クローバリーフピストル追加説明

クローバーリーフピストル右側面シリンダー正面より排莢の様子

 クローバーリーフピストルはメタリックカートリッジ用に設計された初めてのコルト社製リボルバーだ。設計者はC.B.リチャーズという人物で、1871年、つまりピースメーカーの2年前に生産が開始された。4連発の特殊なシリンダーが正面から見ると4つ葉のクローバーのように見えるのでこう通称されている。
 シングルアクションオンリーで、ハンマーをハーフコックにするとシリンダーがフリーになる。ローディングゲートから4発の.41リムファイア弾を装填する。ハンマーコックしてトリガーを引くと発射する。操作は大筋ピースメーカーと似ている。違うのはまずローディングゲートにフタがなく、正確に1点に合わせた場合のみ出し入れができる点だ。これでは銃口を上に向けてゆっくりハンマーコックするとカートが途中で脱落するおそれがある。排莢はパイプ状のシリンダー軸の中に入っているエジェクターロッドを完全に抜き取り、前方からシリンダーに差し込んで空薬莢をつつき出す。終わったらロッドを元通りセットする。これはかなり面倒な作業だ。そのため後のピースメーカーではより便利なああしたシステムになったのだろう。ただ、4連発ならではの便利な特徴もある。シリンダーを発射位置間の中間で停止してハンマーダウンすると、ハンマーノーズがシリンダーの回転止めになり、フル装填状態で安全に携帯できる。また、この状態では通常より幅が小さくなり、コンシールドキャリーしやすいのだ。この状態からすぐにハンマーコックして発射できた。

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