「遼寧艦南シナ海へ」関連3題

 違う角度からの3つの記事を紹介します。

http://military.china.com/news/568/20131203/18193440.html


中国空母戦闘群、初めて頭角を現す 防空戦力はロシア空母艦隊を超える

11月26日午前、我が国初の空母遼寧艦は青島某軍港から抜錨して出航した。海軍ミサイル駆逐艦沈陽艦、石家庄艦およびミサイル護衛艦烟台艦、ウェイファン艦の随伴の下、南海にまっしぐらに赴いた。11月28日、遼寧艦およびその随伴艦艇は台湾海峡を通過して南海に進入し、29日午前、初めて三亜某軍港に停泊した。

1、艦隊の「メンバー」はそれぞれどんな職を司るのか?

空母が初めて南海に赴き、空母が初めて艦隊を組成し、空母が初めて海峡を通過し、空母が初めて三亜に停泊した‥‥一連の「初」は今回の試験航海を遼寧艦史上のマイルストーンとさせるのに充分である。また各界の熱い議論も最多で、この中で初めて海上に出現した遼寧号空母の艦隊以上のものはない。

公開されている情報によれば、遼寧艦艦隊の随伴艦艇は2隻の051Cミサイル駆逐艦沈陽艦、石家庄艦、そして2隻の054Aミサイル護衛艦烟台艦、ウェイファン艦で、全て海軍北海艦隊駆逐艦第一支隊に隷属し、全て2006年以後に就役した新型艦艇である。

報道によれば、051C型ミサイル駆逐艦の排水量は7,100トンで、最高航行速度は時速48km、290人の艦員を配する。艦上には垂直発射システムを搭載し、全部で48発のロシア製S-300対空ミサイルを搭載する。同時にこの艦は8発のC-803型対艦ミサイル、単砲身100mm主砲1門、30mm速射砲2基、および魚雷発射装置などを配備する。一方トン数がやや小さい054A型護衛艦は排水量4,300トン、最高航行速度は時速49km、人員編成は165人である。艦上の装備には、76mm主砲1門、30mm速射砲2基、8発のC-803型対艦ミサイルが含まれる。この艦は対潜作戦をより重視し、対潜魚雷発射装置、対潜ロケット弾、および対空、対潜ミサイルを装備した32ユニットの垂直発射システムを配備する。この艦はさらに艦載ヘリ1機を配備し、対潜任務が執行できる。注意するに値するのは、この艦上のレーダー、ソナー、電子システムはすでに全ての国産化を実現していることだ。

2、現在の戦力水準はどうなのか?

作戦実力からすると、現在の「遼寧号」航路護衛艦隊の防空の実力はすでに一定程度上ロシア海軍の「クズネツォフ」号空母艦隊の作戦実力を超越している。当然これは実のところ極めて超越しやすい対象なのであるが。2007年、クズネツォフの第2回目の海外配備の時、その艦隊の護衛艦艇には大型対潜艦「リェフチェンコ」号と「チャバイェフ」号しかなく、全艦隊には1発の中距離以上の対空ミサイルもなく、1基の信頼できる遠距離警戒レーダーもなかった。

だが051C型はすでに中国の最も良い防空駆逐艦ではないし、たった2隻の054Aも1隻の空母にとってやや不足と言える。現在の選択をなしたのは、ただ単にそれらが遼寧艦の所在する青島港内の最も良い艦艇だったからに違いない。報道は、中国が計画する空母戦闘群はアメリカ海軍が慣例的に使用する編成に似ている、と考える。一般にアメリカ空母戦闘群は3〜4隻の駆逐艦、1〜2隻の護衛艦、1隻の攻撃原潜、1隻の補給艦を包括する。報道は、アメリカ空母戦闘群に比べ、中国が持つ原潜の数は少なく、性能に欠陥があり、これは中国が原潜を空母艦隊に編入していない原因かもしれない、と考える。

3、将来どんな「変容」があるか?

中国が唯一持つ空母として、遼寧艦は理の当然として最高クラスの航路護衛を受ける。そこで我々が未来の遼寧艦麾下の航路護衛艦艇の規模を想像するのは難しくない。現在海軍の最も先進的な052C/D型ミサイル駆逐艦は明らかに航路護衛の序列の中に出現するだろう。054A護衛艦の数はさらに一歩増加する。攻撃型原潜が現代空母艦隊の一部分となることも必須である。将来建造される可能性がある1万トン級大型駆逐艦に関しては、艦隊の防空指揮艦として加入する可能性も非常に高い。

