ロシア・トルコ間に戦争は発生するか?

 久しぶりに「露土戦争」なんていうフレーズが浮かびましたが。

http://military.china.com/news2/569/20151204/20875073.html


ロシアのトルコ制裁、弱点を突く結果に:中国製品を用いてトルコ製品に代替

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「資料画像:ロシア軍実戦機がトルコに撃墜される」)

ロシア実戦機がトルコによって撃墜されて以来、ロシア・トルコ関係はにわかに冷却し、双方の関係が氷点に入るとの各界の憂慮を引き起こしている。(頑住吉注:続けて意味不明のことが書かれてますがどう考えても内容に関係ないです。)

12月1日、ロシア首相メドヴェージェフはトルコから輸入される農産品、原料、食品の禁止リストを批准した。ヨーロッパ・アジア経済連盟の法令が許す範囲内で個人に用いる食用の品種を除き、ロシアは2016年1月1日からトルコからの一連の野菜、果物、家禽、塩類の商品の輸入を禁止する。これは11月末にロシア大統領プーチンが対トルコ制裁の大統領令に署名したことの細分化および延伸であり、ロシア・トルコ関係悪化の印でもある。

経済制裁がトルコの「弱点」をとらえる

11月28日、プーチンは対トルコ制裁実行の大統領令に署名し、その中には飛行機のロシア・トルコ航行ラインの往来禁止、ロシアの旅行会社がトルコに行って旅行の手続きをしてはならないこと、雇い主が2016年1月1日からトルコ公民を雇用することの禁止、トルコの司法管轄権の保護を受ける企業のロシア国内での運営の禁止および制限、一部のトルコ商品の輸入禁止あるいは制限を命令することなどが含まれる。だがこれらの制裁措置は「単なる第一歩に過ぎず」、メドヴェージェフは11月30日、ロシアサイドは状況を見て「授権の範囲内で輸入禁止商品リストおよび入国禁止人員リストの範囲を拡大し、主旨がトルコとの協力を制限あるいは終了させることにあるその他の措置を採り」かつ必要な状況下で対トルコ制裁を拡大する、とした。現在ロシア国内の建築工程プロジェクトで作業するトルコ公民も、「厳格な統制を受けることになる」。規定を根拠に、来年から締結される新たな工程プロジェクトは、政府に向けトルコ公民を雇用して良いとの特殊な許可を申請することが必須である。ロシアサイドは黒海、アゾフ海、クリミア半島の港に対し枠外の管制を実施することになる。

最新のロシア政府令を根拠に、2016年1月1日から、トルコはロシアに向けオレンジ類、ブドウ、りんご、梨、杏、桃、スモモ、イチゴ、トマト、キュウリ、白菜、タマネギなどの果物や野菜を輸出できなくなる。また禁輸されるものにはさらに冷凍の七面鳥やアヒル、トルコカーネーションや塩などがあり、ロシアは中国、モロッコ、タジキスタンなどの国の同類製品を用いてこれに取って代わらせることになる。

ロシアが「野菜かご」や旅行などを用いて制裁を実施するのは、トルコの弱点を探り当てており、トルコは巨大な損失に遭うことになる。分析者の見積もりによれば、毎年ロシアに対し輸出される野菜や果物方面で、トルコは10億アメリカドルあまりを損失することになる。旅行収入方面ではトルコの毎年の損失は100億アメリカドルあまりに達することになる。メドヴェージェフは11月30日さらに、ロシア政府は形勢の発展を根拠にさらに一歩制裁措置を拡大する必要があり、「最大の程度でトルコサイドにその行為がもたらした深刻な結果を感じさせる」ことを極力求めることになる、とした。

古い恨みと新しい仇は断ち切り難い

今回のトルコのロシア実戦機撃墜およびその後のロシアのトルコに対する制裁のエスカレートは、突き詰めて言えば両国の「古い恨み」+「新しい仇」の結果である。

過去300年あまり以来、トルコとロシアはコーカサスおよびバルカン半島地域の支配のために相次いで12回の戦争を発生させている。戦争の結果は、トルコの勝ちは少なくて負けが多く、広い土地を喪失するというものだった。冷戦の期間、トルコはソ連の南から北までの抑止を心配するがゆえに1952年にNATOに加入し、ソ連封じ込めの橋頭堡に充当された。ソ連解体後、ロシア・トルコ関係は表面上緩和を得たが、両国の深層レベルでの矛盾は決して氷解してはいない。

ロシア軍事科学院の院士であるビデロフスキーは次のように考える。今日ロシアの中東、地中海地域進入封じ込めの重任を担うトルコは、ずっと中東の「ボス」に充当されるという夢想を抱いている。シリア情勢が混乱に陥った後、トルコは積極的にシリア体制派のために武器や経費を提供している。だがロシアが手を出して快挺不住(頑住吉注:意味不明)なアサドを救った後、トルコは心に恨みを抱いた。ロシアが戦略爆撃機や巡航ミサイルの動員をエスカレートさせた時、トルコはさらに容認できなくなり、ついにロシア軍のスホーイー24実戦機を撃墜した。G20サミットの時プーチンは婉曲に、ある国は「イスラム国」の金蔓に充当されていると称したが、現在では明確に「ある国」とはトルコであるとしている。

(頑住吉注:これより2ページ目)

トルコサイドの軟化は何故?

