラップする問題を抱えてきた。今回の海洋局の再組織は、ずっと以前からの学会と政府機構の要望を実行に移し、部門の職能をはっきりさせ、マンパワー資源の浪費を避けるものでもある。(記者 蒲振東 ウージャオ)


 「方案」が最終決定されたとの記述はありませんが、あるいは何かと話題の羅援少将の「法執行の存在方面では、私はずっとできるだけ早く自分たちの沿岸警備隊を建設し、我が国の海上法執行力量を整合し1つの統一された戦力を形成すべきだと主張しています。」に近い形になるのかもしれません。「国家海洋局は中国海警局の名義で海上の権利維持法執行を展開し」と「海警は中国唯一の海上武装法執行力量だ」という記述から、中国の「法執行船」の武装が進むことも考えられます。












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