クラシックアーミー M24

 「Visier」2005年2月号に、香港のメーカーであるクラシックアーミーのエアソフトガン、M24のレポートが掲載されていました。「Visier」には以前、欧米でも最近非常に高い人気を得ているエアソフトガン全般に関する記事が掲載され、内容を紹介したことがありますが、製品が単独で紹介されるのは「スイス銃器マガジン」ページを除けば初めてだと思われます。なお、以前の記事の中で説明されていましたが、ドイツでは世界的に主流の「エアソフト」ではなく「ソフトエア」銃という名称が使われています。また、ドイツではフルオートは禁止であり、この結果ボルトアクション機種の発射速度上のハンデが比較的小さいこともこの機種の人気に有利に働いていると推測されます。


Schwebendes Verfahren(頑住吉注:「Schwebendes」には「浮遊する」などの意味があり、「Verfahren」には「やり方」、「ふるまい」などの意味があります。これはホップアップがかかって飛ぶBB弾の様子を指しています)

クラシックアーミーのソフトエアライフルM24は選択によりガス圧、またはスプリング圧駆動で発射を行い、その原型より口径と価格で劣るだけである
(頑住吉注:そんなことはない。発射エネルギーも命中精度もタフネスも劣るのは当たり前のことです)。

(頑住吉注:いきなり意味不明の文で始まったのであせりました。「そのものごとはウサギとハリネズミのようだ」みたいな文です。幸い検索の結果意味が判明しました。 http://www.saturn.dti.ne.jp/~ohori/deutschwiee.htm ここの説明によるとこれは「ウサギとハリネズミの寓話のよう(大きいウサギより小さいハリネズミがいつもうまくやってしまう例え)」という意味だそうです) すなわち、最短の時間でアジアの熱心な会社によりソフトエアバージョンとして発売されない新しい銃器モデルはおそらく世界に存在しない(頑住吉注:前の記事のときも書きましたがこれも明らかにオーバーですね)。中国、台湾、フィリピン、あるいは日本の無数の企業が(頑住吉注:何で本家の日本を一番後ろにしますかねドイツ人は。それと前の記事でもちょっと不思議に思ったんですが何故か韓国は一切出てきません)それぞれの機種の初ソフトエア化を挑戦課題とみなしており、そして大口径から直径6mmのプラスチック製エンドウマメへの転換を行っている。そしてそれはたいてい非常に成功している。

 通常たいていの若いファンの場合、「射手がより多くの弾丸を急速に射撃できればできるほどよい」というモットーが有効である。そういうわけでハンドガンや、たいていミリタリッシュな、あるいは特殊部隊に使用されているカラシニコフ、M16、MP5のようなセルフローダーの模造品が支配的である。それにもかかわらず、一見して「アクション」的観点に適さないように見えるソフトエアクラスも確立することができている。すなわち「スナイパー」、つまり狙撃手のためにデザインされた手動連発ライフルである。射手は次弾装填のために様式通りにボルトハンドルによって往反復運動しなくてはならない。これによりスプリング圧エアライフルの場合のようにシリンダー内のピストンがコッキングされる。これらは0.12〜0.30gの軽い弾丸をバレルを通して駆動するため、圧縮空気の加速を行う。

 そうこうするうちに改良型が供給可能になった香港のYick Fung Industrial International Ltd.の「M24 SOCOM Sniper」もこの機能原理で働く。この会社はそのブランド名「クラシックアーミー」の下によりよく知られている。価格はバレルの外部が平滑な民間バージョンが少なくとも450ユーロであり、「フルーテッド」バレルを持つミリタリー用M24は499ユーロである。このフルートはオリジナルの場合よりよい熱排出のための縦方向のミゾであり、これは絶対におもちゃのためのものではない。M24は同名の原型を追体験できるほど非常にオリジナルに忠実であり、原型の銃はプルーフされたレミントンモデル700をベースに生じた「SWS」(アメリカ陸軍が使用しているSniper Weapon System)である。このM24は口径7.62mmx51NATO(=.308Win.)の5連発の手動連発銃であり、ケブラーで強化されたファイバーグラスストックを持ち、スコープ込みでギリギリ7kgの重量がある。アジア製模造品には輸入業者のGerman Sport GunsがバイポッドとGamoスコープ3〜12x40を付属しており、少なくとも4,800gの重量がある。丈夫なプラスチックストックは原型そっくりに見えるが、「ABS樹脂」(Acrylnitril、Butadien、Styrolがこの耐衝撃、耐水樹脂の構成要素であり、歯ブラシ、自転車のヘルメット、バターの容器、ホイールキャップもこれで作られている )製である。

