中国が艦載無人実戦機を開発するには何が必要か

 これもちょっと「中国の軍事技術の大躍進」の浮かれ気分をクールダウンさせようとする意図を感じる記事です。ちなみに私が翻訳のため文字列をコピーした段階では「もし中国が空母無人戦闘機を研究開発するならどんな技術的突破が必要か?」というタイトルでした。

http://military.china.com/important/11132797/20130829/18021157.html


専門家、「中国による未来の空母無人機研究開発」を語る

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「無人機が空母に登載されることは人類にとってマイルストーン的意義がある」)

新華ネット特別原稿(新華軍事評論員 鄭文浩) 最近一部の専門家がまた無人戦闘機の中国空母への装備を展望しており、外界のこの種の新型「ロボット戦闘機」に対する興味を倍増させているだけでなく、非常に多くの国内軍事愛好者に推測を禁じ得なくもさせている。すなわち、中国の未来の国産空母も類似の艦載無人戦闘機を装備できるのか否か、である。

2012年11月、「中航工業杯第2回国際無人飛行機創新賞金付き大レース」が珠海で始動した。当時中航工業のこの創意あるレースは飛行機の外形を限定せず、一切の価値ある創新と探求を奨励し、飛行原理でも空力レイアウト方面の創新でもOKで、無人機が自身の動力で飛行できること、飛行デモンストレーションができることだけが要求され、最高賞金額は15万人民元だった。しかもこの時の競技レースは前回に比べより挑戦性を持ち、無人機が自身の動力に頼って自主的に発進し、空中で自主飛行し、甲板上にスムーズに着艦できることが要求された。一部の鋭敏な航空愛好者は直ちにこれらの新たな要求と空母に非常に大きい関係があることを意識した。中航工業の関係者は記者に対し、競技レースは空母が目標だと明らかにしさえした。だが、「現在の我が国の艦載無人機研究開発の進度」はなお秘密保持の中にある。

無人機の技術的ハードルはごく低く、比較的複雑な模型飛行機を製作できる会社ならもう無人機製作の実力がある。だが無人戦闘機となればとたんにハードルが上がること10倍では止まらない。何故なら無人機が作戦能力を持つということは、それが一定の目標識別能力および自主攻撃能力を持つことだからで、このことは無人機の視察システム(目)、コントロールシステム(大脳)、通信システム(口や耳)に対し非常に厳格な要求があることになる。一方において無人機は打撃を必要とする目標が偵察できる必要があり、さらに後方のコントロール人員に向け画像を伝達する必要もある。もう一方においては人間の判定を経た後、無人機は後方の指令を受け取り、その後自ら攻撃行動を発起する、あるいは後方の人員の操縦の下に作戦行動を展開する。

艦載無人機は決して空母専用に生み出された装備ではない。現代のいくつかの先進的な駆逐、護衛艦といった水上艦艇が艦載無人機を装備するのはすでにごく普遍的なことである。日本メディアが我が海軍艦隊の西太平洋における演習を追跡する時、我が軍艦艇が無人機を使用する画像を撮影している。だがこうした中型水上艦艇が使用する艦載無人機は、艦艇のプラットフォームの空間の制限を受けて、小型プロペラ動力無人機と回転翼式無人機がメインである。艦載回転翼式無人機はヘリ甲板で垂直離着陸でき、一方小型プロペラ動力無人機はカタパルト方式で発進するしかない。その後は制動ネットあるいは海上に落として回収する。この2種の艦載無人機は主に偵察、監視、早期警戒、データ転送などの機能を引き受け、基本的に戦闘任務を執行する能力はない。

空母というこの種の大型プラットフォームは、大型で作戦および攻撃能力を持つ無人機を装備するための基礎を固めた。だが技術的難点は、この種の空母艦載無人戦闘機は、一般の無人戦闘機の全部の機能を具備する必要があるだけでなく、さらに完全自主の空母発着能力も必要とする、というところにある。有人戦闘機の空母発着がすでに「刀剣上の舞踏」であり、ならば艦載無人戦闘機の発着の技術的難度の一端が分かる。ある程度上、空母艦載無人戦闘機の知能は攻撃作戦の上にあるに止まらず、「擬人」状態の中での飛行機に対する精巧な操作を行うことも含まれる。

