タイは何故中国のVT-4戦車を選んだのか

 そりゃ単に「安いから」というだけではないでしょう。

http://military.china.com/important/11132797/20160521/22708134.html


タイ、中国のVT-4の購入に改めたことは止むを得ず? T-90を打ち破ったことこそ重要なカギ

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「中国のVT-4メインバトルタンク」)

タイ、突然中国に向け大繍球を抛る(頑住吉注:例によって検索すると無数にヒットするのに意味を説明したページは全く見つからない慣用句です。) 近年来、周辺国の陸軍装備が不断にグレードアップするのと共に、非常に多くの国が大金を惜しまずいくつかの世界一流のメインバトルタンクを購入し、このことは本来地域の軍事強国として名高い南アジアの小虎、タイに対し実質的な脅威を構成している。地図上から見て、タイには全部で4つの陸上の隣国がある。すなわち、マレーシア、ミャンマー、ラオス、カンボジアである。またさらにラオスとカンボジアを隔てた近隣の地域強国ベトナム、マレーシアを隔てて相互に遠からぬシンガポール、およびマラッカ海峡を隔てて互いに向き合うインドネシアがある。こうした国の中で、マレーシア陸軍は48両のポーランドが生産したPT-91を持ち、シンガポール陸軍は96両の「レオパルド」2A4を有しかつグレードアップを受けつつある。一方インドネシア陸軍は104両の新たに購入した「レオパルド」2A6を有し、ベトナムも落伍に甘んじずロシア製T-90Sの購入を準備しつつあり、ミャンマーは少なからぬ中国製の59Dと数量不詳のVT-1A(MBT-2000)を持つ。

中国製VT-4(MBT-3000)戦車 孫小偉撮影(頑住吉注:明らかに本来キャプションですが画像はありません) 周辺のいくつかの国の陸軍が続々と近代化されるのに直面し、タイは当然傍観はできず、何年か前には早くももう新世代戦車の競争入札を始動させた。当時、最も勝利を獲得する希望があったのはウクライナのT-84「堡塁」Mと中国のVT-4だった。だが中国には当時輸出型MBT-2000メインバトルタンクに国産エンジンを装備する力がまだなかったため、ウクライナのエンジンを配備するしかなく、このためタイは最終的にウクライナのT-84「堡塁」M戦車を選択し、VT-4はやむなく退場するしかなかった。タイで挫折に遭遇した後、また南米での再度の敗北が加わり、中国に止むを得ず戦車のエンジン問題を解決する決心をするよう迫り、かつすぐに非常に大きな效果を取得した。全く疑いなく、VT-4が今回タイの大口注文を勝ち取ったのには、主に2つの原因がある。1つ目はウクライナが戦乱が原因で時間通りT-84「堡塁」Mを引き渡せないこと。2つ目は中国がVT-4のために動力が強大な国産エンジンを配備したことである。VT-4に装備される中国が最も新しく研究開発した水冷1,300馬力冷却型タービン増圧ディーゼルエンジンとCF-1000系列総合伝動の一体化動力パッケージは、この戦車を時速75kmの最高速度をもって行進させることができる。VT-4戦車の国産一体式動力室は、出力が大きいだけでなく、しかも技術が非常に成熟安定し、さらに以前はアメリカ、ヨーロッパ、日本の戦車だけがやっと達成できたゼロ半径現地360度方向転換(頑住吉注:超信地旋回のことですな)の特技ができ、かつその動力システムの先進さの程度はすでに西側のメインバトルタンクの同時期の水準に肉薄している、とされる。このメインバトルタンクは中国が輸出専用に研究開発したVT系列の第4の機種で、中国が自ら研究開発する戦車の最高水準を代表している。このメインバトルタンクの主要な技術データは以下の通りである。全長10.1m、全幅3.4m、全高2.3m、戦闘重量52トン。技術性能上、この戦車は時速75kmに到達でき、最大航続距離は500km、水を渡る深度は4.5m、2.7m幅の壕をまたぎ越すことができる。技術設計の上では、VT-4はあまりにも多くの技量をつぎ込んだということができる。すなわち、その外殻と砲塔の装甲はいずれもスチール製溶接装甲で、かつ車体前方の弧状のラインと前面上部には爆発反応装甲が付加され、これはこの戦車に世界で最も凄い徹甲弾を防ぎ止めるさせ得るに足りる。火力コントロール方面では、VT-4戦車は「猟-殲」式火力コントロールシステムを装備し、車長と砲手の照準鏡はデジタル成像能力を持ち、かついずれもサーモグラフィー装置を装備する。武器装備方面では、VT-4メインバトルタンクは1門の抽煙装置とサーマルジャケットを配した125mm口径スムーズボア砲を配備し、自動装填装置による装弾を使用する。この砲は尾翼で安定するサボ付き徹甲弾、ハイエクスプローシブ榴弾、成形炸薬弾が発射できるだけでなく、さらに砲から発射される射程5,000mのレーザー制御誘導ミサイルが発射できる。これらの最新技術を採用した後、VT-4の全体性能と作戦指標はいずれも世界トップクラスのメインバトルタンクの水準に到達している。その防御性能は最新型の国産99A2式戦車にやや遜色があるが、性能はロシア製T-90S戦車より優れ、アメリカのM1A2と同等で、中国の現在最も先進的な輸出メインバトルタンクとされる。