「漢和安全保障業務評論」などの外国メディアの報道によれば、052D型はアクティブフェイズドアレイレーダー、アクティブレーダー制御誘導の海紅旗-9遠距離艦対空ミサイルを装備し、パッシブフェイズドアレイレーダー、セミアクティブレーダー制御誘導対空ミサイルを使用する米軍のアーレイ・バーク級および日本のこんごう級に比べより先進的で、しかも052Dの新型垂直発射システムは共通の架台で対空、対艦、対潜、対地巡航ミサイルを発射でき、作戦の柔軟性が非常に大きい。だが052C、D型の垂直発射筒はそれぞれ48および64で、一方アーレイ・バークは90、アメリカのタイコンデロガ級巡洋艦はさらに122に達する。

現在の状況から、空母の航路護衛艦隊は海軍の現行の駆逐艦支隊を基礎に建設され、艦艇の完備率を考慮し、正常な状況下では、遼寧艦は2〜3隻の防空ミサイル駆逐艦および3〜4隻のミサイル護衛艦を持ち、1〜2隻の攻撃型原潜が配属され、将来はさらに1〜2隻の大型駆逐艦が艦隊の核心として加わる可能性がある。

(頑住吉注:これより2ページ目)

もしこの配置が実現できれば、アメリカの全盛期の空母戦闘群に非常に近くなる。当時の空母戦闘群は通常、一個巡洋艦大隊と二個駆逐艦中隊をその下に管轄し、平時の編成は2隻の巡洋艦と5〜8隻の駆逐艦で、しかも原潜と相応の後方勤務補給艦が配属された。だが中国海軍艦艇のトン数を考慮すると、弾薬搭載量は普遍的にアメリカの艦より小さく、この支隊の戦闘力は米軍の現有の空母打撃群(1〜2隻の巡洋艦、2〜3隻の駆逐艦およびその他の支援艦艇)に近くなるかもしれない。だが艦艇の数がより多いので、必ずしも過度に、艦艇を派遣して潜水艦駆逐を行うことが陣形に影響することを心配する必要はなく、中国空母護衛艦隊の対潜の敏捷性は米軍に比べより強いものになる。

4、専門家、まだある弱点を指摘

現在の中国空母艦隊にはまたどんな弱点があるか?

専門家は中国海軍にとってある重大な弱点に今に至るも解決が得られていないと考える。それは今回の遼寧艦隊の中に艦隊補給艦が出現していないことである。空母艦隊の油、弾薬、食料、水の消耗は非常に大きいので、トン数の大きい総合補給艦を必要とし、それでやっと艦隊の物資に関する要求を満足させることができる。またさらに空母艦隊の高い航行速度の作戦要求は、補給艦の航行速度に対し極めて高い要求を提出している。

中国海軍現役補給艦の中で、最新型の4隻の903型は排水量が2万トン余りしかなく、搭載する物資は艦隊の航路護衛艦艇の補給1回にしか充分でなく、空母の非常に大きな消耗を保障することは全くできない。艦体のルーツがウクライナにある905型補給艦は物資の貯蔵量は充足しているが、低すぎる航行速度は空母艦隊の快速機動に随伴できなくさせる。実際、もし航行速度が20ノットの903型補給艦だとしても依然艦隊の少なくとも25ノットの航行速度の要求を満足させることはできない(頑住吉注:なら905はどれだけ遅いのかと思って調べましたが18ノットでそんなに変わらないです)。このような状況下で、排水量3万トン以上で、ガスタービンを使用し、最大航行速度25ノット以上の大型艦隊快速支援艦が海軍の次の段階の重要な目標となる。現在遼寧艦は初めて航路護衛の「用心棒」を完備させただけであり、中国空母が戦闘力を形成するにはまだ時期尚早であると断言する。


 当面実戦を行うとしたら沿海しか考えられない遼寧艦隊ですが、やはり補給艦は重要なんでしょうか。そもそも実戦になったら補給艦なんて真っ先に沈められてしまいそうですが。

http://military.china.com/news/568/20131203/18193294.html


遼寧艦が区域をまたいで南下したルートには特殊な考慮があった 沿海部隊によって援護が可能

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「資料画像:我が国の強大な空母」)

人民ネット12月3日の情報(張潔嫺) 先日、中国初の空母遼寧艦は初めて戦闘群を組成し、海区をまたいで南海に試験に赴いた。軍事専門家杜文竜は中央テレビ「今日の関心」のインタビューを受けた時、今回の遼寧艦の訓練にはルート選択上の考慮があり、艦隊の航行訓練によって岸のあらゆる部隊を動員し、「海上安全回廊」を形成し、これにより訓練効果を倍増させた、とした。

11月26日午前、遼寧艦は青島某軍港から抜錨して出航し、海軍ミサイル駆逐艦沈陽艦、石家庄艦、そしてミサイル護衛艦烟台艦、ウェイファン艦の随伴の下南海にまっしぐらに赴き、科研試験と軍事訓練活動を展開している。これは遼寧艦就役後、初の海区をまたいでの長時間航行訓練の組織的実行である。長時間の海区をまたいでの航行により、関連設備の性能に対し連続作動状況下での検証を行い、部隊全体の訓練レベルに対し試練を与え鍛錬を行い、装備の異なる気象水文条件下での性能に対し試験を行う。