過去1週間以来、トルコサイドの態度は硬から軟に変わりつつある。トルコ大統領エルドアンは当初、ロシア実戦機がトルコ領空を侵犯した後それを撃墜したのだと言い張っていた。その後、その態度は軟化を開始し、気候変動に関するパリ会議でプーチンと「ちょっと話す」ことを望んだ。プーチンは拒絶し、かつ「ちょっと話す」前提はトルコが「まず謝罪する」ことだと提示した。ロシアサイドの制裁に対し、トルコは回答しそれによって左右されることはないだろうとした。だが、エルドアンと首相ダウトールは相次いで、「ロシアサイドとの関係緩和を希望する」とした。

トルコの態度軟化は、最も主要にはアメリカ、NATOがもはやそのために後押ししないからである。ロシアの専門家は普遍的に、トルコには胆力がなく、軽率にロシア実戦機攻撃の愚かな決定をすることもないだろうし、きっとアメリカが後押ししていると考えている。ロシア地縁政治問題学院の院長であるイワショフは、トルコの行為はCIAが参与した政治的事前謀議で、その真の動機は中東地域に戦乱を出現させることである、とする。これに対しロシアはトルコが「イスラム国」に資金援助していると非難し、トルコ大統領の家族と「イスラム国」とに腐敗した交易があると非難し、かつ被害者のイメージをもって婉曲にNATOやアメリカを凶手の背後の「指図者」と「位置付け」、したがって道徳的に有利な高みを占め、世論の支持と同情を獲得した。アメリカはこのため態度表明を迫られ、フランスやロシアと一緒にテロ分子を打撃したがった。「盟主」がムードを作った以上、NATOのその他の国も影のように付き従うしかない。トルコの領土を侵犯しさえしなければ、その他は全てロシア・トルコ両国の事柄で、決して干渉しない。トルコは瞬く間に「孤立無援」となったのである。

ロシアが「本気を出した」後、NATOの大国はさらにロシアに傾倒し、密かにトルコを厳しく批判している。少なからぬNATOの外交官は、トルコは本来スホーイー24を立ち去らせれば即OKだったのだ、と考えている。イギリスの「インディペンデンス」は、エルドアンのここ4年内のシリアに対する間違った政策は彼に非常に大きな代価を支払わせた、とする。ドイツの「フランクフルターアルゲマイネ ツァイトゥング」は26日、真の敵は「イスラム国」であり、西側はロシアと連携するべきだとした。テロ襲撃に遭ったばかりのフランス当局者は、フランスは明らかに「一方においてロシアと肩を並べて戦闘し、一方でそれに対し制裁を行うことはできない」、「我々はプーチンと協力することが必須だ」とした。

トルコはさらに多くの国の民衆から来る圧力を受けている。ロシア実戦機撃墜後、ロシア国内およびベラルーシ、ギリシャなどの国の民衆は、自発的にデモ行進を行って非難している。トルコに近いロシア連邦の北オセチア - アラン共和国当局は、トルコとの経済貿易関係を中止すると言明した。11月27日、ギリシャの首都アテネ市中心の憲法広場に50人あまり(頑住吉注:少な)が集まり、強烈にトルコの無責任な行為を非難した。またあるメディアは、トルコ国内の一部民衆もこれに対し不満や甚だしきに至っては反対を表明している、とする。

ロシア・トルコに「第13次戦争」は発生しないだろう

トルコ空軍が発射したミサイルはスホーイー24実戦機を撃破し、さらに2000年以来ロシアとトルコが苦心して築き上げた政治的相互信頼をも撃破した。ロシアの世論は普遍的に、ロシアは一連の制裁措置に出、ロシア・トルコ関係は厳しい脅威を受けているが、両国指導者が双方の関係を完全に決裂させることはなく、双方に「第13次戦争」が発生することはあり得ない、と考えている。

日増しに先鋭化するロシア・トルコの矛盾に直面してダウトオールは12月1日、ロシアと軍事的意志疎通のルートを建立し、ロシアのスホーイー24実戦機事件の再演を避けることを希望するとアピールした。ビデロフスキーは、制裁は諸刃の剣であり、明らかにロシアサイドが迫られて採った反撃措置で、現在対テロの前途の見通しは依然困難が非常に大きく、西側もロシア・トルコの紛争が対テロ連合の大局に影響することを希望していない、と考える。将来西側がトルコに対し圧力をかけ、態度の軟化を継続するよう促す可能性が排除されない。このため、全世界の対テロ構造の中で、ロシアはこの契機を利用してより多くの利益を勝ち取ることが有望である。

ロシア国立人文大学国外区域学・対外政策教研室準教授のマーケドノフは、アンカラとモスクワのネガティブな情緒はすでに極点に近いが、双方には何度か袋小路から抜け出た経験があり、いかなる一方も相手方を弱めることによって第三勢力を助長することを希望していない、と考える。またトルコは、自らはアサドを好まないが、隣国情勢の動揺は疑いなくトルコ社会の安定に波及するだろうことをはっきり分かっている。このため、現在の複雑な条件下でロシア・トルコ双方の「上策」は某種の臨時の妥協を探し出すことである。

予見できるのは、ロシア・トルコ間には「熱い戦い」は起きないが、「冷たい対立」が一定時間持続するのことは免れない、ということである。


 イスラエルもそうしたわけですし、「本来スホーイー24を立ち去らせれば即OKだったのだ」というのは全くその通りで空気読めないトルコが対テロ連合に水を差したと言われてもしかたがない感じがします。裏でアメリカやNATOがさせたのだという陰謀論にはちょっと賛成できないですね。














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