 ソフトエアバリエーションの場合強い反動エネルギーを克服しなくてもよいため、ほとんど負荷がないことを考えれば、このマテリアルはコスト上都合がよく、しかも長持ちするものである。ストックの長さは大きな「歯車ネジ」によって簡単に40mmまで延長できる。端部は厚いゴムキャップ(頑住吉注:バットプレート)である。2つの前部ランヤードリングがハリスを手本にし追体験できる調節式バイポッドも取り付けられているハンドストップ(頑住吉注:ストック前端から下向きに突出しているブロック状のパーツ)に組み込まれている。第3のランヤードリングは射手がキャリングベルトを取り付けたい場合、ストック下部のバットプレートすぐ前にある。

 トリガーガード前後にある2本の「Inbusschrauben」(頑住吉注:検索によると六角レンチで回すネジのことらしいです。 3mm)がシステムをストックにホールドしている。ストックには2つの同じ「マガジン縦穴」がある。後ろのものは単なるまがいもので、開閉可能な金属の蓋が備えられており、オリジナル同様トリガーガード直前にある。だが、ソフトエアM24の場合25発入り着脱マガジンはマズル方向にさらに50mm近づいたところ(頑住吉注:要するに前)に挿入される。マガジンのプラスチックケースはスプリングで圧をかけられたカバーを持ち、本当の、当然ずっと小さいマガジンの給弾口を解放する(頑住吉注:訳文ではわけが分かりませんが、要するにマルゼンAPS-2と同じ形式ということのようです)。射手はこの中にスピードローダー設備の助けを得て25発までの6mm弾を入れることができる。マガジンの給弾口はその後、マガジンごと再びストック内にすっぽり収まったとき、銃との架け橋の役割も果たす。すなわちバレル下の四角形の切り欠きが、ボルトに取り付けられた中空のロードスパイク(頑住吉注:ノズルのことです)がそのつど最も上の弾丸をマガジンから515mmの長さのあるバレル内に押し動かすことを可能にする。

 このバレルの付け根に、M24の最も重要だが最も小さい機能部品がある。すなわち六角レンチで回すネジによって異なる弾丸重量に応じて調節できるプラスチックニップルである。これによって弾丸は一定の形式より圧をかけられる。弾丸はこれにより卓球の玉やバトミントンのシャトルコックのように「下カット」を得て、これがいわゆる「ホップアップ」効果を引き起こす(頑住吉注:日本人に説明するなら野球の変化球が間違いなく最も分かりやすいですが、前の記事もそうでしたが今回もドイツ人の筆者はこの例を挙げていません。それだけ野球になじみがないんでしょうね)。回転により下部の加速が起こり、弾丸は上の空気が希薄になっている間、エアクッションのように飛ぶ。この「浮遊するふるまい」(頑住吉注:タイトルの言葉です)により弾丸は問題なく20〜30m遠方まで滑るように飛ぶ。これは単純なスピードアップによっては不可能なことである。というのは、内部が鏡面状の平滑にポリッシュされたバレル(内径6.08mm)には火器や他の圧縮空気銃のようなライフリングがなく、弾丸はバレル内の途上で飛行を安定させる回転を与えられないからである(頑住吉注:分かりにくいですが、ホップなしではBB弾に回転が与えられないので単純にパワーアップしてもまっすぐ飛ばないが、ホップをかければこの回転が飛距離増大だけでなく飛行安定にもつながるということでしょう)。

 いわゆる「100%スプリング」を持つスタンダード型では、M24の初速は(風がある場合軽すぎる)0.12g弾による95m/sと、0.3mmアルミ弾による80m/sの間である(頑住吉注:日本では銃刀法に抵触するおそれがあるので使えませんが、ドイツではアルミ製BB弾も使われているということです)。M24は工場渡しで0.2g弾を使った場合83〜85m/sの初速になるよう調整されている。その際10mから撃ってほとんど同弾になり、薄いペーパーターゲットの開口が約20mmになるように審査されている。25mではちょうど全ての弾丸が粘着性の「スティッキングターゲット」(頑住吉注:ドイツでも啓平社の製品と同じ名前で呼ばれているんですね。ちなみに啓平社のは確か四角かったはずですが、写真のそれは丸く、下にBB弾の受け皿のようなものはついていません)全体(14cm)に収まる成績に達する。しかしこれは風があっても、ホップアップ調節の長い試みなしでも全くOKだった。

