ヨーロッパ諸国による中国への武器販売

 この前から時々取り上げているこの問題を非常にストレートに取り上げた記事です。

http://military.china.com/important/11132797/20140503/18479337.html


ドイツメディア:ドイツのディーゼルエンジンを装備した中国の軍艦がかつて東海で日本の艦と対峙

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「エアバスと中航は共同で1,000機のEC175/AC352ヘリを生産する」)

【グローバル軍事報道】 「ドイツの声」放送局ウェブサイト4月30日の報道によれば、中国空軍はフランスが設計したヘリに頼っている。南海の広い海域に対し主権を宣言している中国の潜水艦と護衛艦のエンジンはドイツとフランス由来である。中国国家主席習近平はその3月末のフランス訪問の期間、中国でエアバスのヘリEC-175の生産を拡大していると言明したが、分析者はこの協議は技術が軍用に転用される結果をもたらす可能性がある、と考える。

ドイツメディアは、「漢和安全保障業務評論」編集長の平可夫はフランス通信社のインタビューを受けた時、「ヨーロッパの武器輸出は中国軍にとって非常に重要で、ヨーロッパの技術なくして中国海軍は一歩たりとも進めない。」とした、とする。1989年(頑住吉注:天安門事件)以後、EUは対中国兵器販売禁令を実行した。だが分析者は、この禁令に対する解釈権はそれぞれのEUメンバー国政府にゆだねられている、と語る。あるEUスポークスマンはある声明の中で、「武器輸出を批准する、あるいは拒絶する最終決定権はEUメンバー国の手に握られている。」とした。

報道によれば、対中国武器輸出はEUと、中国に向け兵器販売をしないアメリカとの間に摩擦を生じさせている。

報道は、世界第2の軍事費支出国である中国は3月に国防予算支出が去年に比べ12.2%増加したことを発表した、とする。中国の軍事費は連続数年2桁の伸びを保持している。EUの年次貿易報告は、2012年までの10年間、EUの武器メーカーが獲得した対中国武器輸出許可証の金額は30億ユーロだった、とする。最新の資料は、2012年にEUが中国に対し輸出した武器の金額は1.7億ユーロで、このうち80%超はフランスから来ていることをはっきり示している。あるフランス議会の報告は、同国は中国に向け金額1.04億ユーロの武器を輸出済みであるとしている。

ストックホルム国際平和研究所の研究人員は、この金額のうち大部分は、中国で同国のために生産される軍用エアバスヘリから来ている、とする。その他のEUメンバー国が発する許可証には、イギリスが批准した金額300万ユーロのスムーズボア武器と部品(頑住吉注:戦車砲ですかね)、およびオランダが批准した金額1,800万ユーロの戦闘艦あるいはその部品が含まれる。ストックホルム国際平和研究所は、中国の去年の武器輸入は主にロシア由来で、フランス、イギリス、ドイツの武器は18%を占める、と見積もっている。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「中国の艦船用ディーゼルエンジン」)

報道は、中国は軍事大国に発展しつつある、とする。中国は平和的に勃興しようとしており、武装は自衛に用いるとしているが、中国と隣国の関係は近年来日増しに緊張し、相手は特に日本である、とする。専門家は、もし中日のいかなる一方が判断ミスをしても、情勢の危険なエスカレートがもたらされる可能性があるとさえ警告している。

報道によれば、去年日本は中国の「江衛」II型護衛艦1隻が論争ある島嶼付近で火力コントロールレーダーで日本の駆逐艦を照準したと非難した。中国はこの批判を否認している。軍事専門家は、「江衛」級護衛艦に装備されるのはドイツのエンジン・タービンエンジン連合有限会社(頑住吉注:Motoren und Turbinen Union GmbH)が生産するディーゼルエンジンであると信じている。

報道は、エンジンは「民間用および潜在的軍用」両用製品の輸出とされ、このためEUの対中国武器禁令の制約を受けない、とする。北京は過去10年内に一定数のこのような製品を購入済みで、これには戦闘機設計のソフトウェアが含まれる。