ウクライナが放棄された主な原因は戦乱で契約が履行できないこと 実際上、2011年には早くも、当時中国のVT-4が競争からの退出を迫られた後、タイは競争入札で勝利を獲得したウクライナと2.4億アメリカドルの契約を締結し、49両のウクライナ製T-84「堡塁」Mメインバトルタンクの購入に用い、かつ追加でもう150両の契約を計画した。だがこの契約の実施第一段階の時、もうウクライナが動乱に遭遇し、続いたのはクリミア危機で、降りしきる戦火はこの国をもはや安寧でなくさせた。甚だしきに至っては2015年末になっても、ウクライナはタイロイヤルアーミーに10両の戦車しか引き渡さず、このことは早急に欲するタイ軍を大いに不満にさせた。タイメディアの推測によれば、早くも去年にはもうタイが別の売り手を捜し、もって改めて陸軍のためにメインバトルタンクを選択購入することに関する報道が出現していた。これまでの進度に照らせば、タイは2020年になっても発注した戦車を得ることができない可能性が高い。ウクライナの現在の進度に照らせば、およそ年産5両で、このようであることにはおよそ2つの大きな原因がある。1つはウクライナの工業生産および技術ポテンシャルが全面的に後退した結果ゆえで、戦車を生産する工場は依然充分な資金を手にしていない。しかもそれ本来限られた資源はまずウクライナ軍の戦乱の中で攻撃を受け損傷した古い戦車の緊急維持修理に用いる必要がある。2つ目はウクライナ危機前、戦車を生産する工場の多くの材料と部品がロシアから来ていたが、現在このルートはすでに断たれているということである。ウクライナはすでに充足した部品をT-84Mの組み立てに用いることを保証できない。

ウクライナが期日通りに商品を引き渡せないと判明した後、タイ国防省の情報によれば、調達委員会は直ちに中国とロシアの2種の異なるメインバトルタンクを考慮し始めた。タイロイヤルアーミー陸軍大佐・スポークスマンの指摘によれば、中国のVT-4とロシアのT-90Sが再度タイの視線に入ったが、タイ軍はコストパフォーマンスを根拠に誰が最終的に勝利するかを決定することになった。すぐにタイ軍高官はそれぞれロシアと中国の戦車製造工場を実地調査し、2種の戦車に対する現場での評価を行い、もって最も正しい選択をするのに便とした。分析によれば、VT-4とT-90Sはいずれもソ連の時期のT-72戦車の設計を基礎とし、1門の125mmスムーズボア砲を主要な武器システムとし、2種の戦車はいずれも対戦車ミサイルが発射できる。中国はVT-4の火力コントロールシステムはあらゆるロシア製戦車より先進的だろうと言明し、一方ロシアサイドはT-90Sは物は良くて廉価であると言明した。現在見たところ、中国が最後に笑い、ロシア製T-90Sは再度淘汰されたに違いない。だが、今回タイ軍はより小心さを加えたようで、決して一度に全部契約を中国に与えず、まず先に50両購入し、もって効果を観察する。タイ軍由来の情報によれば、もし最初に発注した50両のVT-4戦車が人を満足させたら、継続して150両購入することになるだろう。タイ方面はさらに要求を提出しており、それはもし全部のVT-4メインバトルタンクが中国で生産されたとしても、タイ向けの生産技術移転が必要だということに他ならない。

ウクライナのT-84「堡塁」M戦車(頑住吉注:これも本来キャプションですね)