 M24の操作は今回の実用テストで全くもって慣れを必要とするということが証明された。最も弱い100%スプリングの場合でさえ射手は75mmのコッキングストロークをやりこなすためにすでに力を込めてボルトハンドルを引かねばならなかった。右側にあるセーフティもすぐに殺さなくてはならない。このセーフティは射手がボルトハンドルを前後に動かす際、いくらか下に圧するのが早すぎるとボルトハンドルをロックする。ストックと同一平面上にそろって結合されている(頑住吉注:つまり突出していない)マガジンは寒い12月の指ではほとんど引っ張り出せなかった。2つの親指用くぼみが小さすぎるからである。調節不可能なトリガーは450gというまずまずの「圧点」を持つが、その後ろに相当長い20mmの「這う道」が続くため、結局全体の作動値はひどい1500gという値に達する(頑住吉注:うーん、分かるような分かんないような)。

要約
 だが、M24はひっくるめて均一に加速された弾丸により、そして拡張可能なベースとして(囲み記事参照)納得させた。金属、プラスチックパーツの加工は安いとは言えない価格をも正当化する。特に本物のSOCOM銃の雰囲気をケースにパッキングすることができるのだから(というのは、例えば最大のソフトエアスペシャリストであるWerlerの会社Teutenberg & Sohnはそれを同時に供給しているからだ)。

Visier サービス(囲み記事)
 M24用にメーカーのクラシックアーミーは多数のチューニングパーツを提供している。これは使用者が自分で組み込むか、スペシャリストに任せることもできる。工場渡しの100%スプリング(マズルエネルギー約0.85ジュールを発生させる)とならんで、より強い300%、そして380%スプリングすら存在する(39ユーロ)。これは直接この数値への上昇と理解されるものではない。300%スプリングは0.20g弾の場合85m/sのかわりに137m/sをもたらし(0.7ジュールから1.9ジュールへ)、残りは摩擦として失われる。ユーザーはより強いスプリングを改良されたスプリングガイドとともに最も都合よく、そしてボルト内のコンプリートとして購入できる(「アドバンスド シリンダー エア スプリングキット」190ユーロ)。あるいはコッキングの仕事を放棄することもできる。すなわちM24は駆動ガスバージョンとしても動かせる。このためにはボルト全体をガスボルトに交換する(280ユーロ)。「ウィンターガス」(低い温度用に密度が異る)ワンチャージで2つの25発マガジンが撃てる。その際弾丸はマズルにおいて1.7〜1.9ジュールのエネルギーをもたらす(0.2g弾の場合、132〜137m/s)。Arnsberg所在の輸入業者GSGにはインターネットでアクセスするのが最上である。: http://www.germansportguns.de/ ただし販売は専門店向けのみである。例えば http://www.teutenberg-werl.de/ のような。

モデル:クラシックアーミー M24
価格:450ユーロ(バイポッド、スコープなし)
システム:スプリング圧
口径:6mm
装弾数:25発
全長:1120〜1160mm
銃身長:515mm
重量:3700g(スコープなし)
型:ゴム製バットプレート(無段階調節)つきABSプラスチックストック。金属部品はマットブラックのブルーイング/アルマイト。セーフティ。ウェーバーレール。ランヤードリング。ソフトエアガス駆動への改造可能性。


 そうこうするうちに、頑住吉はトイガン業界の動向にすっかり疎くなってしまいまして、この銃がどの製品に近いのかよく分かりません。マガジンの形式がマルゼンAPS-2のパクリであり、真のマガジンが外観より前方にあることから見て構造的にもその亜流と思われますが、機関部の外観は異なっており、ひょっとすると機関部は別の機種の真似なのかも知れませんが判断がつきません。しかしいずれにせよこの記事を読んだだけで、ストックと機関部を結合しているのが3mmのネジだったり、パワーに比してコッキングが重かったり、トリガープルが悪かったり、セーフティに操作上の不具合があったりと、総合的な完成度ではAPS-2に遠く及ばないらしいということがかなり明確に推察できます。しかしながら今後こういった点が改良されてくる可能性は充分あるわけで、日本のトイガン業界も安心はしていられないでしょう。現在でも命中精度自体は日本製品に遜色ないようですし。

 クラシックアーミーの公式サイトはここです。 http://www.classicarmy.com/index.jsp








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