分析者は、ドイツのエンジンは騒音が小さいために歓迎を受けており、事実として中国が南海に配備するあらゆる通常動力潜水艦と一部の護衛艦がドイツのエンジンを装備している、とする。

平可夫は中国・フランス合同生産協議を例に説明する。「中国は民間用の名目でフランスのヘリ用エンジンを購入し、しかる後にこれらのエンジンを軍用ヘリに転用して配備する。もし(中国が)中型ヘリであるEC-175をいかにして製造するかを知れば、彼らは直ちにいかにして軍用輸送ヘリを製造するか知ることになるだろう。」

アメリカ大西洋理事会軍事分析員のクリフは、中国の新たな軍用ヘリがヨーロッパの飛行機メーカーであるエアバス社の設計水準に「グレードアップされたようだ」ということに注意を向けている。エアバス社はフランス通信社の質問をそのヘリ部門に回したが、この部門はなお回答をしていない。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「中国の544『四平』号護衛艦の主砲は、フランスから導入した100mm金抽型火砲である可能性が極めて高い。」です。この方面知識ないんで「金抽」が意味による訳なのか発音による訳なのかすら分かりません。ちなみに機種は053H1Gです。)

アイルランドのリムリック大学ヨーロッパ研究責任者アンドレイ ルッソはヨーロッパの両用武器輸出の統制に対し「非常に緩く、極めて放任的だ」とする。分析者は、ヨーロッパ諸国はジレンマに陥っている、と語る。「中国は今太平洋やその他の場所で安定に対しより多くの脅威を構成している」 アンドレイ ルッソは分析し、「我々は自分たちの一部の競争能力を放棄してより多くの安全を獲得する必要があるのかもしれない」と考える。

分析者は、武器輸出はEUとアメリカの間の関係の関係の緊張をもたらす、と語る。ストックホルム国際平和研究所は、アメリカは近年来中国に向け武器を輸出したことが全くない、とする。中国国防部はこれについてのコメントを拒絶している。

イギリスの非政府組織「武器貿易反対運動」メンバーのアンドリュー スミスは、「EUは人権と民主主義の宣揚という基礎の上に建立されていると考えられているが、こうした価値観は逆にしばしば武器メーカーの短期的利益ゆえに軽視されているのだ。」と語る。

イギリスのエセックス大学EU政策専門家ケールシェナは、東アジアの緊張した情勢は、輸出が最終的にはEUの利益に損害を与えるだろうことを意味している、と考える。

一部の批評家は、もし人民解放軍が明日すぐに開戦したら、彼らはドイツ、フランス、イギリスの武器がいっぱいに詰まった武器庫を使用することになる、と言明する。

(頑住吉注:3ページ目)中国がフランスから導入したドルフィンヘリ

(頑住吉注:4ページ目)中国の035型「明」級潜水艦。伝えられるところによれば、このタイプの潜水艦の改良型はフランスのソナー設備と総合戦闘指揮システムを採用している

(頑住吉注:5ページ目)秦嶺エンジンはイギリスのロールスロイス社から生産パテントを導入したダブル回転子内外涵混合アフターバーナー式スペイMk202ターボファンエンジンの国産化型で、飛豹系列機が選択使用する動力装置である。

(頑住吉注:6ページ目)ET52はイタリアのAlenia社のA.244S「Whitehead」小型魚雷の中国によるコピー生産型で、中国は1980年代中期に獲得した。

(頑住吉注:7ページ目)中国の旅滬級駆逐艦が最初に装備した曳航式ソナー。フランスから導入したとされる。


 天安門事件以前に導入されたものがごっちゃに出てきますけどそれはしかたないんで、いまだに中国に民間用という建前で事実上の武器輸出をしているのが大問題なわけです。安倍首相がオランドと会談したそうですが、こうした件はどの程度話してくれたんでしょうかね。





















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