VT-4はすでにT-84Mと比べられない ウクライナが製造するT-84「堡塁」MメインバトルタンクはT-64とT-80を基礎に研究開発された新機種で、その戦闘全備重量は51トンにまで増加し、主要な武器は1門のKBA-3型125mmスムーズボア砲で、画像安定式火力コントロールシステムを採用している。この戦車の砲手は1G46M昼間照準鏡を用い、レーザー距離測定装置ルートと砲から発射するミサイルの制御誘導ルートがあり、夜間は「暴風雪-竜舌蘭」Eサーモグラフィー装置を使用する。車長は巨大なPNK-6全景周視視察照準指揮鏡を持ち、PTT-2サーモグラフィー装置を集成している。またさらにPZU-7対空照準鏡を持ち、車内で高射機関銃を遠隔操作して対空射撃ができる。一方火力コントロールシステムの核心はLIO-Vデジタル弾道コンピュータで、非常に高い運動中の初弾命中能力を持つ。最も目立つのは戦車の外殻にウクライナ製Nozh-2爆発反応装甲が装備され、かつZaslonアクティブ防御システムが配備されていることで、このシステムはロシアの「コンタクト」-5反応装甲と「カーテン」-1光電子対抗システムに相当する。また、1,500馬力の6TD-3ディーゼルエンジンに換装されているため、重量が増加した戦車に依然時速70kmの最大路上速度を持たせることができ、機動性は相当に素晴らしい。だが、上述のT-84「堡塁」Mメインバトルタンクに関する非常に多くの装備は、いくつかのものは直接ロシアから購入し、いくつかのものはロシアの機種を基礎に研究開発されたタイプで、甚だしきに至っては非常に多くの必要とされる部品がロシアのものを使用することが必須だが、現在のロシア・ウクライナ関係が緊張した前提の下では、ロシアはもはやウクライナ向けに提供することはあり得ない。実際、このことはウクライナのT-84「堡塁」Mメインバトルタンクの生産速度を制限しているが、改めて研究開発するには時間を必要とし、このためこれこそがウクライナの生産速度の低下、甚だしきに至っては古い部品を採用することをためらわずタイに売る戦車を組み立てることの前提である。だが中国は異なり、VT-4のあらゆる生産は全部国内で完成され、中国は自主知的財産権を完全に持っている。かの以前中国戦車を制約していた動力システムが完全に解決された後、あらゆる問題は全部すらすらと解決され、これより中国が輸出するいかなる戦車にももはやいかなる技術的に制約する問題も存在しないのである。

特に中国のVT-4戦車は現在国際市場でコストパフォーマンス最高の戦車ということができる。この戦車が最初に使用していたのはウクライナが提供するエンジンだったが、タイが以前に入札募集した時、ウクライナが輸出時にそのエンジンを使用することに不同意だったため、VT-4に入札勝利の機会を失わせた。中国は痛切に反省し、自らの国産エンジンを開発する決心をし、かつ最終的に成功を取得した。VT-4の最も誇るに値するところとして、その99A戦車にルーツを持つ国産動力システム以上のものはない。これはVT-4の機動性能をいかなる競争相手をも超越させるのに足りる。同時に、中国の輸出型戦車のメイン機種として、VT-4の装甲防御性能は、西側のL44砲が発射するカタログデータ上並な西側制式120mm尾翼で安定するサボ付き徹甲弾、あるいは同ランクのロシア製125mm徹甲弾を防ぎ止めるのに足りる。この点は明らかにサウジアラビアが装備するアメリカ製M1-A2Sが必ずしも達成できないことである。電子、火力コントロールシステムに関しては、中国が生産する関連の設備は西側の同時期の最新装備と同一水平線上にあり、ウクライナやロシアのレベルに比べずっと高いはずである。VT-4はアメリカ、ドイツ、ロシア、ウクライナなどの戦車製造大国の関連の製品に戦勝する超越的に高いコストパフォーマンスを完全に持つと指摘する国外の評論さえある。その高性能なディーゼルエンジンと動力室、先進的な複合反応装甲、強大な火力、高度に自動化された火力コントロールシステム、快適な操作環境および前世代製品に比べ大幅に向上した戦場感知能力は、いずれも潜在的買い手を吸引するハードな指標である。価格方面でも、こんなに凄い戦車はその他の欧米戦車大国の製品に比べてより吸引力を持ち、価格はたった600万アメリカドル未満とされる。一方国際市場でトップの「レオパルド」2A7戦車のオファー価格は2,000万アメリカドルにも達し、アメリカのM1-A2戦車も国際市場で850万アメリカドル未満ではないだろうと見積もられる。VT-4はドイツ戦車の1/3未満でしかなく、真に物は良くて廉価だと言うことができる。

陳光文(揚子晩報特約原稿) 編集長 孫小偉 編集 袁小竜


 これまでウクライナ製を買うしかなかったエンジンを急に国産化して大成功し、「しかも技術が非常に成熟安定し」ているというのがちょっと信用しきれない感じですが、タイ軍が使用を始めれば実際どうなのかも分かってくるでしょうし、150両追加されればとりあえず問題ないようだと見ていいでしょう。














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