(頑住吉注:これより ページ目。画像のキャプションは「アメリカの艦載無人機はまだ短時間内に戦闘力を形成できない」です。)

このため、空母が使用する艦載無人機戦闘機の研究開発のコストは極めて高く、かつ開発過程は極めて複雑である。もし中国が空母上にX-47Bに似た無人戦闘機を装備したかったら、五大技術上の突破を取得することが必須である。

第1は先進的な空力外形設計である。X-47Bの外形から我々はすぐに、空母艦載無人戦闘機はステルス、大航続距離、攻撃/空中格闘の需要を満たすため、一連の先進的な空力外形設計を採用している、ということを見いだすことができる。X-47Bは「全身全周波数スペクトル」のステルス性能を持つと言われ、機体設計はB-2ステルス爆撃機に似た無尾翼全翼レイアウトを採用し、主翼後縁はB-2同様ジグザグのラインを呈し、W字型になっている。この種の後縁の設計はさらに最大限に翼の付け根の長さを増加させ、武器コンパートメントとエンジンの装備を保証し、しかも翼の付け根の構造強度を増大させ、構造の受ける力と重量を軽減するのに有利である。X-47Bは無人機で乗員コンパートメントはないので、機の背部の埋め込み式空気取り入れルートを採用している。空気取り入れ口は機の背部に設置され、その後下に向かってエンジンに進入し、リップ部の反射波の強度を減少させ、かつ反射波を数少ないいくつかの方向に集中させる。さらに加えて空気取り入れルートに電波吸収材料、およびエンジンに遮蔽グリルを採用し、さらに一歩ステルス性能を増強している。これだけでなく、全翼式レイアウトは内部搭載レイアウトがきっちりしていて、各種の機載設備はいずれも主翼の軸心線の延びる方向に沿って配置され、かつ主翼の空力荷重の分布と基本的に一致し、構造設計が簡単で、さらに一歩主翼の桁など主要な力を受け入れる構造の重量が軽減できる。構造重量の低下は非常に大きく機の有効搭載荷を増加させ、このことはより多くの燃料、武器、機載設備が搭載でき、したがってより大きな航続距離を持ち、より多くの任務が執行できることを意味する。

アメリカのX-47B、イギリスの「Taranis」、フランスの「ニューロン」というこのいくつかの無人戦闘機の対比から見て、機の背部の埋め込み式空気取り入れルート+全翼設計は、ほとんどこの種の無人作戦機の共通の選択となっている。アメリカのいくつかのメディアの推測によれば、中国の沈陽飛行機も中国の大型無人攻撃機プロジェクトを発展させているところで、しかも外形はアメリカのX-47Bに似ており、近い時期に飛行試験を行うかもしれない。2011年9月、中国工業集団が挙行した無人機模型レースで、沈陽飛行機は初めて殲ー31戦闘機の模型を明るみに出した他、さらに新型の全翼式無人攻撃機「天弩」の模型を登場させた。「天弩」の外形がアメリカのX-47Bに類似していたため、広範な関心を引き起こした。アメリカの軍事専門家リチャード フィッシャーは外表面から見てこの無人機はアメリカのノースロップ・グラマン社が生産するX-47B無人機およびボーイング社が生産する「ファントムレイ」無人機と同じクラスに属するはずだ、とした。このアメリカの分析家も沈陽飛行機が設計中の無人攻撃機を推測しており、全幅15m、全長11m、ボーイング社の「ファントムレイ」無人機に似た全翼レイアウトを採用している、とする。さらに沈陽飛行機が以前の珠海航空展で「暗剣」無人戦闘機の模型を登場させたことと関連付けると、沈陽飛行機の無人作戦機領域における壮大な志が見て取れる。中国がすでに第4世代戦闘機の設計を持つことを基礎に、国内の強大な飛行機設計隊伍と風洞試験プラットフォームを結合させれば、完全にステルス全翼式無人戦闘機の開発能力を持ち、甚だしきに至っては軍事工業設計人員にはさらにいくつかの中国の特色ある創新を艦載無人戦闘機の設計上に融合させる可能性がある。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは「艦載無人機は今後5〜10年内に海軍航空隊の新兵器になる」です。)