遼寧艦の今回の訓練のルートは1つの関心の焦点だった。この前、韓国の「アジア経済」は分析し、遼寧艦空母が南下する時に釣魚島および日本の沖縄付近海域を通過する可能性が排除されない、とした。

11月28日早朝、遼寧艦および4隻の随伴艦艇は台湾海峡を通過して南海に進入し、かつ継続して予定の試験および訓練海域に航行した。

外国メディアの推測によれば、遼寧艦は宮谷海峡あるいは釣魚島方向に向かい、日本に対し某種の威嚇を構成する可能性があった。だが空母艦隊として、訓練という角度をもってこの問題を考慮することが必須である。杜文竜は、まず最短のルートを選択する必要がある、と指摘する。彼は分析し、今回の訓練の目的は空母艦隊を異なる海区の水温、気象条件に適応させることで、できる限り速くこの海区に進入してこそ、予定の訓練目標が達成できるのだ、とした。航路がもしできる限り距離を短縮できれば、予定の海区までの進入時間は大幅に短縮される。

もう1つの方面では、遼寧艦のルート全体から見て、海岸線からの距離がごく近い。杜文竜は、現在我々の空母艦隊はまだ真の意味での戦闘艦隊ではなく、艦隊の形を成しているに過ぎず、真の作戦能力は具備せず、このため陸上部隊、例えばレーダー部隊、ミサイル部隊、航空部隊が非常に信頼できる援護を提供し、「海上安全回廊」を形成する必要があるのだ、とした。

また杜文竜は、この区域における訓練は、1隻の空母およびその艦隊の訓練だけではなく、沿海地域のあらゆる海軍兵力および空軍航空隊の合同訓練である可能性が高い、と推測する。艦隊の航行訓練を通じ、陸上のあらゆる部隊を動員すれば、訓練効果は倍増する。「私は遼寧艦の訓練は実際には遼寧艦隊およびこの艦隊に関係するあらゆる兵力が演習を行うものであると見る」と彼は言う。


 陸上基地の部隊の動向もアメリカは衛星などである程度把握しているでしょうね。

http://military.china.com/important/11132797/20131205/18198018.html


フィリピン、中国海軍遼寧艦の南海進入、訓練に抗議

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「中国海軍には南海で訓練活動を展開する権利がある」)

【グローバルネット総合報道】 イギリスの「週刊ジェーン安全保障業務」12月4日の報道によれば、フィリピン外務省は、中国が南部に向け解放軍海軍「遼寧」号空母を配備した(頑住吉注:三亜への停泊のことでしょう)ことにつき抗議し、遼寧艦の南沙諸島進入は地域の緊張した情勢を激化させ、「南海各方行為宣言」に違反している、とした。

遼寧艦は11月26日に青島の母港を離れ、11月28日に台湾海峡を通過した。これはその初のこの海峡通過である。この艦は2隻の051C型防空駆逐艦、沈陽号と石家庄号、そして2隻の054A型護衛艦、烟台号とウェイファン号によって航路護衛されている。

ジェーンは、「解放軍報」の報道は、今回の配備が主権をめぐる争いが存在する南沙群島への来訪を含んだ後、マニラサイドが中国に対し抗議したとしている、とする。11月27日、フィリピン外務省スポークスマンのラウル ヘルナンデスはインタビューを受けた時、中国空母の配備は地域の緊張した情勢を「激化」させたとした。

新華社の報道は解放軍海軍情報化専門家委員会主任尹卓少将の話を引用し、訓練任務のために南海以外の理想的海域を探し出すのは非常に難しい、とした。

実際、まさに我が海軍当局者が言うように、遼寧艦のこの行動は完全に訓練目的から出たことで、南海海域を選択したのは、1つにはその他の中国に近い海域に比べ、南海海域の面積が比較的大きいからである。(知遠 北風)

(頑住吉注:2ページ目)遼寧艦の南下は周辺国に対しいかなる影響ももたらすことはない

(頑住吉注:3ページ目)遼寧艦は各海域で訓練を展開する必要がある

(頑住吉注:4ページ目)遼寧艦隊は比較的強い防空能力を持っている

(頑住吉注:後のページのキャプションは既出のものの繰り返しです。)


 「南海各方行為宣言」を根拠にしていますが、中国はこれには領土をめぐる争いは二国間協議で解決するという内容が含まれ、フィリピンによる国際仲裁の請求はこれに違反すると主張しており、当然自分の都合の良い時だけ「南海各方行為宣言」を持ち出すなと反論するでしょう。


















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