当然、空力外形の設計は艦載無人戦闘機研究開発の第一歩に過ぎない。第2番目は先進的な飛行コントロール技術である。この一歩に来て、やっと真に無人戦闘機の技術的難点に触れることになる。初期の無人機は遠隔操作操縦の飛行機であり、地上から遠隔操作されて飛行し、その飛行コントロールシステムは相対的にずっと簡単だった。関連の技術が不断に発展するにつれ、完全自主飛行の無人機開発がすでに可能となっている。だが任務が複雑な無人機ほど飛行コントロールの難度も高くなっていく。空母艦載無人戦闘機の飛行コントロール技術は、疑いなくこの領域の「皇帝の冠の上の宝石」を代表している。

空母艦載無人戦闘機の飛行コントロール技術の困難さは離陸、巡航、作戦、帰投、降着の全過程を通じ一貫している。発着から見ると、艦載無人戦闘機は移動し、また起伏のある空母プラットフォーム上で電磁カタパルトに頼って発進する必要があり、陸地の飛行場で発進するのと非常に大きな差異がある。カタパルト発射の段階では飛行コントロールの作用はまだ特別に大きくはない。結局のところ有人艦載機にとってもカタパルト発射段階における飛行員の操作はごく少ないのである。重要なカギはカタパルト発射された後どうすべきかである。艦載無人機がひとたびカタパルト発射されたら、その飛行コントロール設備は正確に自らの速度、位置、高度の正確な数値を知り、結果的に姿勢のコントロールのために根拠を提供することが必須である。この中では無人機の正確な位置決定と高度測定、速度測定の手段に関わる。同時に、飛行コントロールシステムはさらに外界の気象条件、例えば横風の自身に対する妨害に対応する必要がある。自身と外界の状態を獲得した後、無人機の飛行コントロールコンピュータはすぐにエンジンと飛行舵面をコントロールし、無人機の成功裏の発進、離艦をコントロールし、その後予定の航行ルートに基づいて作戦区域に向け前進することが必須である。

巡航状態の中では、過去の伝統的無人機の飛行ルートは地上人員によって環境情報と飛行の要求に基づいて手動あるいはソフトウェア(無人機が発進する前に無人機の飛行コントロールシステムに入れられる)が決定した。この種の方式は無人機の飛行ルートを発進前にすでに固定化させる。しかし艦載無人戦闘機の任務はずっと複雑であり、有人艦載戦闘機のように臨時に新たな任務を受領して別の目標空域に向かうことが完全にあり得るのである。このため艦載無人戦闘機の飛行コントロール設備は空中で航路を調整する機能を持つ。無人機が臨時に航路を調整するには、センサーによって環境の変化に対するフィードバック、更新をした後、飛行コントロールコンピュータが相応の時間内に一連のアルゴリズムを根拠に航路に対する計画設計を行う必要がある。無人機のリアルタイムの航路計画は無人機編隊と配合され、編隊の戦術が再度計画され、編隊の戦術目標を再度制定するなど高級な自主飛行技術が基礎となり、無人機の生存確率を上げる最も有効な手段である。アメリカ国防省が2005年8月8日に発布した最新版の無人機路線図は、無人機のリアルタイムの航路計画技術を2005〜2015年の重大計画課題として列挙したもののうちに含めている。非常に多くのメディアはX-47Bは自主作戦ができるロボット戦闘機だと考えているが、実際には現有の無人作戦機の知能はまだそんなに高くはなく、そのいわゆる「知能」はむしろ自主航路設計と自主攻撃にある。

(頑住吉注:これより4ページ目。画像のキャプションは「中国国産無人機は将来艦への搭載ポテンシャルを持つ」です。)

無人戦闘機の作戦状態は飛行コントロールシステムに対しより高い要求を提出している。空中格闘作戦でも敵に対する攻撃でも、無人戦闘機プラットフォーム自体と目標はいずれも高度の運動の中にいる。飛行コントロールシステムは迅速に変化する戦場環境に基づき、無人戦闘機の空中機動態勢を合理的にコントロールし、作戦中の大仰角、超機動、超低空飛行など非通常コントロールの要求を満足させられる必要がある。有人戦闘機に比べ、無人戦闘機の飛行コントロールシステムは簡単な補助飛行員と操縦飛行員ではなく、各種の機載設備を融合する必要がある。またナビゲーションシステムから無人機の位置、速度、姿勢を見積もり、制御誘導システムに頼って無人機の軌跡を処理し、リアルタイムで次の一歩の航行ルートを出し、同時にシステムの舵面信号をコントロールして無人機の姿勢と速度をコントロールし、最終的に空中3D空間を実現し、甚だしきに至っては有人戦闘機の飛行性能を超越する必要がある。同時に無人戦闘機にとってはさらに作戦中の飛行機の戦傷処理の問題を考慮する必要がある。作戦が戦闘機の損傷をもたらすのは避けられないが、飛行員が損傷を受けた飛行機を操縦するのには人・機合一の特徴があり、計器や各種の指示を見るだけでなく、さらに飛行機に対する直接の接触に頼る。これには感覚器官と体躯の直接の感覚、および飛行経験が含まれる。一方無人戦闘機の飛行コントロール設備は完全に飛行機上の各種計測装置のデータに依拠して「判断」し、かつ自動戦傷処理あるいは故障の排除ができる必要がある。

空母に帰投して降着するのは、有人戦闘機にとっても無人戦闘機にとっても事故率が最高の部分である。アメリカのX-47Bはまず、X-47B無人機のフルセットの航空電子設備とソフトウェアシステムを装備したF/A-18「代替機」によって成功裏に「アイゼンハワー」号上で成功裏に着艦を完成させ、その後2013年7月10日に成功裏にブッシュ号空母上での着艦を実現したが、すぐに行われた2回の試験降着の結果は「幸運不在」でいずれも失敗をもって終わりを告げた。無人機が空母に降着する技術的難度が見て取れる。アメリカのやり方は高精度の精密GPSグローバル位置決定システムを使用して無人戦闘機の空母上の降着を実現するというものだ。だが中国は一方において米軍の高精度GPS信号が使用し難く、またもし中国の未来の北斗システムが使用に堪えても、衛星ナビゲーションが戦時に妨害を受ける可能性は非常に高い。このため中国の未来の艦載無人戦闘機は、衛星ナビゲーションを使用する他、飛行コントロールシステムの中に「視覚誘導技術」を融合することが必須である。つまり機載赤外線あるいは可視光線センサーを利用して画像を獲得し、画像の処理を通じて無人機ナビゲーション、位置決定のパラメータを獲得し、空母上の安全な降着を実現するのである。

第3はスマート攻防一体化火力コントロール技術である。米軍の分類によれば、無人機は自主能力に照らしてACL-1からACL-10クラス(完全自主)までに分けることができる。「プレデター」のようなイラクやアフガニスタンで大いに異彩を放った無人機の「知能指数」は決して高くはなく、つまり初歩的に機体の故障に対する自己診断と修復能力を持ち、対地攻撃に関してはまだ後方の人員のコントロールを必要とするというACL-2のレベルであり、複雑な火力コントロールとは言えない。ACL-4クラスから無人機はやっと比較的完備された火力コントロールシステムを持つ。X-47Bというこの次世代艦載無人戦闘機は、より先進的なACL-6のレベルに属し、つまりこの無人機が持つのは複数機が突然出現する脅威目標に対応する機能である。複数の無人機が任務を執行する過程で、突然出現する脅威目標に対し、複数機でこれを避け、かつこの目標と、すでにあった脅威に対しランク付けを行い、各無人機と目標との間の組み合わせを行い、各無人機がそれぞれ自らの任務を完成させ、かつ相互に態勢に関する情報が共有できる。このステップまで達すれば、艦載無人戦闘機は一定の「スマート」な、攻防一体化の実施が可能な自主火力コントロールシステムをを持つことが必要となる。

(頑住吉注:これより5ページ目。画像のキャプションは「アメリカのX-47B艦載無人機」です。)

この中では複数機による協同多目標攻撃のデータリンク技術、多目標攻撃の脅威スマート評価とランク付け、複数機協同多目標攻撃のスマート空戦決策、そして空対空ミサイルスマート化3D誘導などの技術に関わることになる。ここではデータリンク技術が現有のレベルをもってもう需要を満足させられることを除き、その他の技術はまだ模索や試験の段階にある。もしX-47Bも対地攻撃を主要な作戦の方向にしたら、火力コントロールシステムの研究開発の難度が下がったも同然である。

第4は低コストの、推力:重量比が大きいターボファン技術である。アメリカを見ると、無人作戦機用のターボジェット/ターボファンエンジンは往々にして民間用エンジンあるいは有人操縦軍用機エンジンから派生している。例えばアメリカのX-47Bは元々F-16のために研究開発されたF-100から発展変化してできたF100-220Uターボファンエンジンを使用している。艦載無人戦闘機自体の特性と作戦環境の特徴から見て、そのエンジンは燃料消費率が低く、推力:重量比が大きく、研究開発・調達コストが低く、維持メンテナンスしやすく、長期貯蔵に適するなどの特徴を持つべきである。中国の現有の軍用機が装備するエンジンから見て、無人戦闘機上の使用に適するものはほとんどない。ロシアのAL-31Fも国産の「太行」も大きすぎ、高価すぎ、決して無人戦闘機上の使用には適さない。かえって中航工業が2012年に珠海航空展で披露した「岷山」エンジン研究開発計画がより無人戦闘機の必要性に符合する。中航工業の資料によれば、「岷山」エンジンの最大離陸推力は4,700kgに達し得、推力:重量比が大きく、飛行エンベロープが幅広く、起動高度が高く、加速性能が良いなどの突出した特徴を持つ。「岷山」エンジンは設計や製造の方面で信頼性が高く、成熟度の高い技術を採用し、国内の近年来航空エンジン研究開発方面で形成された能力と基礎を充分に利用し、強大な技術的基礎と有力な技術的保障を持つ。推力の上でF100-220Uの7200kgより低い以外、現在における国内の比較的無人戦闘機に適したエンジンとも評価できる。当然全体的に言えば、中国の軍用航空エンジンのレベルと種類はアメリカとは比較できず、「岷山」は止むを得ずの選択でもある。

第5は情報安全技術である。アメリカの無人機がアフガニスタン、パキスタンでほしいままに無辜の平民を殺傷している時、非常に多くの人がこの不眠不休で軍人の給料も必要としない殺人機械に恐怖を感じている。しかし2012年にアメリカ軍の絶対秘密の「ビースト オブ カンダハル」RQ-170無人機がイランによって捕獲され、外界はやっと突然に無人機の情報の安全がかくも重要だということに気付いたのである。現在無人機は全く完全自主作戦を行えず、このため後方の無人機に対するコントロールと連絡が極めて重要である。戦場では無人機と後方の通信は相手方の妨害に遭い、結果的にコントロールの失効がもたらされる可能性が完全にある。さらに恐ろしいのは、米軍のRQ-170が捕獲された事件が証明したように、無人機の指令とデータが相手方の攻撃によって解読され、したがって機の破壊や任務の失敗がもたらされ、甚だしきに至っては我が方の無人戦闘機が敵サイドによってコントロール、利用されるかもしれないことである。このため無人戦闘機は最も厳密なネットワークセキュリティ技術と完備された自己破壊プログラムを採用することが必須である。

無人戦闘機は良いことは良いのだが、前方に立ちはだかる技術的難関を軽視してはいけない。特にスマート化飛行コントロール、火力コントロールシステム、およびいかにして情報伝達の安全を保障するか、はいずれも各国の無人戦闘機を研究開発する専門家の脳細胞をひどく悩ませている。空母艦載無人戦闘機発展の上で、我々は醒めた頭脳を保持することが必須である。アメリカが空母上で無人戦闘機を応用するのは、大縦深の国家に対する浸透打撃を行う必要のためである。アメリカでもX-47Bに攻撃の他に偵察、早期警戒などその他の機能も賦与している。このためもし中国が将来において空母艦載無人機を研究開発しても、必ずしも「攻撃」、「空戦」という「戦闘」の属性、高すぎる目標の設定が強く求められるわけではない。突破が容易な部分から着手し、無人機の空母における安全な発着という問題の解決から始め、まず無人機に早期警戒、偵察、中継制御誘導などの方面の作用を発揮させるのでも完全にOKである。

(頑住吉注:6、7、8ページ目)アメリカのX-47B艦載無人機


 無人標的機、無人偵察機、無人攻撃機、無人戦闘機の順に難易度が上がっていくわけですが、無人攻撃機から無人戦闘機へのハードルは飛びぬけて高いということですね。しかし現に中国は日本よりはるかに進んでいる無人機分野に予算を投入してそのハードルを越える少なくとも準備をしており、このままでは差は開く一方です。















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